13.【特集】テレビドラマ

2017年8月16日 (水)

【ドラマ】『刑事7人』妻子の死は迷走の末の迷決着/天樹の復讐劇は『相棒』的倫理観へのアンチテーゼか

第3シーズンを放送中のテレビ朝日・東映制作の警察ドラマ『刑事7人』。
視聴率も二桁をキープしてまずまず好調です。

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今日8月16日放送の第6話「家路」は節目の回でした。

第1シーズン以来の謎であった主人公・天樹悠(東山紀之)の
妻子の死についての真相が明らかになったからです。
しかしこの件、はっきりいって迷走の末の迷決着だったと思います。


シリーズ初回以来の命題
天樹の妻子の死は今から12年前、
2015年の第1シーズンの時点では10年前の出来事でした。

元々警視庁捜査一課の有能な刑事だったらしい天樹は、
妻子の死以来10年間、遺失物係として引きこもり状態だったのですが、
そこを捜査一課12係長の片桐正敏(吉田鋼太郎)に「そろそろ出てこい」と
引っ張り出されて現場復帰するところからこのドラマは始まりました。

その段階で妻子についての詳細は明らかにされません。
旧知の関係である筈の片桐すらよくは知らないようです。


こうなると、この問題がシリーズを通しての縦のメインテーマなのだろうと思います。
基本1クールのドラマとして放送されるのだから、
第1シーズン最終回までに驚くような真相が明かされるのかと思いました。
ところが、結局曖昧なまま1クールが終了してしまいました。

実はこの件は元々無理があったのです。
普通に考えれば、天樹絡みの事件に巻き込まれでもしたのかというところですが、
それだと、片桐はじめ警視庁関係者が事情を知らないというのが無理です。

第1シーズンは視聴率一桁で続編の可能性は低いと思われたので
失礼だけど、つじつまを合わせられず、続編もあり得ないから解明を放棄したのではないかと思いました。


激変の第2シーズンで妻子問題は棚上げ
ところが、第2シーズンが始まりました。
しかし、メインライターも変わり、天樹の性格もまるで別人かというほど激変してしまいました。
もちろん、ドラマ全体の雰囲気も変わりました。
このあたりついては昨年の放送時にこのブログにも書いています。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/72-4-1439.html

そして、妻子についてはほとんど・・・、もしかしたらまったくふれられなかったと思います。
視聴率は少し上げて二桁確保。


第3シーズンで妻子の件復活
そうして迎えた第3シーズンは基本路線は第2シーズンを踏襲。
そこに、棚上げになっていた妻子の問題を持ち出してきた。
ここまでの流れはそんな感じです。


さて明かされた真相は・・・。
天樹の妻と娘は工事現場の崩落事故で亡くなったとされていたのですが、
実はある陰謀のために仕組まれた殺人事件だったということでした。
おまけに天樹のキャラの変化や機動捜査隊への異動の事情まで、一気に片を付けてくれました。

これまでの事情を考えれば当然ですが、かなり無理やりでした。
正直、突っ込みどころは満載なのですが、あまり細々とは書きません。


それにしても今回の脚本の真野勝成さんという方は最近は『相棒』もよく書いており、
『刑事7人』は第2シーズンからメインライターを務めていますが、作風が独特です。
全体の雰囲気も癖があり、そこは良い面もあるのですが、
とにかく最初に驚かせ、これは一体どういうことかと引っ張っておいて、
結局その説明がない、いわゆる“回収”をしないという事が多いと思います。
ここは感心しません。

今回も冒頭近くで天樹が、義父(妻の父)でもある堂本俊太郎(北大路欣也)から
妻が妊娠していた事を告げられ、「僕の子ではない!」と返す衝撃の発言がありましたが、
どういうことだったのか、結局曖昧なまま終わりました。


アンチ杉下杉下右京的倫理観
しかし、ひとつ面白かった点があります。
天樹が妻子を死に追いやった男を言葉で攻めて殴りかからせ、
額で受けて拳を破壊、チェロリストとして終わらせてしまい、自殺に追い込むという形で
妻子の復讐を果たすという確信犯的展開。

刑事が私怨で犯人に復讐。
しかも結果的に死に追いやるとは。

テレ朝刑事ドラマ・・・というか、今の警察ドラマ全般に蔓延しているように思える、
『相棒』の杉下右京(水谷豊)的倫理観・正義感を覆すアンチテーゼとして興味深い、
などと感じました。


視聴率はこのドラマとしては過去最高の13.0%とのこと。
獲りましたね。

Old Fashioned Club  月野景史

2017年8月13日 (日)

【おんな城主 直虎】小野政次(高橋一生)は『樅ノ木は残った』の原田甲斐か

2017年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』も早や後半、
8月13日放送で第32回が終わりました。

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中盤のクライマックスともいえる徳川の遠江侵攻が近づくにつれ、
ああ、これは『樅ノ木は残った』をやりたいのか、と思うようになりました。
もちろん、ネットでも同様の意見を見かけます。


