13.【特集】テレビドラマ

2022年8月10日 (水)

【ドラマ】 『初恋の悪魔』 珍しい警察職員による “合議制の安楽椅子探偵もの”(!?)

「この7月-9月クールのドラマはミステリ、事件捜査物が少ないな、
定番枠の『刑事7人』、『遺留捜査』、『警視庁強行犯係・樋口顕』以外は皆無ではないか」
などと思っていたら、タイトルからは推察不可能な、意外なドラマが警察ミステリでした。


Hatsukoi

『初恋の悪魔』(日本テレビ系 土曜22時-)
このタイトルでは、こじれた恋愛物、ラブサスペンスにしか思えませんが、実は謎解きミステリ。
しかも、大変珍しい、「合議制の安楽椅子探偵物」といえるかと思います。


安楽椅子探偵
(アームチェア・ディテクティブ、Armchair Detective)
ミステリ用語です。

自らは事件現場に赴いたり、捜査したりはせず、
捜査担当者から話を聞いて、真相を推理する探偵のことを指します。
自分は動かず、安楽椅子に腰かけたまま推理する名探偵、という意味合い。

古典的な推理小説において安楽椅子探偵物の元祖とされるのが
バロネス・オルツィの『隅の老人』シリーズ。
最も有名なのはアガサ・クリスティが創造した「ミス・マーブル」でしょうが、
マーブルは自ら捜査活動をすることもあり、この枠には入らないとの見方もあります。


縦軸と横軸
さて、ちょっとわかり難いのですが、連続ドラマを語るのに「縦軸」と「横軸」という言い方をします。
特に、警察系ミステリで使われることが多いです。

簡単にいうと、シリーズを通しての謎、解決すべき課題、テーマといったものが「縦軸」。
一方で、警察官が主役だと、縦軸の課題とは別に毎回色々な事件が起こり、捜査するのが一般的。
それらは一応一話完結で、その回ごとに解決する場合が多い。こちらをその回ごとのテーマとして「横軸」と呼びます。
が、どちらかというと「縦軸」の方が使われ、「横軸の事件」みたな言い方はあまりしないかも知れません。
※「縦軸」「横軸」は連ドラとは違うスタイルのストーリーでは、使い方も違ってきます。


『初恋の悪魔』
中心人物は比較的若い世代の男性3人、女性1人の4人組
(林遣都 仲野太賀 松岡茉優 柄本佑)
全員警察の人間ですが、そのうち男2人は「警察官」ではなく、「警察行政職員」。
残りの男女1人ずつは警察官ですが、それぞれ別の事情で事件捜査からは外れています。

縦軸と思われる謎がいくつか提示されており、
今後それがどう繋がっていくのか、というところでしょう。

一方横軸は、毎回色々な事件が起こりますが、
主役の4人組は捜査権はないのて、原則として捜査は出来ません。
そこで、林遣都を中心に、主に彼の家で “自宅捜査会議” を行ない、事件の真相を推理する、
というのが、今までのところ、毎回の定番になっています。
このスタイルを「合議制の安楽椅子探偵物」と表現してみました。

なかなか面白い趣向なのですが、残念ながらこの各回ごとの推理部分は、少し浅く感じます。
おざなりというか、ちょっとおまけみたいにも。
私はミステリ好きなので、そこを充実させてほしいと思うのですが、
ネットの意見を見ても、そこへ期待している人はあまりいなさそうです。

これからますます縦軸の方が混み入ってきそうなので、
安楽椅子探偵部分の充実は難しいのかも。
だとしても、今期の中で、楽しみにしているドラマです。


ところでこのドラマ、クレジット上は林遣都さんと仲野太賀さんのW主演なのですが、
上に貼った公式サイトのトップ画像だと、松岡茉優さんと仲野さんのW主演に見えます。
実は今のところ、ドラマの内容からも、仲野さんと松岡さんが主役とヒロイン、もしくはW主演で、
林さんは“トメ”に来るような役回りに感じます。
ここは林さんの役の動向しだいの面もあり、今後どうなっていくのかもポイントです。


Old Fashioned Club 月野景史

2022年6月 9日 (木)

【ドラマ】終了決定のテレビ朝日「木曜ミステリー」の歴史を辿る/『科捜研』『迷宮案内』『おみやさん』『京都地検』『一課長』『遺留捜査』

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終了が公表されたテレビ朝日木曜20時のドラマ枠「木曜ミステリー」について、
2015年7月、このブログに書いたことがあります。

その時は、『科捜研の女』以外の人気シリーズが終了し、
新作が軒並み低視聴率で、存続の危機である、という主旨でした。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-8767.html

しかし、その後に新たな人気作も生まれて立て直しに成功、通算20年以上続いてきたのですが、
残念ながら今年の7月クール(7月-9月)をもって終了ということになりました。
改めて「木ミス」の歴史を辿ってみます。


「木曜ミステリー」とは
この枠のドラマは警察や報道関係者、探偵等を主人公とし、
原則として京都を舞台とした事件捜査物である事が特徴。
2000年代には『科捜研の女』の他にも
『京都迷宮案内』(橋爪功主演)
『おみやさん』(渡瀬恒彦主演)
『京都地検の女』(名取裕子主演)

常時視聴率12%~14%台、大ヒット作とはいえないまでも、安定した人気シリーズを4本抱えていました。


東映京都撮影所枠
そもそもこの枠のドラマはなぜ京都が舞台なのか?
それは、原則としてすべて東映京都撮影所で制作されているからです。

戦後の映画黄金期、東映は東京で現代劇、京都で時代劇を制作していましたが、大黒柱は京都で作られる時代劇でした。
そして、他の映画会社も時代劇を作っていましたが、時代劇の総本山といえば東映だったのです。
1960年代後半になると時代劇映画は衰退しますが、舞台をテレビに移し、多くの作品が作られました。

