13.【特集】テレビドラマ

2019年6月17日 (月)

【ドラマ】『緊急取調室3』好評のうちにまもなく最終回

天海祐希さん主演のテレビ朝日の警察ドラマシリーズ『緊急取調室』(通称 キントリ)。
好視聴率のうちに今週6月20日放送の第9話が最終回となります。

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数々の警察ドラマの人気シリーズを抱えるテレビ朝日ですが、
このドラマは少し異色です。

ひとつは基本的に毎年放送される『相棒』、『科捜研の女』、『特捜9』などと違い、
シーズン1が2014年、2が2017年、そして今年が3と、インターバルを置きながら作られていること、
だから今期の制作もあまり予想していませんでした。

そしてもうひとつは東映制作ではないことです。
東映はテレビ朝日の関連会社で、上記三タイトルの他にも
『警視庁捜査一課長』、『遺留捜査』、『刑事七人』などの人気警察シリーズは
いずれも東映制作なので、その点も『キントリ』は異色です。


大杉漣亡きキントリ
さて、過去2シーズンとも良い数字を残してきた『キントリ』ですが、
それでも今期の放送を予想していなかったのは他にも理由があります。
スタート以来の主要キャストだった大杉漣さんが昨年亡くなったからです。

大杉さんはベテランながら人気の売れっ子俳優でした。
『キントリ』の他にも『相棒』、『警視庁ゼロ係』にレギュラー出演していました。
ただ、この二本は代演、もしくは代役を立てて継続しています。

いくら人気俳優で主要キャラとはいえ大杉さんは脇役です。
脇役が亡くなったからといってシリーズを止めることもないかも知れません。
しかし、このドラマにおける大杉さんのポジションは準主役ともいえる重要さで、
しかも彼が抜けるとバランスが崩れ、代役というのもなかなか難しい役どころでした。

大杉さんとトリオを組む小日向文世さんとでんでんさん現職刑事役には皆それなりに高齢でもあり、
私はシーズン2の前から間を空けず作り続けてほしいと思っていたのですが、
まさか大杉さんがこんなに早く逝ってしまうとは・・・。


そうでなくとも定期的に放送しているドラマではないので、
続編はどうかと思っていたのですが、
といって大杉さん無しでは成り立たない、作るべきではないとも考えてなかったので、
シーズン3の制作はよかったです。

大杉さんの代役としては塚地武雅さんが抜擢されました。
彼の役は取調べそのもので力を発揮するというよりも、
画像からの人間観察・分析といった後方支援的なポジションです。

このドラマにおいてこういうポジもあっていいとは思いますが、
最もバランスのよい取調べ官だった大杉さんが抜けて塚地さんがこうだと、
今期は若干取調べが弱い、打つ手が少ないという感があります。

その意味では過去2シーズンに比べてやや落ちる気もしますが、
それでも面白い警察ドラマであります。

今シーズンはユニークな存在感のある刑事部長の大倉孝二さんから
キントリの解体を突き付けられ続けている彼ら。
最終回は第8話からの前後編で、キントリの存続と、
管理官の田中哲司さんのピンチも気になるところ。


ところで天海祐希さんの家族はシーズン2以降まったく出てきませんが、
シーズン1では杉咲花さんが娘役で出演していました。
今や立派な主演女優です。


Old Fashioned Club  月野景史

2019年6月14日 (金)

沢口靖子 若村麻由美 羽田美智子 天海祐希 テレ朝警察ドラマのヒロインは美しき五十代 独身

テレビ朝日のゴールデンタイムのドラマ枠は週3本。
この2019年4月-6月クールは『科捜研の女』、『特捜9』、『緊急取調室』の
実績ある警察ドラマシリーズが放送されていますが、
平均視聴率はいずれも12%台をキープしており堅調。