『樅ノ木は残った』
山本周五郎作の歴史小説。
江戸時代前期に 仙台藩伊達家で起こったお家騒動「伊達騒動」が題材。
従来は悪人・奸臣とされてきた原田甲斐を主人公とし、
幕府による取り潰し政策から伊達藩を守り、すべての汚名を背負って死んだ忠臣として描かれました。
悪役→善玉へ、原田甲斐の人物像、また歴史観を覆したわけです。
1970年には大河ドラマにもなり、平幹二郎さんが甲斐を演じました。


そうであるなら、『直虎』において原田甲斐に当たるのはいうまでもなく小野但馬守政次(高橋一生)。
一般に知られる史実としては、家老職にありながら井伊家乗っ取りを謀った逆臣。
計略に敗れ、処刑されたと伝えられています。
それに沿って描けば、政次は前半から中盤にかけての悪役・トップヒールに座る筈です。

ただ、演じるのは注目度・好感度とも上昇中の俳優・高橋一生さん。
ドラマでのポジションも中盤の準主役格に当たります。
さて、どう展開するのかと思っていました。


高橋さん演じる政次は得体の知れない面もありましたが、
回が進むにつれ、主人公・井伊直虎(柴咲コウ)と表面は対立しながら、
主家である今川家も、身内である一族や家臣、領民たちも欺く形で、
井伊家を守るためにしっかり繋がっていきます。

ああ、政次=『樅ノ木』の原田甲斐かと思ったのです。

ただ、更に回が進むと、少しおかしくなってきました。

この時代の井伊家の資料は乏しく、そもそも直虎という人物自体よくわかっていません。
ですので、直虎周辺の出来事の多くはフィクションです。
それならば、ドラマとしては政次=甲斐という解釈も面白いかと思ったのです。

しかし、フィクションとはいえ歴史ドラマ。
政次が逆臣として処刑されたこと、
そして井伊家の記録に奸臣として名を残っていることは変えようがないでしょう。
そこをどうつじつまを合わせるのかが注目点でした。

ところが、直虎が家臣たちに早々と政次と繋がっていることを明かしてしまい、
家臣の大半たちも「やっぱり! 政次様は味方と思ってました。」と納得してしまったのです。
めでたしめでたし・・・ともいえるのですが、これでは『樅の木』的展開には繋がり難くなりまし、
それ以上に、現在の認識に繋がりません。

もしかしたら、更に裏をかく展開、つまり政次が直虎を本当に裏切るという、
逆サプライズ的な展開もあるのかとまで考えました。

発売されている公式ガイドブックには最近の回のあらすじは載っていません。
どうなるかは放送を見なければわからない・・・
という状況で迎えたのが今回でした。

この回では中盤で家康にまで直虎と政次との信頼関係が伝わり、
更に政次自身が井伊家復興を高らかに宣言し、ますますめでたしめでたしと思わせておいて、
思わぬ伏兵を出してきました。
井伊谷三人衆の1人、近藤康用(橋本じゅん)です。
この男が今までの良い流れをすべて覆してしまいました。

井伊谷三人衆は一般には井伊家を支えた家として認識されていますが、
たしかにこのドラマでは、今までのところそう描かれてきませんでした。
特に近藤はそうで、井伊家とは確執ばかりでした。

ただ、これまでの近藤の井伊への確執は主に直虎に対してで、
政次は無関係に思えたので、やはりこの展開はちょっと意外でした。

もし、こういう人間が出てくるとしたら、
家臣の中で唯一政次への疑念を捨てていない中野直之(矢本悠馬)かと思ったのですが、
これは違いました。ミスリード要員だったかも知れません。
さすがに、ここで直虎と直之の関係まで壊れたら、
これから武田の侵攻で更に苦難が続く井伊家がその前にガタガタになってしまいます。

しかし、いくらフィクションと割り切っても、
この展開はいささかトリッキー過ぎて感心しません。
まぁ、次回を観てから論評すべきかも知れませんか。


次回8月20日 放送の第33回は「嫌われ政次の一生」。
このドラマはサブタイトルで過去作品のタイトルをパロディにするのです。
元ネタは『嫌われ松子の一生』。
もちろん、政次退場編となるのでしょう。

Old Fashioned Club  月野景史

2017年7月 1日 (土)

【ドラマ】『BORDER』まさかの続編 2017年中の放送決定

Border2

2014年に放送された伝説的なドラマ『BORDER』(テレビ朝日)
このドラマの最終回について書いた私のブログには今でも多くのアクセスがあります。

あの衝撃のラスト。
あれから繋がるような続編はあり得ないと思っていたのですが、
2017年中の放送がこの6月に発表されました。

『BORDER2 贖罪』
http://www.tv-asahi.co.jp/border/




小栗旬さんはじめ印象的な主要キャスト、
朝ドラでのブレイク前だった波瑠さんも皆出演するようです。

以下、オリコンニュースから引用させてもらいます。
http://www.oricon.co.jp/news/2092363/full/
☆☆☆
俳優の小栗旬と直木賞作家・金城一紀氏のタッグがタッグを組み、2014年にテレビ朝日系で放送された連続ドラマ『BORDER』が3年の時を経て、ドラマスペシャル『BORDER2 贖罪』(年内放送)として復活する。小栗と金城氏のタッグによる『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(関西テレビ・フジテレビ系)の最終回が13日に放送されたばかりの、このタイミングでの発表に、心がザワついたファンもいるだろう。小栗は「石川という役に戻ることは、とても過酷ですが、楽しみに待っていただいている方たちのためにも、一生懸命に向き合いたいと思います」とコメントを寄せた。

