【美術展】『松井冬子展 世界中の子と友達になれる』横浜美術館/若き日本画の鬼才の大型展
横浜美術館にて3月18日まで、
『松井冬子展 世界中の子と友達になれる』が開催中です。
松井冬子展 世界中の子と友達になれる
2011年12月17日(土)-2012年3月18日(日)
横浜美術館
http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2011/matsuifuyuko/work.html
現役の、それもまだ30代の若い日本画家の、
大型公立美術館での大規模な展覧会。
希有な例だと思います。
それだけ、この女性画家は注目されているのでしょう。
松井冬子(まついふゆこ、1974年1月20日- 38歳 )
静岡県周智郡森町出身。
松井冬子さんは、女子美術大学短期大学部で油彩画を学んだ後、
日本の古典絵画の技法に、表現上の魅力と可能性を見いだし、
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻に入学しました。
油彩画と日本画両方の専門教育を受けた人なのですね。
それは、今回の展覧会を観ても得心できる部分がありました。
その東京藝大の卒業制作が今回のメイン作品『世界中の子と友達になれる』。
上に掲げたビジュアルはその一部、松井さんの原点とも言える作品です。
松井さんは芸術表現が呼び起こす精神的肉体的な「痛み」を始点として、
恐怖、狂気、ナルシシズム、性、生と死などをテーマに挑発的とも言える作品を
制作してきました。
この展覧会は松井さんの代表的な本画の作品から、下絵、デッサンなどに加え、
本展のための新作も合わせた約100点によって、この画家の全貌を俯瞰しようという催しです。
言葉が適当がどうかわかりませんが、“グロテスク”で痛々しい絵も多いです。
好みは分かれるでしょう。
しかし、日本画に詳しくなくても、これが日本的な美なのであろうと思えるものをベースに、
洋画的な色彩感覚、なかなか魅力的です。
凡百の徒の私としては、もう少し普通に美しいものを描いたらどうなのだろう、
などと考えてしまいますが。
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