【カメラ】「Nikon D750」「CANON EOS 7D MarkⅡ」発表/ファンの明暗分かれる
日本の二大カメラメーカーであるキヤノン(CANON)とニコン(Nikon)。
9月12日にニコンが「D750」
http://digicame-info.com/2014/09/fxd750.html
9月16日にキヤノン「EOS 7D Mark II」を、
http://digicame-info.com/2014/09/eos-7d-mark-ii-21.html
相次いで新作デジタル一眼レフカメラの発売を正式発表しました。
( ※9/20 NikonD750発売記念イベント「Nikon Digital Live 2014」 速報 )
共に「7」という数字を名称に持つカメラ。
ボディ本体の小売り価格も、どちらも20万円ほど。
とはいっても、イメージセンサーのサイズの違うので、単純に同クラスともいえないのですが、
大別すれば、共にミドルクラスのハイアマチュア向けカメラというところでしょう。
さて、この発表をめぐって、両社のユーザーが悲喜こもごも、明暗が分かれています。
もちろん、色々な反響がありますが、総じていうと、
お祭り状態のキヤノンファンに対して、
お通夜・・・というより、抗議集会状態のニコンファンというところなのです。
状況を少し説明しましょう。
発表順とは逆ですが、キヤノンから先に記した方がわかり易いのでそうします。
CANON EOS 7D Mark Ⅱ (11月上旬発売予定)
名称から一目瞭然ですが、「EOS 7D」というカメラの後継機です。
2009年10月の発売で、動体、つまりスポーツや航空機、野鳥撮りなどに強く、
フルサイズよりは少しイメージセンサーの小さいAPS-Cサイズですが、
モンスターと呼ばれ、多くのユーザーを獲得しました。
熱心なユーザーが多く、以前より後継機の登場が待たれていましたが、
今回5年ぶりという、デジタルの分野ではかなり長いサイクルを経て、
新商品が誕生したのです。
そして、発表されたスペックも、期待を裏切らないものでした。
つまり、たいぶ待たせはしましたが、熱烈なファンの期待に応えた、ということです。
この7D2のケースと比較すると、ニコンファンの落胆というのが、判り易くなります。
Nikon D750 (9月25日発売予定)
ニコンには2008年に発売された「D700」というフルサイズ機がありました。
すでにディスコン(生産終了)になっています。
その後、オリンピックイヤーの2012年にニコンはフラッグシップのD4に加え、
フルサイズのD800とD600を発売しました。
共にD700とは少し性格が違うカメラで、既に両機種ともマイナーチェンジされ、
D810とD610が登場しています。
今回、D750というネーミングのカメラが発売されるということで、
D700のユーザーからすれば、当然D700の後継機だろうと予測したのです。
が、しかし、その期待通りにいかなかった、いうことなのです。
しかも、その直後にキヤノンが7Dの正統な後継機といえる7DⅡを出してしまったから、
よけいそう思えてしまうのです。
では具体的にD750の何が問題なのか?
D700後継を望んでいたファンの期待は主に、7Dと同じ動体撮影に向いていました。
しかし、発表されたスペックを見る限り、シャッタースピードと連写撮影の数値が期待通りではありませんでした。
これは、事前にはもう少し高いスペックの噂が流れていたので、余計落胆が強かった面もあるでしょう。
加えて、全体の作りがフルサイズのエントリー機(入門機)であるD600系に近く感じられる点も、
不満要素のひとつかも知れません。
そして、もうひとつ囁かれている推論があります。
D600という機種は廉価なフルサイズ機として発売されたのですが、
センサーへのゴミ付着の不具合があり、早々とほぼその点のみを改善したD610が発売されました。
D750は本来ならD600の後継機として開発されていたのを、
不具合の為に一部だけ変えたD610を発売してしまった為、
700番台として発表したのではないか、との見方がされているのです。
これも、有り得なくはないかなとは思います。
そして何より、D700の後継とはいえないD750にこの名前を付けてしまったら、
今後、正統な後継機が出る可能性は低くなったようにも思えます。
しかし、元々D700と無縁の人間からすれば、D750もなかなか魅力的です。
特に私のようなフルサイズ初心者・初級者からすると、
進化したAFと高感度、また可動式液晶(チルト液晶)の採用。
初値の20万円も、少し前までのフルサイズ機の価格を思えば無茶ではないし、
この時点でそうなら、発売後はもう少し下がる可能性もあるでしょう、
それに、微妙な問題ですが、7DⅡの評判がよければ、更に下がる要因になるでしょう。
価格的にも魅力あります。
もちろん、7DⅡは凄いカメラだと思います。
ただ、こと高感度耐性については、APS-Cはフルサイズにどうしても敵いません。
それを承知の上で、キヤノンはファンに応えるべく、APS-Cモンスターの二代目を出しました。
一方、ニコンはフルサイズカメラへの撒き餌を出してきたというところでしょうか。
他社を含めて、APS-C一眼のユーザーの引き込みを狙っているのかも知れません。
動き物でも、航空機や野鳥メインの方は、それほどの高感度は必要ないし、
望遠の画角でAPS-Cの優位性もあり、7DⅡはベストのカメラなのでしょう。
しかし、私のように屋内スポーツメインだと、高感度性能に求める比重が大きく、
なまじフルサイズに手を出してしまった今では、APS-Cには触手が動きません。
と、拙い知識と憶測で色々書きましたが、
一部実写サンプルも出回っているとはいえ、画質の評価はこれからだし、
動体撮影で重要なオートフォーカス(AF)の精度について、
その他使い勝手についての論評もまだこれからです。
大いに注目しています。
Old Fashioned Club 月野景史
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