【美術】『金龍山・浅草寺』8/17『美の巨人たち』/本堂 雷門 宝蔵門 五重塔 浅草寺超入門
2013年8月17日放送のテレビ東京系『KIRIN~美の巨人たち~』のテーマは、
建築シリーズ『金龍山・浅草寺』でした。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/130817/index.html
私は仕事で月に2回は浅草を訪れます。
今回はその浅草の、あるいは東京の象徴ともいえる浅草寺の基礎知識がわかる超入門編でした。
保存版といっていいでしょう。
浅草寺といえば、本堂・観音堂、雷門、宝蔵門、五重塔。
勘違いしている方もいるかも知れませんが、雷門は大通り沿い、
本堂のすぐ手前にあるのは宝蔵門です。
上の写真はその宝蔵門です。
宝蔵門のすぐ横手に五重塔がありますね。
これらの建築物は、すべて戦後再建されたものです。
それも鉄筋コンクリートで!
本堂は先の大戦で焼失したのですが、
実はこの浅草寺、飛鳥時代に漁師の兄弟が隅田川で観音像を引き揚げ、
その観音様をご本尊として始まったのが起源とされます。
その時、金の龍が現れたという言い伝えから金龍山と名づけられました。
以来千数百年の歴史があるのですが、記録に残るだけで実に18回も炎上し、
消失のたびに再建されてきました。
その18度目の炎上が昭和20年の東京大空襲というわけです。
江戸時代以前の建造物も残ってはいますが、僅かなのです。
しかし、なせ鉄筋コンクリートで?
戦後、本堂再建に選ばれたのは建築家・大岡實。
木造建築の調査保存に尽力したことで知られます。
大岡は、鉄筋コンクリートで再建すべきだと木造に反対しました。
その理由は「燃えてしまったら何も残らない」。
結局、建築用の巨木が揃わないこともあり、大岡の案が採用されました。
本堂に続いて再建されてのは、浅草のランドマーク、雷門。
風雷神門と言い、その名の通り風神と雷神が出迎えてくれます。
寄進者はかの松下幸之助。
しかし、実は雷門は大戦で焼失したのではないのです。
幕末の火災で焼失しており、以来行事の時のみ仮設の門が作られていただけで、
明治・大正・昭和初期と存在しなかったのです。
知っていましたか?
今回はミステリー仕立ての演出ではありませんでしたね。
勉強になりました。
ところで、今回の案内役を務めた町鳶の親方。
小高三良さんという俳優ですが、失礼ながら、なんだかベテランの事務員のおじさんみたいで…、
まぁ、現代のリアルな職人さんのイメージなのでしょうか。
Old Fashioned Club 月野景史