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2011年12月 6日 (火)

【俳優】織田信長役といえば…高橋幸治。存在感抜群の名優の過去と現在

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「数々の俳優が演じてきた戦国時代の武将・織田信長ですが、
みんなが一番はまっていたと思う俳優とは一体誰なのでしょうか。」
という問いかけのアンケートが実施されたそうです。
http://news.goo.ne.jp/article/gooranking/entertainment/tv/gooranking-23854.html

第1位は今年のNHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国』で織田信長を演じた豊川悦司さんとのこと。
(2位:反町隆史  3位:渡辺謙  4位:木村拓哉  5位:吉川晃司)
これはNTTドコモでのアンケートだそうなので、最近演じた人が中心になるのは仕方ないでしょう。

さて改めて、織田信長俳優といえば誰か・・・、
ある程度の年輩の方なら同意見も多いとは思いますが、
なんといっても、高橋幸治氏でしょう。


高橋幸治(1935年6月10日-)
この方はNHK大河ドラマで二度、織田信長を演じています。

1965年 『太閤記』
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大河ドラマ第三作目で戦国時代をテーマとした初めての作品。
信長の助命嘆願がNHKに殺到したという伝説の人気作です。
幸治氏は当時30歳、秀吉役は28歳の故緒形拳氏でした。
残念ながら、この時代の大河ドラマは映像がほとんど残っていないのですが、
かろうじて「本能寺の変」の回が現存します。


1978年 『黄金の日日』
001


『太閤記』から13年後、幸治氏二度目の、そしてカラー映像での信長役。
このドラマの主役は堺の商人である呂宋助左衛門とその周辺の人物で、
信長や、豊臣秀吉、徳川家康ら権力者は脇役になるのですが、
幸治信長、緒形秀吉の再共演が久しぶりに実現しました。
こちらは全話映像が残っており、DVDもリリースされています。
43歳になっていた幸治氏の信長、抜群の存在感、本当に素晴らしかったです。

織田信長という人は人物象がつかみ難い面があると思います。
幸治氏の演じる信長も、何を考えているのか、常人には及びがつかないようなところがあります。
信長とはこんな人だったのではないか、そう感じさせる説得力があるのです。


高橋幸治氏は文学座の出身。
『太閤記』以前から映画やテレビドラマにも顔を出してはいましたが、
やはり『太閤記』が出世作となりました。

『太閤記』は大河ドラマの第三作目にあたります。
過去二作は歌舞伎界と映画界の大スターが主演に起用されたのですが、
本作では舞台出身の若手俳優だった緒形拳氏と幸治氏が抜擢され、人気を呼びました。
特に幸治信長の人気は凄まじく、前述のように視聴者からの助命嘆願がNHKに殺到、
「本能寺の変」の回を二ヶ月遅らせたという逸話が残っています。


『太閤記』以後
昭和40年代、高橋幸治氏は多くのテレビドラマで主演、準主演格として活躍しました。

『太閤記』の翌年1966年には同じNHKの連続テレビ小説『おはなはん』に、
主人公の夫、速水謙太郎中尉役で出演します。
精悍にして一本気の青年将校役は高い人気を得て、この時も物語半ばで死去する予定でしたが、
『太閤記』と同様に多くの助命嘆願が寄せられ、死去の時期が延びました。
大河ドラマと朝の連続テレビ小説、NHKのドラマ二本柱で同様の伝説を作ったのです。

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『おはなはん』の速水中尉


その大河ドラマでは、『太閤記』の後、1969年に『天と地と』で武田信玄、
1972年には『新・平家物語』で源頼朝を演じました。
そして前述のように、1978年の『黄金の日日』で再度、信長を演じたのです。

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『天と地と』(1969年)の武田信玄

民放では主演作に『宮本武蔵』(1970年)、『丹下左膳』(1974年)など。
また『子連れ狼』第1部(1973年)の仇役、柳生烈堂もよく知られます。
数は多くはないですが、映画にも出演しました。