おそらく他局のドラマを含めたこのクールのランキングでもトップ3を占めるでしょう。
今日はこの3本の警察ドラマのヒロインたちについて。


『科捜研の女』の主演はいわずと知れた法医研究員・榊マリコ役の沢口靖子さん。
そして準ヒロイン格の風丘早月医師役・若村麻由美さんもいます。

渡瀬恒彦さんの死去により『警視庁捜査一課9係』からリニューアルしても
安定した数字をキープしている『特捜9』のヒロインは小宮山志保警部補の羽田美智子さん。

そして間隔を開けながらのシーズン3が放送中の『緊急取調室』の主演・真壁有希子役は天海祐希さん。

この4人の美人女優、年齢はいずれも50代前半です。

Sakaki
沢口靖子(1965年6月11日 - ) 今年54歳


Kazaoka
若村麻由美(1967年1月3日 - ) 今年52歳


Komiyama
羽田美智子(1968年9月24日 - ) 今年51歳


Makabe
天海祐希(1967年8月8日 - ) 今年52歳

写真は各ドラマ最新シーズンの公式サイトキャスト欄からお借りしました。
いずれ劣らぬという感じか。

今風にアラフィフ・・・と表現したいところですが、
沢口さんがそう呼ぶにはちょっと厳しい年齢。
テレ朝警察ドラマ 50代ビューティヒロインズ
といったところか。

しかし、50代女性となると少し前なら“熟女”と言われていたところでしょうが、
この4人は若くてきれいで、そんな感じでもありません。
細かいこと言うと若村さんは『科捜研の女』でも1回あたりの出番は多くなく、
他のドラマでも主演・ヒロインはほとんどないですが、
まぁそこは深くこだわらず「ヒロインズ」と呼びます。


ところでこの4人、現在全員独身です
それぞれ事情は異なり、
沢口さんと天海さんは公表されている結婚歴はなし。
若村さんはだいぶ前に結婚が話題になりましたが、その後死別。
そして羽田さんは一昨年離婚(昨年公表)。

と色々なわけですが、ともかく現在は4人とも独身。
なんとももったいないような話です。

そしてこの4人は役の上でも現在全員独身。
こちらはマリコ(沢口)が離婚、風丘(若村)と真壁(天海)が死別、
そして小宮山(羽田)は結婚歴なしかと思われます。

普通に考えると50代美女が全員独身とは寂しい気もしますが、
やはりいくつになっても美しくかっこいいヒロインは独身の方がいいのかともいえます。

さて、テレビ朝日には他にも警察・サスペンス物の人気シリーズがあります。
それも少し見てみましょう。


他のテレ朝警察ドラマ
50代ヒロインといえば、本来なら斉藤由貴さん(1966年9月10日-)も
『警視庁・捜査一課長』のヒロインとしてヒロインズに加わるべきところです。
しかし不倫報道以降は残念ながら事実上降板状態。他のドラマには出ていますが
最近の放送を観ると、『一課長』はヒロイン格の女性刑事は回ごとに変えていく方向のようです。

追記:斉藤由貴さんは2019年7月スタートのテレビ東京『警視庁ゼロ係』に出演することが発表されました。
こちらはスタート以来のヒロインの松下由樹さんがいます。
松下さんも1968年生まれで、警察・サスペンス物の多い50代ヒロイン。
現在はテレ朝連ドラのレギュラーはないですが、かつては『臨場』などに出演しています。


そして、もう1人候補がいます。
昨年春に連続ドラマとして放送された『未解決の女』。
波瑠さんとW主演の鈴木京香さんも1968年生まれの今年51歳で同世代。
今年の春にはスペシャル放送されたので、今後連ドラとしてシリーズ化される可能性もあります。
この人もそろそろ結婚発表かとの噂も根強いですが、発表はまだないので独身。

更にいえば、この春で降板してしまいましたが、
『相棒』の鈴木杏樹さんも1969年生まれで今年50歳でした。
杏樹さんの役は捜査関係者ではないので、降板していなくてもヒロインズに加えられるかは微妙ですが、
とにかく『相棒』はヒロイン・・・というか女性レギュラー不在になっています。
仲間由紀恵さんや芦名星さんがいますが、時々しか出ないセミレギュラーです。
今秋からのシーズンでは誰か加入するのでしょうか?

他のシリーズだと『刑事7人』は倉科カナさん(1987年12月- ) 今年32歳
『慰留捜査』は京都編になってからは栗山千秋さん(1984年10月-) 今年34歳
この2本はだいぶ若いです・・・といっても30代ですが。
それにしてもテレビ朝日は警察ドラマの人気シリーズが多い!

