【美術】『美の巨人たち』新OPを彩るのはルネサンス絵画のあの巨匠のあの傑作達
テレビ東京系で毎週土曜日22時から放送されている美術・アート系の番組『美の巨人たち』。
2012年を迎えオープンニングを変えたようですね。
もちろん、OPが違うのは年明けからわかっていたのですが、
新年第一回と、その後の二週に渡るミケランジェロ特集で、
例外的に変えている可能性もあるかと思っていたのです。
昨年まで長くおなじみだったOPはヨハネス・フェルメールの傑作
『真珠の耳飾りの少女』のモチーフをメインとしたものでした。
この絵は今年6月に東京都美術館において開幕する
『マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝』に
看板作品として来日が予定されています。
それを控えているので、降板はないかと思っていたのですが、随分潔いですね。
新オープニング
さて、新しいOPはパターンも変わりました。
まずいきなり本編に入り、一通り前説が終わった後、
おなじみのテーマ曲『The beauty of the earth』(唄:ジュエル・タン)
が流れますが、今までと比べるとかなり短縮版です。
番組サイトのトップページ右上で映像が見れます。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/new_music.html
新OPでは、パラパラと目まぐるしくいくつかの芸術作品が画面を舞います。
その中にはベラスケスのマルガリータ王女や、 ゴーギャンのイエス・キリストらしき姿も見えますが、
最終的な静止画面では、番組のロゴの上に二人の幼子姿の天使がもたれかかり、
下から三人の美しい女性達、三美神がロゴを支えています。
この天使と、三美神はいずれも有名な西洋絵画の一部分です。
元ネタはわかりますか?
まずは天使達から紹介しましょう。
この天使達はよくみかけますね。
元の絵全体よりも、この天使達の部分の方がなじみがあるかも知れません。
元ネタはこちら。
ラファエロ・サンツィオ『システィーナの聖母』
(または『サン・シストの聖母』1513-1514年頃))
ルネサンス最大の画家ラファエロ円熟期の最高傑作のひとつ。
私の好きなラファエロの絵が採用されたのは嬉しいことです。
さて、三美神はどうでしょう。
三美神も西洋絵画の画題のひとつで、ラファエロも主題として描いてますが、
この三美神はもっと大きな、有名な絵の一部です。
サンドロ・ボッティチェリ『春(プリマヴェーラ)』(1482年頃)
ルネサンスの巨匠ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』と並ぶ華やかな名画。
ルネサンス屈指の傑作です。
番組では三人のポジションを少し変えて使っているようですね。
このようにルネサンスの傑作二点が選ばれ、しばらく番組ロゴを彩ることになったようです。
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