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2012年2月11日 (土)

【未確認動物】ネッシー超入門/写真で観るネス湖の怪物目撃史。20世紀最大のミステリー

このブログのアクセス数を見ていると、メディアに取り上げられたタイミングなどにもよるのですが、
未確認動物、いわゆる「UMA」への関心の高さには驚かされます。
昭和の時代はテレビで大真面目に取り上げられることも多かったですが、
21世紀も10年以上経った今でも、こういう不思議なことへの関心はあるという事だと思います。

その未確認動物の分野の最大のスターといえばやはりネッシーでしょう。
未確認動物の代表例として世界的に知られ、20世紀最大級のミステリーとして語られてきました。

ネッシー(Nessie)「ネス湖の怪獣 (Loch Ness Monster、ロッホ・ネス・モンスター) 」
Wikipediaの「ネッシー」の項目は数年前に私が一部を除いてかなり筆を入れました。
その後、多くの人が加筆しましたが、改めて見ると結構私が書いた文も残っているようです。

 

Photo_4
上は1955年撮影の写真。詳しくは後述します。


さて、ネッシーがなぜ未確認動物界のスーパースターたり得たかといえば、
数々の怪しくも魅力的な証拠写真、映像があったからだと思います。
Wikipediaでは、画像は掲載しにくい面もあります。
Wikiを補完する意味でも、ここでは写真を紹介しながら、ネッシー目撃史を辿ってみます。

ところで、ネッシーの写真は偽物だったと報道されたのでは? と思う人も多いでしょう。
有名な「外科医の写真」のことです。
しかし、これはネッシーを写した唯一の写真でも、また最初の写真ですらもありません。
あくまで、膨大な証拠写真・映像のうちのひとつに過ぎないものです。
そのあたりも含めて記していきます。


ネッシーはイギリスのスコットランド北部にあるネス湖に棲むとされます。
一般に知られる最古の目撃記録は6世紀に遡ります。
690年頃に書かれた聖人伝記『聖コロンバ伝』には、
565年頃にネス川に現れた怪物についての記述があります。
その後も、20世紀に至るまで、いくつかのネス湖の怪物に纏わる記録が残っています。


◆1933年
しかし、目撃例が飛躍的に増えたのは20世紀に入って、1933年以降です。
これはネス湖周辺の道路がこの頃整備された為とされます。
この年の4月、湖畔でホテルを経営するマッケイ夫妻(マッカイ)による目撃談が新聞報道され、
話題を呼んだことが、ネッシー伝説流布の起源と見られます。

ですので、この1933年が、ネッシー目撃史の元年といえるでしょう。
それ以前の記録は、これ以降に後付けで発掘されたものかと思います。


そして、同じ1993年11月、ヒュー・グレイ氏による最初の写真が撮影、公表されました。


1933
ヒュー・グレイ氏の写真(1933年)
この写真はコダック社が検証して、加工の跡無しとのお墨付きを与えました。

といっても、そもそも不鮮明で何が写っているかよくわかりません。
それに、ネス湖で撮ったかどうかも写真からはまったく不明です。
水しぶきの中央部分が犬の顔のように見えるので、泳ぐ犬を写したともいわれます。
それでも、比較的証拠能力を評価されている面もあります。

しかし、この写真は元々それほど有名ではありませんでした。
この写真からまもない1934年4月、あの有名な写真が撮影されたからです。



Photo_2
外科医の写真(1934年)
外科医という社会的地位のある人物による撮影とされたこの写真は、
イギリスの新聞、デイリー・メール紙に掲載され大きな反響を呼びました。
水面から現れた細長い首が、首長竜のプレシオサウルスのような、
恐竜と同時代に栄えた水棲爬虫類を思わせるもので、
長くネッシーを捉えた代表的写真として知られてきました。