『BORDER』とは、金城氏が“正義と悪”という普遍的テーマのもと、原案・脚本を務めた完全書下ろし作品。頭部を被弾して生死の境をさまよった後、「死者と対話できる」という特殊能力を得た刑事・石川安吾(小栗)が、望まずして命を絶たれた被害者の無念を晴らすべく、生と死、正義と法、情と非情の“BORDER=境界線”で揺れ動きながら、事件に立ち向かう姿を描いた異色の刑事ドラマ。

石川は、正義という名の光り輝く信念が強くなるに従い、裏の世界の力を借りて証拠をねつ造するなど、影の要素をも色濃くしていく展開が話題を呼び、回を増すごとに視聴率が上昇。第7話では捜査に有利な証拠や証言、事件関係者を次々と“消して”いく掃除屋・神坂(中村達也)に完全敗北を期し、石川は“光と影”のコントラストを増長させていく。

そんな中で迎えた最終回では、“絶対的な悪”を体現する最悪の敵・安藤周夫(大森南朋)と対決するエピソードで、石川は正義をなすために、ある衝撃的な行動に出る。次の瞬間、ビル屋上にいる石川は、地上で横たわる安藤の姿を見て激しく動揺する。そんな彼の背後に、安藤が現れ、石川の肩をつかんで「こちら側の世界へようこそ」と言ったところで終了。この謎多きラストシーンは放送後、さまざまな憶測を呼び、話題となった。

『BORDER2』の発表とともに、「あのラストは本当のラストではなかった」というのだからさらに衝撃的。実は、『BORDER』プロジェクトが始動した当初から、その後のエピソードはすでに存在し、温存されてきた。その物語が『BORDER2 贖罪』でベールを脱ぐことに。あの後、石川や安藤はどうなったのか。サブタイトル「贖罪」が意味するものとは、いったい何なのか。金城氏は「新しい石川の物語は、“あのラストシーン”から幕を開けます。心の準備はよろしいでしょうか」とメッセージ。

新作には、小栗をはじめ、同僚刑事・立花雄馬役の青木崇高、石川の特殊能力に薄々気づいていた特別検視官・比嘉ミカ役の波瑠、石川の上司・市倉卓司役の遠藤憲一、情報屋・赤井役の古田新太、便利屋・スズキ役の滝藤賢一、天才ハッカーコンビ、ガーファンクル役の野間口徹とサイモン役の浜野謙太らレギュラー陣が再集結。安藤役の大森も再登場するほか、新たな登場人物も加わって、物語の展開を加速させる。

金城氏は「あのラストシーンのあと、石川はどうなったんですか? ファーストシーズンの最終話が放送された直後からつい最近まで、たくさんの、本当にたくさんの人たちにそう聞かれました。聞かれるたびに、あいまいに言葉を濁してその場をやり過ごしてきましたが、実は、最終話の脚本を書き終えた直後にプロデューサーからも同じ質問をされました。その時は言葉を濁さず、あのラストシーンから新たに始まる石川の物語を語って聞かせました。そして、プロデューサーは熱のこもった口調で、こう言いました。『いろいろなタイミングが合い、時が満ちたら、必ず新しい石川の物語を作りましょう』。時が満ちたようです」。

放送決定を記念し、テレビ番組のキャッチアップサービスサイト「テレ朝キャッチアップ」「TVer」「GYAO!」では、連続ドラマ『BORDER』全9話を5日間限定(6月14日 前5:00~18日 後11:59)で無料配信。14日午前10時より、「Yahoo!検索」との特別企画もスタート。「Yahoo! JAPAN」のトップページから「BORDER」を検索すると、特別限定動画が観られる。この動画には石川のこれまでの歩みや、新作から抜き出されたせりふなどを凝縮。『BORDER』ファンは必見のプレミアム動画となっている。番組公式インスタグラム&ツイッターでは断片情報を少しずつ公開していく。
★★★

Old Fashioned Club  月野景史

2017年6月26日 (月)

【ドラマ】『貴族探偵』最終回/比較的きれいにまとまる

先日のブログで結末予想をしたフジテレビ月9ドラマ『貴族探偵』。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/626-113c.html
その最終回が今日6月26日に放送されました。


私の予想はだいたいの方向性は合っていたのではないかと思いますが、
ぴったり合致とはいきませんでした。

読み違えたの敵・ラスボスである“政宗是正”との決着のつけ方です。
黒幕本人が登場はせず、簡単な報告だけで終わるのは予想通りでしたが、
貴族が政宗と交渉により事を収めるとは思っていませんでした。
きっちり勝負をつけると考えていたのです。

であるならば、自らを死んだことにして姿を隠した切子は
海外で貴族の秘書である鈴木と共にその敵と戦っているだろうと考えました。
であれば、愛香の隣室に潜むのは無理だとも思ったので。

