【美術】ギュスターヴ・ブリオン 『女性とバラの木』 in「ストラスブール美術館所蔵」展
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されていた、
「ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景 コロー、モネ、シスレーからピカソまで」
最終日に観てきました。
「ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景 コロー、モネ、シスレーからピカソまで」
最終日に観てきました。

この展覧会は各地五ヶ所を巡回中で、9月1日からは岐阜県美術館で開催されています。
ストラスブール市はフランスのアルザス地方にあります。
アルザスはドイツの国境付近にあり、白ワインの産地として有名な地で、
私のようなワイン好きには親近感が沸く地名です。
サブタイトルにあるビッグネームの画家の作品も多々出展されていますが、
あまり耳馴染みのない、アルザス中心に活動した画家の絵も多かったです。
その中のひとつ
ギュスターヴ・ブリオン(Gustave Brion 1824-1877)作『女性とバラの木』(1875年)。

まったく知らない画家の知らない絵でしたが、会場で観て、これはなかなか美しい絵だと思いました。
漆黒に近い背景に、女性の白い衣装、ブロンドの髪、青い髪飾り、そして勿論バラの花のと、コントラスト鮮やかな配色がきれいですね。
さて、見終ってグッズ売り場に行くと、この絵の関連グッズだけで1コーナー出来ており、豊富に揃っていました。ひとつの絵でここまで揃っているのも珍しいほどです。
このような看板アイテムと言ってもいいような扱いだから、ある程度人気の画家、人気の作品なのだろうと思ったのですが、「ギュスターヴ・ブリオン」を片仮名でネット検索してみても、今回の展覧会の事くらいしか引っかかりません。
そこでアルファベットで調べてみましたが、情報は多くはないですね。
まず、英語版Wikipediaに項目がありません。故国であるフランス語版とドイツ語版はありますが、これだけ見ても、世界的にあまり名を知られた画家ではないのであろうと推測されます。
しかし、それにしても関連グッズでの扱いが凄いです。
例えば、100点からの絵が出展される展覧会だとしても、下の写真のようなクリアファイルなどは、だいたい代表的なほんの数点の絵のものしか作られません。
このような看板アイテムと言ってもいいような扱いだから、ある程度人気の画家、人気の作品なのだろうと思ったのですが、「ギュスターヴ・ブリオン」を片仮名でネット検索してみても、今回の展覧会の事くらいしか引っかかりません。
そこでアルファベットで調べてみましたが、情報は多くはないですね。
まず、英語版Wikipediaに項目がありません。故国であるフランス語版とドイツ語版はありますが、これだけ見ても、世界的にあまり名を知られた画家ではないのであろうと推測されます。
しかし、それにしても関連グッズでの扱いが凄いです。
例えば、100点からの絵が出展される展覧会だとしても、下の写真のようなクリアファイルなどは、だいたい代表的なほんの数点の絵のものしか作られません。

