【音楽】夏の名曲『君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。』/幻の才人中原めいこと80年代シティ派女性シンガー達
あるBarでバーテンダーさんとフレッシュフルーツを使ったカクテルの話をしていました。
「今あるのはキウイ、マンゴー・・・、」と聞いて、
中原めいこが歌った『君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。』(1984年)を思い出しました。
この歌はカネボウ化粧品の夏のキャンペーンソングでした。
タイトルははじけ過ぎにも思えますが、なかなか印象深い、夏の名曲です。
『君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。』
中原めいこという人は比較的早い時点でまったく名前を聞かなくなりました。
Wikipediaによると、1992年に歌手活動は休止したとあります。(その後も作曲は続けたように書かれていますが)
幻の天才アーティストとなってしまった(?)中原めいこさん。彼女が活躍した80年代をちょっとだけ振り返ります。
1980年代、アイドル歌手よりちょっと大人、歌謡曲ともちょっと違う、
都会的でおしゃれで美人、シティ派女性シンガーとでも形容したいような、
ジャパニーズ・ポップスの歌手達がいました。
それはどのような人達か?
あくまで私のイメージですが、
まずは、シティ派という言葉を体現したかのような『CAT'S EYE』の杏里
『キウイ・パパイヤ』の2年前、1982年のカネボウ夏のキャンペーンソング『赤道小町ドキッ』が大ヒットした山下久美子
洋楽のカヴァー曲をパワフルに歌った麻倉未稀
杏里の後、『キャッツ・アイ』第2期の主題歌でデビューした刀根麻理子
ジャズシンガーで『オールナイトフジ』の司会でも知られる秋本奈緒美
そして、今回の主役、中原めいこなどが思い浮かびます。
CMソングやドラマ、アニメの主題歌を歌うことが多かったのが特徴かと思いますが、
しかし上に挙げた6人を見ても、同じジャンルにまとめていいのかはかなり微妙ですね。
実はWikipediaに「シティ・ポップス」という項目があり、80年代と時代も合うのですが、
私が挙げた6人は一人も入っていません(笑)
つまり、これは私が勝手に思い込みで作り上げたジャンルなのかも知れません。
さて、ジャンル論はこれくらいにしておいて、中原めいこです。
この人は作詞・作曲も自分でやるシンガーソングライターです。
『キウイ・パパイア』もそうですが、詞も曲も実にユニークです。
だいたい「キウイ・パパイア・マンゴー」と聞いてカクテルを思い出すのは、よ
ほどのバー好き、カクテル好きだけかも知れませんが、
実はこの歌、冒頭から酒が登場します。
♪ドライなシェリー ちょっと誘われて 焼けつく恋のアペリティフ
アペリティフが食前酒の意味だとも知らずに口ずさんでいました。
なんかおしゃれ、バブル真っ盛りという感じ? 84年だから少し前ですけどね。
でもなんとも素敵なセンス。この彼女ならではの感覚の歌詞に、彼女自身が曲を付け、彼女自身が歌う、
ならばこその最高のノリの良さ。この人は本当に才人だったと思います。
早い活動停止は本当に残念でした。
せっかくだから他に2曲、中原めいこの名曲を紹介します。
前述の杏里がシティー派シンガーのイメージを定着させた歌が『CAT'S EYE』。
この歌は人気アニメ『キャッツ・アイ』の主題歌でした。
この『キャッツ・アイ』の後番組『ダーティペア』の主題歌を歌ったのが中原めいこなのです。
正確にいうと、『キャッツ・アイ』第1期の主題歌が杏里、
別番組を挟んで再開された第2期の主題歌が刀根麻理子の『デリンジャー』、
その第2期『キャッツ・アイ』の後番組が『ダーティペア』になります。
『ダーティペア』(1985年7月-12月)
オープニング曲 『ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット』
エンディング曲 『宇宙恋愛(スペースファンタジー)』
同じアニメのOPとED、しかも同じシングルレコードのA面B面とは、
芸がなさ過ぎだと思われるかも知れませんが、
とにかくこの2曲、曲調は違うし、でも最高にいい。絶対薦められます。
もちろんどちらも作詞・作曲中原めいこ。
それと、このアニメがまたかなりイケてました。
『ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット』http://www.dailymotion.com/video/x4qw4n__music
『宇宙恋愛(スペースファンタジー)』http://www.dailymotion.com/video/x36ek0_ed_music
実は『キウイ・パパイヤ』はそれなりにヒットしましたが、
80年代の評価は彼女の才能・実力に対してむしろ低かったくらいだと感じています。
もっと高く評価されてよかった人だと思います。今からでも。
関連My Blog
【音楽】麻倉未稀 伝説の『ヒーロー』語られざるあの歌も/80年代シティ派女性シンガー達②
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