隣室問題については、中盤の回で隣室に貴族が潜んでいるかのような描写がありました。
これは隣室なのか、場面が切り変わったのか判り難い演出ではありましたが。

結末全般については、不満はありますが、
このようにシリーズ通じての謎を前振りしているドラマでは、
まったく筋の通らない、納得できないラストになる事も多いので、
それと比べると、かなり綺麗にまとめた方だと思います。


Old Fashioned Club  月野景史

2017年6月20日 (火)

【ドラマ】『貴族探偵』6/26最終回/切子の死と貴族、愛香の真相を材料不足ながら推理する

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フジテレビが社運をかけた“月9”ドラマ『貴族探偵』も次回6月26日の第11話で最終回。
http://www.fujitv.co.jp/kizoku/
スタート当初、このブログでも“迷走”と書きました。
平均視聴率も8%半ばで、この豪華キャストにしては寂しい限りです。


ただ、私は割と楽しんで観ています。
原作は麻耶雄嵩さんの推理小説シリーズ。
麻耶さんは、“新本格”と呼ばれる分野の作家ですが、
私は元々本格ミステリ好きなので、楽しめる面があります。
それは、一足早く6月25日に最終回を迎える観月ありささん主演の
『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』についても同様です。

しかし、そもそも新本格の小説は文字で読むと面白いが映像化には向かない面があり、
そこをどう脚色するかが大事なのですが、うまくやり切れてはいません。

一番まずいのが主人公“貴族探偵”の描き方です。

相葉雅紀さんが貴族役に向いていないという声も多く、それはその通りかと思いますが、
それ以上に連続ドラマの主人公として、あのキャラ設定は無理です。
「使用人は道具」と言い切る主役なんて、共感持てる筈ありません。

ただ、それ以外は女探偵・高徳愛香の武井咲さんはじめ、鼻形刑事役の生瀬勝久さん、
使用人トリオの、松重豊さん、中山美穂さん、滝藤賢一さん、いずれも好演だと思います。
いや、松重さんだけは少々、正しい意味での“役不足”かも知れませんが。


最終回、謎は明かされるか?
さて、最終回なのですが。
今回の第10話と最終第11話は前後編です。
まずは武器商人・具同家の別荘である星見荘に集まった若者たちの間で起こる事件がテーマ。

このドラマは、毎回原作のエピソードを改変を加えながらも描いていくのですが、
それとは別に、愛香の師匠である私立探偵・喜多見切子(井川遥)の死の真相、
そしてその事と貴族探偵との関わりが全編通しての謎となっています。

主人公がラスボス?
貴族探偵の言動からすると、彼が自分の秘密を守るため、切子を殺させたかのように思えます。
切子の弟子である愛香もそれを疑い、遂に貴族のその疑惑を突き付けました。
だとすれば、主人公(しかも“演:ジャニーズ!”)がラスボス・・・まさかと思いますが。
この部分はドラマオリジナルで、原作からのネタバレはありません。
この謎の解明が、全編のクライマックスという事になるかと思います。


ですので、最終回では若者たちの事件と、シリーズ通じての謎を両方とも解き明かす必要があり、
次回予告でも、すべての真相が明かされるような謳い方をしています。

ただ、それにしては前編での若者たちの事件の進行が遅い。
ラストでやっと殺人事件が起こった・・・のかどうか? というところで終わりました。
愛香以外の主要キャラである主人公・貴族探偵と使用人トリオ、鼻形刑事もほとんど出てこないし。

私は第10話を見終わった時点で全体の謎解きを試み、最終話の結末を予想しようと思っていたのですが、
10話がこんな展開で、シリーズ通しての謎にほとんど進展がなく、材料不足で難しいです。
が、一応やってみましょうか。


師匠・切子は生きている? 何をしている?
ネットでは、死んだ筈の師匠・喜多見切子は実は生きているとの見方が多いです。
私もその可能性は高いと思います。
だとすれば、貴族探偵が言った「確実に殺せ」は、「死んだように偽装しろ」という意味か。

切子が生きていたとすると、彼女は貴族探偵に匿われているとの見方が多いのですが、
私はむしろ自分が死んだ事にして、何かを追っているのではないかと思います。
シンガポールで貴族の秘書である鈴木(仲間由紀恵)と共に協力していると考えれば、
一番筋が通るか。

そうなると、その敵というのが愛香が貴族の正体として疑っている“政宗是正”か。
政宗是正は、第10話で名前の出た具同家の当主(具同モトフミ)と同一人物かも知れません。
あるいは政宗とは別人かも知れませんが、いずれにしろそれだけのことで、
その“敵”の正体はもちろん貴族ではなく、またその他の既存の登場人物であった!
といった驚愕の展開の可能性は低いでしょう。


では貴族探偵と愛香の関係は?
上のような流れだとすると、貴族が愛香の前にいつも現れる理由も見えてきます。
愛香は探偵として未熟なまま師匠と別れ、独り立ちすることになったので、
貴族はそれを見守り、誤った推理をしないよう導いているのではないか。