このような知名度の低い絵で大量の種類のグッズが作られるのは異例かと思います。
ただ、同じ関連グッズでもポストカードについては多くの絵のものが作られます。
この展覧会は4月3日に熊本で始まり、東京を経て今日から石川、その後岐阜、秋田を巡回して11月28日まで続くロングランです。
もしかしたらですが、熊本での開幕後、この絵の評判が良く、ポストカードの売れ行きも好調なので、急遽グッズを拡大製作したのかも知れません。会期だけでいえば8ヶ月に渡るロングラン開催ですから、開幕後にグッズを作り足しても充分間に合うでしょうから。
たしかにこの絵、グッズ映えすると思います。
特にこのA4のクリアファイルは絶品です。プレゼント用にもっと一杯買っておけばよかったとか思っているほどです。
勿論グッズ映えだけの絵というわけでもないでしょう。
ブリオンついて、展示会の公式サイトから引用すれば、以下のような画家のようです。
「ストラスブールのあるアルザス地方は、豊かであるからこそ、独仏が所有権を巡って火花を散らした。ブリオンはこの地方の中産階級の生活を理想化して描いた画家である。またガーデニングが好きだった彼にとって、この作品の主題は人物というよりは、女性が夢中でバラの木の世話をしている平穏な日常そのものであったと言えよう。」
なるほど、この『女性とバラの木』などは普通(ちょっと上流)くらいの生活を若干理想化して、美しく描いたような絵です。
植物の描き方が細やかで、ガーデニングが趣味というのも納得出来ます。
女性の衣装の配色がきれいですが、どういう服なのか、少し判り難いですね。
「ストラスブールのあるアルザス地方は、豊かであるからこそ、独仏が所有権を巡って火花を散らした。ブリオンはこの地方の中産階級の生活を理想化して描いた画家である。またガーデニングが好きだった彼にとって、この作品の主題は人物というよりは、女性が夢中でバラの木の世話をしている平穏な日常そのものであったと言えよう。」
なるほど、この『女性とバラの木』などは普通(ちょっと上流)くらいの生活を若干理想化して、美しく描いたような絵です。
植物の描き方が細やかで、ガーデニングが趣味というのも納得出来ます。
女性の衣装の配色がきれいですが、どういう服なのか、少し判り難いですね。
白いブラウスに黒(紺)のスカートのように見えますが、裾からも上衣と同じ素材に見える生地がのぞいているので、複雑な形状の白のロングドレスの上から、下半身を覆うマント状のものを纏っているのかも知れません。
手前の女性の奥にもう一人いますね。
手前の女性の奥にもう一人いますね。
別のサイトでは男性と推測されている方もいました。
確かに顔は男性のようにも見えますが、よくみると、手前の女性と同じ服装をしているようなので、おそらく女性ではないでしょうか。
ブリオンは他にどのような絵を描いているのでしょう。
ブリオンは他にどのような絵を描いているのでしょう。
仏語版、独語版の両Wikipediaに掲載の以下のブリオンの絵などは、また印象も違います。
辞書で調べると、「Cortege」は「主に葬式の行列」、「nuptial」は「結婚の」
葬式か、結婚式か、どちらでしょう?
葬式か、結婚式か、どちらでしょう?
葬式にしては明るく華やか過ぎるので、結婚式でしょうか。
日本の葬式と比較して、明るい暗いといっても仕方ありませんが、良い比較対象があります。
日本の葬式と比較して、明るい暗いといっても仕方ありませんが、良い比較対象があります。
アルザスとも隣接するフランシュ-コンテ地方の葬式を描いた、
ギュスターヴ・クールベ作『オルナンの埋葬』(1849年)
明らかに集う人々の服の色合いが違いますね。
『Cortege nuptial a Strasbourg』はどこか大時代的的で、『女性とバラの木』よりは古い時代を描いた歴史画のようにも思えます。
ギュスターヴ・クールベ作『オルナンの埋葬』(1849年)

明らかに集う人々の服の色合いが違いますね。
『Cortege nuptial a Strasbourg』はどこか大時代的的で、『女性とバラの木』よりは古い時代を描いた歴史画のようにも思えます。
しかしこれは、結婚式の為に人々がみな、伝統的な正装をして集まっているからそう見えるのかも知れません。そう考えるとなかなか楽しくて、また美しい絵です。
◇Bunkamuraザ・ミュージアム以降の展覧会日程
石川県立美術館 2010年7月22日(木)-8月23日(月)
岐阜県美術館 2010年9月1日(水)-10月17日(日)
秋田市立千秋美術館 2010年10月23日(土)-11月28日(日)
◇Bunkamuraザ・ミュージアム以降の展覧会日程
石川県立美術館 2010年7月22日(木)-8月23日(月)
岐阜県美術館 2010年9月1日(水)-10月17日(日)
秋田市立千秋美術館 2010年10月23日(土)-11月28日(日)
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