【昭和プロレス】ウィレム・ルスカ氏の死亡情報は“誤報”のようです
追記:この記事は2011年11月に書かれたものです。
ウィレム・ルスカ氏は2015年2月14日に死去しました。
オランダの柔道家で1972年ミュンヘンオリンピック柔道男子無差別級、重量級金メダリスト、
そして日本でアントニオ猪木氏と異種格闘技戦を闘ったことでも知られる
ウィレム・ルスカ氏(Willem Ruska、1940年8月29日生まれ、ウィリエム、ウィリアムとも、)が
数年前に亡くなっていたという情報が流れ、プロレスファンを驚かせました。
結論を先に書くと、どうやらこの件は誤報だったようです。
先日このブログでも紹介した、ローランド・ボックのインタビュー記事の執筆者である
那嵯涼介氏のツイッターによると、同氏の知人がオランダの柔道関係者に連絡を取り、
誤報であることを確認したとのことです。
以下、ネットから得られる情報でこの件の顛末を記します。
この件の情報元は11月25日に渋谷区文化総合センターで開催された
「格闘サミット2011『UWFと天龍革命』」というイベントのようです。
天龍源一郎、前田日明、藤原喜明という昭和プロレスのビッグネームに加え、
田中ケロ、和田京平、ドクター林の各氏、
更に、ゲストMCとして流智美氏(プロレス評論家)も出演したようです。
このイベント中に前田氏がクリス・ドールマン氏からの伝聞として、
ルスカ氏について発言したようです。その内容は、
「ルスカは何年か前に亡くなっており、そのことを2~3年前にドールマンから聞いた。
弱った姿を誰にも見せたくなかったらしくて、ドールマンにも看取らせなかった」
ドールマン氏はルスカ氏と同じオランダの著名な格闘家で、
1976年に行われたアントニオ猪木氏とルスカ氏の「格闘技世界一決定戦」でセコンドを務めた
ルスカ氏とは懇意の人物です。
ルスカ氏が亡くなっていたとは、出演者を含む今回のイベント会場に集まっていた人々にとっても
寝耳に水だったと思いますが、ドールマン氏からの伝聞となると、反論も出来なかったのでしょう。
そして、イベント参加者によって“訃報”が広がってしまったようです。
ルスカ氏は猪木氏との対戦の後、プロレスも行いましたが、大成はしませんでした。
しかし、初戦から16年が経過した1992年にも猪木氏と再戦を行い、健在を示しました。
プロレスの水には合わなかったようですが、
猪木氏との試合は名勝負として語り継がれていますし、
プロレス関係者の証言から、今も最強伝説に彩られた人物です。
その後、ルスカ氏は2001年に脳梗塞で倒れたことが伝えられています。
それが今回の件に繋がった面もあるでしょう。
しかし、ルスカ氏は今から2年前の2009年8月、母国オランダのロッテルダムで開催された
柔道世界選手権大会に、車椅子に乗ってですが元気な姿を見せているようです。
そうなると数年前に死去というのは時間的に合いません。
仮に時間の情報には誤差があり、もっと最近のことであったとしても
常識的に考えて、元五輪金メダリストで、僅か2年前に世界選手権という公の場に
現れた人物がその後に死去したとして、何も報道されないとは考え難いようにも思えます。
2009世界選手権時の画像を紹介しておきます。
以前と変わらない精悍な姿のように思えます。
http://www.judoinside.com/lib/bin/photos/view.jpg?id=4874
それにしても、誤報だとすれば前田氏(あるいはドールマン氏ということになるのですが)は
何を勘違いしたのでしょう。
同じオランダの東京五輪柔道金メダリストで、やはりプロレスも行った
アントン・ヘーシンク氏は2010年に亡くなっています。
しかし、このことは世界的に報道されていますから、
まさか混同するとは思い難いです。
人の生死に関わることですから、慎重にしていただきたいですね。
まして、ルスカ氏は柔道の分野でも歴史的な存在なのだから、
「プロレス関係者がとんでもないデマ流して」などと言われてしまいますから。
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