13.【特集】テレビドラマ

2018年4月22日 (日)

【ドラマ】『未解決の女』スタート/“熱血刑事・波瑠”はいいが内容はやや不安

テレビ朝日の新ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官』の初回が4月19日に放送されました。


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多作女優・波瑠
専ら主演・ヒロインを務める女優は、武井咲さんのような例外はあるとしても、
民放の連続ドラマの主演は年1本程度という人が多いと思います。

その中で波瑠さんは20代を代表する主演女優ですが、多くの作品に出演する方でしょう。
今年も1月クールの『もみ消して冬』にヒロインポジションで出演した後、
間を置かずにこの『未解決の女 警視庁文書捜査官』で主役を務めます。

『もみ消して冬』は徹底したコメディとはいえ、波瑠さんの役はかなりのSキャラで、
年1本の連ドラならばさすがに今年があの役だけで終わるのは躊躇するのでは、
と心配してしまうようなドラマでしたが、
波瑠さんなら7月クールか10月クールでタイプの違った主役をやるのだろうと思っていました。
4月とは予想外でしたが。


熱血刑事・波瑠!
波瑠さんの連続ドラマでの警察官役というと、
朝ドラ前のプチブレイク作『BORDER』の特別検視官、
そして朝ドラ後の民放連ドラ初主演作『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』の新人刑事。
いずれもクールで、何か過去を抱えているようなキャラでした。

今回はそれらとは逆の体力自慢の熱血女刑事とのこと。
しかも鈴木京香さんとの女性刑事バディもの。
私はこの1月クールにテレビ東京で放送された『カクホの女』
連ドラでは初の女性刑事バディドラマではと書いたのですが、
早くも後継作が登場しました。

沢村一樹、遠藤憲一、高田純次、工藤阿須加、光石研、山内圭哉と男性脇役陣も充実。
そして既報のように初回は『警視庁・捜査一課長』との相互コラボが実現。
結果、視聴率14.7%で好発進となりました。


・・・ですが、内容にはちょっと不安を感じました。
どうも安定感がない、バランスが悪く感じる。

このドラマは麻見和史著『警視庁文書捜査官』が原作です。
波瑠さんが演じる主役の女性刑事・矢代朋は原作にはないラマオリジナルキャラ。
実は原作に登場するのは “男性刑事の矢代朋彦” なのです。

鈴木京香さんが演じる女性刑事の鳴海理沙は一応原作通り。
ただ、2人ともキャラクターも、また年齢もかなり違います。
とくに正確付けは鳴海の方が違うかな。
部署の設定も結構変えてあります。

この色々な脚色が、ドラマ作りにおいて好結果に繋がればいいのですが、
朋は鳴海のいう通りに動いているだけで、どうしても鳴海が主役に見えてしまいました。
そのバランスの悪さもあって、波瑠さんの熱血演技も空回り気味に感じます。

この点は、原作でも文書捜査能力があるのは鳴海の方。
その意味では鳴海の方が主役ともいえますが、
ストーリーはどちらかといえば矢代の視点で描かれ、お互いフォローし合っているように思います。
ドラマのような空回り感はありません。

脚本は波瑠さんの出世作の朝ドラ『あさが来た』の大森美香さん。
縁起の良い組み合わせに思えますが、この人は警察ドラマはほとんど書いたことがないような・・・。


さて、上に挙げた個性派揃いの男性俳優陣です。
最初は彼らと波瑠さん、京香さんと同一チームで、なかなか強力な顔ぶれかと思ったのですが、
そうではなくて、強行犯捜査係と特別捜査対策室のふたつに分かれています。
それはいいのだが、実際に観てみると、
特別捜査対策室の中でも、波瑠さんのいる第6係(文書捜査チーム)は別扱いのような感じで、
ここが強行犯と特別室本体の両方と対峙しているような関係です。

これは少々ややこしい。ゴチャゴチャしています。
この組織構成も原作とは変えています。
全体像が掴み難いのは初回だから仕方ない面もあるでしょうから、整理が付けばいいのですが。


他にも、波瑠さんと同期の工藤阿須加の新任刑事が
初対面で年長の京香さんにやたら上から目線で乱暴な物言いだったり、
かといってそこまで傍若無人なキャラでもないような・・・。
彼に限らず、ちょっと初回は各キャラの印象付けに成功していないように思います。

テーマは面白いし、いい役者を揃えているのだから軌道修正を期待します。
特に、やはり波瑠さんを魅力的に描いてほしい。

Old Fashioned Club  月野景史

2018年4月18日 (水)

【ドラマ】波瑠主演『未解決の女』4/19スタート/内藤剛志『警視庁・捜査一課長』との本格コラボ実現

テレビ朝日では明日4月19日21時より波瑠さん主演の警察ドラマ
『未解決の女 警視庁文書捜査官』がスタートしますが、
同日放送の『警視庁・捜査一課長』とのコラボによる相互出演が実現します。


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右から波瑠さん、内藤剛志さん、鈴木京香さん


未解決の女 警視庁文書捜査官
私がこのクール最も注目している新作ドラマが波瑠さん主演のこの作品。
初回放送後に感想を書こうと思っていました。

波瑠さんは元々警察ドラマの傑作『BORDER』でヒロインポジションの検視官役でプチブレイク、
その後NHKの朝ドラで本格ブレイクしました。
そして、民放連続ドラマでの初主演作がフジテレビ(カンテレ制作)の『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』でしたが、
これは初主演にしてはドラマ自体も主役のキャラもクセがあり過ぎました。
今回は熱血女性刑事とのことで楽しみにしています。


『一課長』内藤剛志とコラボ
そして、その初回において本格的なコラボ企画が実現します。
このドラマで波瑠さんが演じるのは主人公・矢代朋。
その朋が『未解決の女』のすぐ前の時間帯、20時からの木曜ミステリー枠『警視庁・捜査一課長』に出演し、
続いて21時からの『未解決』には『一課長』の主役・大岩純一を演じる内藤剛志さんが出演するのです。
2番組のコラボレーションによる主役の同日交互出演ということになります。


テレ朝初の同日相互出演コラボ
実はこれと似た企画が2016年1月にもありました。
21時からスタートする新番組『スペシャリスト』主演の草彅剛さんが
20時からの木曜ミステリー『科捜研の女』にコラボ出演したのです。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-2628.html
ラストの1シーンですが、沢口靖子さんら科捜研メンバーと共演しました。
ただ、この時は『科捜研』側から『スペシャリスト』への出演はありませんでした。