もっともこの分野も世代交代の過程ともいえます。
一昔前だと警察・サスペンス物、2時間ドラマの女王といえば、
片平なぎささん、名取裕子さん、浅野ゆう子さん、浅野温子さん(W浅野!)あたりでしたが、
さすがに主演作は少なくなりました。
そういえば片平さんと名取さんも独身か。

しかし沢口さんが『科捜研』、羽田さんが「9係」を始めた時はまだ30代。
若々しいとはいっても、まったく老けていないわけではありません。
視聴者もまた一緒に年を取っていっているということか。

特に警察・サスペンス系ドラマにおいて顕著なのかも知れませんが、
50代の女優が脇役・おばさんポジションではなく、美しきヒロインとして番組を背負い、
同じく年齢を重ねている視聴者に支持され、安定的に高視聴率を獲得する。
高齢化社会を象徴しているのかも知れません。

Old Fashioned Club  月野景史

2019年5月 7日 (火)

【大河ドラマ】『いだてん』が単回での歴代最低視聴率 7.1%

テレビ番組の視聴率は連休中は公表されないようです。

今回のゴールデンウィークは10連休だったので、
10日分の視聴率の情報がネット上に一気に流れています。

スタートまもなくから数字的に苦戦している大河ドラマ『いだてん』は
4月28日と5月5日の視聴率か一緒に出てきましたが、
28日の第16回「ベルリンの壁」の視聴率は7.1%だったとのこと。

これは『平清盛』が記録した7.3%を下回り、
大河ドラマ史上、単回での歴代最下位という不名誉な記録。

『平清盛』の7.3%は終盤の11月。
『いだてん』の視聴率は過去最悪といえる低い水準で推移していましたが、
これまでの最低は8.5%で、連休直前の回はやや持ち直しており、
ここでの記録更新はないだろうと思っていましたが、
あっさり超えてしまいました。
しかも、平成最後の回で。

令和第1回となる5月5日は若干持ち直しましたが、
それでも『いだてん』ワースト2位の7.7%。

もちろん、大型連休は視聴率は全般に低くなる傾向もありますが、
大河と比較的視聴者の年代が近いと思われるテレビ朝日の警察ドラマ
『科捜研の女』『特捜9』『緊急取調室』などはGW中も12%を堅持しており、
連休のせいばかりともいえません。


しかし、前にもこのブログで書きましたが、
『いだてん』は相変わらずの迷走ぶり、仕方ないかも知れません。

落語パート、明治(→大正)と昭和の混迷等はもう言わず、
主筋の金栗四三周辺だけをとってもです。


例えば、最新の第17回
ベルリンオリンピックの中止で落ち込む金栗四三ですが、
京都-東京間を走る関東組と関西組に分かれて競う、
未曾有のスケールの東海道駅伝徒歩競走駅伝に取組み、
関東組のアンカーを務め大成功させます。

めでたしめでたし・・・、
でも、これを1話に詰め込んで終わらせてしまうの?


オリンピック種目ではないといえ、駅伝は日本で人気の高い競技。
この大会は初めて「駅伝」と名づけられた、名実ともに元祖、日本初の駅伝。
いや、世界初ということになるのかな?
それだけでも、もう少ししっかり描いてもいいのにとも思います。

しかもこのレース、ゴール地点の日本橋には10万人が集まったというから、
当時も大きな話題を集めて大成功したイベントということになるのでしょう。
この後で四三は二度オリンピックに出場しますが、
残念ながらはかばかしい結果を残していません。

それを考えれば、ここを前半の山場のひとつとして、
2・3回を費やして盛り上げてもよかったかと思います。

駅伝関係ではこの後、第一回の箱根駅伝も描かれるようですが、
四三はこちらには運営では大きな役割を果たしたが、選手として参加はしていませんしね。


それにしてもこの東海道駅伝
自分の番を走り終えた選手はどうしたのかと気になったのですが、
多くの選手がタスキを繋いだ走者を追いかけるように東京目指して走ったとのこと。
何かすごい話!

