【美術展】2012上半期東京三大展概要/国立新・国立西洋・東京都美術館/エルミタージュ・ベルリン・マウリッツハイス展
2012年も無事開幕しました。
美術展に関しては、昨年は大きな目玉がやや乏しい一年だったかと思います。
もちろん、震災の影響もありました。
今年は、特に東京地区については、改装の為に休館していた東京都美術館が
オープンすることもあり、楽しみな展覧会の予定が発表されています。
今年上半期、東京の三大国公立美術館である、
国立西洋美術館、国立新美術館、東京都美術館の大型企画展を紹介します。
実はこの三展、混同してしまいそうなややこしさがあるのです。
◆国立新美術館 (六本木)
大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年
2012年4月25日(水)-7月16日(月)
(エルミタージュ美術館はロシアの美術館です)
主催:国立新美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社、エルミタージュ美術館
追記:本展は終了しました。レポートはこちら
◆国立西洋美術館(上野)
ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年
2012年6月13日(水)-9月17日(月)
(ベルリン国立美術館はもちろんドイツです)
主催:国立西洋美術館、TBS、読売新聞社
追記:本展は開催中です。レポートはこちら
◆東京都美術館(上野)
マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝
2012年6月30日(土)-9月17日(月)
(マウリッツハイス美術館はオランダにあります)
主催:東京都美術館、朝日新聞社、フジテレビジョン
追記:本展は開催中です。レポートはこちら
いずれも外国の大型美術館との提携展です。
上半期とは書きましたが、下の二つは6月スタートなので、
会期の大半は下半期にかかってしまいます。
上の二つはタイトルが似ていますね。
両方とも欧州美術の400年。今年のキーワードでしょうか。
そして、それぞれ日本テレビ、TBS、フジテレビが主催に名連ねています。
質の高い関連番組を作ってほしいですね。
以下、ちょっとダブりますが、もう少し詳しく各展をみていきましょう。
特に二つの「400年」の違いなども。
◆六本木
国立新美術館
国立新美術館開館5周年
大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年
2012年4月25日(水)-7月16日(月)
http://www.ntv.co.jp/hermitage2012/
★★★以下、公式ページより引用
エルミタージュ美術館はロシアのサンクトペテルブルクに位置し、ロマノフ王朝の歴代皇帝の宮殿からなる建物と、300万点を超える所蔵作品とが見事な調和を織りなす、世界有数の美術館です。本展覧会では同館の優れた所蔵品の中から、16世紀から20世紀初頭における西欧美術の「顔」ともいうべき名作を、その世紀を象徴するキーワードを軸に紹介します。
16世紀=人間の世紀、17世紀=黄金の世紀、18世紀=革命の世紀、19世紀=進化する世紀、そして20世紀=アヴァンギャルドの世紀。各世紀を彩るのは、ティツィアーノ、ルーベンス、レンブラント、ブーシェ、レノルズ、モネ、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソら83作家の作品、全89点です。まさに400年にわたる西欧絵画の歴史をたどる豪華ラインナップです。特に注目されるのは、マティスの最高傑作の一つである《赤い部屋(赤のハーモニー)》(1908年)。東京では実に約30年ぶりの展示となります。
★★★
ここでいう「400年」とは主に16世紀から19世紀で、
プラス20世紀初頭も含まれるようですね。
公式ページにもあるように大看板はマティスの『赤い部屋(赤のハーモニー)』
これだけ広い時代の作品を扱うのに、ポスターなどで20世紀絵画を使ってしまうと、
展覧会の内容が誤解されのではないかと心配してしまいますが、
まぁ無用の懸念なのでしょう。
実は国立新美術館ではこの展覧会と会期を重ねて、
『セザンヌ―パリとプロヴァンス』展(3月28日−6月11日)も開催されます。
積極的な展開です。
◆上野
国立西洋美術館
ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年
2012年6月13日(水)-9月17日(月)
http://www.berlin2012.jp/
★★★以下、公式ページより抜粋
本展は、ベルリン国立美術館のうち、絵画館、彫刻コレクション及び素描版画館からイタリアや北方の絵画と彫刻、さらには優れたイタリア素描の傑作を集めて企画されています。実際、ベルリン美術館のコレクションの規模は百科全書的な規模で、ヨーロッパ美術の通史を概観するには余りある内容と規模を誇っています。
本展は15世紀から18世紀までのヨーロッパ美術を、イタリアと北方の美術を比較しながら観ることのできる展覧会です。そこには絵画のみならず、15~16世紀のドイツを代表するリーメンシュナイダーの木彫や、フェルメール、さらにはベルリン素描版画館の誇るボッティチェッリの素描など、優れた作品が出品されます。
★★★
こちらの400年は15世紀から18世紀ということで、エルミタージュ展より100年古い時代から。
逆に19世紀美術は含まれないようです。
看板作品はヨハネス・フェルメールの『真珠の首飾りの少女』。
フェルメールは人気がありますね。
じっくり、古典芸術の神髄を…、期待しましょう。
◆上野
東京都美術館
マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝
2012年6月30日(土)-9月17日(月)
http://www.asahi.com/mauritshuis2012/
★★★以下、公式ページより抜粋
日本初の公立美術館として1926年に開館した東京都美術館は、「上野の美術館」と呼ばれ広く親しまれてきました。2010年に始めた全面改修工事によって、さらなる「心のゆたかさの拠り所」へ、東京都美術館が生まれ変わります。
2012年夏のグランドオープンとなる本展は、「王立絵画館」の名で世界的に知られるオランダ・マウリッツハイス美術館のコレクションが飾ります。何と言っても最大の話題は、フェルメール・ブームのシンボル的存在である「真珠の耳飾りの少女」の来日です。少女が肩越しに親密なまなざしを投げかける作品は、絵画史上最も愛されてきた名画の一つとして、あまりにも有名です。フェルメールと並び際立つのが、最晩年の境地を描いた「自画像」など6点が一堂に会するレンブラントです。そのほか、フランス・ハルス、ファン・ダイク、ルーベンス、ヤン・ブリューゲル(父)ら、17世紀オランダ・フランドル絵画を代表する、世界の至宝の数々を堪能できる本展に、どうぞご期待下さい。
★★★
改装によってどう生まれ変わったか楽しみです。
しかし、こちらも大看板はフェルメール『真珠の耳飾りの少女』。
しかも国立西洋に来るのは『真珠の首飾りの少女』なので、絵のタイトルもそっくりです。
もっとも、マウリッツハイスはフェルメールの母国、オランダの美術館なので当然ともいえますが。
そのマウリッツハイス美術館は所蔵作品800点ほどの小規模な美術館です。
その中からどれほどの作品を貸してくれるのか少し不安になりますが、
実は同館の改装休館に合わせての貸し出しなので、逸品の来日が期待できます。
以上、三つの展覧会を紹介しました。
国立新と国立西洋は展覧会のタイトルが似ている。
国立西洋と東京都は看板作品が共にフェルメールで、絵のタイトルもそっくり。
なにやら混同しそうです。開幕までに整理しましょう。
新しい情報が公表されたら、また紹介します。
関連My Blog:2012年GW-5月を楽しむ西洋絵画の展覧会を一挙紹介・東京編
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/2012gw5-f7c0.html
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