また、木曜ミステリーではこれ以前に
『京都迷宮案内』と『京都地検の女』、
『おみやさん』と『京都地検の女』との間で交互出演が実現していますが、
これは別々の日の放送で、同日ではありませんでした

つまり、同日の交互出演はテレビ朝日としても初の試みということです。

警察ドラマのヒットシリーズの多いテレビ朝日ならではの企画で、
楽しくて話題にもなると思います。
ただ、このニュースが流れたのが放送前日の今日で、随分急でしたね。
せめてももう少し前に情報を公開した方がいいように思いますが。

Old Fashioned Club  月野景史


以下、テレビドガッチより引用
https://dogatch.jp/news/ex/53519/detail/
☆☆☆
テレ朝史上初『未解決の女』『捜査一課長』が連ドラ相互コラボ
2018.04.18 up
波瑠と鈴木京香が主演するドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系、毎週木曜 21:00~)が4月19日よりスタート。肉体派熱血刑事・矢代朋(波瑠)と、文字フェチの頭脳派刑事・鳴海理沙(鈴木京香)がバディを組み、“文字”を糸口に未解決事件を捜査していく新感覚の爽快&痛快ミステリーだが、初回放送では、作品の垣根を越え、同局で放送されている人気シリーズ『警視庁・捜査一課長season3』(毎週木曜 20:00~)と豪華コラボレーションすることがわかった。

しかも、今回はテレビ朝日史上初の連続ドラマ間の相互コラボ。なんと『警視庁・捜査一課長』で主人公の捜査一課長・大岩純一を演じる内藤剛志が『未解決の女』に、さらに『未解決の女』で主人公・矢代朋を演じる波瑠が『警視庁・捜査一課長』に、同じ役での同日出演を果たすという。

この『未解決の女』の舞台となるのは、「特命捜査対策室」第6係。その所属先は警視庁捜査一課だが、これまで捜査一課長の正体については触れられていなかった。しかし、今回のコラボで、実は大岩捜査一課長だったことが判明。“理想の上司”として視聴者からも愛され続ける大岩は、『未解決の女』でもそのハートフルな魂を炸裂させ、ホシを上げるために奔走した朋や理沙をねぎらいにやって来る。さらに『警視庁・捜査一課長』でも、腕を負傷した朋に対し、大岩が優しい上司ぶりを発揮。『未解決の女』へバトンをつなぐ、遊び心の効いた軽妙な掛け合いが繰り広げられる。

内藤と初共演を果たした波瑠は、内藤と大岩に共通する心根に感激。「内藤さんが本当に優しくしてくださって、撮影もすごく楽しかったです。とてもリラックスして撮影に臨ませていただき、内藤さんご自身が理想的な先輩だな、と思いました」と語り、尊敬のまなざしを送った。一方、内藤と共演歴のある鈴木も「内藤さんはこれまでご一緒した現場でも、いつもリーダーシップを発揮してくださって、一課長の役柄そのままの方なんですよ」と述べ、今回もその人柄を再認識したよう。「今度は、私も波瑠ちゃんと一緒に『警視庁・捜査一課長』の世界に伺いたいですね。つきましてはスタッフの皆さん、スケジュールのご相談をお願いします!」と、声高らかにリクエストした。

そして、今回のコラボについて内藤は「いやぁ、うれしかったですね! それぞれ違う世界を描いたドラマですが、どこかでつながっていたら楽しいな、と思っていました」と胸の内を明かし、「もし可能なら、これから毎週、お邪魔したいと思います!」とコラボ継続を熱望。『未解決の女』の撮影中も「(僕が演技を)うまく出来たら、毎週呼んでください!」と周囲に呼びかけ、現場の空気を温めた。

撮影の最後には波瑠&鈴木に「僕たちが夜8時台を温め、その流れで多くの方を『未解決の女』へ送り込めるよう頑張ります!」とエールを送った内藤。その温かい言葉を受け、波瑠は「『警視庁・捜査一課長』をご覧の方々に、ぜひ『未解決の女』の世界へと流れて来ていただけたら、うれしい」と声を弾ませ、視聴者に向けても「皆さん、“夜8時から”が大切ですよ! 夜8時『警視庁・捜査一課長』からの、夜9時『未解決の女』をよろしくお願いします!」と力強く呼びかけた。
★★★

2018年4月15日 (日)

【ドラマ】『警視庁・捜査一課長3』スタート/元有名少女柔道選手! 安達祐実の役柄が話題に

4月12日、テレビ朝日木曜ミステリーの内藤剛志さん主演の人気警察ドラマシリーズ
『警視庁・捜査一課長〜ヒラから成り上がった最強の刑事!〜season3』初回第1話の放送が終わりました。

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昨年の不倫騒動の影響か、今期の出演が公表されていず、
去就が注目されていた斉藤由貴さん演じる“大福”こと平井真琴刑事は、
登場人物の会話によると、異例の警察庁への出向となったようです。
この事情なら、次シーズン以降の復帰への含みを残しているということでしょう。

事実上の代役としては既報の通り、安達祐実さんが登場しました。


安達祐実の役柄が話題に
安達さん演じる谷中萌奈佳は少女時代から知られた女子柔道選手で、
その知名度を生かし、警視庁の広告塔的な役割も果たしてきた広報課員。

人一倍華奢で小柄な安達さんが柔道選手というのはミスマッチに感じます。
卓球選手ならまだわかりますが。
しかし、少女時代から有名人で、その為に人と違う経験を色々してきたという点は、
名子役として知られた安達さんの半生と重なって、
劇中のセリフも意味深に聞こえると話題になりました。

このドラマと特に連続ドラマになってから、このようなキャストの“遊び”をよくやります。
例えば第1シーズンでは、毎回週替わりで登場する捜査一課各係の係長たちに
なぜかアイドル歌手出身の俳優を揃えたこともありました。
(新田純一さん、渋谷哲平さん、中村繁之さん、前田耕陽さん、ひかる一平さん、風見しんごさん等)

ただ、この設定だと谷中萌奈佳は世間一般でもそうでしょうが、
特に警察関係者には超有名人の筈ですが、
そのあたりのリアクションのあり方がちょっとバラけていように思いますが。

それはともかく、萌奈佳の亡くなった父(中村梅雀)は元警察官で、
大岩一課長と同期で友人だったという因縁深い関係。
次回からの萌奈佳は捜査一課の刑事としても活躍するようです。


もう1人の新レギュラー、運転担当刑事・奥野親道は漫才コンビ・ナイツの塙宣之さん。
思った以上に出番もセリフも多かったです。
これは塙さん自身が初回放送後にラジオで自虐的に語ってもいたのですが、
やはりセリフが堅い、棒だなんだとの声も多かったです。
ここは次回以降、よくなっていくことを期待します。

Old Fashioned Club  月野景史


追記
次回放送の4月19日(木)は20時から『一課長』、
21時からは新番組、波瑠さん主演の『未解決の女 警視庁文書捜査官』初回が放送されますが、
この両番組のコラボによる相互出演が実現します。

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大岩が『未解決の女』に、
そして『未解決の女』で主人公・矢代朋を演じる波瑠が『一課長』に、
同じ役での同日出演、テレビ朝日でも初の試みとのこと
https://dogatch.jp/news/ex/53519/detail/

2018年4月12日 (木)

【特捜9】 『警視庁捜査一課9係』のレギュラー留任 高視聴率で門出/加納係長(渡瀬恒彦)へのスタンスは?

