【美術】河西智美さんの写真はヴィーナスとキューピッドのイメージ?
昨日、AKB48の河西智美さんの写真に不適切な点があるとの理由で、
ヤングジャンプが発売延期となった、というニュースについて書きました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/akb48-f53f.html
その問題の、外国人の男の子が河西さんの胸を隠している写真についてです。
今回の件は児童ポルノの問題が絡んでいて微妙な面もあり、あまり突っ込んでは書きませんが、
西洋絵画が好きな方なら、これは神話のヴィーナスとクピドをイメージしているのではないか?
と感じた方もいるかと思います。
ヴィーナス(アフロディテ ウェヌス)は、いわずと知れたギリシア・ローマ神話の美と愛の女神です。
クピド(エロス、アモル)は英語読みのキューピットというとわかり易いでしょう。
弓矢で男女を結びつける愛の神で、羽をつけた幼児、小天使のような姿で描かれることが多いですね。
実はクピドはヴィーナスの息子なのです。
親子なので、一緒に描かれることが多いのですが、
その中には、今回の写真から受けるイメージに近い形で描かれることもあるのです。
そんな絵を少し紹介します。
ブロンズィーノ『愛の勝利の寓意』1545年
マニエリスム期のイタリアの画家ブロンズィーノの代表作。
まさに、クピドがヴィーナスの胸を隠しているかのような構図です。
このクピドは、一般に描かれるよりは、やや年長のイメージです。
ヴィーナスとクピドの姿は官能的にも思えますが、その他にも様々なものが描かれています。
タイトルに寓意とありますが、その意は難解で、議論が絶えない絵です。
レノルズ『ウェヌスの帯を解くピクド』1788年
18世紀イギリスを代表する肖像画家レノルズの作品。
この絵は昨年、東京等で開催された
大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年」に来日しました。
艶っぽいヴィーナス、その帯をほどくクピド、彼女の胸は既にあらわです。
背徳的? そう受け取れなくもないですが、
赤子が母親に甘えているようにも見えます。
Old Fashioned Club 月野景史
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