いつも愛香の行く先に現れ、使用人たちを使って愛香の手助けをさせ、愛香の推理を先に披露させる。
そして愛香が真相を見誤った場合は、使用人たちに正解を語らせている。
今までのところ愛香は間違ってばかりで、貴族にコケにされているように見えますが、
それは探偵としての愛香の成長を厳しく叱咤しながら見守っているという事。

このように考えれば、第10話で貴族が「事件を正しく解決すれば切子について話す」と愛香に約束し、
その後に「これで女探偵さんともお別れか」とつぶやいたのは、
彼女が一人前の探偵になれば、もう付きまとって見守る必要もなくなるから、という意味かと。

以上が現時点で最も矛盾点が少なく、全体を説明できる真相ではないかと思います。


切子が死んでいたなら
もうひとつの可能性、切子が本当に死んでいるとしたら、
貴族探偵は切子を殺した敵から、愛香を守っている可能性が高くなります。

その目的で貴族探偵たちが愛香に付きまとっているとしたら、
愛香の身近に敵がいないとおかしい。
善意の人間と思っていたのが実はラスボスという、ミステリドラマの王道ともいえるパターンです。

その場合、一番怪しいのはドラマオリジナルのキャラである鼻形か。
ただ、鼻形=ラスボスに繋がる伏線は見当たらず、
むしろ鼻形もまた、貴族探偵の意向で愛香を見守っている節すらあります。

以上、2つの推理を挙げました。
前者の方が全体に筋が通っているかと思います。


もうひとつ、愛香の部屋の隣人の謎がありました。
貴族探偵自身が隣室に潜んでいるかのような描写がありましたが、
上の挙げた予想のどちらにしろ、貴族一派が愛香を見守っているという事でしょうか。
変な推理に走らないよう、見張っているともいえるかも知れませんが。

あと1人、愛香のクライアントである令嬢・玉村依子(木南晴夏)が怪しいという声もあります。
しかし、彼女が黒幕はさすがにないかと。黒幕と繋がっているという可能性はゼロとはいえないでしょうが。


貴族探偵の正体は・・・?
これは原作でも明らかではないし、種明かしはないでしょう。
原作なしのドラマなら、貴族と使用人達は警察(公安とか)、あるいは政府関係の人間との展開もあり得ますが、
さすがにそこまでの改変はしないかと思います。


さて、少しは当たるでしょうか。

Old Fashioned Club  月野景史

2017年6月12日 (月)

『警視庁捜査一課9係』継続なら加納係長(渡瀬恒彦)の処遇は?/ ・兼務のまま ・異動 ・退職 ・死去

前回のブログからの続きですが、あくまで仮定の話として、
『警視庁捜査一課9係』が来期(シーズン13)以降も継続するならば、
劇中で故渡瀬恒彦さんが演じてきた係長・加納倫太郎の扱いをどうするかという大問題があります。

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今期(シーズン12)の加納は、内閣テロ対策室を改造するための準備委員会の
アドバイザーを兼務することになり、9係を不在にしている設定でした。

私はこの設定は、そもそも今期の制作が決まった早い段階、
つまり渡瀬さんの撮影参加を前提した上でのものではないかと思います。
渡瀬さんは病気を抱えての収録ですから、屋外ロケへの頻繁な参加は難しいでしょうから、
“兼務”ということにして、9係の部屋には時々顔を出すというようなスタイルを
想定していたのではないかと思うのです。

では来期以降はどうするのか?
加納が新録で登場することはもうありません。
では、劇中で加納はどうなったことにするのか?
細かく可能性を挙げればキリがないですが、大別すれば考えられるのは以下の4通りです。


1.兼務のまま
つまり、今期と同じ状態で続けるということ。
加納は9係の係長の役職のまま、不在ということですね。
正式な異動と違うのは、これによって係長のポジションを事実上加納の“永久欠番”とすることになります。
しかし、さすがにこれは無理があると思います。


2.異動
今期は兼務であった内閣テロ対策室か、
あるいは他の部署でも正式に異動になるということ。
当然、9係長からは外れるので、内部昇格にしろ、外部からの異動にしろ、
新係長が誕生することになります。


3.退職
そもそも渡瀬さんは70歳を超えており、公務員ならとっくに退職している年齢でした。
もちろん、役者の実年齢と劇中人物の年齢は別ですが、
定年退職したと言われても無理はありません。
あるいは、別の理由で退職したことにする手もあります。
退職してどう過ごしているのかとなると、旅に出たというのが長寿ドラマではよくあるパターンです。


4.死去
劇中でも加納が亡くなったことにする。
その場合、理由は殉職になる可能性が高いでしょう。


以上、考えられるのはこの4パターンでしょう。
もっとも相応しいのは異動かと思います。

退職でもいいのですが、定年を持ち出してしまうと、
準レギャラーの警察官の中に里見浩太朗さんや伊東四朗さんなど、渡瀬さん以上の高齢者がいますし、
ゲストでも高齢の俳優が警察官や公務員役で絡む可能性があるので、今後が少々面倒になります。
それに、他の東映制作のドラマでも高齢警察官は多いですし、定年問題はあまり絡ませたくないでしょう。

