【ワイン】ボジョレー・ヌーボー超入門/おなじみのイベント。でもボジョレー・ヌーボーとはなに?
今年もボジョレー・ヌーボーの季節が近づいてきました。
今年の解禁日は11月15日、いつもより少し早めに感じますね。
ボジョレー・ヌーボーの解禁日は「11月の第三木曜日」と決まっています。
今年の11月は1日が木曜なので、最も早いパターンなのです。
ボジョレー・ヌーボー解禁はイベントとして日本でも定着して長いですね。
12月はクリスマス、10月は近年ハロウィンがすっかり定着、
ボジョレーと合わせ、晩秋から暮れにかけて、西洋由来のイベントが続くようになりました。
ところで、ボジョレー・ヌーボーとはそもそも何なのか?
些事は省き、極力簡単にまとめてみました。超概略・入門編です。
ボジョレー・ヌーボー(Beaujolais Nouveau)
日本でもだいぶ前から定着しているのに、表記がバラバラですね。
「ボジョレー」「ボージョレ」「ボージョレー」
「ヌーボー」「ヌーヴォ」「ヌーヴォー」「ヌヴォー」
とりあえず、耳馴染みがあって簡潔な「ボジョレー・ヌーボー」を使います。
ボジョレーとは?
「ボジョレー・ヌーボー」というワインの産地の名称です。
フランスのブルゴーニュ地方のボジョレー地区、というような言い方をします。
ブルゴーニュといえば、同じフランスのボルドーと並ぶ、有名産地ですね。
そのブルゴーニュ地方の一部という認識でいいかと思います。
地域の名称なのだから、その中には多くの蔵元=ワイナリーがあります。
多数のワイナリーが「ボジョレー・ヌーボー」を作るので、
「ボジョレー・ヌーボー」にも多数の種類があります。
ヌーボーとは?
新酒のことです。
つまり、その年に収穫された葡萄で作られたワインです。
これで概要はわかりましたね。
ボジョレー・ヌーボーとは、フランスのボジョレー地区で作られる新酒の赤ワインのことなのです。
新しいのはいいこと?
しかし、ワインというと何十年も前に作られたものがすごく高価だったりするけど、
そんなに早く飲むのがいいことなのでしょうか?
そうですね、古ければいいというものではないし、
種類にもよりますが、やはりじっくり熟成させて…というイメージはあります。
ボジョレー・ヌーボーは本来、その年のぶどうの出来具合を確認する試飲酒として作られました。
早く仕上げるため、通常とは違う工程で作られます。
そう聞くと、そんなにありがたがるものなのか? とも感じますね。
しかし、その年に摘まれた葡萄で作られたワインですから、
それを初めて飲むことは、収穫のお祝い・感謝といった意味合いも含まれます。
そのお祝いの日がイベントとして広まっていったのですね。
このような経緯があるので、「ボジョレーで大騒ぎするのはナンセンス」との言い方もされます。
しかし、ボジョレーに限らず、ワインは赤、白、ロゼ、スパークリング、
軽いものから重いもの、ドライなものから甘いものまで多種多様です。
フレッシュなボジョレー・ヌーボーもそのひとつと考えればいいと思います。
ただ、ボジョレーだけでは寂しいでしょうけど。
葡萄品種
ボジョレー・ヌーボーに使うブドウはガメイ種(ガメ)100%と決まっています。
これは例外はありません。
ガメイはボジョレー以外ではあまり作られてないし、
作られていたとしても、日本で口にする機会は少ない品種です。
飲み口・味
赤ワインというと、重厚な渋みのあるものがありますね。
あの渋みの成分をタンニンといいます。
だいたい、渋みの強いワインは色も濃いですね。
ボジョレー・ヌーボーは熟成をあまりしないのだから、重くはありません。
フレッシュで軽やか、そこが魅力です。
酸味・果実味が豊かで、色は透明感があって美しいですね。
ただし、あまり軽いと感じない人もいるかも知れません。
若いワインならではの酸味を、重さと感じる場合があるのです。
ワインを複数種飲む場合、軽いワイン→重いワインと飲み進むのが一般的です。
普通だと白→赤と進むのですが、ボジョレーの時期は最初はボジョレーで乾杯し、
次にもう少ししっかりした赤ワインをという飲み方がいいかも知れません。
もちろん決まっているわけではないので、一度白ワインに戻ってもいいです。
歴史
ボジョレー・ヌーボーは元々地元住民を中心に楽しまれていました。いわば「地酒」です。
それが1951年、フランス政府によって公式に解禁日が認められ(この時点では11月15日)、
パリを中心にブームとなりました。
更に1970年代、輸送手段の発達により世界中に広まっていったのです。
11月の第3木曜が解禁日となったのは1984年です。
これは、日にちで固定してしまうと、土日とぶつかってしまう年があり、
レストランが休みで売れ行きに影響してしまうから、という事情があったようです。
日本でのボジョレー・ヌーボー
日本では1970年代から輸入が始まり、
輸入数量でいえばバブル期の1980年代後半が最初のピークとなりました。
これはよくいわれますね。「ボジョレー=バブルの遺物」みたいに。
その後、1990年代前半は低迷しますが、後半から再び上昇に転じ、
90年代末にはバブル絶頂期を上回り、2004年に過去最高を記録します。
そして、その後は再度減少しています。
90年代以降の事情はちょっとわかり難いですが、
ワイン文化の一般への浸透と比例してボジョレーも伸びていったが、
やがて、みんなの目が他のワインに行くようになって減少に転じた…、
短絡的すぎるかもしれませんが、そう考えるといいかも知れません。
ワインバー 飲食店にて
近年は日本でも気軽に多種のワインを飲める店が本当に増えました。
新宿ですと、このブログでも紹介したマルゴグループなどがあります。
特に、グラスで多くの種類を飲めるようになったのがいいですね。
競ってより美味しく、リーズナブルなボジョレーを振舞ってくれれば、お客としては嬉しいですね。
解禁にあたって、深夜まで営業している店では、
水曜の24時=木曜の0時な合わせてのカウントダウンも恒例になりました。
特にイベントとしてのボジョレー・ヌーボーを煽る気はないのですが、
普段ワインを飲まれない方も、この機会に一杯、二杯目・三杯目は別のワイン、
といった感じでの楽しみ方をしてもらえればいいのではないかと思います。
家庭にて
酒屋さんのみならず、スーパーやコンビニでも簡単に手に入りますね。
重くないので、料理には合わせ易いと思いますが、
せっかくだから、本やネットで合う料理を研究してみてください。
別に大袈裟なことをする必要もありませんが。
ボジョレー以外のヌーボー
ヌーボー(新酒)というと、ボジョレーが圧倒的に有名ですが、他にもあります。
比較的知られているのだと、ボジョレーに隣接するマコン。
こちらは白ワインです。
ワインバーなどではこの時期、他のヌーボーを置いている場合もあります。
Old Fashioned Club 月野景史
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