【美術】山下清のドラマ『裸の大将放浪記』芦屋雁之助版超入門/寅さん(『男はつらいよ』)+『水戸黄門』!?
テレビ東京系『美の巨人たち』
来週の放送で大好きなラファエロ・サンツィオの『アテネの学堂』がテーマになるので、
先走って書いてしまいましたが、明日9日放送分の「今週の1枚」は、
山下清『長岡の花火』です。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/110709/index.html
山下清は日本人画家として一~ニを争う有名人でしょうが、
作品について論じられることは少ないかと思います。
今回は貴重な機会かも知れません。
1980年代から1990年代にかけて放映された、芦屋雁之助さんが清役を演じた人気テレビシリーズ
『裸の大将放浪記』の影響が大きいでしょう。
近年はドランクドラゴンの塚地武雄さんが演じていますね。
作品論は番組を観てからにして、まずはこのテレビシリーズについてです。
*放送は終了しました。視聴後の感想はこちら
『裸の大将放浪記』芦屋雁之助主演 1980年-1997年
このドラマは1980年、関西テレビ(フジテレビ)系『花王名人劇場』の枠内で放映が開始されます。
『花王名人劇場』は、やすし・きよし、セント・ルイス、B&Bが共演した伝説的な「激突!漫才新幹線」で
1980年代前半の漫才ブームを巻き起こした番組として知られます。
公開録画の演芸物が中心でしたが、ドラマも放送されました。
『裸の大将』はその先駆けといえると思われます。
この当時、雁之助は既に49歳。これは山下清の没年齢と同じです。
新シリーズの主演としては年齢が高過ぎてそぐわないように思えたので、
私は雁之助はこれ以前に舞台なり映画なりで、清を演じたことがあるのかと思っていました。
しかし、ざっと調べたところではその記録は見つかりません。
映画は1本ありますが、これは1981年、テレビシリーズ開始後の作品です。
この映画は独立系の現代ぷろだくしょんの制作で、テレビとはテイストが違うようです。
※追記 このページの執筆時の調査ではわかりませんでしたが、
雁之助は1964年に藤本義一脚本による舞台『裸の大将放浪記』で、清を演じたようです。
他の俳優による作品では、小林桂樹が清を演じた1958年の東宝映画『裸の大将』があります。
この映画は清の存命中の制作で、小林は清に直接取材しているそうです。
当時、清36歳、小林35歳、同世代ですね。
『裸の大将放浪記』の魅力
芦屋雁之助版に話を戻します。
ドラマといっても、演芸番組のイメージの強い枠での放送であり、気軽に楽しめるものでした。
清が全国各地を旅して名所名物にふれ、様々な人々に出会い、マドンナ的な女性も登場する、
そして、風来坊に思えた清が実は大画伯であった、と知ってみんなびっくり!
つまり、寅さん(『男はつらいよ』)+『水戸黄門』ですね。
もっとも光圀とは違い、清の場合は心ならずも正体がばれてしまうのですが。
いずれにしろ、国民的二大人気シリーズの融合、日本人に受けるのも当然でした。
しかし、1983年7月にシリーズは清の死をもって一旦完結します。
これは雁之助自身が、やはり年齢の問題を理由に終了を希望したものです。
当時の印象としては、勿体ないけど仕方ないかな、といったところでした。
その後、雁之助は『名人劇場』の枠で新ドラマをスタートさせますが、
大きな人気は得られず、また視聴者からのリクエストにもおされ1984年10月に復活、
1997年まで長く続きました。
主題歌はダ・カーポが歌う『野に咲く花のように』
作曲は小林亜星。素直でなんともやさしく、美しい名曲でした。
my mixi
« 【ビール 祭り】日本版オクトーバーフェスト2011/長崎9/16-25/佐世保9/30-10/10開催(日比谷、代々木、芝、豊洲終了) | トップページ | 【訃報】上智大学国文学科教授 松岡洸司先生死去 »
「02.Art 美術 (雑学 コラム)」カテゴリの記事
- 【美術展】「没後50年 藤田嗣治展」東京都美術館/画業を俯瞰する大型店 もちろん乳白色の裸婦も(2018.08.20)
- 【美術】日曜美術館10/13「「孤高の画家 夢を紡いで ギュスターヴ・モロー」/汐留で「モローとルオー」展も開催中(2013.10.13)
- 『日曜美術館』5/19 「アートの旅 中谷美紀 in 瀬戸内・直島」/不思議な存在感の女優さんの不思議な旅(2013.05.19)
- 【美術】5/12『日曜美術館』「ダ・ヴィンチ、ミケランジェロを越えろ ルネサンスの天才ラファエロ」/大画家の生涯を俯瞰(2013.05.12)
- 【美術】雑誌『Pen』5/15号「ルネサンスとは何か。Ⅱ ダ・ヴィンチ/ミケランジェロ/ラファエロ 3大巨匠を徹底解剖」(2013.05.10)
「21.俳優 映画 演劇」カテゴリの記事
- 中山美穂 80年代を代表するアイドル/15年以上歌手と女優をトップクラスで両立させた稀有な人(2024.12.19)
- 西田敏行『池中玄太80キロ』初主演秘話 ショートリリーフ的ドラマだった!?/1980年春(2024.11.06)
- 【俳優】『アイゾウ』夏子/『心霊内科医 稲生知性』シソンヌじろう 今年の活躍を期待(2024.01.01)
- 【ドラマ】『緊急取調室』のファイナルに暗雲/市川猿之助容疑者の事件の余波(2023.06.29)
- 【幻のネッシー写真】『なぜなに世界の大怪獣』掲載「ホームズ映画に登場したネス湖の怪物」(2022.12.12)
« 【ビール 祭り】日本版オクトーバーフェスト2011/長崎9/16-25/佐世保9/30-10/10開催(日比谷、代々木、芝、豊洲終了) | トップページ | 【訃報】上智大学国文学科教授 松岡洸司先生死去 »
コメント