『忘れじの国際プロレス』 幻の 高田馬場本社オフィスの“跡地”を辿る
昨日のブログで紹介したムック本
『忘れじの国際プロレス 国際プロレス解散から33年。語り継がれる魂の物語』
B.B.MOOK 1018 ベースボール・マガジン社
その中にこのようなページがありました。
「ゆかりの地探訪(1) 東京・高田馬場本社跡」
国際プロレスの本社オフィスのあった場所を訊ねようという企画です。
同社の事務所は2回移転しています。
最初が青山、そこから渋谷に移転、最後のオフィスは新宿区の高田馬場にありました。
国際プロレスと高田馬場
当時の私にとって高田馬場は未知の地でしたが、
同社の記者会見は高田馬場駅前のBIG BOX(ビッグボックス)という、
現存する施設で行われることが多く、当時の専門誌でもよく紹介されましたので、
「国際プロレス=高田馬場」というイメージは持ってました。
BIG BOXは西武新宿線高田馬場駅の駅ビルの位置づけで、ショップやスポーツクラブが入っています。
昔は上階に宴会場・イベントスペースがあり、記者会見等はそこで行われていたようです。
今は当時と同じスペースはありません。
※高田馬場に事務所があった時代、道場兼合宿所は大宮にありました。これもよく知られています。
最末期、タクシーが突っ込んで全焼するという災難に見舞われたせいが大きいのですが。
本社跡地 そこは違うのでは?
さて、今回の誌面では、事務所のビルがあった“跡地”として、
最近撮影されたらしい写真が掲載されています。
私は今、高田馬場近辺在住ですので、この写真の場所はすぐわかりました。
ただ・・・、ちょっとおかしいのです。
実は以前、ネットの「昭和プロレス研究室」に付属する「昭和プロレス掲示板」で、
やはり国際プロレスのオフィスはどこにあったか?という話題になりました。
その際、当時を記憶している方の証言もあり、場所も特定されました。
その場所と、今回の誌面で紹介された場所が違うのです。
徒歩で3~4分、距離にして150~200mほどでしょうか。
結構離れています。誤差の範囲内とはいえないでしょう。
どちらかが誤りの可能性が高いですね。
そこで、改めて調べてみました。
前述の昭和プロレス掲示板以外にも、ネット上に関連の記述はいくつかあり、
総合的に判断して、どうも今回誌面で紹介された場所は間違いのようです。
本当の跡地は?
今回の記事では、事務所の入っていた「原田ビル」自体がなくなっており、
その近隣も含めた跡地に、今は大型のビルが建っている、としているのですが、
実は、国際プロレスの事務所が入っていたビルは現存します。
ただ、ビルの名前が変わっていて、今は「新陽ビル」となっているのです。
そこは、JR及び西武線の高田馬場駅から、
早稲田通りを早稲田方面に向かって250mほど進んだ通り沿いの左側。
1階にdocomoとTSUTAYAとマツキヨ、地下にルノアールが入ってるビルです。
ここが本当の跡地です・・・。
ビルは同じなのだから“跡地”はおかしいかもしれませんが。
国際プロレスはこのビルの4階にあったようです。
路面の店舗はいずれも新しいですが、地下のルノアールは古いようで、
ネット上には、国際プロレスが入っていた時代からあるような記述も見られます。
(追記:2017年時点で地下のルノアールは閉店。別のコーヒー店になっています。)
本に載った場所は・・・?
それでは、今回の誌面に掲載された写真はどこを撮ったものなのか。
そこは、やはり高田馬場駅から早稲田通りを早稲田方面に向かうのですが、
本当の跡地である新陽ビルのだいぶ手前の細い路地を左折して、少し下った所です。
このあたりです。
実はこのビル自体は新陽ビルと同様に早稲田通り沿いに建っています。
ですので距離はちょっと離れていますが、新陽ビルとは“並び”にあるのですが、
あえて大通り側から撮らず、わさわざ路地に入って裏側を撮ったようです。
なぜそうしたのか? 意図は不明。
この記事の取材者の方は、私と同様にリアルタイムでオフィスの場所は知らず、
住所・番地を頼りに調べて、誤ったのではないかと思います。
ネット検索すれば、ビル名が変更されている事など、
ヒントとなるページは結構ヒットしますので、ちょっと残念でしたね。
そして、私も出版社の人間なので、
ネットと違って、一度出てしまったら修正のきかない出版物の怖さ、
改めて実感しました。
Old Fashioned Club 月野景史
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