しかし1980年代から90年代へと進む中、テレビ時代劇も少しずつ退潮していきました。
このテレ朝木曜8時も東映京都制作の時代劇枠だったのですが、
1999年1月から「木曜ミステリー」として現代劇を放送するようになったのです。


時代劇は京都で撮影していても、劇中の舞台は江戸というのがほとんどです。
しかし現代劇、とくに屋外ロケを多用する刑事ドラマ、事件捜査物では、
京都で撮影しながら、舞台は東京の設定は無理です。
だからみな、京都が舞台なのです。


『迷宮案内』も『科捜研』も一桁スタート
「木曜ミステリー」は20世紀末の1999年1月スタート。
原則として1クール3ヶ月で、第1弾が『京都迷宮案内』、10月スタートの第4弾が『科捜研の女』でした。

第1シーズンの平均視聴率は『迷宮案内』が9.6%、『科捜研』が9.3%。
この頃はテレビ番組全体も、ドラマ分野も、現在と比べて全般に視聴率が良かった筈です。
それなのにこの視聴率では、通常続編は考えられません。
にも関わらず続編が作られたという時点で、この枠が特別であることがわかります。
実は、初期2年の間に放送された他の作品はこの2作より更に数字が悪く、2作を続けるしかなかったのです。

翌2000年の続編で『迷宮案内』は数字を伸ばし、その後も安定した数字を残してこの枠の柱となりました。
しかし『科捜研』は大幅にキャストを入れ替えて臨みましたが、9.2%と僅かですが下げてしまいます。
ですが、同年に放送された他の2本の新作ドラマよりはいいので、また入れ替えを行い、シーズン3を制作します。

視聴率が悪いのに続けようというのだから、リニューアルを繰り返すことになります。
このシーズン3では数字を伸ばしましたが、4でまた落としと、まだしはらく迷走が続きました。
結局、シリーズ6(2005年)頃まで極端なリニューアルを繰り返し、ようやく安定期を迎えたのです。


全盛期へ
そうこうしているうちに2002年に『おみやさん』、2003年に『京都地検の女』がスタート。
2005年頃には4作とも12%~13%台を獲るようなりました。

まさに人気シリーズが目白押し状態、2010年頃まで全盛期が続きます。
ただ、1年間でこの4作がすべて放送されたのは2006年だけです。

シーズンごとの視聴率では2005年~2010年の間に『科捜研』と『おみやさん』は13%以上が4回ありました。
『科捜研』はその内1回が14%突破(2009年 14.5%)。『おみやさん』は2008-9年の13.5%が最高。
『迷宮案内』の13%越えは1回だけですが、13.9%の好数字。(2006年)
『京都地検』は13%越えはなく、最高が12.8%でした。(2007年)


『京都迷宮案内』の終焉
2008年、『迷宮案内』が第10シリーズを持って休止します。
(翌2009年には単発スペシャルを放映。これが現時点での最終作。)

シーズン10の視聴率は12.6%で、これは全10シーズン中第2位の数字。
やめる必要はなかったように思いますが、これには橋爪功さん初め主要キャストの年齢や、
橋爪さんの劇団円の代表就任等の事情があったともいいます。

他に人気シリーズもあり、『科捜研』や『おみやさん』に比べるとやや数字も低く、
出演者の高齢化も目立ってきた『迷宮案内』に、区切りの良いところで終止符を打ったのでしょうか。

2007年の新作『その男、副署長』(船越英一郎主演)が13.5%を獲ったことも原因のひとつかと思います。
ただ、『副署長』はその後2回、11%台2回が続き、終了してしまいました。

もう一作『女刑事みずき』(浅野ゆう子主演 2005年~)もそうですが、この頃は11%台が続くと継続は難しかったようです。
初期を思えば、そして今から考えれば贅沢な話です。


低迷期へ~ 『おみやさん』『京都地検』の休止
『迷宮案内』の休止後も好調を維持していた3作ですが、
2011年頃を境に、数字の落ち込みが目立つようになります。
『おみやさん』と『京都地検』が12%を割り込み、『科捜研』でさえも13%を切るようになりました。

そして『おみやさん』は2012年の第9シリーズ、
『京都地検』は2013年のやはり第9シリーズを最後に休止状態となりました。
これには、裏番組の影響も指摘されていますが、番組側にも事情がありました。

『おみやさん』はスタート以来2011年まで10年8期、渡瀬さんの相棒役を務めた櫻井淳子さんが、
シーズン9(2012年)の第1話冒頭で、脇役陣の会話だけで異動による降板が告げられるという、少々不可解な展開でした。
この9期で11.0%まで落とし、連ドラ休止となってしまいました。
ただ、その前の8期は11.5%に落とし、低落傾向にはあったのですが。

一方の『京都地検』は、スタート時から名取さんの上司役を務めてきた蟹江敬三さんが
2014年3月に死去したことが理由との見方もされます。
ただ、それ以前の2011年~2013年の数字が11.5%→10.3%→11.1%と低迷しており、
蟹江さんが健在ならば続いていたかというと微妙です。


新作ドラマが不調
こうして長寿シリーズ二作に区切りをつけ、新作を送り出しますが、2014年になると一気に数字が悪化します。
2013年の第1期が12.1%だった『刑事110キロ』の第2期が7.7%と急落。
続いて木ミスを一旦休止し、時代劇に先祖帰りした『信長のシェフ』も7.3%と、
二桁が当たり前だった枠としては信じられない低視聴率が続きました。

2015年は年初から新機軸の新作が次々と打ち出しますが、
結果は1月期の『出入り禁止の女』が6.4%、4月期の『京都人情ファイル』が6.7%と、
コンスタントに13%前後を獲っていた2010年頃までに比べると、半分まで数字が落ち込んでいます

7月期はかつての人気シリーズ『京都迷宮案内』の橋爪功さんと、
『京都地検の女』の名取裕子さんをW主演に迎えた『最強のふたり』で勝負にでましたが、7.3%に終わりました
2015年のブログには、この時期の危機的状況について書いたのです。


掟破りの奇策で復調
その後の2016年、ついに掟破りの奇策に打ってでます。
2時間ドラマの土曜ワイド劇場で好評だった『警視庁・捜査一課長』を4月から連続ドラマとしてスタートさせたのです。
これの何が奇策なのか?

