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2011年10月21日 (金)

【昭和プロレス】DVD『国際プロレスクロニクル外伝』/これが最後か、終焉から30年目の年に奇跡の発売

国際プロレスとは・・・、

1967年に旗揚げ、
そして今から30年前の1981年に活動を停止したプロレス団体です。

その国際プロレスの主に末期の試合映像が収録されたDVD-BOX
『国際プロレスクロニクル外伝』が
クエストより10月20日に発売されました。
http://www.queststation.com/products/DVD/SPD-1330.html

Kokusai_gaiden

国際プロレスのテレビ放送は大別するとその前半、1968年-1974年はTBS、
それ以降、1981年までは東京12チャンネル(現テレビ東京)によってされました。

その映像は稀少で、TBS時代のものは僅かにビデオ発売されたことがありますが、
テレビ東京のものは局には残っていないといわれていました。
それがここ数年、新たな映像の発見もあり、DVD-BOXが以下のように合計5セット発売されました。

ポニーキャニオン
『竹内宏介監修 伝説の国際プロレス 1969-1974』 (2005年)
『不滅の国際プロレス 1974~1981』 (2007年)

クエスト
『国際プロレス クロニクル 上巻』 (2010年)
『国際プロレス クロニクル 下巻』 (2011年)
『国際プロレス クロニクル 外伝』 (2011年)

ポニーキャニオン版は1巻目がTBS時代、2巻目がテレビ東京時代で、
テレビ局に残っていた映像に加えて、8ミリカメラで撮影されたものなどで構成されています。

クエスト版は家庭用ビデオで録画されたものが中心です。
国際プロレスは家庭用ビデオの本格的普及直前に終焉していますので、
収録されたものは主に最末期の1978年以降の映像です。
加えて、局や制作会社から新たに発見された放送素材も含まれています。

「ない」と言われていた映像が発見され、正規ソフトとして発売、
終焉から30年目を迎えた今年までにDVD-BOXが全5セット、
多くの映像を目に出来たのは嬉しい事でした。


さて、今回発売の『外伝』ですが、
本来、『下巻』が最後になる筈でしたが、『下巻』発売後新たに発見された映像もあり、
奇跡的な緊急リリースとなりました。
今後、新たなる映像発見が絶対にないとはいえませんが、
おそらくはこれが最後になるのでしょう。

正直いえば、画質の良くないものも混ざっています。
ともかく、コアな分野です。
「多少画質が悪くてもとにかく観たい、出してほしい」という人が買えばいいのだと思います。
それにしても、ここまでリリースが継続したということは、商売として成り立ったということでしょう。
一体どれくらい売れたのか、興味深いところではありますが。


いくつか注目の試合をピックアップして紹介します。
当然ですが、あくまで個人的好みです。


◆ラッシャー木村&グレート草津vsアニマル浜口&マイティ井上
1979年3月4日 愛知・豊明市福祉体育館

国際プロレスは他団体に先駆けて日本勢のエースクラスの対戦を行ったりしていたのですが、
後期になると各団体恒例の春のリーグ戦もあまり開催されなくなり、
日本勢トップ同士の対戦も多くはありませんでした。
特にタッグ戦は稀少です。

この年の1月まで草津&浜口組がIWA世界タッグ王座を保持していたのですが、
新日本プロレスのヤマハ・ブラザース、山本小鉄&星野勘太郎組に奪われてしまいます。
それを浜口が井上と組んで奪回しました。

これはその直後の試合です。
タイトル戦ではありませんが、新王者の浜口&井上に、
王座から転落した草津が、シングルの世界王者であるエースの木村と組んで挑んだ試合です。

草津は過去に木村や井上と組んで同王座を保持していたこともありました。
特に木村とは他にヨーロッパタッグ王座も獲っている長年の名コンビです。
無冠に転落した草津が復活を賭けて挑んだ試合・・・というほどの悲壮感もないですが、
(草津は国際プロレスのマッチメーカーですしね)
なかなかおもしろい試合ではあります。

