【美術展】「アール・デコの館」 東京都庭園美術館/歴史ある美術館が改装前にその全貌を公開
東京白金台の東京都庭園美術館にて、
「アール・デコの館」展 が10月31日まで開催中です。
東京都庭園美術館建物公開 アール・デコの館
2011年10月6(木)-10月31日(月) 東京都庭園美術館
公式サイト http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/2011artdeco/index.html
東京都庭園美術館の建物は1933年(昭和8年)に朝香宮邸として建てられました。
外観はモダニズム建築特有の簡潔な外観を持つ建物ですが、
一歩足を踏み入れると、一転してアール・デコ様式の装飾が訪れる人々を迎えます。
この歴史ある美術館がまもなくリニューアルの為の休業に入ります。
本展はその前に、この歴史ある建物そのものを堪能してもらおうという趣旨の催しです。
*建物自体を楽しもうという企画なので、いわゆる“展示作品”は多くはありません。その点はご了承ください。
アール・デコとは
本展のタイトルになっている「アール・デコ」とは、よく聞く言葉ですが、つまり何なのでしょう?
もうひとつよく聞く「アール・ヌーヴォー」との関係は?
アール・デコ様式とは、1920~30年代にヨーロッパで一世を風靡した装飾様式のことです。
これより少し前、19世紀末のヨーロッパをアール・ヌーヴォーが彩りました。
アール・ヌーヴォーは植物をモチーフにした、装飾性豊かな芸術様式です。
絵画、グラフィックアートではアルフォンス・ミュシャの名がまず思い浮かびます。
少し時を経て、20世紀を迎えてしばらく経ち、1925年にパリで開催された
「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」(通称:アール・デコ博覧会)がその名の由来となります。
ここではアール・ヌーヴォーの影響を色濃く残した有機的な装飾豊かな作品と、
装飾を排した無機的なモダンな作品とが混在して紹介されていました。
つまり、アール・デコはアール・ヌーヴォーの優雅さと、
モダンデザインの機能美との狭間で誕生した様式だといえます。
そして、東京都庭園美術館の建物にもこの二つの方向性が見られます。
例えば、優美な女性像がモチーフの正面玄関のガラスレリーフ扉。
モチーフそのものはアール・ヌーヴォーを想起させますが、
素材はガラスと鉄という大量生産に適したモダンなものが使われています。
このように本展では、建物全体をじっくり鑑賞することで、
優雅さと機能美を持つアール・デコ様式の多彩な表情に親しみ、
実感できるというわけです。
今回の展覧会は館内の写真撮影が可能です。
何点がご紹介します。
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