【美術展】『フェアリー・テイル~妖精たちの物語展』三鷹市美術ギャラリー/英国ファンタジーワールドの魅惑
東京の三鷹市美術ギャラリーにおいて2月19日まで、
『フェアリー・テイル~妖精たちの物語展』が開催中です。
会期も後二週間ほどとなりました。
フェアリー・テイル~妖精たちの物語展
2012年 1月7日(土)-2月19日(日)
三鷹市美術ギャラリー
http://mitaka.jpn.org/ticket/120107g/
タイトル通り、「妖精」をテーマとした展覧会です。
絵画のみならず、陶磁器、挿絵、関連資料も展示されています。
この美術館はユニークな企画展を時々開催してくれますね。
☆妖精☆
なじみ深い存在のようにも思えますが、では「妖精」とはなにか?
また「妖精」と聞いて、どんな姿をイメージしますか?
今回の展示作品に描かれた妖精達の姿も実に多様です。
背中に羽を付けた子ども、天使のイメージに近いもの、
妖艶な裸体の女性、ヴィーナスのイメージに近いもの、
「小人」のイメージに近いものも多いですが、
その姿も小さいだけでほぼ人間と同じ姿のものから、
少し異形、また小妖怪といった感じなものまで様々でした。
その中で、私が持つ妖精像に一番近く思えたのは…。
裸で羽を付けた子どもは妖精よりもむしろ天使に思えます。
ピーターパンのような衣装と、羽を付けた子ども達が、
最も妖精っぽいように思えました。
勿論、人によりけりでしょうが。
そのような姿で妖精を描いた作品はあまり多くはなかったですが、
『花の妖精のフェスティバル』と題された磁器絵皿のシリーズが
最も近いように思えました。新しい作品のようですが。
古来、妖精たちはイギリスの伝説や民話に数多く登場してきました。、
急速に都市化が進んだヴィクトリア朝時代を迎え、伝統や自然への回帰を求めた人々の
間で再びその人気を取り戻しました面があります。
多くの芸術家が妖精を主題にした作品を描きました。
シャーロック・ホームズの著者コナン・ドイルの父チャールズ・ドイル
および叔父のリチャード・ドイルも妖精画を手掛けました。
特にファンタジックなものが好きな人には魅力的な展覧会です。
会期も残り僅かです。お見逃しなく。
コティングリー妖精事件
本展の最後には「コティングリー妖精事件」の写真と関連資料も展示されています。
20世紀初頭、イギリス北部の町コティングリーで二人の少女が妖精を撮影したとして
その真贋が論争となった事件です。もちろん偽物だったのですが。
前述のコナン・ドイルがこの写真を本物と認定して話題を呼びました。
冷静で論理的なホームズのイメージと重なり難いですが、
当時のドイルは心霊学、交霊術に没頭していたのです。
これもなかなかレアな資料です。
本展ではこの事件が、妖精人気に影を落としたとの見解が示されていました。
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