【美術展】ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年」国立西洋美術館/6月13日に開幕
1月にこのブログで2012年上半期の、東京の三大国公立美術館である、
国立西洋美術館、国立新美術館、東京都美術館の大型企画展をまとめて紹介しました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/2012-672b.html
◆国立新美術館 (六本木)
大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年
2012年4月25日(水)-7月16日(月)
◆国立西洋美術館(上野)
ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年
2012年6月13日(水)-9月17日(月)
◆東京都美術館(上野)
マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝
2012年6月30日(土)-9月17日(月)
一番最初の「大エルミタージュ美術館展」は現在開催中です。
そして二番目の「ベルリン国立美術館展」は開催まで後2週間と少しにせまり、
概要も明らかになってきています。
今日はこの展覧会を展望します。
ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年
2012年6月13日(水)-9月17日(月)
国立西洋美術館(上野)
主催:国立西洋美術館、TBS、読売新聞社
後援:ドイツ連邦共和国大使館、BS-TBS、TBSラジオ、J-WAVE
*本展は開幕しました。観賞後の感想などはこちら↓
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/400-bb6a.html
TBSと読売新聞、系列の違う大マスコミが組んでの主催です。
以下は国立西洋美術館の開催概要からの引用です。
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2012berlin.html
☆☆☆
芸術的想像力あるいは造形感覚というものは、ある程度は伝統や教育に負うものと解釈されがちです。
しかしそれでもなお、ヒトのDNAに埋め込まれていたのかもしれない南北ヨーロッパの造形感覚の違いを
目の当たりにする時、古代以来の複雑な西ヨーロッパ文化の奥深さや歴史の重みをひしひしと感じることがあります。
今回ベルリン国立美術館と共同で開催する「ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年」は、
イタリア絵画や彫刻と、北方絵画や彫刻を同時に見ることにより、歴史とともに成熟したヨーロッパ美術の流れを
肌で感じ取ることができるような構成にしています。
デッラ・ロッビアの優美な聖母とリーメンシュナイダーの素朴ながらも人を魅了して止まない木彫、
フェルメールとレンブラント、白い羊皮紙の上に描かれたボッティチェッリの簡素にして妖艶な素描、
情念ほとばしるミケランジェロの素描など、絵画、彫刻、素描など合わせて107点をご覧いただきます。
どうぞお楽しみに。
★★★
そのまま引用しましたが、いきなり難解な文章から始まっていますね。
宣伝文としては少しわかり難いです。
では、次に展覧会の公式サイトから主催者の挨拶文を引用します。
前回のブログでは抜粋しましたが、今回は全文です。
http://www.berlin2012.jp/tokyo/index.html
☆☆☆
国立西洋美術館 本展は、ベルリン国立美術館のうち、絵画館、彫刻コレクション及び素描版画館から
イタリアや北方の絵画と彫刻、さらには優れたイタリア素描の傑作を集めて企画されています。
一見すると美術史の概説的な展覧会に見えるかもしれません。実際、ベルリン美術館のコレクションの規模は
百科全書的な規模で、ヨーロッパ美術の通史を概観するには余りある内容と規模を誇っています。
しかし、その背後には非常に重要な意図が隠されています。
19世紀にプロイセン帝国の首都ベルリンに国立美術館・博物館が誕生してから、
