【訃報】俳優高城淳一氏死去/『西部警察』の係長役、『大都会』にも出演の個性派名優
俳優の高城淳一氏(たかぎ じゅんいち)が18日、亡くなったそうです。86歳。
『西部警察シリーズ』の二代目係長さんが有名でしょうか。
三代目水戸黄門の佐野浅夫さんに少し似ていますね。
佐野さんを少し悪くしたような風貌といったら失礼でしょうか。
悪役も多かったです。
※追記 2015年9月 『西部警察』で初代係長を演じた庄司永建氏が亡くなりました。追悼文は →こちら)
私は高城淳一氏に少しだけなじみがあります。
この方は日本俳優連合という団体の幹部として活動され、晩年まで顧問を務めていました。
この団体の事務所は今は新宿のあるようですが、かつては銀座のビルにありました。
私はそのビルの1階の喫茶店でアルバイトをしており、高城さん達も時々いらしてたのです。
『ウルトラマン』のムラマツキャップ、『仮面ライダー』の立花藤兵衛で知られる
小林昭二さんが一緒だったこともありました。
高城さんと小林さんは『西部警察』でも共演した間柄です。
この方のキャリアを見ると、古くはテレビドラマ草創期の名作『事件記者』も代表作のようです。
さすがに『事件記者』のことはよくわかりませんが、
もうひとつ挙げれば『西部警察』の前身である『大都会 PARTⅢ』の加川課長役があります。
『西部警察』の佐川係長とほぼ同様の役柄です。
違うのは、『西部警察』では石原裕次郎氏演じる小暮課長と渡哲也氏の大門部長刑事の間に挟まれる、
文字通りの中間管理職でしたが、『大都会 PARTⅢ』で石原氏は医師の役なので、
渡氏演ずる黒岩部長刑事からすれば、一応全面的な上司ということになります。
『大都会』→『西部警察』への流れについては一度書きたいと思っていましたが、
今回は高城氏の役柄周辺についての部分だけ書いてみます。
『大都会』シリーズ(日本テレビ系)
『大都会』も『西部警察』もPARTⅢまで作られましたが、
『西部警察』が連続して放映される中で一部リニューアルされていったのに対し、
『大都会』は『水戸黄門』と同じように、休止期間をおいて再開されました。
PARTⅠにあたる『大都会 闘いの日々』はちょっとテイストの違うドラマでした。
『大都会 PARTⅡ』は『Ⅲ』とほぼ同じスタイルで、課長さん役も登場しましたが、
1年間で小池朝雄氏→小山田宗徳氏→滝田裕介氏と入れ替わりました。
みな名優で、それぞれ個性的だったですが。
そして『大都会 PARTⅢ』でこのポジションに納まったのが高城氏でした。
今度は安定して1年間務め上げました。
加川課長(『大都会 PARTⅢ』)
このドラマは黒岩を中心に現場の刑事達がまとまっており。
課長役はサラリーマン主義で嫌味な仲間外れの上司という役どころで、
しかし、完全なヒールではなく、時に人間味や正義感をも見せるという、
高城氏にはピッタリの役でした。
(この役柄、後の『はぐれ刑事純情派』で島田順司氏が長年演じた川辺課長と同じですね)
『西部警察』シリーズ(テレビ朝日系)
当初は『大都会』丸々テレビ朝日へ移籍というような話もあったとも聞きますが、
そうはならずに高城氏は番組を離れ、この役どころは庄司永建氏か担当します。
庄司氏の二宮係長も人気があって、モノマネなどもされました。
庄司氏は最初から好々爺の雰囲気があり、しかも定年退職で降板するという設定だったので、
だいぶ年輩かと思ったのですが、高城氏とは二歳しか違わなかったのですね。
しかもまだご健在とか。
その庄司氏の後を受けて高城氏がPARTⅡ途中から登場、
PARTⅢ終了まで二年間出演しました。
石原軍団とは相性が良かったのでしょう。
佐川係長(『西部警察PARTⅡ』『PARTⅢ』)
『大都会』と基本的には同様のキャラクターですが、親しみやすさは増しました。
これは端的にいえば、
『大都会』=暗い
『西部警察』=明るい
という番組イメージの違いがまずあります。
更に係長の上に課長役の石原裕次郎がいるので、
係長が理解なき上司として、大門達の壁にはなり得ない、という構造上の問題がありました。
高城氏が出演していた当時は石原氏の闘病などもあり大変な時期だったでしょうが、
古参刑事役で高城氏に少し遅れて参加した小林昭二氏と共に、
ベテランの味で脇からこの人気番組をフォローしていました。
86歳という年齢だから仕方ないかも知れませんが、
印象深い名優が亡くなるのは残念なことです。
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