ドラマとして映像にするのは難しいかも知れませんが、
現代のCG技術を使えば何かやれたのではと。
どうも勿体無く感じます。

Old Fashioned Club  月野景史

2019年2月24日 (日)

【ドラマ】『刑事ゼロ』(沢村一樹主演) 『科捜研の女』の木曜ミステリー枠 6年ぶりヒットの新作

『科捜研の女』と同じテレビ朝日木曜20時からの木曜ミステリー枠。
2019年1月クールは沢村一樹さん主演の新作『刑事ゼロ』が放送中です。
東映京都制作で京都を舞台としたシリーズとしては3年ぶりの新作。

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初回視聴率14.7%の好スタート。
その後はやや落としていますが、2月21日放送の第7話まで二桁をキープしており、
同じテレビ朝日・東映制作で昨年10月から放送されている『相棒17』には及ばないものの、1月スタートの連続ドラマでトップの位置におり、大河ドラマ『いだてん』も僅かながらリードしています。

テレビ朝日のドラマは最近好調なので、特に意外にも感じませんが、
このまま平均二桁視聴率を守ったとすれば、
木曜ミステリー枠で京都舞台の新作としては実に約6年ぶりの快挙ということになります。

木曜ミステリーでは1999年のスタート以来、京都を舞台にしたドラマを作り続けていますが、
実はここ数年は存亡の危機ともいえる事態にありました。
少し振り返ってみます。


木曜ミステリーの苦境
前述の6年前のドラマとは2013年4月クールに放送された『刑事110キロ』
この時期の木ミスは『科捜研』と並ぶ人気シリーズだった『おみやさん』と『京都地検の女』が
12~13%台を守っていた視聴率が11%台に落ち込み、相次いで休止となりました。
代わって登場した『刑事110キロ』が第1シーズンが12%台を確保したのです。

ところが翌2014年は第2シーズンは7%台まで急落して、あえなく終了。
続く2015年は1月から7月クールまで3本の新作を連発しますが、いずれも6~7%台に低迷と、
2年前まで11%台に落ちた長寿シリーズを打ち切っていた枠とは信じられないくらいの凋落ぶりでした。

その中には『京都迷宮案内』の橋爪功さんと『京都地検の女』の名取裕子さんという
かつての木ミス人気ドラマの主演2人をW主役とした『最強のふたり』という切り札的な作品もあったのですが、
視聴率的には完敗でした。

他にも高橋克典さん、松下由樹さんに松平健さんを加えた『京都人情捜査ファイル』なども
この枠なら強いかと思いましたが、惨敗といっていい数字。
この2本については内容も悪くなかったと思いますが、
とにかく最初から数字が悪いのですから、『科捜研』以外は何をやってもダメという印象でした。

この2015年当時の木ミスの苦境についてはこのブログでも当時記しました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-8767.html



相次ぐ掟破りで二桁確保

そして2016年、それまでの禁じ手を破ります。
京都ではなく、東映東京制作で二時間ドラマとして作られてきた『警視庁・捜査一課長』を
4月クールで連続ドラマ化し、ギリギリ二桁を確保します。

次の7月クールで京都舞台の新作『女たちの特捜最前線』で勝負をかけますが、
これがまた主要キャストの身内のスキャンダルなどもあり、数字的にも惨敗と本当に踏んだり蹴ったり。

翌2017年には第2の禁じ手解禁。
東京を舞台に3期まで作られ、好視聴率を記録していた『慰留捜査』を
舞台を京都に移して制作し、なんとか二桁を確保しました。

こうして2017年、そして翌2018年も『科捜研』2クールと『一課長』『慰留捜査』のローテーションで
なんとか全クール二桁を達成したのでした。


この流れだけを見ると京都での新作はどうやってもダメという感じで、
『刑事ゼロ』も無謀な挑戦に思えます。

しかし、他局のドラマが苦戦する中、ここのところテレ朝ドラマは好調で
2017年4月期以降、2018年10月期まで三つあるゴールデンタイムのドラマ枠の
すべてで二桁視聴率を記録しています。

その多くは警察ドラマなのですから、3年前までの苦戦の記憶も薄れ、
警察ものなら何をやっても失敗しそうにない気もしていました。
『ゼロ』はまだ中盤なので断定もできませんが、数字だけでなく内容もまずまず好調で、
二桁視聴率は確保しそうな流れです。