当時は、首長竜も恐竜の一種という認識が一般的だったので、
ネス湖には恐竜の生き残りが棲んでいると、大きな話題、そして伝説となったのです。

しかし、この写真は撮影から60年後の1994年、捏造だったとの報道がされました。

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このように、模型を浮かべて撮影したというのです。
実際に捏造に関わったという人物が、死の直前に真実を告白したそうです。
このニュースは日本でもそれなりに大きく報道されました。
この時、まるでネッシーについてのすべてが嘘だったかのような伝えられ方をしましたね。

しかし、上述のようにこの写真はネッシーを写したとされる唯一の写真では勿論ないし、
それどころか、最初の写真ですらありません。
しかも、実はこの報道よりだいぶ前から、ネッシー研究者の間では信憑性に疑問符がつけられていました。
検証の結果、被写体が小さいものらしいこと、
意図的なトリミングがされたらしいことなどが判明したからです。
とりあえずこの件は、Wikipediaにもう少し詳しく書いてますので、ご覧ください。


◆「外科医の写真」以外の代表的な3点の写真
さて、それ以降もネッシーを写したとされる写真は多く撮影されました。
1950年~60年代にかけての代表的な3点を紹介します。


Photo_3
ラクラン・スチュアート氏の写真(1951年7月14日) 
水面を進む三つのコブ。この写真も有名ですね。
これが一体の生物だとしたら、全身はどんな形状なのか想像し難いですが。
複数の個体であるという説もあるようです。


B
ピーター・A・マクナブ氏の写真(1955年7月29日) 
湖畔のアークハート城(アーカート城)址が写りこんでいるので、それとの比較でネッシーの大きさが、
湖面に出ているだけでも10~15メートル以上と推測できる貴重な写真とされます。
この写真も、一体ではなく、複数の個体が写っているとの見方もあります。
一方で、物体ではなく船の航跡との見方もあるようですが、どうでしょうか?

廃墟とのコントラストが神秘的でもあり、私が一番好きな写真です。



B_2
ピーター・オコンナー氏の写真(1960年5月27日)
早朝のネス湖で撮られたという写真。
首長竜というよりも雷竜(竜脚下目=昔でいうブロントサウルス等)を思わせる
ボリューム感あるボディに、小さい頭部らしきものが写っています。
ハリボテを使ったフェイク説もあるのですが、どうでしょうか?

以上3点が「外科医の写真」以外で、もっともよく知られたネッシー写真トップ3でしょう。

次いで、認知度でやや劣る2点です。

Photo_2
アダムス氏の写真(1934年)
「外科医の写真」と同じ年。これも古い写真です。
これは何でしょうね? 動物ではあるようにも思えますが。
ネス湖かどうかもわかりません。


Photo_3
コックレル氏の写真(1958年(?))
ネス湖で撮られた写真ではあるようですね。


◆1970年代 疑惑の写真達
1970年代にはフランク・サ―ル氏が複数のかなり鮮明な写真を撮りました。

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フランク・サ―ル氏の写真
逆光のようで、シルエットだけですが、振り返ったような姿です。
波も結構荒いように見えますね。


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フランク・サ―ル氏の写真
餌を獲るかのように、あるいは水に潜ろうとしたところか、
首先を水中に突っ込むような姿が印象的です。


03_3
フランク・サ―ル氏の写真
この写真もよく見かけます。

サ―ル氏がネス湖畔で探索する姿を、昔テレビで見た記憶があります。
彼の写真は当時からフェイク説が強く、あまり重要な証拠とみなされたことはないと思います。
魅力的な面もあるのですが。


Seales_nessie
アンソニー・シールズ氏の写真(1977年)
貴重なカラ―写真で、メディアにもよく載ります。
信憑性の評価は高くはないですね。
生命感…のようなものがあまりないように思えます。
なんらかの模型を使ったフェイクの可能性が高いでしょうね。


もうひとつ、謎の写真を紹介します。

Photo
マッケイ夫人の写真(1933年?)
上述の初期目撃者マッケイ夫妻により、ヒュー・グレイ氏より先に撮られたとされる写真。
しかし、公開されたのは撮影の約60年後、1990年代に夫人によってとされています。
これは・・・・そもそも写真なのでしょうか?