注目されたテレビ朝日の新ドラマ『特捜9』の初回第1話が4月11日に放送されました。


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2006年のスタートから2017年まで、
毎年欠くことなく12シーズンが放送されてきた『警視庁捜査一課9係』。

しかし昨年、主役の加納倫太郎係長を務めてきた渡瀬恒彦さんが、
シーズン12のクランクイン後、撮影に参加すること亡くなりました。
主演俳優を失ったこのドラマがどうなるか注目されていました。

普通なら、主役がいなくなったのだから、番組は終了でしょう。
しかし、『9係』は警視庁の刑事部捜査一課9係のメンバー6人全員が主役といえる、
昭和の時代の刑事ドラマでは主流でしたが、現在では珍しい群像ドラマです。
しかも、この6人についてはスタート以来交代がまったくない稀有なシリーズでもありました。

ですので私は渡瀬さん抜きでも継続は可能だし、そうなってほしいと思っていましたが、
タイトルは『特捜9』と変わるものの、事実上の継続が発表されたのが今年の2月。
そして今回、無事リニューアル第1話が放送されたわけです。


9係解散の事情
『特捜9』の設定では、昨年までの舞台だった捜査一課9係は既に解散しており、
バラバラになったメンバーが第1話において新たに設置された特別捜査班に集まり、
そこが今後の彼らの活躍のステージとなります。

この9係解散については、初期のリリースでは加納係長が内閣テロ対策室に異動になった為とされていました。
しかし、警視庁の捜査一課9係という部署は『相棒』の特命係と違い現実に存在します。
いくらフィクションとはいえ、係長の異動で、それもおそらく栄転に近いものだと思いますが、
それで解散とは無茶ではないかと思っていました。

この点は軌道修正されたようで、9係解散は加納の異動とは関係なく、
別の深刻な事情があったということにしたようです。
おそらくこの件が今シーズンの縦軸のテーマということになるのでしょう。


旧レギュラー全員留任
『9係』で加納の部下で捜査の相棒、そして準主役格だった浅輪直樹(井ノ原快彦)が『特捜9』では主役に昇格。
小宮山志保(羽田美智子)、青柳靖(吹越満)、矢沢英明(田口浩正)、村瀬健吾(津田寛治)の
2006年の番組スタート以来の9係メンバーもすべて留任しました。

そして浅輪は劇中でも役職が特別捜査班の主任に昇格。
これについては浅輪の階級は巡査部長なので、実際の警視庁本部で主任にはなれない筈で、
また階級が浅輪より上の警部補である小宮山、青柳、村瀬の上司になるという、
階級社会である現実の警察組織ではあり得ない逆転現象まで起きてしまうのですが、
そこは通常はないことと軽く触れた上で、特別な部署なので問題ないという説明でした。
まぁそもそもフィクションの上に、まして今回は架空の部署になったのだからいいでしょう。

他のキャストではシーズン4から登場している監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)も留任。
更に倫太郎の娘で浅輪の恋人だった倫子(中越典子)は遂に結婚して新シリーズを迎えました。
『9係』にはこの他にもセミレギュラーキャストは存在しますが、
公式サイトのトップ画像に載っていた渡瀬さん以外の主要キャストはこの7人なので、
全員が留任ということになりました。

これに新レギュラーとして班長の宗方朔太郎(寺尾聰)、
所轄署から配属される若手刑事・新藤亮(山田裕貴)が加わりました。
新藤は初回は顔見せ程度で、本格参加は次回から。
上に引用した番組公式サイトのトップ画像はこの9人が均等な配分で形成されています。

初回では他にもセミレギュラーだった里見浩太朗さん、伊東四朗さん、遠藤久美子さん、清水章吾さんらも登場、
『9係』からの継続性を強くアピールしました。


今回好印象だったのは宗方新班長役の寺尾聡さん
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寺尾さんは石原プロの『大都会』や『西部警察』シリーズで昭和の刑事ドラマファンにはお馴染みの俳優ですが、
今回の起用については、渡瀬さんと3歳しか違わない70歳の人を主要キャストで加える必要があるのかと
少々疑問に思っていたのです。

もちろん個人差はありますが、名優も年を取れば表情の変化が乏しく、声もかすれがち、演技も堅く抑揚がなくなります。
それでも短いシーンなら存在感を示せても、現場のリーダー役は厳しいのではないかと思っていました。

しかし、寺尾さんは表情も豊かで余裕のある演技、
更にさすが名歌手でもあって声もよく通っていました。
杞憂だったようです。
そういえば「宗方」は寺尾さんが出演していた『大都会PARTⅢ』で石原裕次郎さんが演じていた医師の名と同じです。



加納元係長(渡瀬恒彦)へのスタンス
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さてタイトルこそ変われど、事実上シリーズが継続していく中で、
気になるのは渡瀬恒彦さんが演じてきた加納倫太郎元係長に対する劇中でのスタンスです。

現実世界で渡瀬さんが亡くなっても、劇中での加納は健在で、内閣テロ対策室に異動した設定だから、
本来なら
「係長はどうしている」
「係長ならこう言うだろう、ああするだろう」
あるいは
「昨日、係長と電話で話したのだけど」
といった加納の健在を示唆するような会話が飛び交ってもよさそうなものですが、
これがほとんどありません。

もちろん、そのようなセリフも少しはあるのですが、
どちらかといえば、天国の係長への思いを語っているようにも聞こえました。

これには色々意見もあるでしょうが、私はなかなか賢明な判断だと思います。
設定として加納を死去でも退職でもなく、異動の形で退場させたこと自体も正解だと思うし、
だからといって、残念ながらもう渡瀬さんが出演することはないのだから、
ことさら健在をアピールしても空しいだけでしょう。
普段はほとんど語られず、たまに、ふと渡瀬さんのことを思わせるセリフや表現があるくらいがいいと思います。