4の死去はどうでしょう。
おそらく、係長が亡くなったことにはしないでしょうね。
特に殉職だと、殉職エピソードを劇中でどう扱うがかなり難しいです。


やはり異動が妥当ですが、ひとつ問題があります。
加納が他の刑事達にとって上司だけの存在であるならどれでもいいのですが、
浅輪の恋人である石川倫子(中越典子)の父親でもあるからです。

浅輪と倫子の関係が続く限り、加納を死んだことにしなければ、
違和感が付きまとうことになるでしょう。
しかし、これはどうしても無理というほど決定的な問題ではありません。

「もう登場することはないけれども、係長は今も別の場所で活躍している」
この感覚をドラマの中に残す意味でも、異動が適当でしょう。

具体的には、既に「内閣テロ対策室改造のための準備委員会アドバイザー兼務」
という設定があるのだから、それを生かすのが得策でしょう。
準備委員会への異動というのもなくはないでしょうが、
改造された内閣テロ対策室への正式異動の可能性が高いと予想しておきます


Old Fashioned Club  月野景史

2017年6月10日 (土)

【ドラマ】渡瀬恒彦亡き『警視庁捜査一課9係12』静かに終了/継続なら浅輪主役、小宮山係長で

主演の渡瀬恒彦さんの亡き『警視庁捜査一課9係』シーズン12が
6月7日放送の第9話で、今クールのドラマとしては早めの最終回を迎えました。

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ドラマ内の設定としては、渡瀬さんが演じてきた加納倫太郎は内閣テロ対策室を改造するための
準備委員会のアドバイザーを兼務することになり、9係は係長は不在ということで通しました。

加納は初回のみ過去の映像の流用で出演しましたが、後はそのようなこともなく、
最終話でも僅かに加納のことを示唆するようなシーンはありましたが、
はっきり語られるわけでもなく、淡々と静かに終わった印象です。

その最終回も時間延長もなく、
推測ですが、元々通常回として用意されていた脚本だったのだと思います。


数字も内容も安定
視聴率は途中で思わぬ急落もありましたが、その後に大きく伸ばした回もあり、
平均では11.5%と、このドラマとしては物足りなくもあるが、ますまずといったところでした。
内容にも賛否は当然ありますが、安定のおもしろさだったと思います。

元々この作品は9係のメンバー全員が主演といえる群像ドラマです。
昔の刑事ドラマではこのタイプが主流でしたが、現在では稀少。
しかも、9係のメンバー6人が第11シーズンまで1人の変更もない、稀有なドラマでもあります。
もちろん、渡瀬さんの存在が大きかったのは当然ですが、
レギュラー陣も実力のあるベテランが揃っており、大過なく終わったのもまた当然といえます。
演者がベテランであるというだけではなく、キャラとしてもそれぞれ癖は強いものの有能な刑事ですし。

ただ、その中にあっても加納のみが独特の視点で何かこだわり、
それが解決のキーとなるのが『9係』の定番ではありました。
今期はその部分を加納に代わって浅輪が担っていました。
ここについての批判もあったのですが、これは仕方ないというか、当然の帰結かと思います。


さて、こうなると、来期以降をどうするのかが焦点です。
かつて渡瀬さんが、メンバーが1人でも欠けたら終わりするという発言していたこともあり、
以前はネット上では、今期限りの終了を予測、あるいは希望する声が多かったと思います。

ただ、この渡瀬さんの発言はチームワークの良さを逆説的に表現していたようにも思えるし、
まさか自分の死を想定していたものでもないでしょう。
そして今期の安定ぶりを見て、ネットの声も継続に傾いているように感じます。
私見ですが、渡瀬さんもそれを望んでいるようにも思えます。


新係長新規招聘はあり得ない
しかし、どうにも理解できないのが、渡瀬さんの代わりに新たなキャストで係長役を、
それも主役として迎えてという見方が多いことです。
それを希望する声もあれば、そうなるのが当然のような意見もあります。

私はそれはない、あるべきではないと思います。

続けるなら、ほぼ今期と同じスタイルでいいでしょう。
クレジット上の主演は浅輪直樹役の井ノ原快彦さんが務め、
今期は主任の立場で実質的に係長の代理を務めた小宮山志保(羽田美智子)が
正式に係長、もしくは係長代理に昇格するのが自然です。

ただ、浅輪には加納に代わる相棒が必要ですから、新メンバーとしてはそこに若手を入れるべきでしょう。
レギュラー全体が高齢化しているのだから、それが最も望ましい筈。

若手といっても現在一番若い井ノ原さんよりも下という意味なので、
40歳以下ということですが。

もちろん、加納の劇中での位置づけをどうするかという大問題があります。
この問題はこちらで考察しました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/9-616a.html

Old Fashioned Club  月野景史

2017年5月10日 (水)

【ドラマ】『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』/あの『BORDER』の小栗旬・金城一紀コンビによる新作ドラマ

