【映画】T・バートン×J・デップ『ダーク・シャドウズ』/クリストファー・リーも出演
【先日、ティム・バートン監督とジョニー・デップとの8度目のタッグ作となる
「ダーク・シャドウズ(原題)」が、ワーナー・ブラザース配給で来年5月に
日本公開されることが決定したとのニュースが伝えられました。
http://news.nifty.com/cs/entame/moviedetail/hwch-20111207-20111207_0301/1.htm
『シザーハンズ』(1990年)から数えて8度目の顔合わせとは、よほど手が合うのでしょう。
今回の映画『ダーク・シャドウズ』は1966年から71年まで、
米ABCテレビで昼時間帯に放送されたカルト的人気を誇るゴシック・ソープ・オペラを
オールスターキャストで映画化した作品です。
主人公バーバナス・コリンズ役で初のヴァンパイアを演じているジョニー・デップは、
かねてよりTVシリーズ版の熱狂的ファンと公言していたそうです。
テレビ版『ダーク・シャドウズ』は日本ではまったく放映されませんでしたから、
クラシックホラーファンにとっても注目です。
しかし、そのクラシックホラーファンに取って一番気になるのは、
ティム・バートンが吸血鬼映画を撮るなら、
クリストファー・リーは出演するのか、ということです。
結論をいいましょう。
引用したニュースには名前がありませんでしたが、
出演しているようです。
クリストファー・リー CBE
(Christopher Frank Carandini Lee CBE, 1922年5月27日 - )
イギリス出身、来年90歳を迎える今なお現役で活躍する名優。
そして、吸血鬼ドラキュラ役で知られる戦後の怪奇映画の大スターです。
以前、このブログでも紹介したピーター・カッシングとは、
22本の映画で共演した盟友でもあります。
そもそもティム・バートンはクラシカルな怪奇映画の大ファンです。
バートンにとっての最大のアイドルはヴィンセント・プライス。
プライスは戦後アメリカの怪奇俳優の第一人者で、
英国のカッシング、リーと合わせて戦後の三大怪奇スターなどと呼ばれます。
バートンの監督デビュー作はヴィンセント・プライスに憧れる少年を描いた、
ディズニーの短編アニメ『ヴィンセント』。
プライス本人が語り手を務めました。
そして、ジョニー・デップとも共演した『シザー・ハンズ』が、
プライスにとって実写映画での遺作となりました。
クリストファー・リーのバートン映画出演はプライスもカッシングも亡き後、
1999年の『スリーピー・ホロウ』においてでした。
この映画にはリーとカッシングの多くの名作ホラーを制作した、
ハマー・フィルム・プロダクションへのオマージュが籠められているといわれます。
クライマックスの疾走する馬車上でのアクションシーンは、
リーとカッシングがハマーの『ドラキュラ`72』で演じたのが元です。
迫力満点! リーのドラキュラ
リーのバートン作品への登場は声の出演も含めて今回が5度目になると思います。
おそらく出演シーンは多くはないでしょう。
存在がレジェンドです、出てくれるだけで嬉しいです。
怪奇の王者よ、永遠なれ! といったところです。
プライス(右上)、リー(左上)、カッシング(右下)、に加え、
先輩格のジョン・キャラダイン(左下)も加えた怪奇4大スター奇跡の共演。
『魔人館』(1982年)より
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