【美術展】『ルドンとその周辺―夢見る世紀末』三菱一号館美術館/黒と色彩の妖しき世界
東京丸の内の三菱一号館美術館で3月4日まで、
『ルドンとその周辺―夢見る世紀末』が開催中です。
ルドンとその周辺―夢見る世紀末
三菱一号館美術館《グラン・ブーケ(大きな花束)》所蔵記念
2012年1月17日(火)-3月4日(日)
三菱一号館美術館
http://mimt.jp/redon2012/
オディロン・ルドン
(Odilon Redon, 1840年4月20日-1916年7月6日)
フランス、ボルドーの出身。
ルドンは象徴主義の画家とされます。
この象徴主義というのは解り難いですね。
神秘的・幻想的な作品である、と解釈すると解り易いかも知れませんが、
必ずしもそういう世界を描いた絵ばかりとも限りません。
しかし、ルドンに関しては明らかに神秘的な絵も多いです。
ではルドンは典型的な象徴主義の画家?
Wikipediaにはそれに否定的なことも書かれていますね。
あまりジャンル論に拘っても仕方ないですが、
特に神秘・幻想的な世界が好きならば、魅力的な画家です。
ルドンとその周辺―夢見る世紀末
今回の展覧会は、世界有数のルドン・コレクションを誇る
岐阜県美術館の所蔵品によりルドンの芸術世界を概観しようという主旨で、
以下三つのセクションから校正されています。
①ルドンの黒
②色彩のルドン
③ルドンの周辺ー象徴主義者たち
ルドン自身の絵の他にも、彼に影響を与えたモローやブレスダン、
ファンタン・ラトゥールやゴーギャンなどの同時代人、
あるいはルドンの影響を受けたドニを始めとするナビ派など、
ルドンに先駆けた画家、また後を受け継いだ画家たちを併せて観賞することで、
ルドンが切り開いた象徴主義の世界の広がりと奥行きを辿りろうという催しです。
そして、本展のタイトルにもあるように、
この開催に合わせて三菱一号館美術館が新規収蔵したこの作品が公開されています。
『グラン・ブーケ(大きな花束)』(1901年)
ルドンが描いた最大級のパステル画でありながら、
110年間フランスの城館に秘蔵されていた幻の作品。
本邦初公開となります。
展示作からもう1点紹介しましょう。
『エドガー・ポーに Ⅰ眼は気球のように無限に向かう』(1882年)
まさに“ルドンの黒”
かのエドガー・アラン・ポーへのオマージュです。
ポーはアメリカの作家ですが、シャルル・ボードレールによる訳で、
フランスでも高い人気を誇りました。
ポーとルドン、上にも書きましたが、幻想的なものが好きな人間には、
強烈に魅力的な組合せです。
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