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2011年9月12日 (月)

【日本史】『江』35話「幻の関ヶ原」/驚異の関ヶ原の合戦ダイジェスト鑑賞記

昨日放送のNHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』は第35回「幻の関ヶ原」でした。
次回、どこからスタートするのかよくわかりませんが、
今回ので「関ヶ原の合戦」はほぼ終わったという事でしょう。
家康が三成の挙兵を聞いたところから関ヶ原本戦まで、一気にまとめましたね。
関ヶ原ダイジェストだと思ってみればいいのかも知れません。

ネット上では関ヶ原での戦闘シーンをじっくり描いてほしいという声もありましたが、
お金もかかるしも、姫さまたちが主役のドラマだから、これは無理な要望かも知れません。

ただ、関ヶ原の合戦については付随するいくつかの戦があります。
その中でもよく知られているのが、上田城攻めと大津城籠城戦です。
もちろん今回も描かれましたが、さすがにあっさりしすぎの感がありました。

上田城攻めは江さまの夫の徳川秀忠が3万数千の兵を率いての総大将、しかも事実上の初陣。
大津籠城は江の姉さまの初が奥方として城に立て篭もる、初姉さん生涯のクライマックス。
もう少しじっくり描いてもよかったのではないかとも感じます。
ただ、ここを引き伸ばすと、その間主人公の江さまは江戸城で写経となぎなたの稽古を
やってるしかないので、恰好つかないからあまり引っ張れないのかも知れません。

それにしてもこの関ヶ原ダイジェスト、気になるところがいくつもありました。
つらつら書かせていただきます。

多少なりとも日本史に興味がある人なら、このドラマを観ていて、
「こんな描き方をして後々どうするのだろう」とか、
「あの人物が出てこないけど、後に起こるのあの事件の時どう描くのただろう」
と思うことがあったのではないかと思います。
このドラマはそれをなんの屈託もなく、荒業で乗り切ってきたように思えます。


細川忠興
今回の冒頭近く、小山評定の場面、妻のガラシャを石田三成の為に失くした細川忠興が
東軍に与して打倒三成を目指すことを堂々と宣言しました。
『江』ではガラシャを比較的重要人物として描いてきたから、当然の流れです。

しかしこのドラマでの忠興、時々登場してましたが、ガラシャとの関係は完全破綻、
鼻持ちならない最底の男のように描かれていました。
こんな描き方では小山評定で恰好の良い役まわりは与えられる筈もないし、
かといってそれに代わる武将もまったく見当たらないし、どうするのかと思っていました。

そうしたら、前回の会津出陣の際に忠興は突然ガラシャに詫びを入れていい人に変身、
しかも今回は豊臣恩顧の東軍武将の代表格、福島正則が唐突も登場、軽く小山評定を乗り越えました。
これくらいはなんでもないですね。


さて、今回は真田昌幸・幸村(信繁)父子が立て篭もる上田城攻めも大きなポイントでした。
秀忠の関ヶ原遅参の原因となった事件ですしね。
このドラマでの秀忠はエキセントリックな上に妙に達観したようなところがある
今まで見たことがないような性格設定で、関ヶ原遅参をどう描くのか検討もつきませんでした。


大久保忠隣
ところで、このドラマでは秀忠の守り役は本多正信が一人で務めていましたが、
実際には大久保忠隣という人が秀忠付きの家老だったようです。
ただ、この人は大阪の陣の前に失脚してしまいます。
あまり登場人物を増やさない為に、守り役は正信に全部集中させた・・・
のであれば、これはわからなないでもないです。

その忠隣が今回突然登場します。
今更忠隣を出してどうするのかと思ったのですが、強硬に上田攻めを主張して、
遅参の原因を作る役どころだったのですね。
これは史実としても忠隣は上田攻め主戦派、正信は反対派と伝わっているので、
もちろん虚構ではないのですが、この為だけの登場というのもちょっと可哀想ですね。

この後、秀忠の廃嫡論議が起こり、忠隣は重臣でただ一人秀忠を支持するという見せ
場があるのてすが、
そのシーンは描かれるのでしょうか。


上田城攻め
しかし、忠隣がどう主張しようと、決断したのは秀忠です。
秀忠はその理由を、幸村に興味があり、会って話したいからだと説明しましたが、
結局対話を求めるようなシーンはありませんでしたね。

ドラマでは秀忠が幸村に興味を持ったのは小山評定で見かけたからでしたが、
史実としてはこの段階で父の真田昌幸と共に上田城に引き上げていたと見られているようです。

ところで上田城側では、おそらく今回だけの出演でしょうが、
真田昌幸をプロレスラ―の藤波辰爾さんが演じました。
レスラーや格闘家をドラマで使う場合、当然派ながら肉体派の役柄が多いですが、
知将、謀将のイメージのある昌幸をプロレスラーが…、
まぁ藤波さんは、レスラーの中ではスマートなイメージの人ですが。


大津籠城
一方、大津城も大変でした。
京極高次は妻の初と、姉の京極龍子から徳川と石田のどちらかつくか詰問され、
両方に付くという上手い手があるような言い方をしていましたけど、
結局、その上手い手を具体的に示した様子はありませんでした。

それで、一旦西軍として出発するも、引き返して東軍につく。
勿論史実通りですが、ドラマとしてその決断の理由がハッキリしないのはどうでしょう。
それとも、この西軍として出陣して戻るというのが、上手い手だったのでしょうか。
これに限らず、今回はどうも高次の言動が解り難かったです。

そんな中で初は存在感を見せましたね。いつの間にこんなに立派になったのか不思議ですが。
ただ、初の引き立て役なのでしょうが、義姉の龍子の狼狽ぶりは資料に基づいているとはいえ、
コントみたいでした。


淀(茶々)と高台院(おね=北政所)が揃って初に三成と組むように指示するのもちょっと驚きました。
史実に基づいてはいるのですが、淀の決断が早すぎて意図の説明がまったくない。
高台院の言い方からは、そうしないと初も龍子も西軍に攻め殺されるから、
というニュアンスが感じられなくもなかったですが。

上田城と大津城はシンメトリーみたいなもので、このドラマでは双方に重要人物が関わっているのだから、
もう少しじっくり描いてもよかったのかなとも思います。

秀忠については、まぁ見たままというところでしょう。
自分の無力を思い知って…というのは境遇が違えば理解できますが、
元々、あの時代、あの環境にして考え難い性格設定なので、論評もし難いです。

しかし、『利家とまつ』以来、つっこむことを楽しみに見るのが定着してしまいしました。

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