Tkoji_002_2
『子連れ狼』(1973年)の悪役、柳生烈堂
当時38歳。充分の貫禄でしたが、本当はもう少し年齢を経てから見たかった気もします。
シリーズは第三部まで続きますが、幸治氏は第一部のみで降板。
後の作品でも演じることはありませんでした。


Photo
丹下左膳(1974年)


孤高の俳優
しかし、1970年代後半以降、高橋氏は寡作の人となります。
主に単発のスペシャルドラマや二時間ドラマに時折顔を見せ、存在感を示していましたが、
平成以降は1年に1回見らればいいくらいのペースになりました。

トーク番組への出演や雑誌等の登場も、若い頃はあったのかも知れませんが、
1980年代以降はほとんどなく、本人がこの状況をどう考えているかもよくわかりませんでした。
そういうところもまた、魅力のひとつだったのかも知れませんが。

時代劇・・・というよりも、歴史物で実在の人物を演じて印象深い人でした。
前述の信長、信玄、頼朝、武蔵らの他にも、
土方歳三、大谷刑部、近藤勇、大友宗麟、幸田露伴らが思い浮かびます。

特に1981年正月の特別ドラマ『関ヶ原』で演じた大谷刑部役は、
病の設定で、顔を頭巾で覆っての演技ながら、石田三成との義に殉ずる武将を圧倒的な存在感で好演し、
1980年代以降の代表作として語り継がれています。

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『関ヶ原』(1981年)の大谷刑部吉継


一方で、現代物では二時間ドラマなどで少し異常性のある人物、犯罪者を演じることもありました。


21世紀
2000年を迎え、主演舞台『怒涛』 は読売演劇賞の作品賞、演出賞、そして主演男優賞を受賞。
翌2001年にも向田邦子原作、久世光彦演出の舞台『冬の運動会』に主演しました。

テレビや映画への出演は少なくなっているとはいえ、
長丁場の舞台主演公演もこなすくらいならば、体力・気力とも充実しているでしょうし、
21世紀も更に活躍を、と思っていましたが、
この『冬の運動会』を最後に、あらゆる出演記録が途絶えています。


2001
舞台『冬の運動会』(2001年)
前列左から2人目が高橋幸治氏


その頃からネットが本格的に普及し、掲示板などで幸治氏が話題になることも増えました。
ファンサイトもでき、再登場を願う声が多かったのですが叶わず、
最後の出演から早や10年が経ってしまいました。
ネットで見る限り、消息すら不明です。


大河ドラマ疎遠の不思議
そして大変不可思議で、また残念なことなのですが、
大河ドラマへの出演も、1978年の『黄金の日日』の信長役が最後となっています。
主演はないとはいえ、大河ドラマの顔といってもいい程の実績があるのに、
『黄金の日日』の後、確実に現役であった2001年まで約23年間の間、
なぜ出演がなかったのか、本当に不思議です。

NHKとの間に何か確執でもあったのか、と勘繰りたくなってしまいますが、
大河以外のNHKドラマには『黄金の日日』の後も、1996年の『ヒロシマ 原爆投下までの4か月』まで、
何本も出演しているので、それも考え難いのです。

出演すれば、その役の数だけ、伝説が増えていたろうに・・・、
そう思うと、本当に残念でなりません。


幸治氏は1935年生まれなので、お元気なら今年76歳。
本当は信長をもう一度観たかったです。
『太閤記』の時が30歳、『黄金の日日』は43歳、その10年後くらいに演じていたらどうだったでしょう。

さすがに49歳で没した信長役を、今後希望するのは無理かも知れません。
それは仕方ないとしても、二度と何も演じる気持ちはないのでしょうか。
まだ76歳です、諦め切れません。
健康状態等、なんの情報もないのだから、諦められないと騒いでも詮無いのですが。

