【美術】ミュシャは死ぬほど美しい/生誕150年記念展 アルフォンス・ミュシャ超概略
三鷹市美術ギャラリーで6月末まで開催されていた「生誕150年記念 アルフォンス・ミュシャ展」、
最終日間近に観てきました。
ここは三鷹駅から直通・・とはいえないのかも知れないけど、本当に駅前。なかなかきれいなギャラリーでした。
ミュシャの生誕150周年を記念してのこの展覧会は、4月に岩手県立美術館で開幕、
三鷹の後、2011年6月まで各地で開催されます。 (すべて終了しました。)
それにしても、やはりミュシャは美しい!
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19世紀末のパリ。
現在のチェコ出身のアルフォンス・ミュシャは絵の勉強に励むも支援を打ち切られ、
本の挿絵なとでその日暮らしをしていた。
1894年のクリスマスイプ。既に34歳のミュシャが校正の仕事をしていた印刷所に、
大女優サラ・ベルナールの公演『ジスモンダ』の急なポスター制作依頼が舞い込む。
ミュシャが原画を担当したポスターはベルナールに気に入られたのみならず、
パリ中の話題になり、彼は一躍時代の寵児となった。
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以上、ミュシャの成功伝説の概略、超入門編でした。
細部については諸説あるようです。脚色された面もあるかも知れません。
ともかく、ミュシャはこれをきっかけにベルナールの公演のポスターを連続制作する他、
企業の広告ポスターや装飾パネル、挿絵、商品パッケージ等の分野の売れっ子となります。
つまり、ミュシャという人はリトグラフによる印刷アート=グラフィックアートでまず成功した人です。
ワイン好きにはおなじみ、シャンパンメーカーとして知られるモエ・エ・シャンドン社のポスターも有名、
今回の展覧会のポスターにも使われています。
煙草の煙を燻らせて恍惚の表情を浮かべる女性。
ミュシャの代表作のひとつである、煙草巻紙のポスター。
嫌煙家の方が見たら怒りで卒倒するかも知れませんが、
そのあまりの美しさと時代性に免じて勘弁いただきたいです。
「ルネサンス」とか「印象派」といった様式・会派で分類すると、
ミュシャは「アール・ヌーヴォー」の画家ということになります。
19世紀末に絵画に限らず建築、インテリア、彫刻、工芸品、印刷物等、幅広い分野で勃興した芸術様式。
特徴をごく大雑把に判り易く表現すれば「植物をモチーフとし、主に曲線で表現された豊かな装飾性」といったところでしょうか。
そんな特徴もよく表れた装飾パネル『四芸術』のうちのひとつ『ダンス』
装飾パネルとは。
ポスターは広告宣伝の為に制作される非売品です。
商品、イベント…、なんらかの告知が含まれています。
同じような印刷物でも、装飾パネルは観賞用のインテリアとして販売を目的に作られたものです。
印刷物ですから当然、本画よりは廉価
一般市民が広く芸術を楽しむ時代になったことを象徴するアイテムかも知れません。
その後、フランスからアメリカにも渡り、商業アートの分野で大成功を収めたミュシャですが、
後年はチェコに戻り、20連作からなる壮大な『スラヴ叙事詩』連作など、
スラヴ民族の歴史・文化に基づいた制作に専心しました。
『スラヴ叙事詩』より、『スラヴ式典礼の導入』
「生誕150年記念 アルフォンス・ミュシャ展」今後のスケジュール *すべて終了しました。
【福岡】北九州市立美術館 2010年7月17日(土)~8月29日(日)
【群馬】高崎市美術館・高崎市タワー美術館 2010年9月18日(土)~11月7日(日)
【大阪】堺市博物館 2011年2月5日(土)~3月21日(月)
【福島】いわき市立美術館 2011年4月9日(土)~5月22日(日)
【石川】金沢21世紀美術館 2011年5月28日(土)~6月26日(日)
Old Fashioned Club 月野景史
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