【美術展】『パリへ渡った「石橋コレクション」1962年、春』ブリヂストン美術館/50年前、フランスに里帰りした絵画達
東京八重洲のブリヂストン美術館の開館60周年を記念しての展覧会
『パリへ渡った「石橋コレクション」1962年、春』が3月18日まで開催中です。
ブリヂストン美術館開館60周年記念
パリへ渡った「石橋コレクション」1962年、春
2012年1月7日(土)-2012年3月18日(日)
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/
この展覧会は主旨が少しだけややこしいので、
この美術館の歴史も含めて簡単に説明します。
石橋財団ブリヂストン美術館
この美術館は1952年開館なので、今年60周年ということになります。
株式会社ブリヂストン創業者の石橋正二郎氏が、新築のブリヂストンビルに美術館を開設し、
自らのコレクションを公開したものです。
1956年に財団法人石橋財団が設立、1961年には正二郎氏所蔵の美術品のほとんどが、
石橋財団へ寄贈され、現在のコレクション展示の核を成しています。
印象派と20世紀絵画を中心とする西洋の近・現代美術、
および明治以降の日本の洋画を収蔵・展示されています。
その中核となるのは19世紀から20世紀前半のフランス絵画です。
パリ国立近代美術館『石橋コレクション』展
開館から10年後、今から50年前の1962(昭和37)年、
パリ国立近代美術館において「石橋コレクション」を海外で紹介する展覧会
『東京石橋コレクション所蔵─コローからブラックに至るフランス絵画展』が開催されました。
親日家で、かねて「石橋コレクション」を高く評価していた、
当時のパリ国立近代美術館副館長ベルナール・ドリヴァル氏の発案によるものでした。
つまりこの展覧会は主にフランスから日本に渡ってきた絵画作品を、
フランスに里帰りさせて公開しようという趣向の展覧会だったのです。
日本でも、海外の美術館が所蔵する浮世絵を展示公開する催しが開かれたりしますが、
あれと同様の主旨ですね。
この展覧会はパリ国立近代美術館にて1962年5月4日−6月24日に開催されました。
日本にある西洋絵画のコレクションがまとめて海外で展示される初めてのことで、
日本国内でも大変な話題を呼ぶと同時に、
フランスメディアの注目も集め、「石橋コレクション」は広く認知されることとなりました。
当時として記録的な動員だったようです。
コローやモネ、セザンヌなどのフランス近代絵画50点をパリで展示することから、
実際に「里帰り展」とも呼ばれたそうです。
さて、それから50年
今回の展覧会はその時に海を渡った作品を改めて紹介しようという趣向なのです。
コロー、モネ、ルノワール、ピサロ、シスレー、セザンヌ、ゴッホ、ルソー、ピカソ、
名だたる巨匠の名画が展示されています。
ただ、基本的の所蔵作品を展示る美術館なので、
何度も行かれている方にとっては、観たことのある絵も作品も多いということになります。
それは仕方ありませんね。
記念企画でもあるし、今回は特に初めての方にお薦めしたいです。
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