« 【速報】オランダの美術館でピカソ、モネ、ゴーギャン、マティスらの名画7点が盗難 | トップページ | 桑名正博さん死去/『セクシャルバイオレットNo.1』 かっこいいロックスター »

2012年10月21日 (日)

【美術】ゴッホ『糸杉』 10/20『美の巨人たち』/晩年の画家が強く惹かれたテーマ

2012年10月20日放送のテレビ東京系『KIRIN~美の巨人たち~』、
テーマ作品「今週の一枚」はフィンセント・ファン・ゴッホ作『糸杉』(1889年)でした。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/121020/index.html

Gogh_001
現在、東京上野の東京都美術館で開催中(来年1月4日まで)の、
「メトロポリタン美術館展 大地、海、空4000年の美への旅」に来日中の絵画です。
例によって、番組本編中ではそのことにはまったくふれていませんでしたが。


フィンセント・ファン・ゴッホ
(Vincent van Gogh、1853年3月30日 - 1890年7月29日 37歳没)
数多い西洋絵画の巨匠の中でも、日本で一・二位を争う知名度を持つ画家でしょう。

しかし、代表的な作品は、その短い生涯の最晩年に集中して描かれています。
1888年に移り住んだ南仏アルル。
そして、翌1989年に入院した南仏サン・レミの病院。
今回のテーマ作はそのサン・レミで描かれました。
厚塗りで、渦巻くような筆致がこの時期の特徴です。


1888年、ゴッホはパリを離れ、アルルへ移住します。
彼はこの地に芸術家の協同体を作ろうと夢見ていました。
そして、それに応じたゴーギャンと共同生活を始めたのですが、
強すぎる個性は衝突を繰り返し、共同生活はわずか9週間で破綻。
そのショックからか、ゴッホは自分の耳を切り落とすという事件を起こしてしまいます。

翌年の5月、ゴッホは自ら望んでサン・レミの療養所、サン・ポール病院へと入院しました。
ゴッホが何の病だったのか、正確には分かっていないようです。
ただ周期的に幻聴、幻視などの発作を繰り返し、
発病すればまともな社会生活を営むことはできない状態だったといいます。

ゴッホは療養所を「動物園」と呼びました。
まるで檻の中に閉じ込められたような所で、彼に出来ることは描くことだけだったのです。
最初は鉄格子越しに見た光景、病院の廊下に差し込む光、塀に隔てられた庭。
やがて、野外での制作も許可されます。
そして後に「ゴッホの散歩道」と呼ばれることになる道の途中にあったのが、糸杉でした。


ゴッホは糸杉に大変惹かれたようです。
今回のテーマ作を皮切りに、糸杉の連作が描かれました。
ちょうどアルルで「ひまわり」をテーマとした連作を描いたように。

ゴッホは、糸杉を題材にした絵を少なくとも7枚ほど描いています。
麦畑の中で、病院の中庭で、人と共に、そして星月夜の中で。
しかし、番組では、最初に描いた今回のテーマ作のみ、
他の作品とは決定的な違いがあると指摘しています。
この作品だけは、人間の生活が描かれていないのです。
糸杉はゴッホ自身の姿、
後ろに寄り添うように立つもう1本の糸杉は、
ゴッホの唯一の理解者であった、弟テオを投影した姿との解釈でした。

ゴッホはその痛ましい最期もあって、語るのが難しい面があります。
空に向かって伸びゆくような糸杉に、自分と弟との希望を託したのでしょうか。


Old Fashioned Club  月野景史

« 【速報】オランダの美術館でピカソ、モネ、ゴーギャン、マティスらの名画7点が盗難 | トップページ | 桑名正博さん死去/『セクシャルバイオレットNo.1』 かっこいいロックスター »

03.美の巨人たち (TV東京系)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/562700/55946402

この記事へのトラックバック一覧です: 【美術】ゴッホ『糸杉』 10/20『美の巨人たち』/晩年の画家が強く惹かれたテーマ:

« 【速報】オランダの美術館でピカソ、モネ、ゴーギャン、マティスらの名画7点が盗難 | トップページ | 桑名正博さん死去/『セクシャルバイオレットNo.1』 かっこいいロックスター »

フォト
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