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2012年12月24日 (月)

【美術】ラファエロ『聖家族と仔羊』/来年来日する名画をクリスマスに紹介

クリスマスらしい絵画を紹介します。

クリスマスといえば、イエス・キリストの生誕の日、
イエスを描いた絵はたくさんあります。
…というよりも、聖書というテーマが西洋美術の基本です。

その中から、タイムリーな絵を選びました。
来年3月から東京上野の国立西洋美術館で開催されるラファエロ展に来日予定の作品です。
ラファエロといえば聖母子像(聖母マリアと幼子イエスを描いた絵)の画家といわれます。
ラファエロ展の看板作品としてそのひとつ、『大公の聖母』が来日予定ですが、
今回はよりクリスマスらしく、母子のみならずイエスのファミリーを描いた絵の紹介です。


Raffaello_the_holy_family_with_a_la
『聖家族と仔羊』(1507年)

ラフェエロ24歳の頃、比較的初期の作品です。
といっても、彼は37歳の若さで亡くなりますので、初期と晩年の差があまりないのですが。

いうまでもなく左側の子羊にまたがる幼子がイエス、その右の女性が聖母マリアです。
では、右側のよぼよぼの老人は…?
マリアの夫、つまりイエスの父親であるヨセフです。

…でも、幼子というより、ほとんど赤ん坊に思えるイエスの父親にしては、
少し年を取り過ぎていませんか? 
立っているいるのもやっという風に見えます。
おとうさんというよりはおじいさん、
それも、イエスの祖父というより、マリアの祖父くらいの年代に感じます。

実はこの絵のように、西洋絵画でヨセフは老人の姿で描かれることが多いのです。
なぜか?

聖母マリアは処女のまま、イエスを身籠ったとされます。
老人姿のヨセフは、そのマリアの処女性の象徴なのです。
これだけヨボヨボなら、子どもが作れそうには見えませんものね。

そういう関係なので、ヨセフはイエスの「養父」と表現されるのが一般的です。


そして、イエスがまたがっている仔羊。
仔羊は宗教儀式の生贄として使われた動物です。
ここではイエスが将来、人々のために犠牲となることを象徴しているのです。
そう思ってみると、マリアとヨセフがイエスを見つめる眼差しも、どこか物憂げに感じますね。

一見、楽しげな家族の情景を描いたように思えるこの絵ですが、
宗教的なメッセージ性もまた強いのです。


では最後にラファエロ展の概要を紹介しておきます。

ラファエロ | Raffaello
2013年3月2日(土)-6月2日(日)

午前9時30分~午後5時30分。金曜日は午後8時。入館は閉館の30分前まで。月曜休館
会場 国立西洋美術館
主催 国立西洋美術館、フィレンツェ文化財・美術館特別監督局、読売新聞社、日本テレビ放送網
後援 外務省、イタリア大使館
http://raffaello2013.com/


Old Fashioned Club  月野景史

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コメント

(*≧m≦*)
先日、クラコレに行って感動冷めやらぬままのテンションで、このブログを見つけました♪
私はまだまだ芸術初心者ですが、これからも素直に感動できる心を大切に、美術鑑賞していきたいと思っています。
更新を楽しみにしてますね(*≧∀≦*)

SAEさん
コメントありがとうございます。
クラークコレクションは得難い展覧会ですよね。
ラファエロ展はご覧になりましたか?

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