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2012年3月 5日 (月)

【美術】『美の巨人たち』スペシャル3/3「パリの美の殿堂ミステリー探訪」後編/ルーヴルとオルセーの謎にせまる

2012年3月3日放送のテレビ東京系『美の巨人たち』は、
スペシャル 後編90分「パリの美の殿堂ミステリー探訪」でした。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/120303/index.html

前回は前編で30分スペシャル。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/225-400c.html

今回がスペシャル後編90分。
前回はネタ振りのプロローグ、予告編といった趣きで、
やはり今回が事実上の本編でした。

Orsay_001
オルセー美術館

芸術の都パリの象徴ともいえるルーヴル美術館とオルセー美術館。
所蔵・展示作品で分けると、
ルーヴル美術館は古代から18世紀半ばまでの芸術作品、
オルセー美術館は18世紀半ば以降、近代・現代アートの美術館ということになります。

番組で検証された課題は大きくいえばルーブルとオルセーそれぞれ三つずつ。
パリのみならず、フォンテーヌブローやノルマンディにも足を伸ばして取材が行われていました。

ルーヴル美術館
①ルーヴル誕生のきっかけとなるフランス国王フランソワ一世とレオナルド・ダ・ヴィンチの関係。
②そのダ・ヴィンチの名作『モナ・リザ』の秘密。
③古典芸術の殿堂ルーヴルにある20世紀絵画の巨匠ジョルジュ・ブラックの天井画の不思議。

①と②はリンクした課題でしたが。

オルセー美術館
④美術館の前身となる駅舎、そして美術館の誕生まで。
⑤印象派の巨匠モネの『ルーアン大聖堂』の構図の謎。
⑥印象派の画家ギュスターヴ・カイユボットがオルセー誕生に果たした大きな役割。

この中で、⑤は今回わざわざ取り上げる必要があるのか疑問に感じる面もあるのですが、
実は③の取材の為にレポーターの小林薫氏がノルマンディを訪れています。
⑤のルーアン大聖堂もノルマンディにあるので、一緒に取材できるネタを選んだのかも知れません。

そんなことでややチグハグに感じる点もありましたが、
美の都を舞台に数々の興味深い課題を扱った、濃密な90分ではありました。

特に興味深かったのは、印象派を代表する画家の一人であるものの、
日本ではそれほど有名とはいえないカイユボットについてでしょうか。

裕福な家の出身だったカイヤボットは貧困に苦しむ仲間の画家の経済的支援の意も含めて、
彼らの絵を多く購入しました。
カイユボットは1894年若くして亡くなりますが、コレクションした絵を国家に寄贈する遺言を残していました。
ところが、当時はまだ印象派の画家達の作品の評価は定まっておらず、国は受け取りを拒否、
残された画家達が運動を行って、ようやく寄贈が実現したのです。
今、カイユボットの寄贈した作品はオルセー所蔵作の基幹となっています。

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