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2011年10月28日 (金)

【プロ野球】横浜ベイスターズ買収問題 TBS→DeNA/球団名に「モバゲー(Mobage)」は実現するか

プロ野球セントラル・リーグの横浜ベイスターズをTBSホールディングスから、
モバゲー(Mobage)を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)が買収する事がほぼ決まったようです。
しかし、球団名に「モバゲー」が入れられるかがネックとなり、進行に滞りが発生し、
譲渡の発表も延期になったとのことです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111028-00000054-spnannex-base


最近は球団の売却問題もなかなか買い手がつかず難航する傾向があります。
だいたい売却話が出るような球団は赤字を抱えているでしょう。
この時代に新たに赤字部門を抱え込むとは、株主の手前もあり難しいのも当然です。

宣伝効果といっても、読売巨人軍渡辺恒雄球団会長がいうところの“一流企業”ならば、
今更球団持ったからといってさほどの宣伝効果があるとも思えず、
むしろ戦績が低迷したり、経営・人事面のゴタゴタなどが報道されれば逆効果です。
ベイスターズの親会社であるTBSなどまさにその例です。
スポーツにしろ、社会・経済問題しろ、偉そうに報道する前に自分が保有している球団を、
せめてもう少しなんとかしろ、と言われてしまいますね。

宣伝・広告効果を期待して手を挙げるとすれば新興企業(古い言い方ですが)になるでしょう。
別に今始まったことではなく、少なくともオリックス(1988年参入)あたりから、
あるいはもっと以前からそうかも知れませんが。


モバゲー(Mobage)
私は「モバゲー」という言葉は知っていましたが、モバイルで遊ぶゲームの総称と思っていました。
それが誤解で、DeNAという特定企業の“商品”だと知らしめた時点で、
既にかなりの宣伝効果があったといえるでしょう。

私の場合は、だからといってモバゲーにお金を落とす可能性は低いですが、
同じようにモバゲーを知った人の中にはお金を使う人も出てくるかと思います。
私とて先々はわかりません。


この会社についてはその業務内容から拒否感を持つ他球団もあるといいます。
その点については詳しくないので言及しませんが、
善し悪しは別としても、「モバゲー」は若年層に支持されているもののようです。
それならば、イベント、ファンサービスなど絡めて、
新たな野球ファン開拓に繋がる可能性もあるかと思います。
これは球界にとって悪い話ではないと思いますが、あまりそういう観点では語られませんね。

報道によると、DeNAの参入そのものに拒否感を持っている球団もあるようですが、
球団名に「モバゲー」と付けることの可否が論点になっているようでもあります。
渡辺巨人軍会長なども、記者の質問に対してそのように答えていました。
(この方、つい先日、他球団のことなど一切しゃべらないと宣言していたと思いますが)
「モバゲー」はサービス名であって、社名でないからというのがその理由のようです

つまり、球団名に社名を付けるはいいが、商品名はNGという見解があるのです。
報道によると、NPB(日本野球機構)の規約にそのような条項はないようで、
いわば「慣習」とのこと。

2005年、ソフトバンクがダイエーかホークスを買収した際、
球団名に「yahoo」と入れようとしたが、適わなかった実例があるそうです。

ならば「モバゲー」と付いた球団運営の会社を作ればいいと思いますが、
それにも否定的な意見もあるようです。

例えば、読売ジャイアンツの「読売」とは、
親会社の名称「読売新聞グループ本社」の一部であると同時に
「読売新聞」という商品名の一部でもあります。
このように社名と看板商品名が一致している企業はいいですが、
そうでなければ、宣伝効果を考えてなんらかの方策を取るのも当然でしょう。

また、埼玉西武ライオンズの現在の親会社は西武鉄道ですが、
実はこうなったのは2006年からで、以前はいわゆる“西武グループ”の中核であった
国土計画(後にコクドと改称)が親会社でした。
これは問題なかったのでしょうか?

TBSはベイスターズ買収の時点で、乗り気でなかったのは素人目にもわかりましたし、
その後も手放したくて仕方ない、という気持ちが見えました。
ファンの方には大変失礼ですが、TBSからすれば明らかに“お荷物”の球団売却問題、
どう決着しますか?