同じテレビ朝日・東映制作で同じ時間枠の『相棒』の「ダークナイト」については
このブログで結構批判し、今でも毎日驚くほどのアクセスがありますが、
今回の『9係』の事実上の継続、そして加納に対するスタンスには賛意を表します。


初回視聴率16%
初回の平均視聴率は16.0%と発表されました。
『相棒』も『科捜研の女』も同様ですが、
『9係』も2012年以降はそれ以前と比べて数字は低迷気味で、
16%を超えるのは2011年のシーズン6以来です。
最高のリニューアル、新スタートとなったようです。

それにしても前クールの『相棒16』も『科捜研の女17』も特に終盤の視聴率がよかったし、
テレビ朝日のドラマは好調です。

Old Fashioned Club  月野景史

2018年4月11日 (水)

【ドラマ】『シグナル 長期未解決事件捜査班』初回終了/悪くはないが不可解点多過ぎ ★韓流原作の視聴を推奨

4月10日、坂口健太郎さん初主演のカンテレ制作、フジテレビ放送のドラマ
『シグナル 長期未解決事件捜査班』初回第1話の放送が終わりました。
話はまだ完結しておらず、次回との前後編ということになります。


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本作は2016年制作の韓国製警察ドラマ『シグナル』(キム・ウニ脚本)を原作としたリメイク作品。
現在の刑事が、過去を生きる刑事と無線で交信しながら事件捜査をするという
非現実のSF的・・・というより、超常現象をテーマとしたようなドラマです。

他の主要キャストは上の画像にも載っている北村一輝さん、吉瀬美智子さん、渡部篤郎さんと豪華。
更に甲本雅裕さん、池田鉄洋さん等、特に警察ドラマ好きには魅力的なメンツが並びます。

役柄としては、坂口さんが主役である現代を生きる刑事。
北村さんが現在は行方不明になっている刑事で、坂口さんと無線機で交信して捜査にあたる、
時空を超えたバディ、相棒といったところのようです。
といっても、どういう話になるか、初回だけではまだイメージが湧き難いですが。

吉瀬さんはかつて北村さんと親交のあった女性刑事で、タイトルにある長期未解決事件捜査班で坂口さんの上司になる役。
(初回の時点では所轄署の刑事課勤務、坂口は交番巡査なので、まだ上司・部下の関係ではない。)
渡部さんは警視庁刑事部長ですが、今回は野心家のヒールのようです。


さて、初回を見た感想ですが、雰囲気もよく緊迫感もあり悪くありません。
実はあまり期待していなかったので、拾い物感があります。
ただ、かなり不可解・不自然な点が多く、解り難い話でした。

今の日本のドラマは序盤にやたら難解な伏線めいたものを張り散らかして
視聴者を引っ張ろうとする傾向があるので、珍しくはありませんが、それにしても不可解過ぎのような。

そもそも、過去と無線で交信という荒唐無稽な主題なので、不可解なのは当然ともいえますが
テーマが非現実的であればこそ、その周辺をリアルにきっちり描く事も大事かと思います。
その点では不安も感じるスタートでした。


時効制度撤廃が足かせに
実は、話を解り難くしてしまった理由がひとつあります。
元ネタの第1話のメインとなる事件が、少女誘拐殺人事件の公訴時効がテーマである事。
日本は2010年に殺人罪の時効制度が撤廃されていますので、
そのまま現代日本を舞台にリメイクできないのです。

そこで、第1話の劇中年代を時効廃止前の2010年4月に設定したのでしょう。
2010年に坂口さんや吉瀬さんが時効間近の誘拐殺人の捜査を行う。
北村さんはその10年前の2000年から行方不明で、現在の坂口さんにトランシーバーで連絡してくる。
坂口さんはわけがわからないまま、北村さんとの通信内容を元に事件を追うという展開でした。


この劇中年代設定については来週以降どうなるのか?
公式サイトの予告文を見ると、次回は当面今回の続きですが、
一段落ついた後半以降で時間は8年後の2018年に飛び、
現在を舞台に「警視庁 長期未解決事件捜査班」が活躍するドラマとなるようです。

ただ、これはちょっとややこしい。
元々、「現在を生きる坂口さん」と「過去を生きる北村さん」がバディという非現実的な話で、
現在と過去の二つの時間がテーマなのに、
坂口さんのいる現在側に2018年と2010年という、更に二つの時間軸ができてしまいました。

しかも更に解り難いのは、坂口さんが2010年と2018年をタイムスリップかタイムリープしているような、
あるいは単にそれぞれの時代を並べて描いてるだけかも知れませんが、
ともかく二つの年代が錯綜しているような表現があるのです。

しかし、このシーンの持つ意味が不明です。
そもそも2010年と2018年のタイムラグは日本版で時効を描くための苦肉の策で、原作にはない筈。
そして、この他にも不自然なシーンがたくさんあります。

どうにも消化不良感が強いので、ここは元ネタの韓流原作ドラマを観てみる事にしました。


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現在、動画配信サイトのGYAO!にて、
原作である韓国ドラマ『シグナル』 第1話 日本語字幕版を無料視聴できます。
https://gyao.yahoo.co.jp/p/00697/v12431/


実は私はいわゆる“韓流ドラマ”をちゃんと観るのは初めてだったのですが、
これはなかなかよくできたドラマでした。


第1話だけなので、もはやネタバレということもないでしょうから、
興味を持った方、日本版初回に消化不良を感じている方には視聴をお薦めします



原作でも過去との交信という謎については不思議なままですが、
それ以外の日本版にあった不自然さはほとんど感じませんでした。
まさに上に書いたように、荒唐無稽なテーマだからこそ、しっかりドラマ作りをしています。

そして、そもそも過去との交信がテーマなので、現在と過去が錯綜したかのような描写はありますが、
日本版にあった、現在側である2010年と18年とでタイムスリップしたような意味不明なシーンはもちろんありません。

他にも日本版で感じた不自然な点、例えば
少年時代、誘拐を目撃した主人公の訴え方が弱いのではないかとか、
なぜベテランの刑事達がなんの実績のない主人公の進言をあっさり受け入れるのかとか、
その他色々、細かい点についてもしっかり描かれています。

それと見比べると、残念ながら日本版は出来のあまり良くないリメイクとの印象を持ちました。
もちろん第1話だけ、それも2話完結の前編だけを観ての比較です。
次回以降の展開で納得させてもらえることを期待しています。


1995 2000 2010 2018
しかし年代の設定について更にややこしい問題があります。

原作では誘拐殺人が起きるのと、北村さんにあたる刑事が消息を絶つのは同じ2000年ですが、
日本版では誘拐殺人は1995年、北村さん失踪は2000年と5年のタイムラグがあります。

これにより原作では現在=2015年、過去=2000年と明解なのですが、
日本版は2018年、2010年、2000年、1995年とキーとなる年が4つもできてしまいました。

誘拐殺人発生を1995年としたのは、2010年の時効成立まで15年という期間からの逆算でしょうが、
北村さんの失踪をその5年後とした理由が不明です。
あえて推測すれば、北村さん失踪の時点で吉瀬さんが同僚刑事でなければいけないので、
失踪を1995年にしてしまうと、吉瀬さんの現在の年齢(43歳)と合い難くなるからでしょうか?

