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2012年7月30日 (月)

【美術】7/28放送『美の巨人たち』小磯良平作『斉唱』/開戦前夜の美しき歌声

7月28日放送のテレビ東京系『美の巨人たち』のテーマ作品「今週の一枚」は、
小磯良平作『斉唱』(1941年)でした。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin//backnumber/120728/index.html


Seishow_2

小磯良平
(こいそ りょうへい、1903年7月25日 - 1988年12月16日)

東京美術学校在学中から天才として注目を浴びてきた画家です。

在学中の作品が当時最も権威のあった「帝展」で見事特選の快挙。
さらに、学校の卒業制作でも史上最高得点を獲得し、首席で卒業。
その後は芸術の都パリに留学、巨匠たちの名画を研究し、西洋美術の神髄を学びます。
帰国後、小磯は同志と共に新制作派を立ち上げ、日本の洋画壇を牽引していきました。

『斉唱』はその小磯が38歳の円熟期に描いた代表作。
描かれているのは黒い制服に身を包んだ9人の女学生。
涼やかな合唱の歌声を響かせています。

しかし、この絵が描かれたのは、激動渦巻く太平洋戦争開戦前夜のことでした。
ですが、この作品からは戦火の不安も世相の混沌も全く伺うことが出来ません。
あるのは、ただひたすらに少女たちが歌う姿のみです。

ただ気になるのは、この少女たちの表情です。
どの顔も不思議なほど似通っていいます。
画家はなぜ少女たちを同じ顔に描いたのでしょうか?
画家がこの絵で表現したかったものとは…?


…というのが、今回の番組の切り口でした。

この絵の制作に先立つ1937年、
小磯は日中戦争に、戦意高揚の国策の元、従軍画家として戦地に赴きます。
西洋絵画でも戦争を描いた歴史画は制作されてきました。
小磯は歴史の浅い日本洋画に進歩にとって、
戦争画の制作はプラスになると考えたようです。

結果として戦意高揚に加担してしまったことを、後年小磯は後悔していたといいます。
番組で紹介された小磯の絵は、戦争を美化したようなものではありませんでしたが。

番組では、その後悔を籠めて描いたのが『斉唱』であるとの捉え方でした。
一方で、『斉唱』を描いたのと同じ1941年、
更に翌1942年に描いた戦争画も紹介されており、
そのあたりの関係はちょっと解り難かったですが。

もうひとつ、取り上げられたのは描かれた少女達の並び方です。
斉唱をしている筈なのに、バラバラの方向を向いて立っているのです。

『斉唱』のモデルとなったとされている神戸の松蔭高等学校の女子学生達です。
番組では同校の現役コーラス部員の生徒達に、絵と同じように並んでもらって検証していましたが、
やはり、実際には結構無理のある並び方のようです。


Seishow_001jpg
松蔭高等学校の現役コーラス部員たち(番組公式サイトより)
残念ながら、『斉唱』と同じように並んだ写真は掲載されてません。


小磯は一人ないし二人のモデルに様々の方向を向かせて写生し、
それを組み合わせるように描き上げたともいいます。
だから、女子学生達が似た顔をしているのですね。

音楽を絵で表現するのは難しい。
小磯の工夫が色々と籠められているようです。


Old Fashioned Club  月野景史

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