【美術展】「マリー・ローランサンとその時代展 ~巴里に魅せられた画家たち」ニューオータニ美術館/ローランサン美術館最後の企画展
東京四谷駅近く、紀尾井町あるホテルニューオータニ内のニューオータニ美術館にて、
「マリー・ローランサンとその時代展 ~巴里に魅せられた画家たち」展が開催中です。
マリー・ローランサンとその時代展 ~巴里に魅せられた画家たち
2012年 7月14日(土)~9月30日(日)
前期:7月14日(土)~8月19日(日)
後期:8月21日(火)~9月30日(日)
主催:ニューオータニ美術館
共催:マリー・ローランサン美術館、高梁市成羽美術館、一宮市三岸節子記念美術館、神戸市立小磯記念美術館
後援:全国美術館会議 フランス大使館
マリー・ローランサン
(Marie Laurencin, 1883年10月31日 - 1956年6月8日)
20世紀前半に活動したフランスの女性画家・彫刻家。
エコール・ド・パリの画家の一人として知られます。
一般に「エコール・ド・パリ」とは、外国から、あるいはフランスの各地から、
パリに集まってきた芸術家のことを指すので、
パリジェンヌであるローランサンはちょっと微妙なのですが、
エコール・ド・パリの画家達の仲間として語られることが多いですね。
マリー・ローランサン美術館
マリー・ローランサンは日本でも古くから人気のある画家です。
ローランサンの生誕100周年にあたる1983年には、長野県茅野市の蓼科湖畔に、
世界でも唯一のローランサン専門の美術館である、
「マリー・ローランサン美術館」が開館しました。
収蔵点数は500点余りを数え、30年近くに渡って親しまれましたが、
残念ながら昨年、2011年9月30日をもって閉館しました。
本展は同館最後の企画展として開催された催しで、
その後、岡山、愛知、兵庫を巡回、この東京展が最後となるようです。
http://greencab.co.jp/laurencin/news/rent.html
本展はタイトルにも「巴里に魅せられた画家たち」とあるように、
ローランサンオンリーの展覧会ではありません。
ローランサンの活動を中心に、第一次世界大戦後の1910年代から30年代と、
それに先立つ20世紀初頭のパリの美術動向にスポットをあてて、
各国からパリに集った個性あふれる画家たちの姿が紹介されています。
多くの芸術運動が興った19世紀末から20世紀前半のパリ。
華やかな色彩に愁いを秘めた女性像で知られるローランサンもこの地で活躍しました。
そして、この時代のパリには、世界各地から芸術を志して様々な出自を持つ人が集まります。
そこには、日本から渡っていった多くの才能豊かな青年たちも加わりました。
彼らは刺激を与え合いながら、パリという環境に個性を育まれて成長を遂げていったのです。
という主旨なので、展覧会は三部構成です。
1.マリー・ローランサンの作品
2.同時代のパリで活躍した外国人画家の作品
ルオー ユトリロ キスリング ドンゲン ブラマンク ドランら
3.同時代のパリで活躍した日本人画家の作品
藤田嗣治 児島虎次郎 佐伯祐三 荻須高徳 荻須高徳 三岸節子ら
『三人の若い女性』マリー・ローランサン(1953年頃)
本展の看板作品。
60歳を迎えようとしていた頃に描き始め、
10年近い歳月をかけて死の数年前にようやく完成させた晩年の大作です。
ですから、本展のテーマとなる時代の作品ではないのですが、
美しい色づかい、瑞々しく愛らしい女性達、若い感性は衰えを感じさせません。
Old Fashioned Club 月野景史
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