これに今後は主人公の兄の事件が起きた年なども絡んでくるだろうから、更にややこしくなるでしょう。
この兄の事件というのは、おそらくこのドラマの縦軸のテーマということになってくるのでしょうが、
1話を見比べた印象だと、日本版は誘拐事件の後、対して韓国版は誘拐事件より前のように思えるので、
だとすれば時系列を変えていることになります。


視聴率は9.7%と発表されました。
二桁にもう一歩というところでしたが、不振のフジテレビ系としてはますまずか。
前評判の高かった月9の『コンフィデンスマンJP』の9.4%を上回りました。
今後はどうなりますか。

Old Fashioned Club  月野景史

2018年4月 7日 (土)

【ドラマ】アガサ・クリスティ『アクロイド殺し』の翻案 『黒井戸殺し』 4/14放送 ※原作ネタバレあり

★このブログページには原作小説のネタバレがあります。

アガサ・クリスティの傑作ミステリ『アクロイド殺し』(『アクロイド殺害事件』)を
原作とした翻案ドラマ『黒井戸殺し』が4月14日フジテレビ系で放送されます。
http://www.fujitv.co.jp/kuroido/index.html


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先日も書きましたが、近年クリスティ原作のスペシャルドラマが毎年のように放送されています。
2015年1月にフジテレビが『オリエント急行殺人事件』、
2017年3月にテレビ朝日が『そして誰もいなくなった』を放送。
今年の3月にはテレ朝が『パディントン発4時50分』と『鏡は横にひび割れて~』を原作としたドラマを放送しました。

そして今度はフジが『アクロイド殺し』。
2015年の『オリエント』と同様に三谷幸喜さん脚本、
原作のエリキュール・ポアロにあたる探偵役を野村萬斎さんが演じるので、
『オリエント』の続編というか、同一シリーズものといっていいでしょう。



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アガサ・クリスティ(1890年9月15日 - 1976年1月12日)。
イギリス出身。20世紀のミステリの女王。


その数多い著作の中でも代表作を3本挙げろと言われたら、
前述の『オリエント急行殺人事件』と『そして誰もいなくなった』、
そしてこの『アクロイド殺し』ということになるでしょう。

タイトルにある「アクロイド」とは殺人被害者の名前。
(ですので、今回の日本版ドラマでは黑井戸さんという人が殺されるのでしょう。)

しかし、本作は代表作であると同時に異色作、そして問題作ともいわれます。
何が異色であり、問題なのか。
原作小説について、ネタバレも含めて記します。


『アクロイド殺し』(『アクロイド殺害事件』)
原題 『The Murder of Roger Ackroyd 』1926年

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物語の語り手が犯人
本作の主人公はクリスティが生んだミス・マーブルと並ぶ名探偵エリキュール・ポアロ。
そして登場人物の1人が一人称の語り手を務め、その主観により語られる一人称小説です。
つまり、シャーロック・ホームズシリーズがワトスン医師により語られる記録の体裁を持つのと同じスタイル。

本作で語り手役を務めるのはジェイムズ・シェパード。
ワトスンと同じく医師であり、ポアロの助手的役割を務めます。
ただし、彼は本作で初登場の人物で、これ以前の作品でポアロの助手だったことはありません。
それまでのポアロ登場作では、別の人物が語り手を務めていました。

そして物語のラスト、このシェパード医師こそがアクロイド殺害の犯人だったことが判明するのです。


一人称小説の語り手が犯人!
大胆にして異色、そして画期的なトリックです。
同時に、謎解き小説として読者に対してフェアと言えるのか?
アンフェアではないかとの論争を呼びました。

ですので評価が分かれる面もあるのですが、
クリスティの代表作のひとつ、そしてミステリ史上の傑作としての評価はほぼ固まっていると思います。

それにしても、このような奇抜なアイデアですから
クリスティもあらゆるトリックを散々やり尽くした末に出してきたのかと思いきや、
1920年のデビューから1973年に至る創作活動の間で
本作が1926年というごく初期に書かれたのも意外です。
彼女の先進性、大胆なチャレンジ精神を感じます。


映像化の難しい作品
本作は映画やドラマ化の難しい作品とされます。
日本で映像作品かされるのは初めてとのこと。

ホームズシリーズをはじめ、一人称ミステリの映像作品化は珍しくありませんが、
その場合、原作が一人称小説である意味は薄れ、
三人称小説を原作とした場合と同様の客観的な表現・描写になるのがほとんどだと思います。
その点では、『アクロイド』も映像化すること自体が極端に難しいとも思えません。

しかし、『アクロイド殺し』は一人称の語り手が犯人であることが最大のトリックであり、売りです。
その部分をぼやかして映像化してしまったら、何が作品の魅力になるのか?
ここをどう捉え、どのような切り口で映像として表現するかがポイントになると思います。

もちろん、真犯人が原作通りなのかは断言はできません。
大胆に変えてくる可能性もゼロではありませんが、
いずれにしろに三谷幸喜さんの腕の見せどころでしょう。


粒ぞろいで数多い主要キャスト
前述のように原作のポアロにあたる主役の名探偵・勝呂武尊(すぐろ・たける)を演じるのは
日本の伝統芸能・狂言の第一人者と言われている野村萬斎さん。
そしてシェパードにあたる医師・柴平祐は大泉洋さん。
宣伝物等を見る限り、この2人のバディドラマみたいです。


ところで、私は原作小説を少年時代に読みました。
真相に辿りつくことはできませんでしたが、
読み進むにつれ「なんかおかしい」と違和感を覚えていました。

推理小説ですから、犯人は誰かを推理しながら読むのですが、
犯人候補となる人物がラスト近くになってもさっぱり浮かび上がってこないのです。
そうしたら、語り手が犯人だったというオチでした。