『警視庁捜査一課9係』、『警視庁捜査一課長』、『緊急取調室』、『小さな巨人』と、
警察物が強いこの2017年4月クールの連続ドラマですが、
中でも異彩を放っているのが『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』です。

Crisis

不振のフジテレビドラマの救世主。
ただ、制作は前期の『嘘の戦争』同様カンテレなのですが。


『BORDER』のコンビ再結成
『CRISIS』の主演は小栗旬さん、脚本は金城一紀さん。
これは3年前、2014年の4月期にテレビ朝日で放送された
『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』と同じ顔合わせです。

たった3年前の作品ですが、『BORDER』は伝説的なドラマとなりました。

Border_001_1

あの衝撃のラストについて書いた私のブログは今でもアクセスが多いです。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/border-b0ce.html

『CRISIS』が始まった影響か更に増えていますが、
それ以前から常に高め安定のアクセスがありました。
『相棒』や『科捜研の女』と違って再放送も、少なくとも関東地上波ではまったくされてないのに、
不思議に感じています。

『CRISIS』は『BORDER』のテイストに近い、やはり一筋縄でいかないドラマですが、
私は楽しんで観ています。

『BORDER』が最終回を迎えた時、続編を望む声が多かったですが、
私はあのラストで続編はあり得ないと思いました。
それは当たりました。というか、当然でしょう。

ただ、今回小栗さんが演じている稲見朗は色々と重い過去を抱えているようで、
『BORDER』の坂口安吾と重なる面はあります。
もちろん同一人物ではないですが、続編を望む声への答えといえるのかも知れません。


因縁のキャスティング?
それにしても、今回は少しブラックなキャスティングをしています。
『CRISIS』に準主役格で出演している西島秀俊さんは3年前、
『BORDER』の裏番組『MOZU』に主演していたのです。

『MOZU』はTBSとWOWOW共同制作の豪華キャストによる大作で、
スタート当初の視聴率は『MOZU』の圧勝でした。
しかし、回が進むにつれ接近・逆転し、一時はダブルスコアになりました。

ただ、『BORDER』の方も一筋縄ではいかないドラマで、
視聴率が跳ね上がった回が強烈なパッドエンドで、
次の回は大きく数字を落とすというようなこともありました。

ともかく、今回はその因縁の小栗さんと西島さんがバディのドラマです。


他のキャストは、2人の上司役が田中哲司さん。
この役が、ポジションもキャラも『緊急取調室』の田中さんの役にそっくりです。
そのせいか、『CRISIS』では眼鏡をかけ、髪型もかなり短髪にしています。

それにしても、どちらもほぼ出ずっぱりの役で、かけもちは無理なようにも思いますが、
ネットでの情報によると、『CRISIS』の撮影は先に終わっているともいいます。
髪型はどうしたのでしょう? キントリの方かカツラとの見方もあります。

チームの同僚警官には野間口徹さんと新木優子さん。
野間口さんは『BORDER』からの残留(?)で、前回は協力者のハッカーでしたが、今回は主要キャスト。
警備局長の長塚京三さんもちょっと怪し気でいいです。
最近は連ドラのレギュラーは多くありませんが、貫禄がつきました。

さて、視聴率は初回13.9%の後はやや停滞気味。
これは仕方ない面もあります。
今回もバッドエンドが多いし、万人受けはしないでしょう。

そして、この先どんな展開が待っているのか?
まさか『BORDER』以上の衝撃はないでしょうが。

Old Fashioned Club  月野景史

2017年5月 4日 (木)

【ドラマ】『緊急取調室』第2期 内容も数字も好調/だが真壁の家族は?

2017年4月クールのテレビドラマは『相棒』と『科捜研の女』がオフにも関わらず、
警察ドラマの好調が目立ち、視聴率でもトップ5を占めているような状況ですが、
中でも強いのがテレビ朝日木曜21時の天海祐希さん主演『緊急取調室』(通称 キントリ)第2シリーズです。
( 他は『警視庁捜査一課9係』『警視庁捜査一課長』『CRISIS』『小さな巨人』)


2


初回は17.9%の高視聴率。
その後はやや落としていますが、それでも強いです。


約3年ぶりの新シリーズ
このドラマ第1シーズンは2014年1月期の放送で、その時も平均12.9%を獲りました。
その後、2015年9月に単発のスペシャルが放送されていますが、
連続ドラマとしては中3年あけてのシーズン2ということになります。

私はちょっと勘違いをしていて、
天海さんは一度、心筋梗塞で舞台を降板したことがあり、
このドラマの続編が作られなかったのも、病気のためかと思っていたのですが、
病気は2013年5月のことなので、『緊取』第1期よりも前でした。
キントリの第1期が病気後の本格復帰作だったのだと思います。


レギュラーキャストは前期とほぼ同じ。
天海さんの同僚警察官には小日向文世さん、大杉漣さん、でんでんさんと年齢高めの3人。
所属長は管理官の田中哲司さん。
田中さんは現在、フジテレビの『CRISIS』にも出演していますが、
役のポジションもキャラもキントリとそっくりです。眼鏡と髪型を差をつけていますが。

