【俳優】左右田一平氏死去/あの飄々としたおじさんの似合う役者の代表作は『新選組血風録』隊士一の剣豪役
俳優の左右田一平さんが2月10日に亡くなったそうです。81歳。
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左右田一平さん81歳(そうだ・いっぺい<本名・広田信夫=ひろた・のぶお>俳優)
10日、S状結腸がんのため死去。葬儀は近親者で済ませた。
映画「お葬式」や、テレビ時代劇「新選組血風録」「燃えよ剣」などに出演。
味のある演技で脇役として活躍した。殺虫剤のCM出演でも知られた。http://mainichi.jp/enta/cinema/news/20120216k0000m060130000c.html
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左右田 一平(そうだ いっぺい、1930年7月10日 - 2012年2月10日)
名前を聞けば…というより、顔を見れば、ああ! この人かと誰もが思う、
飄々としていいおじさん、好々爺といった感じの脇役俳優でした。
しかし、この人が世に出た役は、後のイメージとは少し違いました。
新選組血風録(NET(現テレビ朝日)系 1965年7月11日-1966年1月2日)
新選組をテーマとした映像作品の代表作であるのみならず、
テレビ時代劇の、いやテレビドラマ史上の金字塔たる傑作。
特に土方歳三役の栗塚旭氏、沖田総司役の島田順司氏の名演は伝説的です。
左右田さんはこの伝説の作品で、新選組隊士斎藤一を演じました。
私は新撰組に詳しくはないので、実際の斎藤一という人がどのような人物と
伝えられているのかよくは知りません。
このドラマで左右田さんが演じた斎藤一は新選組一の剣の達人、
近藤勇、土方歳三、沖田総司以上の剣豪、
そして何事にも動じない、眼光鋭き、胆の据わった剛の者でした。
Wikipediaには、この斎藤一役も「飄々としたイメージ」と書かれています。
確かに超然してはいるのですが、後の左右田さんの「飄々」とは少し違いました。
それから5年後、『新選組血風録』のリメイク的作品が作られました。
『燃えよ剣』(NET(現テレビ朝日)1970年4月1日-9月23日)
原作者は同じ司馬遼太郎ですが、それぞれドラマタイトルと同名の
別の作品なので、正確にはリメイクとはいえません。
しかし、脚本は同じ結束信二氏。
主要キャストも土方の栗塚氏、沖田の島田氏、
そして近藤勇役の舟橋元氏は同じで、カラー版リメイクといえる作品です。
そして、左右田氏も出演するのですが、斎藤一役ではありませんでした。
裏通り先生と呼ばれる町医者、架空の狂言回し的なキャラクターです。
上に掲げたジャケットがその役です。
これは後の左右田氏のイメージほぼそのままでした。
この二作品は今でも人気が高く、VHSもDVDソフトも発売されたので、
知っている人も多いでしょう。
実はこの後があるのです。
3年後の1973年、今度はフジテレビで『新選組』というドラマが作られました。
脚本は結束氏、近藤、沖田は代わりましたが、土方は栗塚氏です。
左右田氏はこの作品で再び斎藤一を演じているのです。
このドラマはソフト化されていないので、観たことはありません。
隊士勢揃いのスチール写真を見かけたのみです。
左右田氏は確かに斎藤一の顔で写っていました。
最後の『新選組』は難しいですが、『新選組血風録』と『燃えよ剣』の視聴は容易です。
特に、左右田一平氏の剣豪姿が見られる『新選組血風録』はお薦めです。
ただこのドラマ、素晴らしくおもしろいけど、痛々しくもあります。
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