今回の出演者一覧を見ると、
クリスティ物にありがちな超豪華キャストというよりも、
粒ぞろいの俳優を、とにかく数多く揃えている印象です。
原作小説にはこんなに多くの主要人物がいただろうかと疑問に感じたりしています。

そして大泉さんをはじめ、三谷さんが執筆した大河ドラマ『真田丸』の出演者も多い。
遠藤憲一さん、斉藤由貴さん、吉田羊さん、松岡茉優さん、藤井隆さん、今井朋彦さん。
他に寺脇康文さん、余貴美子さん、草刈民代さん、向井理さん、佐藤二朗さん、和田正人さんら。

この俳優達が脇役の登場人物をいかに演じ、どんな『アクロイド殺し』になるか。
私も少年時代から馴染んだ小説のドラマ化であり、楽しみです。


◆◆◆
ところで、このブログでも書いてるように、
不倫騒動で『警視庁・捜査一課長』と『西郷どん』への出演を辞退した斉藤由貴さんが、
このドラマには出演します。
といっても、実はこのドラマの撮影は不倫発覚前だったからで、ドラマ復帰したわけではないようです。

このドラマはもう1人、不祥事で謹慎中の小出恵介さんも本来出演していて、
その部分は撮り直したともいわれています。
難産の末にようやく放送となったということか。
出来はどうでしょうか?

Old Fashioned Club  月野景史

2018年3月26日 (月)

【ドラマ】「アガサ・クリスティ 二夜連続ドラマスペシャル」/ミス・マーブル作品をテレ朝が2作放送

テレビ朝日は3月24日と25日に『アガサ・クリスティ 二夜連続ドラマスペシャル』を放送しました。


22018


ここのところ毎年のように、豪華キャストでクリスティ原作の日本版翻案スペシャルドラマを
放送しているような気がしますが、実はテレ朝版とフジテレビ版があるのです。

2015年1月にフジテレビが『オリエント急行殺人事件』を放送しました。
2017年3月にはテレビ朝日が『そして誰もいなくなった』を放送。
こちらは渡瀬恒彦さんの遺作としても話題になりました。
そして今年は今回の二夜連続スペシャルに続き、
4月14日にフジが『アクロイド殺し』を原作とした『黒井戸殺し』を放映予定です。


さて、今回の二夜連続ドラマスペシャルは前後編ではなく、別々の作品を2日連続で放送しました。
24日『パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~』
25日『大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて~』

共に上に名前が挙がった3作ほど有名ではありませんが、
クリスティが生んだエルキュール・ポアロと並ぶ名探偵ミス・マーブルが登場する作品が原作です。



Agatha_christie
ミステリ・推理小説の女王アガサ・クリスティ

私も好きな作家ですので、このように翻案ドラマが作られるのは嬉しいことです。
もちろん、国も時代も違う舞台の作品なので、脚本や演出は大変でしょうが、
観る方もあまり細かいことは拘らず、古典作品の雰囲気を楽しみたいところです。

ただ、そのようなスタンスに立ったとしても、今回の2本はちょっと残念な出来でした。


『パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~』
ミス・マーブルは安楽椅子探偵タイプとされます。
つまり、自分自身はあまり捜査に動かず、伝聞で得た情報から推理をするというスタイルの名探偵。
特にこの原作ではスーパー家政婦の女子を屋敷に潜入させ、彼女が実質の主人公として活躍するのです。

今回のドラマではマープルのポジションを天海祐希さん、家政婦を前田敦子さんが演じました。
しかし、アクティブなイメージのある天海さんにほぼ原作通りの安楽椅子探偵をさせており、
ここはちょっと無駄使いで、もったいなく感じました。

前田さんは好演だったとは思いますが、
せっかくの天海さん主演なのだから、家政婦役にするか、あるいはもっと話を変えるかして、
ともかく天海さん自身が屋敷に乗り込んで活躍するようにした方がよかったです。

その他の人物描写も全体に甘いような気がしました。


『大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて~』
こちらは昨年の『そして誰もいなくなった』で最後に謎解きをする警視庁の刑事役だった
沢村一樹さんが同じ役で主演として名探偵ポジションを担いました。
この時点でマーブルとはまったく違う探偵役によるミステリドラマです。

これはこれでいいとして、捜査する側がプロの警察官になったのだから、
後は犯人と被害者、及び周囲の人間のドラマをしっかり描かねばならないのですが、
特に犯人の動機や心情が共感も理解すらできませんでした。


というわけで内容は今ひとつだった2本ですが、
クリスティ作品のクラシカルで荘厳な、ちょっと現実離れした雰囲気を味わうのは楽しく、
次の作品に期待したいところです。


視聴率は
24日『パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~』12.7%
25日『大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて~』は9.8%

『バディトン』は合格点。
『鏡は』はもう少しで二桁でしたが、裏番組も強い改変期としてはますまずというところでしょうか。

Old Fashioned Club  月野景史

2018年2月28日 (水)

【ドラマ】内藤剛志主演『警視庁・捜査一課長3』 安達祐実加入で『家なき子』コンビ復活/斉藤由貴は降板か

テレビ朝日木曜ミステリーの内藤剛志さん主演の人気警察ドラマシリーズ
『警視庁・捜査一課長〜ヒラから成り上がった最強の刑事!〜season3』の制作が
2月28日に発表されました。4月スタートです。


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内藤さんを挟んで初登場の安達祐実さんとナイツの塙さん


『警視庁・捜査一課長』は2012年に土曜ワイド劇場枠の2時間ドラマとしてスタート。
5本が制作された後、2016年4月に木曜ミステリー枠で連続ドラマ化されました。
好評につき、2017年にはシーズン2が放送され、更に視聴率を伸ばしました。

この流れですから今年の4月にはシーズン3が放送されること自体はほぼ間違いないのですが、
今回注目されていたのはキャスティングでした。


斉藤由貴さんは出演するのか?
土曜ワイド版第1作からこのドラマにヒロインとして出演してきた斉藤由貴さん。
彼女が演じるのはニックネーム“大福”こと女刑事の平井真琴。
大岩純一捜査一課長のとって頼りがいある部下で、ちょっと飄々としたユニークなキュラクター。
このドラマに欠かせないキャストです。

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左から金田明夫さん、内藤さん、斉藤さん
土曜ワイド第1作からの主要キャスト。