捜査一課の刑事は“もつなべコンビ”鈴木浩介さんと速水もこみちさんも健在。
中村静香さんと生島勇輝さんの居酒屋夫婦も留任。

入れ替わったのは上層部の刑事部長と捜査一課長が
草刈正雄さん・篠井英介さんから大倉孝二さんと三上市朗さんに。

草刈さんの刑事部長は前期のラストで退場しているので仕方なく、
既に2015年のスペシャルから大倉さんが登場しているのですが、
草刈さんが昨年の大河ドラマ『真田丸』で再ブレイクしたので、
制作側としては、ちょっと残念だったかも知れません。


真壁の家族は?
あと2人、天海さん演じる真壁有希子の娘と息子が今期は登場していません。
そもそも、真壁の自宅がまったく出てきません。

真壁の夫も元警察官でしたがだいぶ前に殺害されており、その事件も未解決。
前期はこの事件の解決がシリーズを通してのテーマで、
2人の子ども達とのシーンも毎回必ずありました。
そして、前期のラストでこの事件は解決しました。

正直いうと、前期でも家族パートは不要では? と思う回もありました。
夫の事件も解決したことですし、今期は毎回出す必要もないというのならわかります。
ただ、それならば子ども達の存在を示すような表現があってもいいように思うのですが、
会話の中にもたぶん登場していないし、事件が一段落して他のメンバーが帰った後も、
真壁は1人で残っていたりと、シングルマザーらしい描写がないのです。

ここは、単に登場させないだけなのか、
それとも家族に何か変化があり、いずれその事情も明かされるのか?
こういう場合、子どもは留学したとか、学校の寮に入ったとかいうパターンはよくありますが、
2人ともというのは少々無理があります。どうなのでしょう。


キントリのチームワークは良好のようです。
まぁ3年以上、同じメンバーで組んでいるのですから当たり前ですが。

前期は警察内部の問題との対峙がクラスマックスでした。
今回もそのような展開はあるるのか?
あるいは、チーム内に深刻な対立が生まれたりするのか?
それとも、そのようなことはなく、あくまで事件と向き合っていくのか。

実力派俳優達による、しっかりしたドラマ。
今期では一押しです。

Old Fashioned Club  月野景史

2017年4月25日 (火)

【ドラマ】低迷フジテレビの切り札“月9”『貴族探偵』 内容も数字も迷走

フジテレビが社運をかけておくる大看板(過去形?)“月9”ドラマ『貴族探偵』。
主演の嵐・相葉雅紀さんはじめ豪華キャストと莫大な制作費をかけて臨んだ切り札とされますが、
初回視聴率は11.8%と、最近の月9の中ではますまずのスタートでしたが(本来は全然不足でしょうけど)、
昨日放送の第2話では8.3%と急落してしまいました。

内容を見ると、それもいたしかたないところで、なんとも困ってしまうドラマです。
原作は麻耶雄嵩さんの推理小説シリーズ。
私は麻耶さんの小説を読んだ事はありますが、この小説は未読です。

原作があるのだから、一概に真似だパクリだとはいえませんが、
第1話を見た印象では既視感が強く、まず『IQ246』と『TRICK』を合わせ、
『レディ・ダ・ヴィンチの診断』から設定の一部を持ってきたなという印象を持ちました。
まぁこれだけたくさんのドラマが作られているのだから、似たような展開になるのも仕方ない面もありますが。

しかし、なんといっても違和感が強いのは相葉さん演じる主役の“貴族探偵”です。
第1話・2話を見る限り、正直言ってキャラに魅力がないし、
だいたい、推理をしない、最後の解決編すら自ら語らないのでは、
原作通りだとしても、ミステリドラマの主役としては成り立ち難いのではないか。

ですので、ドラマ化にあたっては高徳愛香(武井咲)を主役にした方がよかったのではないかと思いますが、
おそらくこの企画自体が相葉さんありきでしょうから、それでこの原作を選ぶのなら、
大胆に改変した方がよかったようにも思います。
もちろん、回が進むにつれ、状況が変わってくる可能性はありますが。

そして違和感といえば、中山美穂さんです。
1980年代のスーパーアイドル。
ドラマ出演自体が稀少ですし、やるとしたら主演ばかりの人でしたが、今回は脇役です。
それも少ないシーンで強い存在感を示すような特別出演格ではなく、純然たる脇役に見えます。
なにしろ売れっ子脇役俳優である松重豊さん、滝藤賢一さんとトリオを組む役どころですから。

中山さんの演技自体は悪いとは思いませんが、こういう役で出演するということが驚きです。
だったら今までも、もう少し出ておけばよかったのにと思ってしまいます。

武井咲さんはネット上の評判はあまりよくないものも多いですが、私はそんなに悪くないと思います。
生瀬勝久さんもクセが強すぎず、でもかなりの弾けっぷりで、バランスは悪くない。
つまり、さすが豪華キャストを揃えただけあって、個々の俳優で見た場合はそれなりに良い人もいる、
ただ肝心の主役に魅力がないのと、ミステリドラマとしては、ちょっと外してしまってますね。
まだわかりませんが、苦戦が続くようにも思えます。

Old Fashioned Club  月野景史

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