プロイセン帝国の美術品コレクションは、その強大な経済力を背景として次第に類を見ない規模となり、
国家的作品蒐集事業は、ヨーロッパ各国の美術館・博物館制度の範となりました。
本展は15世紀から18世紀までのヨーロッパ美術を、イタリアと北方の美術を比較しながら観ることのできる展覧会です。
そこには絵画のみならず、 15~16世紀のドイツを代表するリーメンシュナイダーの木彫や、フェルメール、
さらにはベルリン素描版画館の誇るボッティチェッリの素描など、優れた作品が出品されます。
ベルリン国立美術館は、プロイセン帝国時代の国家事業として人類学的観点からの作品蒐集と研究の時代を経た後、
二度にわたる大きな戦争に翻弄されながら、戦争を乗り越え、東西ドイツの統一を果たした今、新たな未来を見据えて生まれ変わろうとしています。
本展ではベルリン美術館形成期の理念と新たな未来を目指した現在の姿とを見据えることで、
これからの美術館のあり方を考えるきっかけとなるかもしれません。しかしその前に、まずは素敵な出品作品の数々を、
国立西洋美術館と九州国立博物館で、純粋に皆様に楽しんでいただけますよう、主催者として鋭意準備をしている次第です。
★★★
展覧会の概要としてはこちらの方がわかり易いですが、少し長すぎますね。
しかも同じ言葉を続けて使っていたりと、あまり文章が上手くないですね。
まぁ、私に言われたくはないでしょうが。
展覧会は以下6つの章からの構成です。
第1章 15世紀 宗教と日常生活
第2章 15~16世紀 魅惑の肖像画
第3章 16世紀 マニエリスムの身体
第4章 17世紀 市民と戦士
第5章 18世紀 啓蒙の近代へ
第6章 魅惑のイタリア・ルネサンス素描
これを見ても、タイトルにある「ヨーロッパ美術の400年」が、
15世紀から18世紀であることがわかります。
それにしても、各章の見出しをみて、少し小難しい印象を受けませんか。
そういえばこの展覧会、メインタイトルに「学べる」という言葉が入っています。
今回は単に美しい絵を観賞するだけではなく、
西洋美術史を勉強しましょう、という提案のようですね。
さて、どんな内容になりますか。
後は本番を観賞して、ということにします。
最後に、公式サイトに掲載されている主な展示作品のタイトルを章ごとに紹介しておきます。
第1章 15世紀 宗教と日常生活
1480年頃 エルコレ・デ・ロベルティ《洗礼者聖ヨハネ》
1500年頃 リーメンシュナイダー《龍を退治する馬上の聖ゲオルギウス》
1500年頃 バルトロメオ・ピントリッキオ《聖母子と聖ヒエロニムス》
15世紀半ば ドナテッロ《聖母子とふたりのケルビム》
15世紀半ば ルーカ・デッラ・ロッビア《聖母子》
第2章 15~16世紀 魅惑の肖像画
1526年頃 アルブレヒト・デューラー《ヤーコプ・ムッフェルの肖像》
1540年頃 ルーカス・クラーナハ(父)《マルティン・ルターの肖像》
第3章 16世紀 マニエリスムの身体
1533年頃 ルーカス・クラーナハ(父)《ルクレティア》
第4章 17世紀 市民と戦士
1616-20年 ディエゴ・ベラスケス《三人の音楽家》
1640年頃 レンブラント派《黄金の兜の男》
1662-65年 ヨハネス・フェルメール《真珠の首飾りの少女》
いわずと知れた本展の看板作品。
しかし、上に引用した文章では作品名を挙げての言及はありませんね。
1660-70年 ヤーコプ・ファン・ロイスダール《滝》
第5章 18世紀 啓蒙の近代へ
1777年頃 ジャン=アントワーヌ・ウドン《魚の静物》
1777年頃 ジェン=バティスト・シャルダン《死んだキジの静物》
19世紀初頭 ジョゼフ・シナール《レカミエ夫人の肖像》
第6章 魅惑のイタリア・ルネサンス素描
1480-95年頃 サンドロ・ボッティチェッリ《ダンテ『神曲』写本》より「煉獄篇第17歌」
1480-95年頃 サンドロ・ボッティチェッリ《ダンテ『神曲』写本》より「煉獄篇第31歌」
1490-95年頃 ルーカ・シニョレッリ《若い女性と若い男性を担ぐふたりの裸体の若者》
1505年頃 ミケランジェロ・ブオナローティ《聖家族》
尚、この催しは東京展終了後、10月9日から12月2日まで、福岡の九州国立博物館で開催されます。
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