『一課長』は東京の警視庁が舞台で、制作も東映の東京の撮影所。
つまり、木ミス= “京都制作・京都舞台” の原則を崩したのです

しかも主演の内藤剛志さんは『科捜研の女』の準主役格。
この頃の『科捜研』は2クール放送のことも増えていたので、
その場合、「木ミス」は年の4分の3を内藤さんに頼り切ることになりました。
この点も奇策というか、なりふり構わずです。

ともかく、『一課長】は二桁視聴率を獲得して4月期にシリーズ化され、「木ミス」の救世主となりました。

この後も京都制作の新作が作られますが、それも不調。
2017年7月にまた別の手段に出ます。


更なる奇策で安定確保
東京を舞台に不定期に3シーズン作られ、人気ドラマだった『遺留捜査』を、
主演の上川隆也さんの役が京都府警に異動した設定で、
京都制作、京都舞台で放送したのです。

上川さん演じる糸村は警視庁の警察官なので、京都への異動など現実にはないのですが、そこはドラマなので。
こちらもまずまずの視聴率を確保しました。

こうして『科捜研』『一課長』『遺留捜査』の新三本柱が確立し、「木ミス」は一応の復活を遂げたのです。


2019年の1月クールには久々の京都制作の新作『刑事ゼロ』(沢村一樹主演)も好評。
4月からは20周年を迎えた『科捜研』が異例の1年間放送、映画化も決定と話題にも事欠きませんでした。

今回の終了決定については総合的判断ということで、具大的な説明はされませんでした。
もちろん、コロナの影響はあったでしょうが、それは他のドラマも同じことです。

ただ、“噂”で流れた情報としては、京都制作であることによるコスト高が挙げられていました。
それはその通りだと思います。

キャスト絡みだけ考えても、レギュラー陣から主要ゲスト、脇役にいたるまで、
大半の俳優さんは東京近辺在住だろうから、交通費・宿泊費は膨大な額になるでしょう。
まして内藤さんのような売れっ子が主要レギュラーだと、スケジュール調整も大変だろうし。

数年前に犯人役の俳優さんのブログを読みました。
メインゲストの俳優が犯人かと思わせつつ話が進み、実は最初の方に少しだけ出てきた、
あまり有名でない役者さんが犯人だった、というパターンでした。
その人はクランクインからアップまで一か月近く、その間東京-京都を少なくとも二往復していたようでした。
大変です。

もっとも、こういったことは今に始まったことではない筈ですが、
コロナ禍の影響で、見直しが求められたかも知れません。

ともかく、木曜ミステリーの終了は発表されました。
仕方ありません。
新たなドラマ枠は作られるのか?
『『科捜研』『一課長』『遺留捜査』はどうなるのか?
それはまだこれから、ということのようです。

Old Fashioned Club 月野景史

2022年6月 8日 (水)

【ドラマ】テレビ朝日木曜20時「木曜ミステリー」が9月で終了 最終作は『遺留捜査』/【科捜研の女】はどうなる?

昨年秋からネットニュースで“噂”が流れていた
テレビ朝日木曜20時のドラマ枠「木曜ミステリー」が今年7月クール(7月-9月)を最後に終了することが、
テレビ朝日より正式にアナウンスされました。
7月スタートの『遺留捜査』が最後の作品になります。


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元々もこのネットニューズでの噂というのは、
◆20年以上続く長寿ドラマ『科捜研の女』が終了する
◆それは放送枠である「木曜ミステリー」がなくなるからだ
というもので、テレビ朝日が正式発表していない “情報” でした。


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今回は正式に「木曜ミステリー」の終了が発表され、噂は正しかったということになりました。
過去には『京都迷宮案内』『おみやさん』『京都地検の女』など人気作が生み出してきた枠。
ただ、これらのドラマは終了していますが、継続中の『科捜研の女』『警視庁・捜査一課長』などはどうなるのか、
ここはまだ不明です。

以前の情報では、木曜ミステリーに替わって、火曜21時にドラマ枠が新設されるとの説もあり、
更に,『科捜研の女』はその枠で10月から放送されるという情報も流れたのですが、
そのあたりもまったく未知数です。

正式なリリースを待つしかなしか。
以下にニュース記事を引用しておきます。

☆☆☆
「科捜研の女」「警視庁・捜査一課長」などの人気シリーズを生み出したテレビ朝日の木曜午後8時のドラマ枠「木曜ミステリー」が、今年7月期で23年半の歴史に幕を下ろす。1999年1月にスタートし、全24タイトル、トータルで800話を超えるミステリードラマを放送。最後の作品は、俳優の上川隆也(57)主演の「遺留捜査」第7シーズンとなる。上川は「歴々の作品が重ねてきた歴史に恥じない作品にしたいという思いは強く、そのために今できることはできる限り、注ぎ込みたいと考えて全力で努めています」と話している。

木ミスが終了する理由について同局は「木曜日のゴールデン帯全体の編成を総合的に判断した結果です」と説明。近年同局では若年層をターゲットに、深夜帯バラエティー枠を新設するなどの改編が進められている。木ミスは、骨太の本格サスペンスや人情を重んじたミステリードラマが特徴。比較的視聴者の年齢層が高めの傾向にあったことも踏まえ、同局関係者は「視聴者層の新陳代謝も一つの要因でしょう」と話した。