しかし、斉藤さんは昨年不倫騒動があり、世間をだいぶ騒がせました。
ですので、このドラマについても去就が注目されていたのです。


今回の発表で斉藤さんのことは一切触れられていません。
しかし、新レギュラーとして女性刑事・谷中萌奈佳(安達祐実)の登場が発表されている一方、
斉藤さんの名前はないので、おそらく安達さんと交代ということでしょう。

斉藤さんは完全に謹慎・休業中というわけではなく、メディアにも時々登場しています。
それもあってか、ネットでは降板してほしくない、しないだろう、また、平井抜きの『一課長』などあり得ない
といった声も多かったです。
ただ、完全な休業にしないのは騒動前に撮影が済んでいるドラマや映画があるからという面もあり、
『一課長』ついては間違いなく降板と思っていました。

なぜなら、斉藤さんは決まっていた大河ドラマ『西郷どん』への出演を辞退しているからです。
こちらへの出演は騒動以前に発表されており、騒動後の昨年9月に辞退を申し入れたとの報道がありました。
実際どうかは知りませんが、形としては斉藤さん側から降板して、NHKに迷惑をかけたという事になります。
それなのに、制作・放送時期が重なる同じ連続ドラマの『一課長』への出演はあり得ません。
来期以降の復帰、あるいは今期終盤に顔を見せる程度の出演はあるかも知れませんが。


伝説のドラマの名コンビ再結成
ところで新加入の安達祐実さんと、大岩純一捜査一課長役の内藤剛志さんは
1994年~1995年に大ヒットドラマ『家なき子』で共演した関係。
その後、内藤さんが出演する『科捜研の女』に安達さんがゲストで出た事はあるが、
連続ドラマのレギュラーとしての共演は『家なき子』以来のようです。

安達さんは最近プチブームともいえるのか、色々なドラマで見かけます。
演じる役柄の幅も結構広いので、このドラマではどんなキャラでくるか楽しみです。
安達さん演じる谷中萌奈佳(やなか もなか)は洞察力が武器とのこと。
平井真琴は勘が武器でしたので、萌奈佳は理論派ということか?

それと、劇中での平井真琴は大岩よりも小山田管理官(金田明夫)とのやりとりに面白さがありました。
萌奈佳との相性はどうでしょうか?


ナイツ塙が運転手役で出演
もう1人、漫才コンビ・ナイツの塙宣之さんが運転担当刑事・奥野親道(おくの ちかみち)として加入。
これはシーズン2の田中圭さんに替わっての登場ということになります。
私はナイツの漫才はネット上の追っかけといってもいいくらい好きですが、役者としてはどうでしょう。
塙さんはドラマは若干の経験はあるようですが、ここは正直言って不安です。
優秀な人なので、いい方に期待を裏切ってくれる事を祈ります。


Old Fashioned Club  月野景史

2018年2月20日 (火)

【ドラマ】『警視庁捜査一課9係』は『特捜9』にリニューアル/井ノ原快彦主演昇格で継続

このブログでも何度か書いてきた『警視庁捜査一課9係』の今後について、
タイトルが『特捜9』と変わるものの、2006年スタート時からのメンバー5人
全員が残留しての継続が2月19日に公表されました。
http://www.tv-asahi.co.jp/tokusou9/#/?category=drama

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このドラマは加納倫太郎係長役で主演を務めてきた渡瀬恒彦さんが昨年亡くなり、
今後どうなるかが注目されていました。
普通なら主役がいなくなったのだから終了するところでしょうが、
渡瀬さん以外のレギュラーキャストも個性的、且つ安定した実力ある俳優が揃っているドラマで、
終了は惜しいと思っていたので、良い決定となりました。


レギュラー全員留任 井ノ原さんが主演に
新番組『特捜9』では浅輪直樹(井ノ原快彦)が主役に昇格。
更に劇中のポジションもチームの主任に就くようです。

小宮山志保(羽田美智子)、青柳靖(吹越満)、矢沢英明(田口浩正)、村瀬健吾(津田寛治)の創立メンバーに
シーズン4から登場した監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)も留任。
更に渡瀬さんが演じてきた加納倫太郎の娘で浅輪の恋人だった倫子(中越典子)は
遂に浅輪と結婚して新シリーズを迎えるとのこと。


新チームとして再編成
ストーリーとしては、係長の倫太郎が内閣テロ対策室に派遣されたことで
1年前の時点でチームは解散。9係のメンバーはバラバラになってしまったようです。
しかし、神田川警視総監(里見浩太朗)は初動捜査から送検まで早期の事件解決を目指す
「独立した捜査班」の結成を指示したことにより、元9係のメンバーが再結集するという流れ。

新メンバーは、新たに設置された「警視庁捜査一課 特別捜査班』の班長役で寺尾聡さん。
私は新レギュラーは浅輪と組む若手(といっても井ノ原さんと同世代以下=アラフォー以下)
がいいと思っていたのですが、寺尾さんも主演で入るわけではないですし、
9係への新加入ではなく、新組織になったのだから、こういう存在も必要でしょう。

※追記:浅輪さんの相棒となる新レギュラーとして、山田裕貴さん(27)の加入も発表されました。


寺尾聡 刑事ドラマの大先輩
寺尾さんは渡瀬恒彦さんとはあまり縁があるようには思えませんが、
渡瀬さんの実兄の渡哲也さんとは因縁浅からぬ関係です。

寺尾さんは名優宇野重吉さんの息子で、
元々ミュージシャンや俳優としての実績はありましたが、
役者として格と認知度を上げたのは石原プロに所属して、
同プロ制作の刑事ドラマ『大都会』や『西部警察』で、渡さなの部下の刑事役をやったからです。
『西部警察』出演中にリリースした『ルビーの指輪』が大ヒットし、
歌手としてもブレイクしました。
ただ、それからまもなく西部警察は降板、石原プロも退社しました。

それから35年以上経っています。
寺尾さんも黒澤明監督作品にも出演する一方で、
刑事役もありましたが、それほど多くはありません。
どんな班長を演じるのか楽しみです。

Old Fashioned Club  月野景史


以下、スポニチアネックスより引用
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2018/02/19/kiji/20180218s00041000487000c.html
☆☆☆
イノッチ主演で「特捜9」、レギュラー再集結「9係」後継 渡瀬さん遺志継ぐ
昨年3月に死去した渡瀬恒彦さん(享年72)が主演したテレビ朝日の連続ドラマ「警視庁捜査一課9係」が、新ドラマ「特捜9(ナイン)」(4月スタート、水曜後9・00)に生まれ変わる。「9係」で2番手の役どころだったV6の井ノ原快彦(41)が主演。羽田美智子(49)らレギュラー出演者が再集結し、寺尾聰(70)が新たに加わる。

