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2012年7月 7日 (土)

【昭和プロレス】Gスピリッツvol.24「力道山vs木村政彦」/遠藤光男氏の国際プロレス回顧論も

レトロプロレスファンには待望のプロレス専門誌「Gスピリッツvol.24」が、
6月27日に発売されました。
三ヶ月に1回の発行ペースですね。

Gs24

しかし、発売から10日経つのにPC公式サイトには最新号の情報無し。
http://www.tg-net.co.jp/gs/

携帯サイトは更新されていますが。
http://bemss.jp/g-spirits/


今回のメインは「総力特集 力道山vs木村政彦」
日本プロレス草創期の1954年(昭和29年)に行われた伝説的な試合です。

この試合については昨年2011年9月、増田俊也氏による書籍
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』が新潮社より発売されてベストセラーとなり、
試合そのものも改めて注目されました。
映像もネットで観ることができます。





今回の特集は24人ものプロレスラーに試合映像を見せて、
この試合を語ってもらうという趣旨です。

登場するレスラーも古くはユセフ・トルコから、
藤波辰爾、グレート・カブキ、キム・ドク、初代タイガーマスク、大仁田厚、天龍源一郎、
前田日明、武藤敬司、馳浩、更には曙まで、幅広い世代です。

レスラーの主観を大量に載せる一方で、本誌としてはこの試合にほとんど切り込んでいません。
その姿勢には賛否あるところかも知れません。

力道山vs木村政彦戦、及び本誌の特集については、また改めて書きたいと思います。


今回、私が最も注目したのは連載企画
「実録・国際プロレス」第14回、遠藤光男氏のインタビュー。

遠藤氏は国際プロレス末期の1978年から81年にレフェリーを務めました。
元ミスター日本の遠藤氏は当時既にボディビル界の重鎮で、ジム経営者でもあり、
国際プロレスには“客分”といったポジションでの参加でした。
功成り名を遂げた外部の人の目で、しかし内部に入ってレスラーと寝食を共にした、
そんな立場での実に貴重な証言です。

遠藤氏はその後も現在に至るまでプロレス界との関係を持ち続けていますが、
国際プロレスについて語ったとはあまり聞きません。
黒歴史としてなかったことになっている、そんな言い方さえされてきました。

今回の記事を読む限り、そんなことはまったくないですね。
ただ、遠藤氏は後年、北尾光司(元横綱双羽黒)のプロレス入りにも関わっているのですが、
その件については後悔もあるようです。

遠藤氏の証言は興味深いものでした。
私は遠藤氏が国際プロレスにいた頃が、最も熱心なプロレスファンだった時期なのですが、
遠藤氏が国際プロレスのレスラーや関係者、また外人レスラーとどう関わっていたのか、
ほとんどわかりませんでした。
その一旦を垣間見ることができました。
アンドレ・ザ・ジャイアント、オックス・ベーカーらと写したスナップも貴重でした。
充分、というには頁が足りませんでしたが。

この件も改めて書きたいくらいです。


その他にも以下のような特集があります。

■【特別企画】ルー・テーズ 936連勝の真実

■追悼――永遠のプロレス少年 竹内宏介氏を偲ぶ
清水勉(週刊ゴング2代目編集長)×小佐野景浩(週刊ゴング3代目編集長)

■【G SPIRITS BOOK 発刊記念企画】
対談――ゼロ年代の新日本プロレスvsK-1
上井文彦(元・新日本プロレス執行役員)×谷川貞治(元・K-1イベントプロデューサー)

■回想――上田馬之助と過ごした日々
「猪木さんより上田さんの方が強かったんじゃないかと思うよ。俺にとっては優しい先輩であり、プロレスの先生だったね」
  ――ケンドー・ナガサキ

いずれも興味深いですが、竹内宏介の追悼記事については、
期待したほどのスペースは取られていませんでした。

まぁ、今回はやはり力道山vs木村戦がメインなので、
そこに興味がもてるかどうかが、購入が否かのポイントでしょうね。


                                                                               Old Fashioned Club   月野景史


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