同枠は終了するが、「科捜研の女」などの人気シリーズの続編については未定。同時間帯の後番組や、ドラマ枠の増減に関してもまだ決まっていないが、今後もミステリーやサスペンスドラマの制作や放送は続けていくという。同局は「歴史と作品群は、現在の当社のドラマ制作においても大きな財産。長きにわたり本枠を応援してくださった視聴者の皆さま、そして全ての出演者・スタッフの皆さまに心から感謝しております」とコメント。編成に、新たな風を呼び込む準備が進められている。

《上川隆也「年々“深化”」》11年からスタートした「遺留捜査」は今回で第7シーズンに突入。京都を舞台に、事件現場に残された遺留品から、捜査官が“メッセージ”をよみとる。上川は「これまで培ってきた土台がアップデート。年々“深化”が重ねられていると感じます」と作品の深みが増していることを実感。木ミス最後の作品となるが「その重みはいったん忘れて、撮影に臨んでいます。変わらぬ“遺留捜査”を変わらずにお楽しみください」とアピールした。
★★★

Old Fashioned Club 月野景史



2022年6月 7日 (火)

【ドラマ】『パンドラの果実』/先端科学風と超常オカルトの狭間で

4月-6月クールの連続ドラマも終盤、佳境に入ってきました。
ただ、全般に視聴率的には低調で、5-6%台のドラマが多くなっていますが。

今期は私の好きなミステリ系ドラマが多め。
その中でも、男女バディのミステリドラマが多いのも特徴。
以下3本がそうです。
『元彼の遺言状』
『インビジブル』
『パンドラの果実』

他に『金田一少年の事件簿』や『探偵が早すぎる』も男女バディミステリといえなくもないですが、
とりあえず上記3本の新作に絞ると、私の好みは以下の通りです。

パンドラ > インビジブル > 元彼

おそらく世間的に一番注目を集めたのは綾瀬はるかさん、大泉洋さん主演「月9ドラマ」の『元彼』でしょうけど、
前にも書いたようにスタートから迷走気味、それは回を重ねても、あまり変わらないようです。
残念ながら世間の評価も、それが大勢かと思います。

今回はこの中では一推しの『パンドラの果実』について、簡単に記します。


Pan

■パンドラの果実 〜科学犯罪捜査ファイル〜
日本テレビ系「土曜ドラマ」10時~枠

原作小説は『SCIS 科学犯罪捜査班』
「パンドラの果実」は番組オリジナルのタイトルです。

要するに警視庁内に新設された、科学捜査専門部署が主役なのですが、
扱う事件が、世界レベルの先端科学風のテーマと、
心霊現象とかゾンビ(歩く死者)などのオカルト・超常現象、いわば都市伝説風のものが混在しています。

私はどちらも楽しんで観ているし、実は双方の垣根は低いのかも知れません。
ただ、視聴率的には、もう少しはっきりとどちらかに寄せて打ち出した方が、よかったのかもですが。

主演の警察官はディーン・フジオカさん。
持論なのですが、オカルトやファンタジーには彼のような整った風貌のクールなイケメンこそが似合います。
(英国古典ホラー映画の名優、ビーター・カッシングなどはその典型です)

ヒロインは岸井ゆきのさん。
プライムドラマのヒロインとしては抜擢でしょう。
警察官ではなく、アドバイザーとしてチームに参加する天才科学者役、「博士(はかせ)」と呼ばれています。
岸井さんの従来のイメージからは、たぶんちょっと離れた役で、賛否両論ではありますが、私はいいと思います。

もう一人、ベテラン刑事役でユースケ・サンタマリアさん。
この3人でチーム。だからトリオ物ともいえます。
優秀な刑事の設定ですが、とぼけた味わいで、チームのバランスがいいです。
岸井さんをいいと書いたのは、ユースケさんとの相性がよく、やりとりが面白いから、という面もあります。

ところでこのドラマ、原作小説は岸井さんの演ずる女性科学者が主役のようです。
主役と準主役格を入れ替えた場合、少々いびつになることがあるのですが、
その点も上手くいっていると思います。

ただ、ラストに向けてはディーンさんの役が抱えてる問題が焦点になるだろうから、
どんな展開になるのか?

もっとも、地上波終了後まもなく、Season 2がHuluオリジナルドラマとして放送予定なので、
きっちりした完結とは、ならないのかも知れませんが。

Old Fashioned Club 月野景史

2022年5月 2日 (月)

木村拓哉主演『未来への10カウント』一桁視聴率9.9%/キムタクドラマ史上初? 伝説の終焉か

木村拓哉さん主演ドラマ『未来への10カウント』(テレビ朝日)第3話の視聴率が9.9%と発表されました。
木村さん主演の連続ドラマで単回の視聴率二桁割れは、おそらく初めてかと思います。


平成を代表するスーパースター 元SMAPの木村拓哉
異論のある人はあまりいないと思います。

この木村さんの凄さを示すものとして、もちろん数々の大ヒット曲があります。
ただ、それらはスマップとしての実績です。

木村さん個人の凄さを表す指標となると、やはり主演ドラマの視聴率。
他のメンバーの比較ではもちろん、他の男性・女性、ベテラン、若手の俳優と比べても、
長年にわたり、まさに格違いの強さを誇ってきました。


伝説の始まりはこのドラマ、通称「ロンパケ」こと
ロングバケーション(1996年4月15日 - 6月24日、フジテレビ)平均視聴率 29.6%

連続ドラマとしては、おそらくこれが初主演。
惜しくも30%には届きませんでしたが、破格の数字です。
実は木村さんの人気からすれば、この時が初主演とは遅いくらい。
既に稲垣吾郎さんは中居正広さんは連ドラ主演がありましたから。
木村さんとすれば、満を持しての主演というところでした。