どちらかといえば新王者コンビが押し気味ですが、
草津が井上を投げつけたボディスラムなどは凄い迫力、ナチュラルパワー未だ現在という感あり。
それだけ井上の受けが上手いともいえるのかも知れませんが。


◆IWA世界ヘビー級選手権(金網デスマッチ)
ラッシャー木村vsジプシー・ジョー
1979年5月7日 静岡・富士市民体育館

金網デスマッチでのIWA世界タイトル戦。
この試合を観ると、やはり木村の最高のライバルはジョーだったと思います。
真っ向からの殴り合いはこの二人の真骨頂でした。

この後もジョーは国際プロレスに5度登場しますが、
ややランク落とし、エースの木村との抗争は小休止状態になります。
最末期にもう一度IWA世界戦が実現しますが、既にテレビのレギュラー放送終了後で、
その試合も放送はされませんでした。

そしてこの試合はおそらく、「金網の鬼」の異名を持つ木村にとって、
テレビで放送された最後のシングルでの金網デスマッチだと思います。
(タッグ戦がもう一試合ありますが、それもこのすぐ後のシリーズです。)
テレビ放送終了まで後2年ありますし、金網戦が放送されなくなったわけではありません。
ただ、木村のシングル戦としてはこれが最後だと思います。


◆マイティ井上&寺西 勇vsモンゴリアン・ストンパー&アレックス・スミルノフ
1979年11月7日 青森・弘前市体育館

国際プロレス初登場の幻の強豪ストンパーと、
前回の来日で木村からIWA王座を奪取した当時のNo.1外人スミルノフ、
圧倒的な強さで勝利し、新最強外人コンビとして、この後のタッグ戦線での更なる大暴れを期待させました。
しかし、二人は木村への挑戦権をめぐり仲間割れしてしまい、
テレビでは最初で最後のタッグ結成になってしまいました。
(かといって二人のシングルでの対戦も実現せず、中途半端な成り行きでしたね。)

二人は国際プロレスが解散した翌1982年、
全日本プロレスのチャンピオンカーニバルに揃って参加しましたが、
なんとも寂しい結果に終わってしまいました。


◆ラッシャー木村&グレート草津vs上田馬之助&サンダー杉山
1979年9月13日 愛知・愛知県体育館

当時のサンダー杉山はほとんど引退状態で、地元名古屋での、
国際プロレスと新日本プロレスの試合にのみ登場することがありました。
おそらくこの後も試合に出たことはあると思いますが、
テレビで放送されたのはこれが最後ではないかと思います。

しかし、この試合は本当に目茶苦茶の乱闘ぶりです。
上田の試合にメチャクチャは珍しくないですが、これはかなり極端です。
それもまた、ひとつの楽しさですが。

木村と杉山の真っ向対決もレアです。
この組み合わせは結構おもしろいです。


◆第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト
1977年2月-3月

過去に収録された試合も含まれていますが、
貴重な試合のハイライトシーンの連続は圧巻です。
見どころはやはりバションとジョーの凶暴さ、クイン&ヘスの名コンビぶりでしょうか。


