【美術展】『渋谷ユートピア1900-1945』松濤美術館/日本のモンマルトル(?)渋谷に集いし洋画家達の宴
東京渋谷の松濤美術館において、
『渋谷ユートピア1900-1945』が1月29日まで開催中です。
開館30周年記念特別展 渋谷ユートピア1900-1945
2011年12月5日-2012年1月29日
前期:12月6日-1月9日、後期:1月11日-29日
渋谷区立松濤美術館
http://www.shoto-museum.jp/05_exhibition/
この展覧会は渋谷近代のアーティスト・コロニー(芸術家村)を探索しようとする催しです
19世紀末から20世紀初頭にかけて、
フランスはパリのモンマルトルやモンパルナスという地域には、
綺羅星のごとく若い芸術家達が集まりました。
今となっては、美術史に輝く巨匠達です。
20世紀前半、明治末期から大正・昭和にかけて、
渋谷周辺にも日本の芸術達が集っていたのです。
東京が江戸情緒を払拭しつつ近代都市へと変貌していたこの時代、
渋谷もまたおおきく様変わりします。
そんな新時代の展開にともなって、多くの新進の芸術家たちは渋谷に集まってきたのですね。
この展覧会の主旨は、明治末から昭和戦前までの渋谷に住んだ美術家、
あるいは渋谷を描いた画家を取り上げ、
美術家たちの「ユートピア—美の発信地」であった、
かつての渋谷の姿を再発見しようとするものです。
児島善三郎『赤松の丘』(1934年)
油彩画、日本画、彫刻、版画、詩稿、手紙、ポスター、デザイン画、装幀・挿絵、
家具、建築図面など、多彩な分野の作品約150点が展示それています。
そしてそれらはかなり細かい章に分けられています。
序章.逍遙する人—《落葉》と代々木の菱田春草
Ⅰ章.岡田三郎助と伊達跡画家村
Ⅱ章.永光舎山羊園と辻永
Ⅲ章.切通しの道と草土社—岸田劉生の風景
Ⅳ章.束の間のユートピア—村山槐多の終焉
Ⅴ章.竹久夢二のモダンとおんな
Ⅵ章.詩人画家富永太郎の筆とペン
Ⅶ章.フォービズムの風—独立美術協会の周辺
Ⅷ章. 郊外を刻む—版画家たちの代々木グループ
Ⅸ章. 同潤会アパートメントに住む―蔵田周忠と型而工房
Ⅹ章.安藤照とハチ公と塊人社—昭和前期の彫刻家たち
終章.都市の遊歩者—谷中安規と《街の本》
渋谷区立松濤美術館
渋谷の雑踏から離れた閑静な地に佇む瀟洒な美術館です。
渋谷駅から15分と聞くと、ちょっと遠いように感じますが、
東急本店の前を通り過ぎてからはそれほど遠くはありません。
まもなくリニューアルオープンするBunkamura ザ・ミュージアムに行く時に、
こちらも覗いてみるというのもいいかも知れません。
今回の展覧会も入場料300円ですからね。CP高いです。
しかし、『渋谷ユートピア1900-1945』というタイトルはどうなのでしょう。
イメージがしにくいようにも感じます。
小さい美術館だから仕方ないとはいえ、お客の入りも少し寂しく感じました。
展示品も所蔵品ではなく、関東中心ですが、各地の美術館から集めているのに。
いっそのこと、思いっ切りわかり易く、
「渋谷に集まった日本の洋画家たち-明治・大正・昭和-」
とでもすれば、西洋絵画ファンがすぐに反応するだろうにと思うのですが。
関連ブログ
同じ渋谷の文化村でも展覧会が開幕しました。
【美術展】『フェルメールからのラブレター展』Bunkamuraザ・ミュージアム/17世紀オランダの日常光景
« 【プロ野球】中畑清横浜DeNA監督誕生/22年前、あの人が中畑監督待望論を掲げていた!? | トップページ | 【美術】宮川香山『葡萄ノ蔓ニ蜂ノ巣花瓶』 12/10『美の巨人たち』より/あまりにリアルな動植物の陶芸 »
「01.Art 美術 (展覧会)」カテゴリの記事
- 【美術展】「佐伯祐三 自画像としての風景」東京ステーションギャラリー/パリ、東京、1920年代を駆け抜けた夭折の画家(2023.02.13)
- 【美術展】「絵画のゆくえ2022」SOMPO美術館/近年の「FACE」受賞作家の展覧会(2022.02.06)
- 【美術展】「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」文化村ミュージアム/箱根の大美術館の名画を渋谷で鑑賞(2021.09.30)
- 【美術展】「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」三菱一号館美術館/日本の歴史ある大企業の美術力(2021.07.15)
- 【美術展】「1894 Visions ルドン、ロートレック展」三菱一号館美術館 1/17まで開催中(2020.12.01)
« 【プロ野球】中畑清横浜DeNA監督誕生/22年前、あの人が中畑監督待望論を掲げていた!? | トップページ | 【美術】宮川香山『葡萄ノ蔓ニ蜂ノ巣花瓶』 12/10『美の巨人たち』より/あまりにリアルな動植物の陶芸 »
コメント