その後の主演ドラマはすべて高視聴率。
特に2000年前後は平均視聴率30%越えを連発しました。

ラブジェネレーション(1997年10月13日 - 12月22日、フジテレビ)30.8%
ビューティフルライフ(2000年1月16日 - 3月26日、TBS) 32.3%
HERO(2001年1月8日 - 3月19日、フジテレビ) 34.3%
GOOD LUCK!!(2003年1月19日 - 3月23日、TBS)30.6%

ざっとチェックした限りですが、この4本が30%を越えています。
この頃だと思いましたが、この数字を見た松本人志さんが呆れ果てたように
「みんな本当にキムタクのドラマが好きなんやな!」と言っていたのを憶えています。
芸能人にあだ名を付けまくっていた時期の有吉弘行さんは「ドラマバカ」「月9バカ」などと命名していました。


他の人気ドラマと比べてもこの凄さ
当時はどの番組も今より視聴率が取れたから・・・そう言われるかも知れません。
たしかにそうかも知れませんが、とはいえ昭和のように、高視聴率が取れた時代でもありません。
例えば、ちょっど同じ頃、2000年前後に大きな話題び、続編やスペシャルが次々作られた『ショムニ』も、
連ドラとしての平均最高視聴率は1998年のシーズン1の21.8%でした。

そして、このブログでよく取り上げる『科捜研の女』は1999年スタート。1期・2期とも一桁視聴率でした。
同じ枠の他のドラマがもっと悪かったから続いたようなもので、
この時代でも、二桁取るドラマを作るのは容易ではなかったのです。

おそらく、2000年以降で平均30%以上のドラマは木村さんの3本だけかと思います。
2010年代のオバケドラマで、社会現象にまでなった『半沢直樹』(2013年)ですら、平均視聴率は29.0%です。
ドクターX』は一番高かったのが、2013年のシーズン2で23.0%。
相棒』で他シーズンとは段違いの最高視聴率を取ったのが、2010-11年のシーズン9で20.4%。
キムタクドラマがいかに凄かったかわかります。


キムタクドラマが一桁視聴率
上述のように、その木村さん主演ドラマ『未来への10カウント』(テレビ朝日 木曜21時)の
第3話の視聴率が9.9%と発表されました。
いつか来るべきものが、このタイミングで来た。仕方ないかも知れません。


木村さん主演連続ドラマでの単回一桁視聴率は史上初なのか?
だふん間違いないと思います。
この切り口で報じているサイトは少ないですが、あるにはあって、東スポWebが指摘しています。
キムタク主演ドラマ〝初の視聴率ひとケタ台〟の波紋「後輩のバーター出演難しくなる」の声


ドラマ『未来への10カウント』自体は、好感も持って観ています。
少し古いタイプのスポ根&学園青春ドラマ、ボクシングがテーマは珍しいですが。

ただ、木村さんのドラマなので、どうしても生徒ではなく木村さんに比重がいき過ぎる面があると思います。
この点については、昔から学園青春ドラマで主演が生徒ではなく先生というのは珍しくなく、むしろ王道なのですが、
スポ根に重きを置くとなると、実際にスポーツをやるのは生徒なので、歪みが出る面もあります。
第3話なども、女子部員にスポットを当ててはいましたが、結局木村さんが全部持っていくような感じ。
それでスムーズならいいのですが、ちょっと無理があったかなと。


何をやってもキムタク
木村さんの演技について「キムタクはどんな役をやってもキムタク」みたいな言われ方をします。
そう、これは当たっているかも知れません。
これも一概に悪いとばいえず、例えば昭和-平成のレジェンド 田村正和さんなどもそう言われたかと思います。

でも田村さんは「何をやっても田村正和」だとしても、意外と役柄の幅は広い。
クールなアウトローも軽い優男も柔軟にこなし、でもどちらも間違いなく「田村正和」だったりします。

田村正和さんといえば、この人が後年、コメディで新境地を開いたようなイメージチェンジを
木村さんもしてもいいのでは、などと時々言われます。
ただ、田村さんがコメディ路線を開拓したのは40歳頃で、それまでに特異なポジションを築いてはいましたが、
三十代までは脇役もやっており、コメディもやり出してからが、本当の正和伝説の始まりでした。

木村さんは今年50歳。
既に田村さんに負けない伝説を築いていますが、これからとなると、田村さんのような柔軟さは感じにくい。
木村さんの堅さや狭さやのようなものは、役者としてのピートたけしさんに似ているようにも思えます。


未来への10カウント
ヒロインの満島ひかりさんは、CMなどで見せるエキセントリックさを抑え、
真面目で前向き、そして普通の女性教師を実に自然に演じているように感じます。
ともかく、まだ序盤だし、ドラマとしては挽回の余地は残してはいると思います。

Old Fashioned Club 月野景史

2022年4月23日 (土)

【元彼の遺言状】視聴率女王 綾瀬はるかの月9初主演作は迷走気味/“痛快ドラマ”となるのか?

今のドラマ分野で“視聴率女王”と言えば、
断トツとまでは言えませんが、綾瀬はるかさんでしょう。
米倉涼子さんもいるけど、ほぼ『ドクターX』1本になっていますし、
局やジャンルを越えて色々ドラマに出てとなると、綾瀬さんかなと。

その綾瀬さんの、意外にも月9初主演となるドラマ『元彼の遺言状』がスタートしています。

Motokare


初主演どころか、月9ドラマの出演自体初めてのようで、これも意外です。
4月11日に初回スペシャル、4月18日に第2話が前後編として放送されました。

綾瀬さんの役は敏腕女性弁護士とのことですが、
公式サイトを読むと、ジャンルとしては法廷物ではなく、謎解き主体のミステリーのようで、
私はも好きな分野で期待しましたが、残念ながらちょっと迷走気味のようです。
視聴率も、初回の12.1%から、2話は10.3%に落としてしまい、早くも二桁割れのピンチに陥っています。


痛快ドラマか?
このドラマ、公式サイトのイントロダクションによると、
“痛快リーガルミステリードラマ”とのこと。
綾瀬さんも以下のようにコメントしています。
「痛快な物語に毎週スカッとする、視聴者の皆様の明日の活力になるような作品にしたいです」