収録試合
DISC.1
■昭和50年12月11日 東京・日本武道館(力道山追善特別試合)
 NWA世界ジュニア・ヘビー級選手権
 ヒロ・マツダ vs マイティ井上
■昭和51年9月6日 東京・後楽園ホール
 ラッシャー木村&マイティ井上 vs ワイルド・アンガス&ピート・スチュアート(1本目のみ)
■昭和52年3月1日 埼玉・越谷市体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 寺西 勇 vs マッドドッグ・バション
■昭和52年3月1日 埼玉・越谷市体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 マイティ井上 vs 稲妻二郎
■昭和52年3月10日 茨城・水戸市民体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 グレート草津 vs ビッグ・ジョン・クイン
■昭和52年3月10日 茨城・水戸市民体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 ラッシャー木村 vs クルト・フォン・ヘス
■昭和52年3月15日 愛知・豊橋市体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 マッドドッグ・バション vs ジプシー・ジョー
■昭和52年3月15日 愛知・豊橋市体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 ラッシャー木村 vs ジャック・クレイボーン
■昭和52年3月15日 愛知・豊橋市体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 マイティ井上 vs 寺西 勇
■昭和52年3月25日 神奈川・横浜文化体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 マイティ井上 vs マッドドッグ・バション
■昭和52年3月25日 神奈川・横浜文化体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 ラッシャー木村 vs グレート草津
■昭和52年3月26日 東京・蔵前国技館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 マイティ井上 vs ジプシー・ジョー
■昭和52年3月26日 東京・蔵前国技館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 ラッシャー木村 vs マッドドッグ・バション
■昭和52年2月27日 東京・後楽園ホール(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 グレート草津&マイティ井上 vs マッドドッグ・バション&ジプシー・ジョー
■昭和52年3月1日 埼玉・越谷市体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 ラッシャー木村&大位山勝三 vs ビッグ・ジョン・クイン&クルト・フォン・ヘス
■昭和52年3月10日 茨城・水戸市民体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 アニマル浜口&寺西 勇 vs マッド・ドッグ・バション&ジプシー・ジョー
■昭和52年3月15日 愛知・豊橋市体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 サンダー杉山&剛 竜馬 vs ビッグ・ジョン・クイン&クルト・フォン・ヘス
■昭和52年3月25日 神奈川・横浜文化体育館(第6回IWAワールド・シリーズ ダイジェスト)
 アニマル浜口&寺西 勇 vs ビッグ・ジョン・クイン&クルト・フォン・ヘス
■昭和54年7月21日 新潟・村上市体育館
 IWA世界ヘビー級選手権
 ラッシャー木村 vs アレックス・スミルノフ
 ※ノーカットバージョン
■昭和54年4月20日 富山・富山市体育館
 IWA世界ヘビー級選手権
 ラッシャー木村 vs 上田馬之助
 ※ロングバージョン
■昭和54年9月29日 神奈川・横浜文化体育館
 IWA世界ヘビー級選手権
 ラッシャー木村 vs 上田馬之助
■昭和55年3月15日 埼玉・越谷市体育館
 45分1本勝負
 マイティ井上&アニマル浜口&寺西 勇 vs エディ・サリバン&トム・スタントン&鶴見五郎
■昭和55年11月11日 三重・四日市市体育館
 60分1本勝負
 ラッシャー木村 vs ザ・グレート・ムルンバ
■昭和55年11月11日 三重・四日市市体育館
 45分1本勝負
 マイティ井上 vs アレックス・スミルノフ
■昭和55年11月21日 大阪・堺市金岡体育館
 60分1本勝負
 ラッシャー木村 vs キラー・カール・クラップ
■昭和54年10月3日 青森・黒石市中央スポーツセンター
 45分1本勝負
 阿修羅・原 vs ニック・ボックウィンクル
■昭和53年11月12日 岐阜・萩原町あさぎり体育館
 ラッシャー木村 vs 石川隆士
■昭和53年11月12日 岐阜・萩原町あさぎり体育館
 30分1本勝負
 グレート草津 vs マイティ井上
■昭和53年11月12日 岐阜・萩原町あさぎり体育館
 寺西 勇 vs グレート小鹿