しかし、幸治氏より4歳年長で、やはり出演が途絶えていた高倉健氏も
新作映画への出演が公表されました。
高橋幸治氏の再登場も心待ちにしています。


Old Fashioned Club  月野景史

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21.俳優 映画 演劇」カテゴリの記事

コメント

とても大好きな俳優さんです。
どうしてらっしゃるか と時折思っていました。 子どもだった私でも、最初の織田信長 の存在感はハッキリ印象に残っています。
映画の『沖田総司』 の撮影所に見学に行ったことがありまして、その時高橋幸治さんにお会いして、本当にあのように素敵な男性には会ったことがありません。優しく話かけてくださり目はとても涼しく深く、全身からはすっと爽やかさに溢れていました。存在感と共に男の美がありました。

田中京子さん
コメントありがとうございます。
『沖田総司』の撮影見学に行かれたのですか!
しかも会話まで、貴重な証言です。

太閤記とおはなはん、当時は中学生でした。
子供心に思いましたっけ。信長を演じるために生まれてきたお方だと。
実際、彼の前に信長なし、彼の後に信長なし。

今思うと、
この先どうなるかわからない青春時代みたいに、
希望と挫折のごった煮的熱気にあふれた現場だったのでしょうね。

気負いなく淡々と美意識を貫くお方なのでしょう。
美意識に反してまで残りたくはなかったのでは。
私もそんな姿は見たくありませんし。
未練も執着もなくゆっくりフェイドアウトされました。

おかげで私の心は、
遠い日々にあのお方に鷲掴みにされたまま、置いてけぼり(涙)。

 高橋幸治の信長は、高校生の時、リアルタイムで見ました。信長の持つ狂気と紙一重の天才性を表現し得た唯一の俳優だと思います。「天と地と」の信玄もよかった!

私も一番上の方と同じで彼の織田信長が一番だと思います!

ほりの深い顔だち 落ち着いた声…気品のある方でしたね!

今はもう引退されているようですね。

おはなはんの高橋さんも素敵でした(^-^)/~~

そういえば学生時代 高体連の応援をサボり友人と繁華街に行ったら樫山文枝さんを洋品店でお見かけしました!
地方です。

きれいでしたよ!

ふと、あのすばらしいNHK大河ドラマで信長を演じた高橋幸治さんはどうしておられるのだろう、と思ったのでした。
皆様と同様に高橋幸治さんの信長は最高だったと思います。
誰もあの方を凌ぐ信長像を創り出すことはできません。

彼の演じた信長は品格と狂気が入りまじりつつ、その落ち着きと迫力は他を圧倒するものがありました。
まさに名演技だったと思います。
殿を務めることを申し出た秀吉に一言、万感の感謝をこめ甲高い声で、「猿!」と言った場面は、震えるほど素敵でした。
たった一言の場面が今も胸を去りません。

昼ドラでは悪役や嫌な男の役もなされ、毛嫌いしたくなるほどでした。
あれが名優というものなのですね。
当時、まだ子供でしたが、役者としての格調高い演技力に目を瞠ったものでした。
今も活躍しておられるのでしょうか、お元気でいらっしゃるのでしょうか。
気がかりです。


インターネットで過去の大河ドラマを見る機会が増え、久しぶりに高橋氏の姿に接するようになりました。
子供の頃は憧れと同時にその気迫と気品に近寄りがたい印象が強かったのですが、今は時折見せる可愛らしさ、不器用さにも魅力を感じ、気になって仕方のない存在となってしまいました。
高橋氏には他の追随を許さない「男の美学」があります。
お仕事の引き際にもその美学を貫かれたのだと思います。
現在お幸せに過ごされていることを祈るばかりです。

朝ドラの「あさが来た」で”~ロス”とつぶやきされた中に元祖~ロスは高橋幸治です…とつぶやかれた方がいて。  その通りでしたね。

私は学生時代映画にはまり”戦争と人間”で高橋幸治にはまり前後不順かもしれないですがドラマ飢餓海峡あたりでドはまりしていましたね。
皆様の書かれている通り”器用な役者さんではないけど”でも人の悲しみの奥底まで見ている側に感じさせる奥行きを演じられる役者魂の方として大好きな役者さんです…今も。

キッパリと銀幕から去ったのは彼のポリシーと新潟人らしい気質があったのか、と想像ですが…焼きついた映像は私も果てるまで残っているので、こうして時々サイトで共感できる場があるとうれしいですね。

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