随分「痛快」を強調していますが、2話まで観た限り「痛快感」には乏しいです。
むしろ皆無と言ってもいいかも知れません。
ストーリー展開にも原因はありますが、
それ以上に綾瀬さん演じる主人公の弁護士・剣持麗子(けんもち れいこ)のキャラクターです。
金の亡者にしか見えないのです。

公式サイトによると、たしかに剣持は金にもこだわるキャラのようですが、
それ以前にまずクライアント第一、そのためにはどんな手を使っても勝ちにいくというように書かれています。
1・2話では、その部分がまったく見えません。
自分の利益と金儲けしか眼中になく、その為にはどんなことてもするタイプに思えます。


痛快なドラマとは?
またストーリーの面でも、
一般にこの手のドラマで“痛快”をアピールするなら、
善と悪がはっきりしていて、善が幸せになり、悪は滅びる展開が最も分かり易いでしょう。
しかし、それ以前の問題として、まずストーリーの結末が明快でないと、痛快足りえないと思います。
これらの点でも、1・2話は“痛快”とは言い難い、モヤモヤの残る話でした。

剣持のキャラを変える気がないなら、
逆に剣持が毎回手段を選ばす金儲けに万進して、結果的にひどい目に合う方がまだ痛快かも知れません。


制作初期に混乱?
ネットには、このドラマはキャスティングや設定が当初の構想から大幅に変わってしまったとの説もあります。
その説がそのまま正しいとも思いませんが、制作初期に混乱があったのでは、とは観ていて感じます。

分かり易い例を出すと、初回冒頭近く、剣持麗子のジャケットの色が、
明らかに継続連続するシーンなのに、まったく変わってしまったりしています。
鮮やかな赤から白に変わったので、凄くわかり易く、何か意味でもあるのかと考えたのですが、あるとも思えません。
これは見た目に分かり易い事例で、逆にどのような混乱があったかは邪推するしかないですが、
これ以外にも色々とチグハグ感はありました。


原作との微妙な関係
このドラマの原作は新川帆立氏による『元彼の遺言状』、つまり同名小説。
宝島社の「第19回『このミステリーがすごい!』大賞」の大賞受賞作です。
しかし、実はこの小説『元彼の遺言状』の内容は、ドラマでは2話まででほぼ完結してしまいました。

4月25日放送の第3話以降は剣持麗子と、1・2話で知り合った篠田敬太郎(大泉洋)が
バディとなって事件を解決していく物語になるようです。

では3話以降はオリジナルストーリーかというと(公式サイトにもそのようなことが書かれています)、
実はドラマ放送開始直前の4月8日に剣持麗子シリーズの続編となる
新刊小説『剣持麗子のワンナイト推理』が発行されています。
ただ、この新刊については番組公式サイトではふれられておらず、
今後、この新刊を原作としたドラマが作られるのかは分かりません。


痛快バディドラマになるのか?
結果的にですが、第1・2話はコンビ誕生までのプロローグで、
第3話からが本編スタートということになるのかも知れません。
小説『元彼の遺言状』の内容は2話で完結しているのに、プロローグとは変ではありますが、

ともかく、3話以降は綾瀬さんと大泉さんを生かした魅力的なバディ物、
そして公式サイトが謳う通りの痛快なドラマになることを期待します。

1・2話ではアガサ・クリスティの名がやたら出てきましたが、
3話以降で二人の本拠地となる事務所はシャーロック・ホームズのベーカー街の事務所を思わせるクラシカルなインテリアです。
ホームズ&ワトスンのような名コンビとなるのかどうか。
ちょっと不安もありますが。

Old Fashioned Club 月野景史

 

2022年4月21日 (木)

【ドラマ】『ミラクルガール』(1980)YouTubeで配信/『プレイガール』後継最終作 途中打切りの問題作?

ドラマ『ミラクルガール』がYouTubeの「TOEI Xstream theater」で毎週1本ずつ配信されています。
1980年に東京12チャンネル(現テレビ東京)で放送された由美かおるさん主演のドラマ。


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スタート時のメンバー


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最終メンバー



昭和40年代の人気ドラマ『プレイガール』にはじまる
東映制作の女性メンバーによるセクシーアクションドラマの最終作という位置づけのドラマ。
・・・もちろん、それで間違いないのですが、ちょっといわく付きの作品なのです。

『プレイガール』とは放映の断絶期間があり、一連のシリーズといえるかがちょっと微妙なのと、
実は諸事情あって途中打ち切りになったドラマなのです。
そんな作品を何故今配信しているかというと・・・、もちろんそれなりのドラマではあるのでしょうが、
それだったら、『プレイガール』や、直接の前番組の『ザ・スーパーガール』の方が相応しく思えます。
実はこの2本に比べて話数が少なく、短期集中配信に適しているから、というのも一因かと推測しています。



『ミラクルガール』第1話  おそらく全話配信終了までアップされていると思います



プレイガール(1969年~)
伝説のセクシーアクションドラマ『プレイガール』
一地方局であった12chの放送ですし、昭和40年代を代表するドラマ…というほどの視聴率ではないと思いますが、
昭和40年代のカルチャーを象徴する作品のひとつであったと思います。
パワフルさと退廃感を併せ持ったドラマでした。

同じ東映制作で、こちらは間違いなく昭和40年代を代表するアクションドラマだった
『キイハンター』の女性版ともいえました。


スーパーガールからミラクルガールへ
『プレイガール』は直接の続編で、リニューアル版ともいえる『プレイガールQ』が1976年3月に終了。
この路線としては3年ほどインターバルを置き、1979年にスタートしたのが「ザ・スーパーガール』でした。
『キイハンター』のヒロインだった野際陽子さんをリーダー役に迎え、
おそらく局の方針もあったでしょうが、『プレイガール』に比べると正統派アクション寄りのドラマでした。

