【美術】7/9『美の巨人たち』は山下清『長岡の花火』② 貼り絵美術/精緻さ、創意工夫、色彩センス、記憶力に感服
明日7月9日放送分のテレビ東京系『美の巨人たち』の「今週の1枚」は、
山下清『長岡の花火』でした。
といっても、『長岡の花火』を突き詰めるのではなく、
山下清の生涯を追って、その実像を紹介するといった印象でした。
山下清(やました きよし 1922年3月10日-1971年7月12日)
前回の日記ではもっぱらテレビ『裸の大将放浪記』のことを紹介しました。
今回、番組で紹介された山下清の実像はドラマのイメージと比べてどうなのか、
人によって感じ方は違うでしょう。
今回も紹介されましたが、山下清は制作光景などを記録した貴重な映像が結構残っています。
そこから得られる印象としては、なんといってもドラマはフィクションですし、違うといえば違いますね。
私は随分前にそれらの映像も含めたドキュメンタリーを観た記憶があるので、
元々、清本人ついてのイメージが若干あり、今更違和感は覚えませんでしたが。
それは別にしても、大きくは違わないようにも思いますが、
強いていえば本人の映像から、ドラマのようなおどおどした印象は受けませんね。
もっと超然とした雰囲気があります、。
もっとも、放浪中の映像は残っていないのだから、やはりよくはわからないのですが。
そんな中で明らかにテレビドラマと実際では違う点がありましたね。
ドラマの清は行く先々で創作を行いますが、実際の清は放浪中は制作を行わず、
主に住処である八幡学園に戻ってから、記憶を頼りに制作を行っていたというところです。
長岡で創作をしていないのだから、『長岡の花火』だけに絞っても、
番組作りの面では膨らまし難かったのでしょう。
さて、今更ながら『長岡の花火』も勿論のこと、
山下清芸術の白眉は貼り絵です。
その驚くべき精緻さ、色彩センス、凡人には想像も付かない創意工夫力、
そして創作を支える記憶力、これはもう本当に天才としか言い様がありません。
集中して努力することが出来るという意味での天才なのかも知れません。
改めて感服しました。
だいぶ前のことですが、貼り絵は退色による劣化が避けられない。
そのことが、あれだけの知名度がありながら、画家・芸術家としての山下清の
評価が高まらない理由になっているといった論調の話を聞いた記憶があります。
残念に思っていました。
今回の番組では『長岡の花火』の修復についても紹介されました。
困難な仕事が無事終了し、制作当時の色彩が甦ったとのこと。
嬉しいニュースでした。
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