【美術展】「没後100年 青木繁展ーよみがえる神話と芸術」ブリヂストン美術館/『海の幸』『わだつみのいろこの宮』早世の天才画家のすべてを
東京八重洲(住所でいうと中央区京橋)のブリヂストン美術館で、
「没後100年 青木繁展ーよみがえる神話と芸術」が9月4日まで開催されています。
この展覧会は終了しました。
2011年12月25日のNHK『日曜美術館』で青木繁の特集が再放送されます。
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2011/0821/index.html
没後100年 青木繁展ーよみがえる神話と芸術
2011年7月17日(日)〜2011年9月4日(日)
石橋財団 ブリヂストン美術館
公式サイト http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/
青木繁の名にピンとこなくても、今回の出展作であるこの絵に見覚えある方は多いでしょう。
『海の幸』(1904年 重要文化財)
青木繁(1882年7月13日-1911年3月25日)
没年28歳。早世の画家でした。
青木繁は福岡出身。画家を志して上京し、東京美術学校在学中に、
日本神話を新鮮な感覚で描いた作品によって、画壇で注目を集めます。
1904年、学校を卒業した22歳の夏、青木は友人や恋人の福田たねらと、
千葉県南部の布良に滞在、そこで描かれたのが『海の幸』でした。
この力強い絵ひとつで、青木の存在は伝説となりました。
といって、もちろんこの絵だけの画家でありません。
『わだつみのいろこの宮』(1907年 重要文化財)
青木繁もうひとつの代表作。
青木は内外の神話や聖書の物語を題材として創作した画家です。
特に日本神話は発想の大きな源としていました。
この作品は山幸彦の海宮訪問譚を題材をしています。
しかし、この絵は本人の希望ほどには評価されませんでした。
この絵を描いた年、父危篤の報を受けた青木は久留米に帰省します。
しかし、家を継ぐ生活は彼には会わず、九州各地を放浪する生活に入ります。
そして1911年3月、福岡市東中洲の病院で28歳で亡くなります。
『温泉』(1910年)
放浪中の作品。
この頃の作品には全盛期の精彩はないというのが一般的な評価のようですが、
でもなかなか魅力的です。
今回の展覧会では青木繁の没後100年を記念して油彩作品約70点、水彩・素描約170点、
手紙などの資料約60点という、空前の規模の作品が展示されています。
展覧会の構成は画壇のへの登場から死、更にその後の伝説の形成まで、
以下のように五つの章に分かれています。
第1章 画壇への登場─丹青によって男子たらん 1903年まで
第2章 豊饒の海─《海の幸》を中心に 1904年
第3章 描かれた神話─《わだつみのいろこの宮》まで 1904-07年
第4章 九州放浪、そして死 1907-11年
第5章 没後、伝説の形成から今日まで
日本の生んだ幻の天才画家をほぼすべてを俯瞰する機会です。
是非お見逃しなく。
石橋財団 ブリヂストン美術館
東京の中心の中心、東京駅八重洲口近くにある美術館、
印象派と20世紀絵画を中心とする西洋の近・現代美術、
および明治以降の日本の洋画を収蔵・展示されています。
公式サイト http://www.bridgestone-museum.gr.jp/
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