こちらは特に大きな話題になったわけでもないですが、安定の内容で1年間続き、
その後番組として1980年3月にスタートしたのが『ミラクルガール』です。

主演のリーダー役は由美かおるさん。
私も最近、「TOEI Xstream theater」で配信されるまで知らなかったのですが、
由美さんは東映が『プレイガール』初期にダブって制作していた女性アクションドラマ
『フラワーアクション009ノ1』(フジテレビ)に出演していました。
その意味では野際さんと同じで、同種の東映ドラマでの実績があっての起用でした。

更にサブリーダー役は藤田美保子さん。
『キイハンター』の後継番組『Gメン75』の初代女性Gメンでした。
前作『ザ・スーパーガール』メンバーからも二人残留(続編ではないので別キャラ)。

キャストは万全の布陣で、スタッフも多くは前作からの続投だろうから何も問題ない筈ですが、
どうも初回を観た時から今いちというか、何か違和感を覚えていました。


謎の迷走?
その予感が的中したわけでもないですが、
開始早々に伊佐山ひろ子さんが降板(3話から出なくなり5話から新メンバー登場)するなど、
バタバタ感が伝ってくるような事態になりました。

更に13話でもう一人降板、14話から新メンバー加入に合わせてオープンニングとエンディングの
映像を一新(歌はそのまま)しましたが、あえなく19話(7月28日)で終了となりました。
最終回の切りの悪い日付からみても、打ち切りだろうなとは思いました。

当時は裏事情も視聴率もわかりませんでしたが、オープンニングの変更などテコ入れの形跡はあり、
視聴率低迷が打ち切りの原因だろうと思っていました。

ただ、近年のネット等の情報によれば、制作サイドは続けたかったが、
現場のトラブル、不協和音が原因でもあるらしく、
そう考えれば、伊佐山さんの早すぎる降板なども納得できます。


尻上がりに内容充実か
そんなドラマについて、何が書きたいか?
最初に観た時、違和感を覚えたと書きましたが、
それはつまり端的にいえば「あまり面白くないな」と思ったということです。

ただ、あくまで当時一度だけ観た記憶ですが、回が進むにつれ、徐々に良くなってきていたように思うのです。
だから、中途半端な時期・話数で唐突に終わった時は、
「せっかく面白くなってきたのに残念」と感じたように憶えています。

当時の淡い記憶ですが、今回の配信で確認できそうで、楽しみにしています。



※主題歌の違和感
このドラマを最初に観た時の違和感の原因のひとつは由美かおるさんが歌う主題歌にあります。

今聴くと、歌自体は独特の世界観で面白い面もありますが、このドラマのテーマ曲として相応しいと思えない。
甘ったるいメロディもそうですが、

♪綺麗でなければ女でないわ

この歌詞、今なら結構問題では?
いえ、当時としてもどうかと思いました。

ましてこのドラマのテーマ曲としては、かなり疑問です。
たしかに美しく、きれいな女性達によるセクシーアクションが魅力のドラマですが、
『プレイガール』以来、このシリーズは「男なにするものぞ」の強い女性像こそが売りだったかと思います。
それをにしては、男に媚び切ったようなこの歌詞はなんだろうと感じたのです。

それにOPもEDも由美かおるさんの同じような甘めの曲では、さすがにちょっとくどい。
両方ともアクションドラマらしいパワー、アクティブ感がまるで感じられません。
前作『ザ・スーパーガール』はOPとEDが違うタイプの曲で、メリハリが効いていたのに。

更にいえばバックの映像も突っ込みどころが色々です。
エンディングは『フレイガール」風の映像でしたが、これも上手くリメイクできてなくて、外しているような。
こちらも末期のリニューアル版はだいぶ良くなったように憶えているので、これも確認したいところです。

Old Fashioned Club 月野景史

2022年1月 3日 (月)

【トラマ】『緊急取調室』スペシャル/“キントリ”はメンバーチェンジで継続するのか?

1月3日放送のテレビ朝日のスペシャルドラマは天海祐希さん主演。
『緊急取調室 特別招集2022〜8億円のお年玉〜』でした。

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『緊急取調室』 通称 “キントリ”
『相棒』『科捜研の女』『特捜9』『警視庁捜査一課長』『刑事7人』『遺留捜査』・・・、
ずらっと並ぶテレビ朝日の人気警察ドラマシリーズの1本。
ただ、上に挙げたドラマはすべて東映制作ですが、『キントリ』は違います(国際放映→アズバーズ)。

そして、制作ペースが年1回ではなく、だいたい中二年くらい開くのも特徴。
そういった意味で、テレ朝警察ドラマシリーズの中では、ちょっと異色の存在です。


さて、2021年放送のシーズン4で、キントリは解散になって終わりました。
これはあくまで、運用停止とのことで、今回の事件の取調べにあたっての限定復活という設定でした。

まぁ安定の面白さでしたが、少し気になる点もありました。
スタート以来、天海さんと共に取調べにあたってきた、小日向文世さんとでんでんさんが
出演はしましたが、それぞれ異動先の部署での多忙を理由に捜査に参加しなったのです。

元々『キントリ』にはもう少し若いレギュラーキャストもいますが、
天海さんと共に取調べに当たる一番近い同僚は小日向さんとでんでんさん、それに故大杉漣さん、
番組スタートの2014年時点で、警察官の定年60歳を恋える3人の俳優で、
シリーズ化を見据えているとすれば、年齢的に無理があるキャスティングに思えました。
『相棒』のように、長く続けていく中で皆が年を取るのは仕方ないですが、最初からなので。


今回は二人に替わって、比嘉愛未さんと野間口徹さんが加わりました。
野間口さんは向いてるかも知れません。

今後はどうなるのか?
そもそも今後があるのかも不明ですが。
連続ドラマにしろ、単発スペシャルにしろ、やるのではないかとは思います。

私はでんでんさんは今回のようにセミレギュラーとして関わり、
小日向さんはキントリメンバーとして出演してほしいと思っていますが。

Old Fashioned Club 月野景史

2021年6月 9日 (水)

【伝説のドラマ】『特命刑事』/ 渡瀬恒彦と小林稔侍 この後数十年の活躍を予感させる熱い共演

東映のYoutubeチャンネル「TOEI Xstream theater」で配信中の
『特命刑事』(『大激闘 マッドポリス80』リニューアル)
今週の配信は第2話「脱獄」(本放送 1980年8月)。
メインゲストは主演と渡瀬恒彦さん同様、東映生え抜きの小林稔侍さんでした。


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渡瀬さん36歳  稔侍さん39歳  渋い!



