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2012年4月 8日 (日)

【美術】ダ・ヴィンチ『ほつれ髪の女』4/7『美の巨人たち』/巨匠未完の神々しき女性像

昨日、2012年4月7日放送のテレビ東京系『美の巨人たち』のテーマ作品は、
レオナルド・ダ・ヴィンチ「ほつれ髪の女」でした。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/120407/

Da_vinc_003
先日このブログでも紹介したように、
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/bunkamura-0e61.html
東京渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで6月10日まで開催中の、
「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」の看板作品として来日中の
この絵がテーマでした。

この展覧会自体、3月31日に始まったばかりで、タイムリーな特集でした。
しかし、この絵が来日中であることを本編中では紹介しませんでしたね。
一番最後のプレゼントコーナーで、少しだけふれられてましたが。
ちょっと不可思議。前にも似たようなことはありましたが。


レオナルド・ダ・ヴィンチ
(Leonardo da Vinci, 1452年4月15日 - 1519年5月2日)

いわずと知れた美術史上の巨人、のみならず、
科学、建築、発明、ルネサンス万能の天才。

しかし、この時代にしては長寿で、長く一線で活躍したにも関わらず、
残された完成作が10点あまりと極めて少ない。
今回のテーマ作のような未完成作品が多いのです。

といっても、完成品・未完成品の区別も難しくて、
あの『モナ・リザ』でさえ、一部未完成ともいわれています。
番組ではそれを、レオナルドの探究心の強さ故と説明しています。


Da_vinc_003_2
『ほつれ髪の女』(1506-08年頃)パルマ国立美術館蔵

縦24.7cm、横21cmの小さなポプラ板に描かれた女性像です。
わずかに首を傾け佇む伏し目がちの女性。なかなか魅力的です。
神々しくもあり、でも大人の色香のようなものも感じます。

『モナ・リザ』をはじめ、レオナルドの描く肖像画の女性は
しっかりこちらを見ていますが、
しかし、聖母子像における女性、つまり聖母マリアが描かれる際は、
伏し目がちに幼子イエスを視線を向けていることが多いのです。

この『ほつれ髪の女』も伏し目がちに何かに目をやっています。
その視線の先は描かれていませんが、幼子イエスがいるのでしょうか。
となると、この女性は聖母マリア?
充分そう考えられるでしょうね。

もっとも、この女性は何かを見ているというよりは、
思いに耽っているようにも感じられますが。

レオナルドは実の母親と幼い頃に引き離されて育ちました。
彼は母親の対する追慕の心が強かったといいます。
聖母であるかどうかは別としても、レオナルドの理想の母親像だったのかも知れません。


一方で、この絵の女性は『レダと白鳥』のレダの下絵との説もあります。
だとすれば、色香を感じるのも納得できます。
『レダと白鳥』はレオナルドによって描かれたと推測されていますが現存せず、
模写が数点残っています。
開催中の「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展にも、
レオナルド派による模写が展示されています。

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