◆日本でも話題を呼んだ水中写真

水中のネッシーを写したとされる写真もあります。
アメリカのボストン応用科学アカデミー、ロバート・ラインズ博士の研究チームが撮影したものです。
1972年と1975年に撮られていますが、1975年の写真がより知られています。

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ヒレと思しき写真(1972年)


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全身写真(1975年)


Nessie1
頭部のアップとされる写真(1975年)
この1975年の調査時は日本のメディアでも連日のように報道されました。
日本におけるネッシーブームのピークだったかも知れません。


動画
動くネッシーを撮影したとされる映像も存在します。
最も有名な、ティム・ディンスデール氏撮影のフィルムを紹介しましょう。
ディンスデール氏は真摯なネッシー研究家として知られます。


ディンスデール・フィルム(1960年4月23日)

漁船だという説もあるのですが、
水面に出ている部分よりも遥かに大きい影が水中にあるようにも思えます。
それだと船とは考え難いですが、どうでしょう?


さて、写真と映像をいくつか紹介してきましたが、いかがでしたか。
一度は目にしたことがある…、そんな写真を多かったのではないですか?
個人的にはマクナブ氏の写真とディンスデール・フィルムが気に入っています。


※番外編1

Photo
ニューネッシー
1977年4月25日、日本のトロール船「瑞洋丸」が太平洋上(ニュージーランド沖)で
引き揚げた、巨大な腐乱死体。写真を撮った上で投棄されました。
正体は何かと大変な話題になりましたが、大型のサメということでほぼ決着しています。

いうまでもなく、「ネス湖で目撃される怪物」だからネッシーです。
太平洋上で発見された怪物に、このネーミングは本来おかしいのですが、
当時、「ネッシー」の名は、水棲未確認生物の代名詞だったのです。


※番外編2

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伝説のUMA本『なぜなに世界の大怪獣』掲載のネッシー写真
映画『シャーロック・ホームズの冒険』(1970年)撮影用の模型ですが、不可解な謎もあり。
この写真については →こちらを参照


■ネス湖の怪物ネッシーとは何だったのか?

20世紀は科学文明が進歩し、多くのことが解明されて謎や不思議が少なくなった時代だったと思います。
しかし、そうなると人間は不思議なことを求めてしまう性質があるようです。
ネッシーはそんな時代に、数少なくなった「現代の謎」として人々の注目を集めてきました。

特に、目撃談や一部の写真から推測されるネッシーの正体は、
恐竜時代に生息した水棲大型爬虫類である首長竜を思わせるものでした。
前述のように、以前は、首長竜も恐竜の一種のように認識されていました。
ですから、ネッシーも「ネス湖の恐竜」というような呼ばれ方もしていました。
現在では、首長竜は恐竜とは区別されています。

恐竜人気は20世紀の時代も、そして今も凄いですね。
大きいものは30~40メートルという巨大な生物が、この地球を支配していた時代。
その、太古に絶滅した筈の恐竜(の仲間)が、現在もひっそり生き延びているとしたら…、これはロマンです。
興味をそそられるのも当然ですし、本当ならば是非観たいと思いますよね。

そうして、ネッシーは20世紀最大のミステリー、20世紀生まれの伝説となりました。
UFO・宇宙人と、ネッシーに代表される未確認生物が双璧でしょう。

とはいっても、20世紀の時代から多くの人は懐疑的だったろうし、
現在では余計にそうでしょう。
特に、首長竜の生き残りとは、冷静に考えればかなり難しいです。
それも広大な海洋ならば、即座に否定するのも難しいでしょうが、
小さな湖で、それも特に人跡未踏というような場所にあるわけでもないのに、
巨大な生物が人目につかず、種族として生き残れるのか、当然ながら疑問です。

それでも、もしかしたら、恐竜でも首長竜でもなくても、何かがいるのでは・・・と、
今でもどうにも気になる“存在”ではあります。


Old Fashioned Club  月野景史

【追記 2014年5月3日放送の『幻解!超常ファイル ネッシーの真実 』については→こちら

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