DISC.2
■昭和54年3月4日 愛知・豊明市福祉体育館
 寺西 勇 vs ジョン・トロス
■昭和54年3月4日 愛知・豊明市福祉体育館
 マイティ井上&アニマル浜口 vs ラッシャー木村&グレート草津
■昭和54年3月6日 岐阜・岐阜市民センター
 ラッシャー木村 vs ジョン・トロス
■昭和54年3月6日 岐阜・岐阜市民センター
 IWA世界タッグ選手権
 マイティ井上&アニマル浜口 vs ザ・サモアンズ
■昭和54年3月24日 茨城・境町民体育館
 30分1本勝負
 阿修羅・原 vs 稲妻二郎
■昭和54年3月24日 茨城・境町民体育館
 30分1本勝負
 ラッシャー木村&鶴見五郎 vs ジョン・トロス&クレージー・アラブ
■昭和54年11月7日 青森・弘前市体育館
 45分1本勝負
 マイティ井上&寺西 勇 vs アレックス・スミルノフ&モンゴリアン・ストンパー
■昭和54年11月20日 東京・蔵前国技館
 AWA世界ヘビー級選手権
 バーン・ガニア vs ビル・ロビンソン
 ※ノーカット版
■昭和54年7月19日 北海道・木古内町民体育館
 寺西 勇 vs ダイナマイト・キッド
 ※キッドの初来日 第1戦
■昭和55年1月30日 埼玉・秩父市民体育館
 IWA世界タッグ選手権
 61分1本勝負
 マイティ井上&アニマル浜口 vs キラー・カール・クラップ&ジプシー・ジョー
■昭和55年2月23日 千葉・館山市民センター
 アニマル浜口 vs モンゴリアン・ストンパー
■昭和55年2月24日 東京・後楽園ホール
 ラッシャー木村&阿修羅・原 vs モンゴリアン・ストンパー&トム・スタントン
■昭和54年5月7日 静岡・富士市民体育館
 WWU世界ジュニア・ヘビー級選手権
 阿修羅・原 vs ミレ・ツルノ
■昭和54年5月7日 静岡・富士市民体育館
 IWA世界ヘビー級選手権(金網デスマッチ)
 ラッシャー木村 vs ジプシー・ジョー

DISC.3
■昭和54年5月7日 静岡・富士市民体育館
 45分1本勝負
 マイティ井上 vs キラー・ブルックス
■昭和54年7月9日 宮城・仙台市宮城県スポーツセンター
 チェーンデスマッチ
 30分1本勝負
 阿修羅・原 vs ザ・テキサス・アウトロー
■昭和54年9月9日 東京・後楽園ホール
 アニマル浜口&阿修羅・原 vs ケリー・ツインズ
■昭和54年9月9日 東京・後楽園ホール
 ラッシャー木村&マイティ井上 vs 上田馬之助&ジョー・ルダック
■昭和55年4月28日 岩手・大船渡市体育館
 マイティ井上 vs マイク・ジョージ
■昭和55年5月11日 岩手・二戸市体育館
 ラッシャー木村&大木金太郎 vs マイク・ジョージ&ジョー・ルダック
■昭和56年3月12日 広島・府中市商工会議所大ホール
 ラッシャー木村 vs レッド・デビル
■昭和56年3月8日 和歌山・和歌山県立体育館
 60分1本勝負
 ラッシャー木村&アニマル浜口 vs レイ・キャンディ&ルーク・グラハム
■昭和55年7月24日 北海道・千歳市スポーツセンター
 30分1本勝負
 アニマル浜口 vs スパイク・ヒューバー
■昭和55年7月24日 北海道・千歳市スポーツセンター
 バトルロイヤル
■昭和53年9月12日 埼玉・深谷市体育館
 マイティ井上 vs リップ・タイラー
■コメント(菊池&井上) サンダー杉山
■昭和54年9月13日 愛知・愛知県体育館
 ラッシャー木村&グレート草津 vs 上田馬之助&サンダー杉山
■昭和56年1月4日 東京・後楽園ホール
 ルー・テーズ杯争奪予選リーグ
 マイティ井上 vs レオ・ロペス
■昭和56年1月4日 東京・後楽園ホール
 ルー・テーズ杯争奪予選リーグ
 アニマル浜口 vs ベン・アレクサンダー
■国際プロレス活動停止により、昭和56年秋に予定されながら実現されずに終わったルー・テーズ杯決勝リーグに代えて
 The Story of A Wrestler, Lou Thesz

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