昭和~平成の有名スター・名優二人の共演。
といっても、それは今だから思うこと。
当時の小林さんはまだスター俳優ではありませんでした。

小林さんはこれ以前、同じ東映制作の人気ドラマ『バーディー大作戦』(1974年)で1年間、
レギュラーの刑事役を務めたことがありましたが、その後は再び脇役暮らし。
今回は東映作品ということもあってか、メインゲスト格でしたが、
この頃でも他のドラマでは「この人がこんな役!」と思うような“端役”のこともありました。

もっとも、実は渡瀬さんの方も
東映映画では主演スターでしたが、お茶の間での認知度はそれほど高くなかったと思います。
実際、このドラマも視聴率的には苦戦したようだし。
渡哲也さんの弟としては知られていましたが・・・。


ともかく、東映映画では多く共演してきた二人ですが、
主演スターと脇役・端役、クレジット的な意味での格には大きな差がありました。
しかし、今回は “がっぷり四つ” 互角の熱い共演でした。
これからまもなくブレイクとして人気俳優になっていく小林稔侍さん。
渡瀬さんと二人、この後数十年にわたるテレビドラマ界での活躍を予感させてくれます。




『特命刑事』OP



権力者の息のかかった刑務所に服役している稔侍さん。
彼を脱獄させ、大物悪党逮捕のための証言させようと、囚人として乗り込む渡瀬さんと中西良太さん。
スリリングで濃厚なドラマでした。

実は私が「このドラマ凄い!」と思って見直したのも、この回でした。
本放送以来の再見でした。

Old Fashioned Club 月野景史

2021年6月 5日 (土)

【伝説のアクションドラマ】『大激闘』続編『特命刑事』/ 東映のYoutubeチャンネルで配信開始

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狂熱の80年代の幕開け、1980年4月にスタートした伝説のドラマ『大激闘 マッドポリス80』。

途中でリニューアルしてタイトルを『特命刑事』と変更し、
同年9月まで合わせて2クール放送されました。

Youtubeの、このドラマの製作元である東映のチャンネル「TOEI Xstream theater」で、
『大激闘』に続き『特命刑事』の配信が6月2日(水)から始まりました。※追記:配信終了




『大激闘 マッドポリス80』OP



このドラマ、私の記憶だと、地方局やBS、CSは別にして、
日本テレビでの再放送は80年代に一度だけ、
それも『大激闘』だけで、『特命刑事』は放送されなかったと思うので、
今回はなかなか貴重な機会です。
まぁDVDは出ているので、“幻の作品”でもないのですが。


伝説のドラマとは書きましたが、半年2クール放送中にリニューアルされたことからもわかるように、
放送当時は好評というわけでもありませんでした。

刑事・探偵ドラマが放送されていた日本テレビ火曜21時枠。
それこそ“伝説的”な松田優作の『探偵物語』の後番組としてスタートしました。

私は好きでしたが、
いかにも東映的な泥臭い、やり過ぎ系アクションは、少し古臭く、時代からずれているようにも感じられ、
人気がもうひとつ盛り上がらないのもわかる気がしました。

『探偵物語』の前は石原軍団の『大都会パートⅢ』が放送されていて、
そちらはテレビ朝日に移籍して『西部警察』となり、ド派手なアクションを売りにして大人気。
しかし、アクション物なら東映が本家本元。
『大激闘』も『西部警察』に負けじと過激なアクションを繰り広げたのですが、
ちょっとのずれていたのですよね。難しいところです。


『大激闘』か『特命刑事』か
今回の『大激闘』配信中に、この後は『特命刑事』を配信するというアナウンスがなかったので、
コメント欄には引き続いて『特命刑事』の配信を望む声が多く寄せられていました。
それがかなったのはよかったです。

ただ、コメント欄を読む限り、どちらかといえば『大激闘』支持者が多いように感じます。
私は逆で、どちらかと問われれば、『特命刑事』支持です。

何か変わったかというと、
『大激闘』は「ジャパンマフィア」という架空の悪の巨大組織と、
マッドポリスと呼ばれる警官達との闘いを描きました。

『特命刑事』はジャパンマフィアの勢力が衰えた後の世界が舞台で、
マッドポリスは様々な事案に挑むことになります。

『特命刑事』の方が話のバリエーションが広く、荒唐無稽な中にもリアルな面白さがあったと思います。
でも、どちらも好きです。


そして、今回見直して、改めて面白い、最高と感じました。
キャストには亡くなった方、ご健在だけど、当然だいぶ年を取られたなという方も多いですが、
若き日の溌剌とした姿が見れて、懐かしい限りです。

故渡瀬恒彦さんの雄姿、

そして『相棒』の内村刑事部長、片桐竜次さんの若くてあまりにかっこいい姿は必見!
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出演者(マッドポリスメンバー)
渡瀬恒彦
梅宮辰夫
志賀勝
片桐竜次
中西良太
堀川まゆみ
桜木健一(『特命刑事』より加入)
山岡健(『特命刑事』より加入)



Old Fashioned Club 月野景史

 

 

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