【美術展】「宮沢賢治・詩と絵の宇宙 雨ニモマケズの心」そごう美術館/賢治世界をテーマとしたアート展
横浜のそごう美術館において4月22日まで、
展覧会「宮沢賢治・詩と絵の宇宙 雨ニモマケズの心」が開催中です。
宮沢賢治・詩と絵の宇宙 雨ニモマケズの心
2012年3月29日(木)-4月22日(日)
そごう美術館
主催:そごう美術館 NHKサービスセンター
http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/archives/12/0329_miyazawa/
貴重な賢治の遺稿なども展示されているので、
資料展のように思われるかも知れませんが、それは一部で、
全体としては、多くの芸術家達による賢治作品をテーマとした作品展です。
ですので、「美術展」の範疇に入りますね。
その中には棟方志功、高村光太郎ら往年の巨匠の名もありますが、
大半は1980年代、90年代、そして2000年代の新しい時代のアーティストによるもので、
主に挿絵の原画、その数250点ほどになります。
宮沢賢治 1896年(明治29年)8月27日-1933年(昭和8年)9月21日 満38歳没
若くして亡くなった童話作家、詩人。
生前は広く知られることはありませんでしたが、没後まもなく評価が始まり、
いまや日本文学史上屈指のビッグネームです。
『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『注文の多い料理店』『オツベルと象』・・・、
誰でも知っている、といって大袈裟でないくらい有名ですね。
賢治が生まれた年に明治三陸地震、
亡くなる約半年前に昭和三陸沖地震がありました。
岩手県に生まれた賢治の生涯は、天災と凶作に悩まされたものでした。
その苦しい中で、賢治は岩手県をイメージしたといわれるドリームランド、
理想郷イーハトーブを創造しました。
東日本大震災からの復興に向けて歩み出した今、
賢治作品への注目は再び高まっているのかも知れません。
そしてその独自の世界観で綴られた詩や物語は、
今日に至るまで多くの芸術家たちに視覚的・聴覚的インスピレーションを与えています。
本展はそんなアーティスト達の作品を集めた美術展といえます。
一方、賢治の遺稿では、あの著名な詩『雨ニモマケズ』が記された手帳が展示されています。
この「雨ニモマケズ手帳」は賢治の没後半年後の1934年2月16日に東京・新宿で開催された
賢治を偲んでの「宮沢賢治友の会」の席上で発見されました。
この会に招かれた賢治の弟宮沢清六氏が、賢治の遺品である大きな革トランクを持参しており、
その中から会の参加者により見出されたのです。
本展は4月22日まで開催されていますが、
この「雨ニモマケズ手帳」は4月11日(水)までの展示なので、
観賞希望の方はお早めに。
ただ、これがないなら行かない、という程のものでもないとは思いますが。
その他、賢治自身による絵画作品も展示されています。
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