売名目的?
ところで、関係者のみならず、ネット上での一般の人達の意見にも、
「売名目的で球団を買うなどけしからん」という論調が多いようです。
いまだにこのような声が多いとは驚きます。

確実に儲かるなら別ですが、赤字球団を売名以外の主目的があって買うでしょうか。
「スポーツ文化の振興」・・・、
それを掲げるには球団経営は金がかかり過ぎるし、
プロ野球自体が完全な興行ビジネスだと思うのですが。

「売名」というと印象が悪いですが、つまり企業の「宣伝」ですね。
良い意味で名を売る為には球団も健全経営し、戦績面でも結果を出さねばなりません。
それなりの覚悟も必要でしょう。

新興企業の場合はそこまで考えず、ただ「名を売るだけ」だという見方もあるのでしょうが、
莫大なお金もかかることだし、そこそこの覚悟はあるでしょう。
「売名」「宣伝」が悪いとも思えません。


・・・・しかし、私はDeNAに肩入れする気はまったくなく、
というかこの会社を全然知らないのですが、
心ならずも擁護する内容になってしまいました。

今回のTBS→DeNAの売却問題についてというよりは、
球団売却問題の一般論だとご理解ください。

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25.スポーツ」カテゴリの記事

コメント

プロ野球文化を一つの市場として新たな拡大を目指すのか、プロ野球を企業の一事業部門としてその広告機能を重視する従来の姿勢に戻るのかといったところで、日本の文化性そのものに対する問いかけだと思います。

横浜ベイスターズは日本の球団で唯一企業を取り払った球団ですから、20年前からある意味相当先取的にプロ野球市場の拡大と維持まで考えたマクロ視点をもっていたと思います。そのあと、パリーグの各球団が都市名や地域名を取り入れ地域密着を図り再生を果たしつつありますね。

そういう意味では、今回もし親会社が変わることで、企業名が入れば、それは時計の針を20年前に戻すことですから、ある意味、時代の後退と捉えることもできるでしょう。

経営とうのは親会社がどこまで真剣に野球という興行事業に取り組む意欲があるかが大きく問われるところで、そこには地域社会、地域経済界、チーム力強化、ファン創出など相当の覚悟と取り組みが必要とされると思います。そこを軽視してしまうとチームは低迷し、ファンは離れていくのでしょう。社名を入れることは球団を自社の一事業部門にすることですから企業カラーが如実に反映され、普遍的にファンを取り込むことが難しくなることが考えられないでしょうか。

ここらへんがアメリカのプロスポーツ界と大きく異なる部分だと思います。アメリカのアイスホッケー、アメフト、バスケットボール、メジャーリーグの各チームに企業スポンサー名が入ったチームが無いことを見ていく必要があるでしょう。

2011年10月30日 (日) 01時04分にいただいたメッセージへのレスです。

アメリカのプロスポーツ界についてはわかりませんので、日本の球団経営について書きます。

「プロ野球」という枠組みあるとはいえ、球団経営は個々の親会社に依存しています。
経営難に陥れば手放すというのは当然の帰結かと思います。
譲渡先については、希望する企業が多くあれば、機構側も理想的なところを選べますが、
そのような状況ではないですね。

あくまで私の受けた印象ですが、横浜ベイスターズが他に先駆けて企業名を外したのは、
当時の親会社が先々の球団売却を前提に、自社のイメージを薄める目的もあったように思えます。
これが誤った失礼な見方だとしても、最も先取的であった筈の球団が、
10年間で8度の最下位という、ドラフト制度成立以降は例のない負の記録を作ったことは、
象徴的のことのように思えてなりません。

もしDeNAの参入がかなわなければ、TBSは球団放棄はできないだろうから、
所有を続けるでしょう。
しかし、この状態での継続はさすがに厳しい。
他の11球団にも色々事情があるでしょうが、当面表面化している問題はないので、
ここは極力譲渡を認めて、来シーズンに臨むのがベターかと思います。
DeNA自体に企業として問題があるというなら別ですが。

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