【美術展】『モダン・アート,アメリカン ―珠玉のフィリップス・コレクション―』六本木国立美術館/アメリカ近現代美術史を俯瞰
東京六本木の国立新美術館で12月12日まで、
『モダン・アート,アメリカン ―珠玉のフィリップス・コレクション―』展が開催中です。
モダン・アート,アメリカン ―珠玉のフィリップス・コレクション―
2011年9月28日(水)-12月12日(月) 国立新美術館
主催:国立新美術館、フィリップス・コレクション、読売新聞社
公式サイト http://american2011.jp/index.html
首都圏で開催される美術展で、この秋最大級の本展が開幕しました。
しかし、この「モダン・アート,アメリカン」というタイトルが相応しいのか、少し疑問を感じます。
用法としては合っているとしても、これだといわゆる“現代アート”、
抽象性の強い、難解な芸術作品をイメージする人が多いのではないでしょうか。
今回の出展作品は110点。
年代は19世紀末から20世紀半ばまで。
風景画の比率も高く、アメリカカンスタイルの印象派絵画から、
都市の風景やそこに暮らす人々を描いた絵、人物画、
そして抽象性の強い作品へと繋がっていきます。
アメリカの絵画史のみならず、米国近現代史を俯瞰するかような、
なかなかおもしろい展覧会です。
批判的なことばかりで申し訳ないですが、
公式サイトの紹介文も冒頭部分がちょっと難解に感じます。
抽象絵画は好き嫌いが分かれる面がありますので、その印象で敬遠してしまう人がいないように祈ります。
展覧会はとてもいいので、誤解されないかが心配なだけです。
フィリップス・コレクション(ワシントンD.C.)
ちょっとわかり難いですが、美術館の名称です。
鉄鋼業で財を成したフィリップス家の次男ダンカンと妻マージョリー夫妻の
個人コレクションをもとに設立されたアメリカで最初の近代美術館です。
マネやルノワールら印象派をはじめとする西欧絵画の大規模なコレクションを誇る一方、
アメリカ人画家の作品を積極的に購入し、同時代の若い芸術家を支援した功績は広く知られています。
今回の展覧会には、同美術館所蔵のアメリカの美術品から110点が来日を果たしました。
19世紀後半からアメリカン・モダニズムの時代を経て、戦後のアメリカ絵画隆盛期にいたる
アメリカ美術の軌跡をたどります。
固有の風土と歴史の中で独自の表現を追求しつつ培われてきたアメリカ美術の多彩な魅力を伝えてくれることでしょう。
作品は以下の10ブロックに分かれ展示されています。
第1章 ロマン主義とリアリズム
第2章 印象派
第3章 自然の力
第4章 自然と抽象
第5章 近代生活
第6章 都市
第7章 記憶とアイデンティティ
第8章 キュビズムの遺産
第9章 抽象表現主義への道
第10章 抽象表現主義
いくつか紹介しましょう。
『日曜日』 エドワード・ホッパー
本展の看板作品。都市の中の孤独。
『冬の6時』 ジョン・スローン
『ランチョス教会、No.2、ニューメキシコ』 ジョージア・オキーフ
『フージック・フォールズ、冬』 グランマ・モーゼス
『パッリア橋』 モーリス・プレンダーガスト
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