渡瀬さんの遺志を継ぐ井ノ原は「また新たなものが作り上げられると思います」と決意を新たにしている。

06年から昨年の第12シーズンまで続いた「9係」は、警視庁捜査一課に設けられた第9係の刑事たちを描く群像劇。第9係の係長・加納倫太郎を演じた渡瀬さんは昨年4〜6月に放送された第12シーズンに参加できなかったが、病室に台本を持ち込むなど最後まで出演に意欲を見せていた。第12シーズンは主人公不在で放送された。

新作では、倫太郎の異動で第9係は解散したという設定。第9係のメンバーはバラバラになっていたが、警視総監の指示で捜査一課に新設された特別捜査班に再集結。寺尾演じる班長の下、再び難事件に立ち向かっていく。井ノ原演じる浅輪直樹は今回から主任に昇格。倫太郎の娘倫子(中越典子)と結婚したという設定も加わる。

尊敬する渡瀬さんと共演した「9係」への思い入れが人一倍強い井ノ原だけに「(再集結の形は)まだ考える余地があると思うのでこれから詰めていこうと皆で話しているところ」と説明。「ただ、こうして集まることができたことは単純にうれしい」と心境を明かしている。   
★★★
   

2018年1月31日 (水)

【ドラマ】2018年のテレビ朝日警察ドラマシリーズはどうなる? 『9係』 『一課長』 『キントリ』 『刑事7人』 『遺留捜査』

テレビドラマ全般の不振が言われて久しいですが、
その中で昨年、抜群の安定ぶりを示したのがテレビ朝日です。

テレビ朝日のゴールデン・プライムタイムの連続ドラマは
水曜21時、木曜20時、木曜21時の3本なのですが、
この中で2017年に平均視聴率一桁だったのは1月~3月クールだけでした。

そのテレ朝のドラマの中でも別格に強いのは『ドクターX』シリーズですが、
全体としては刑事ドラマ・警察ドラマの人気シリーズが多いのが特徴。
というよりも、連ドラの定期継続シリーズを持っているのが、ほぼテレ朝だけという状況です。


さて、テレ朝警察物の二枚看板といえば、このブログでも散々書いている『相棒』と『科捜研の女』。
この2本は10月~3月の2クール放送が定着しており、現在も最新シーズンを放送中です。
おかけざまでこのブログのアクセス数も2本に関わる記事を中心に月10万件を越えることもあるくらいです。

ですが、2017年のテレ朝にはその他にも、警察ドラマシリーズを以下のように5本も放送しました。


4月~6月
『警視庁捜査一課9係』11
『警視庁・捜査一課長』2
『緊急取調室』2

7月~9月
『刑事7人』3
『遺留捜査』4



『キントリ』と『遺留捜査』は久々の続編。
残り3本は2016年から引き続いての放送でした。

いずれも平均視聴率は二桁を確保。
他局からすれば羨ましい話でしょう。

当然、今年も新シーズンが放送されると思うのが普通です。
・・・が、実はいずれも微妙です。
ちょっと見ていきましょう。


『警視庁捜査一課9係』
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2005年スタート。『相棒』『科捜研の女』と並ぶテレ朝の長寿ドラマですが、
主演の渡瀬恒彦さんが昨年のクランクイン後まもなく亡くなりました。

主役がなくなったのだから終了が当たり前なのです。
ただ、このドラマ9係の6人のメンバーが主役ともいえる群像タイプで、
しかもキャストはベテラン揃、昨シーズンも渡瀬さんなしで無難に乗り切りました。
今後の継続は可能だと思います。

それでも渡瀬さん抜きで継続するかは微妙で五分五分というところか。
この件にについてはこのブログにも記しました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/912-c714.html  

※追記 2月18日、『9係』は井ノ原快彦さんを主演に昇格させ『特捜9』としての継続が発表されました。



『警視庁・捜査一課長』
01



内藤剛志さん主演。土曜ワイド劇場枠からの連ドラ化で、
昨年の2期は1期より数字を伸ばしました。
これは本来なら間違いなく新シーズンがあるところですが、
問題はヒロインである斉藤由貴さんの不倫問題です。

別に犯罪ではないし、仕事も完全に休業してはいないので、出演するのではとの見方もあるのですが、
大河ドラマ『西郷どん』を斉藤さん側から辞退していることが気になります。
撮影・放送時期が被る連続ドラマへの出演は難しいようにも思えるです。

もし斉藤さんが出ないとしてシーズン3をやるのか、
やるとして代演・代役をどうするのか?
『一課長』の場合はやることはやると思いますので、
その場合、誰か代わりの女優さんが女刑事として登場する可能性が高いかと思います

※追記 2月27日、『一課長』は安達祐実さんを新レギュラーの刑事役に迎えてのシーズン3が発表されました。



『緊急取調室』
天海祐希さん主演。通称キントリ。
2014年以来の続編で、1期より数字を伸ばしました。
私も好きなドラマで、是非新シーズンを観たいのですが、
毎年やると決まっているわけでもなく、天海さんの仕事のペースからしても
今年は微妙かも知れません。

ただ、天海さんの同僚刑事役の俳優3人、大杉漣さん、小日向文世さん、でんでんさんの年齢が高いので、
あまり間隔を開けずにやってほしいものです。



『刑事7人』
2015年スタートで3シーズン終了
1から2でかなり作品イメージがかなり変わったりしましたが、
数字は少しずつ伸ばしており、本来なら今期も当然というところですが、
昨年のラストでメンバーの片岡愛之助さんが闇落ちしてチームも解体という
衝撃的な終わり方でした。

新シーズンは難しいかと思いますが、結構驚かせてくれるドラマですし、
主演の東山紀之さんは元の部署に戻っただけなので、
もしかしたら全員でなくとも再結集しての続編もあるかも。



『遺留捜査』
2011年スタート。
連ドラとしては2013年以来で、
昨年はなんと舞台を警視庁管内から京都府警に移しての続編でした。

木曜ミステリー枠で、『科捜研』以外の東映京都撮影ドラマとしては
久しぶりの二桁視聴率で、さすが人気シリーズというところを見せました。

今年もやると思っていたのですが、
主演の上川隆也さんが1月クールに続き、
4月クールも別のドラマを抱えているようなので、
ちょっと黄色信号というところでしょうか。


さて、色々と気になるところですが、
実際のところはもう決まっており、発表されていないというだけでしょう。
4月スタート分などはもうクランクインしているかも知れません。
なので視聴者としては、後は発表を待つのみ。

Old Fashioned Club  月野景史

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