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2013年12月24日 (火)

【美術】マネ『オランピア』12/21『美の巨人たち』/近代絵画の父の“スキャンダラス”な傑作

2013年12月21日放送のテレビ東京系『KIRIN~美の巨人たち~』のテーマ作「今週の一枚」は、
エドゥアール・マネ『オランピア』でした。

Photo_5
「近代絵画の父」、また「印象派の父」とも呼ばれた19世紀フランス絵画の、
そして美術史上の巨匠、エドゥアール・マネの傑作『オランピア』。
実は、1865年にパリ中を騒がせた絵画史上最もスキャンダラスとも言われる作品です。

たしかに蠱惑的なヌード画ですが、
裸婦を描いた絵はもっと昔から沢山ありますし、
何故、この絵がスキャンダラスな扱いを受けたのでしょう。

実際、この絵にも元ネタとなった古典作品があります。

Photo_2
ティツィアーノ『ウルビーノのヴィーナス』(1538年)
ベネツィアルネサンスの巨匠ティツィアーノの代表作。

また、『オランピア』と同時代にはこんな作品もあります。

Photo_3
カバネル『ヴィーナスの誕生』(1863年)
こちらの方がよほど官能的に思えますが、
官展側の巨匠のアカデミズム絵画として認定されています。
なぜ、これらの絵は名作で、『オランピア』は問題作だったのでしょう。

タイトル通りですが、例に挙げた2点はいずれもヴィーナスを描いています。
ヴィーナスはギリシャ・ローマ神話における美の女神。
つまり、神話をテーマにした歴史画に分類されるのです。

この二点ように、西洋絵画で裸婦が描かれる場合は、
神話や聖書、あるいは古典文学等がテーマであることが不文律だったのです。
(聖書でヌード画はなさそうに思えますが、旧約聖書には結構あるのです)


それに対してマネの絵は?
「オランピア」も神話の登場人物の名のように勘違いしてしまいそうですが、
当時のフランスで「娼婦」を指す言葉だったようです。
長い間守られてきたタブーを破り、
現実の女性・しかも娼婦のヌードを描いたマネは、
世間の厳しい非難にされされることになったそうです。

ただし、この話には伏線があります。


エドゥアール・マネ(Édouard Manet, 1832年1月23日 - 1883年4月30日)
パリの高級官僚の家に生まれたマネは、ルーブル美術館に通い、
巨匠たちの模写を繰り返す古典絵画の伝統を尊重する画家でした。
当時、画家として認められる唯一の道がサロンと呼ばれる官展に出品すること。
マネも落選、入選を繰り返しながらサロンに認められることに固執していました。

1863年、マネはこの作品を発表します。

Photo_4
『草上の昼食』(1862-63年)

この作品はサロン(官展)では落選。
落選展に出品するのですが、そこでスキャンダラスだと物議をかもしてしまいます。

実は『オランピア』も、この絵に少し遅れて完成していたようなのですが、
『草上の昼食』への批判から、マネは一旦封印します。
そして2年後、1865年のサロンに出品するのです。

その頃はフランス画壇にも少しずつ変革の波が来ており、
『オランピア』はサロンで入選します。
そう、入選しているのです。
入選したからこそ、人目にふれて非難にされされたわけです。
そんな時代の出来事でした。


なにしろ、美術史的にも大きなポジションを占める絵です。
追求しだしたら、キリがありませんが、
ひとつだけ、番組では指摘されなかったことで、
誤解しやすい点があるので、記しておきます。

オランピア=娼婦を描いてスキャンダルとなった絵ですが、
モデルとなった女性は本当の娼婦ではありません。

女性の名はヴィクトリーヌ・ムーラン
(Victorine Meurent, 1844年2月18日 - 1927年3月17日)
『草上の昼食』のモデルも務めた、職業としての美術モデルで、画家でもある人です。


Old Fashioned Club  月野景史

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