【映画音楽】ピンク・パンサーシリーズ第1作『ピンクの豹』が生んだもうひとつの名曲『今宵を楽しく(It Had Better Be Tonight)』/夢のようなシーンと共に
20世紀後半を代表するコメディ映画のヒットシリーズ『ピンク・パンサー』。
ピーター・セラーズ演ずるクルーゾー警部がドタバタの大活躍を繰り広げました。
そして、このシリーズのテーマ曲といえば言わずと知れた
『ピンク・パンサーのテーマ』http://www.youtube.com/watch?v=K0YI9c3jc90
映画音楽の巨匠ヘンリー・マンシーニによるあまりに有名なスタンダードナンバーです。
そのピンク・パンサーシリーズ第1作
『ピンクの豹』(The Pink Panther 1963年)
Wikipediaの『ピンクの豹』の項に以下のような記述があります。
「ヘンリー・マンシーニによる主題曲『ピンク・パンサーのテーマ』も大ヒットし、
スタンダードナンバーとなった。加えて、やはりマンシーニによる哀愁漂う挿入曲
『今宵を楽しく』が時に妖しく、時に切なく全編を彩っている。リゾートホテルの
ラウンジで主要出演者を観客に、歌手兼女優のフラン・ジェフリーズが『今宵を楽しく』
を歌い踊るシーンも人気が高い。」
ということだそうです。
実は私が書いた文章なので…、まさにこの通りです、としかいいようがありません。
今日はこの曲を紹介させてもらいます。
『今宵を楽しく』(It Had Better Be Tonight)
ラテン風のノリがよく、しかし哀愁の漂うなんとも魅力的な名曲です。
『ピンク・パンサーのテーマ』はシリーズ通しての主題曲ですが、
この歌は第1作のみの登場です。
哀愁漂う曲というのがあの『ピンク・パンサー』にそぐわない気もしますが、
実は『ピンクの豹』にはもちろんピーター・セラーズ演じるクルーゾー警部も登場しますが、
主役ではなく、準主演格といったポジションです(脇役といってしまうと語弊がありますが)
作品自体も、後のシリーズとはちょっとイメージの違うロマンチック・コメディで、この曲が良く合うのです。
Wikipediaに書かれているシーンの映像があったので、ご紹介します。
舞台はイタリアのスキーリゾート、コルティーナ・ダンペッツォのホテルのラウンジ。
歌手兼女優のフラン・ジェフリーズ(Fran Jeffries)が出演俳優達を観客に歌い、踊ります。
この人はすばらしいプロポーションで、ダンスも切れがよくきれいです。
Wikipediaを書いた頃は、この人のことがよくわからず苦労しました。
映画の1シーンなので、主演のデヴィッド・ニーヴンはじめ、セラーズ、ロバート・ワグナー、キャプシーヌ、
そしてヒロインのクラウディア・カルディナーレが登場してしています。
豪華な大スター達が揃って、劇中でありながら、撮影の合間にパーティーでも開いているような
雰囲気も感じさせる、夢のように楽しいシーンです。
ところで、このシーンで歌い踊っているのがヒロインのカルディナーレだと誤解される事があります。
カルディナーレは聴衆の中にいるのですが、ほとんどアップで映らず、目立ちません。
また、ジェフリーズがカルディナーレに少し似ていることから誤解され、ネットでも誤った記述がみられます。
カルディナ―レは中央のテーブルの向かって一番右に、紫の服を着て座っています。
クラウディア・カルディナーレ
この映像では確認のし難かったカルディナーレを公開当時のパンフレットから紹介します。
イタリアの生んだ名花です。
1960年代にはマリリン・モンローが「MM」、ブリジット・バルドーが「BB」と呼ばれたのと並び、
カルディナーレは「CC」と称された人気女優でした。
この『ピンクの豹』から30年後の1993年、ピーター・セラーズも亡くなった後に制作された
20世紀版ピンク・パンサーシリーズ最終作『ピンク・パンサーの息子』に、カルディナーレは第1作以来の再出演を果たしました。
さすがに年は取っていましたが、きれいでした。
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ヘンリー・マンシ、ピンク・パンサー、C.C.
限りなく懐かしかったです。
映画館で笑いをかみ殺して見たのを思い出しました。
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ありがとうございました。
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投稿: gutchii | 2011年7月21日 (木) 00時34分
gutchiiさん
またコメントをいただき、ありがとうございます。
後のドタバタのピンク・パンサーシリーズも好きなのですが、
この第1作も良かったです。
そうそう、クラウディア・カルディナーレといえば「C.C.」でしたね。
このこと、本文に付記させていただきます。
投稿: Old Fashioned | 2011年7月21日 (木) 09時37分
初めまして。
「ピンクの豹」とても洗練された映画ですね。ブレイク エドーワーズ監督の上品な部分のコメディの代表作でしょう。5人のスター達が正に適役でした。そのなかでも50年代のハリウッドの美男子ロバート ワグナーの個性を見事に生かしています。美男子で、上品で、洗練され、ヒーローであり、優しく、そしてユーモアがある。これが「無個性」であると評価され続けたロバート ワグナーの秀逸なる「個性」です。「ピンクの豹」においてはそれこそ磁気のようにその魅力を遺憾なく表現されていたと思います。。
投稿: Y. Taki | 2018年7月21日 (土) 18時30分