【美術】スペシャル後編「パリを彩る美しき歴史遺産スペシャル」3/2『美の巨人たち』/二週にわたりパリを満喫
2013年3月2日放送のテレビ東京系『KIRIN~美の巨人たち~』は、
スペシャル後編60分の拡大版「パリを彩る美しき歴史遺産スペシャル」でした。
二週にわたり芸術の都パリを徹底的に満喫したといったところです。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/130302/index.html
前編はノートルダム大聖堂がテーマ。
ここが中世から近世にかけてのパリのランドマークだとすれば、
19世紀パリのランドマークは一気に増えます。
その一つが、というよりもパリの代名詞といっていいかと思いますが、
シャンゼリゼの坂の上にそびえる一際巨大なシンボル、あの『凱旋門』です。
高さは50m、幅45m、奥行きは22m。
日本ではあまり聞きませんが、パリでは『エトワールの凱旋門』と呼ばれています。
どっしりと力強く、安定したイメージながら、門のあらゆる面には細かな装飾が施され、
繊細さと重厚さが共存した、ひとつの作品。
今回の放送では、このパリの凱旋門の成り立ちをじっくりと知ることができました。
建設を命じたのはナポレオンです。
前回放送のノートルダム大聖堂の復興にも大きな役割を果たした人ですね。
そもそもは、1805年にアウステルリッツの戦いでロシア・オーストリア連合軍に
劇的な勝利を収めたナポレオンが戦勝記念に建設を命じた門なのです。
もちろん、ナポレオンの栄誉を称える為のものとしてです。
といっても壮大な建造物、そう簡単にできるものではありません。
その建築中にナポレオンは失脚、幽閉されてしまうのです。
一時は建築作業も中断してしまうのですが、
ルイ・フィリップの復古王政時代に再開され、1836年に完成します。
そしてそれは、ナポレオンのためだけのものではなく、
祖国の為に闘った多くの戦士を称える、パリの、フランスの象徴としての誕生でした。
ではナポレオンは…凱旋門が完成する前に既に死去していたのですが、
完成から4年後の1840年、パリに改葬される際にこの門をくぐったのでした。
今回は凱旋門の他にも、パリで一番古いと言われている劇場『デジャゼ劇場』、
19世紀に街の近代化とともに生まれた鉄とガラス屋根の商店街、パサージュ・ジュフロワ、
そして、多くの画家たちが集った、あのパリ北部の小高い丘・モンマルトルの
頂上にそびえ立つ白亜の寺院『サクレ・クール寺院』などが紹介されました。
日本にいながら、パリの歴史と現在を体感した気にさせてくれる二週間でした。
Old Fashioned Club 月野景史
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