【美術展】「もてなす悦び― ジャポニスムのうつわで愉しむお茶会」三菱一号館美術館/日本趣味の優雅な洋食器に親しむ
東京丸の内の三菱一号館美術館で8月21日まで、
「もてなす悦び― ジャポニスムのうつわで愉しむお茶会」展が開催中です。
*この催しは終了しました。
「もてなす悦び― ジャポニスムのうつわで愉しむお茶会」
6月14日(火)-8月21日(日) 三菱一号館美術館
公式サイト http://mimt.jp/omotenashi/
展覧会のサブタイトルが凝り過ぎていて、少しわかり難いですが、
ジャポニスムの陶磁器や銀器、ガラス作品や服飾品など、主に食器の展覧会です。
別に実際にその食器でお茶を飲もうというわけではありません。
ジャポニスムとは
ジャポニスム(フランス語: Japonisme) ジャポニズム(英語: Japonism)
19世紀後半、江戸幕府による永年の鎖国政策を解いた日本の文化は
急激にヨーロッパ諸国に紹介されていきます。
特に万国博覧会(国際博覧会)の影響は大きく
日本が初参加した1867年のパリ万博、
それ以前に国として参加はしませんでしたが、
日本の美術品・工芸品が紹介された1862年のロンドン万博などを経て、
日本の伝統的な美や技術が西洋に紹介されました。
それは単に“ブーム”という範疇を越えて、西洋の芸術や工芸に影響を与えたようです。
よくいわれることですが、画家のゴッホは南仏アルルに移住するに当たり、
アルルを芸術家にとっての理想の地としての、日本に見立てたといいます。
しかし、日本にも南仏に似た気候の地はあるかも知れませんが、
ゴッホのイメージの中にある日本は伝統的な日本画や浮世絵の世界の筈です。
南仏のイメージと重なるものなのか、興味深いところです。
それはともかく、食器の分野でも日本の影響を受けた作品が多く創造されました。
ですから、今回展示されている「ジャポニスム」の作品達とは、
日本で作られ輸出されたものではなく、日本の影響を受けて西洋で作られたものです。
わかり易い言い方をすると、日本趣味の入った西洋骨董、西洋アンティークですね。
上述の経緯で発生したものですから、展示品は古くても19世紀半ば以降の作品で、
博物館的なものはなく、現代人にもすぐ目に馴染む美しいものが多いです。
19世紀後半のヨーロッパの優雅な食卓をイメージするのも楽しいです。
類似の展覧会
本展にもガラス美術・工芸の名品が多数出品されていますが
この夏は東京で他にもガラスの展覧会が開催されます。
国立エルミタージュ美術館所蔵 皇帝の愛したガラス
2011年7月14日(木)-9月25日(日) 白金台 東京都庭園美術館 *開催中
公式サイト http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/glass/index.html
こちらでも紹介しています。
開館50周年記念「美を結ぶ。美をひらく。」Ⅲ コーニング・ガラス美術館特別出品
あこがれのヴェネチアン・グラス―時を超え、海を越えて
8月10日(水)-10月10日(月) 六本木 サントリー美術館
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/11vol04/index.html
三菱一号館美術館
三菱一号館美術館は2010年4月、近年再開発が進められてきた東京・丸の内に開館した新しい美術館です。
1894年に原設計されたという煉瓦造り、明治期の重厚なデザインが再現されています。
http://mimt.jp/
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