【美術】オルセー美術館展.2/シニャック、レメン、モロー、ボナール
六本木の国立新美術館で開催されていた『オルセー美術館展2010「ポスト印象派」』
http://orsay.exhn.jp/
そのグッズコーナーで購入した二つ折のクリアファイルです。
大き過ぎてスキャン出来ないので、デジカメで撮りました。 この展覧会の総展示数が115点だそうだから、おそらく全点載せているのでしょう。贅沢なファイルです。
「モネ5点、セザンヌ8点、ゴッホ7点、ゴーギャン9点、ルソー2点をはじめとする絵画115点」
これは公式資料に掲載の文面です。
錚々たる名前と出展数ですが、彼ら以外にも注目すべき画家、作品は多数あります。
そんな中から何点か紹介します。
ところで、「ポスト印象派」とはなんでしょう?
「ポスト」と付くのだから「印象派」ではないのです。印象派よりも後、という意なのですが・・・、
画家、もしくは絵画のジャンル分けも一筋縄ではいきません。
更にややこしい事に「新印象派」というのもあります。
ただ、「新印象派」だけについていえば、“点描”という特徴がハッキリしてるので、比較的判り易いです。
今回のオルセー展は新印象派の作品も充実しています。
ポール・シニャック『マルセイユ港の入口』観ての通り、点で描かれているから“点描”です。
印象派による光の表現を理論的に推し進め、開拓された技法とされます。
新印象派を代表する画家は創始者とされるジョルジュ・スーラとこのシニャック。
スーラの影響の元、この点描法に取り組んだシニャックですが、早世したスーラに代わってこのスタイルを牽引しました。
この絵の題材でもあるマルセイユに住み、海や船を多く描いています。
ジョルジュ・レメン『ハイストの浜辺』有名画家の作品が揃った今回の出展作の中ではマイナーでしょうが、なかなか美しい絵です。夕景でしょうか。
点描技法でまさに「新印象派」です。
ジョルジュ・レメン(Georges Lemmen 1865-1916)はベルギーの画家です。
ネット上から得られる情報も少ないですね。
フランスのスーラやシニャックとはだいたい同世代ですが、交流はあったのでしょうか。
Wikipedia等での扱いからみると、この『ハイストの浜辺』はレメンの代表作のひとつのようです。
この絵について、ネット上でも、今回のオルセー展で見て気に入ったという意見を見かけます。
思いがけず、新たなお気に入りの絵を見つけるのは、展覧会の楽しみのひとつです。
そして、また全然違う傾向の絵でこんな名画も。
ギュスターヴ・モロー『オルフェウス』こちらはフランス象徴主義の超ビッグネームの一大傑作。
展覧会の一枚看板になっておかしくないほどの名画ですが、今回の作品群の中にモローがこれ1点だけだと、浮いてるような感がなきにしもあらずです。
この「女性と、男の生首」という画題は、モロー自身が何度も描いたサロメと洗礼者ヨハネ、また旧約聖書にあるユディトとホロフェルネスのエピソードがありますが、
これはまた別で、ギリシャ神話に登場する吟遊詩人オルフェウス(オルペウス、オルフェ)の最期を、モローがイメージを豊かに膨らませて描いたものです。
ヘブロス河に投げ込まれたオルフェウスの首と竪琴がレスボス島に流れ着き、美しい女性に拾い上げられ、これから葬られる、というところでしょう。
神話の世界もモローの筆にかかれは、更に神秘的に、一際美しくなります。
神話の知識がなくても、引き込まれてしまいそうな魅力のある絵ですが、とはいえ特異な構図でもあり、知識を得て更に鑑賞したい絵です。
ピエール・ボナール『ベッドでまどろむ女(ものうげな女)』これは実に大胆な構図、というかポーズの裸婦像です。
ボナールは象徴主義の系譜のナビ派の画家。親密派とも呼ばれます。
(ジャンル分けも、こうなるとかなりややこしいですが)
1899年の作品。まさに世紀末ですね。
ボナールの多くの作品と同様、愛妻マルトをモデルとした絵です。
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