改めて『刑事ゼロ』
主演の沢村一樹さんは51歳。
『相棒』の水谷豊さんや『一課長』の内藤剛志さんより一回り年少なので、
シリーズ化の可能性もあるでしょう。

主演の沢村さん、ヒロインの瀧本美織さんは本格的には木ミス初登場ですが、
寺島進さん、渡辺いっけいさんは『京都地検の女』でレギュラーを務めたおなじみの顔。
渡辺さんは『科捜研の女』第1シーズンでは榊マリコ(沢口靖子)の元夫を演じました。
脇役陣は万全。


刑事としての20年の記憶を失った刑事
ユニークなテーマですが、近いところでは渡部篤郎さんの『警視庁いきもの係』に似ています。
このドラマには寺嶋さんや、『ゼロ』に刑事役で出ている横山だいすけさんも出演していました。
また警察ものではないですが、記憶を失った故に別の人間味ある人格が現れて・・・という点は
木村拓哉さんの『アイムホーム』を思わせる面もあります。

まぁテーマが被るのは仕方ない面もあります。
木曜ミステリーらしい肩の凝らないドラマだし、沢村さんの雰囲気もあっています。

Old Fashioned Club  月野景史

2019年2月12日 (火)

【大河ドラマ】『いだてん』 第6話で視聴率一桁 狂言回しが多すぎる/策士策に溺れる的迷走

NHK大河ドラマ『いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』は第6話の視聴率が9.9%。
わずか0.1%の差ながら二桁を割り、大河史上最速での一桁転落となったとのこと。
近現代大河は苦戦するとはいえ、初回は15.5%だったので、かなり下落傾向です。

このドラマについては私もだいぶ迷走していると感じていたので、これも致し方なしというところか。


宮藤官九郎さんの着想は上手いし面白いと思うのですが、
今回はそれが出来上がりに生きず、「策士策に溺れる」状態になっていると感じます。
とにかく話があちこちに飛んでわかり難い。
その最たる点、象徴的なのがビートたけしさん演じる古今亭志ん生のパートです。

日本初の五輪参加選手なる明治時代の金栗四三(中村勘九郎)を物語前半の主役として、
四三周辺をメインストーリーとして描き、
後世である東京五輪を控えた昭和の視点からの語りを、名人志ん生の噺という形で入れる、
この着想は悪くないと思いますが、いかんせんたけしさんの滑舌が悪くて聞き取り難い。
本来なら志ん生パートは明治時代の出来事についての、後の世の視点からの解説になるべきでしょうが、
返って話をわかり難くしています。

官藤さんはたけしさんのファンでこの出演を熱望したとも聞きます。
私もたけしチルドレンだったので気持ちはわかりますが、
今回は失策・ミスキャストだったといわざるを得ないか・・・、あくまで現時点ではですが。


狂言回しが多すぎる
しかし、問題はそれだけではない。
志ん生の役割はいわゆる狂言回しだと思いますが、
このドラマは狂言回し的キャラとその周辺人物が多すぎます。

例えば、志ん生の周囲の人々も、娘役の小泉今日子さんまではまだいいとしても、
弟子入りした若者やその彼女などはドラマの中でどのような役割があるのか。
オリンピックに深く関係してくるとも思えません。
主筋に絡まない狂言回しの周りに、更にわらわらと人が集まるって、どういう舞台構成?


しかも狂言回しは昭和の志ん生周辺だけではない。
明治の時代には若き日の志ん生こと美濃部孝蔵(森山未來) がいて、
これはこれで明治パートの狂言回しと語り役を務めている。

更に面倒なのは明治にもう一人、車夫の清さん(峯田和伸)なる人物がいて、
これなども典型的な狂言回し的キャラ。
私は最初、孝蔵と清さんを混同してました(笑)


第5話ではとにかく昭和の志ん生パートが長すぎでした。
その結果が第6話の数字になったのかも知れません。
といっても5話(10.2%)から6話(9.9%)はそんな下がってはいませんが。

それとこの第5話は第1話の出来事を別視点から描くという展開でした。
この手の手法は今までもなくはなかったとですが、
初回と5話の間隔が短かすぎて、同じものを二度見せられた感がある。


さて、第6話は昭和の志ん生パートは減り、前半部はまだ見易かったのですが、
後半部にはドラマ全編の後半の主人公となる田畑政治(阿部サダヲ)が出てきました。

これも・・・、後半では主役になるとはいえ、明治パートメインの今出てきたら、
田畑の役割も狂言回しです。

志ん生もやはり登場して、明治を軸に田畑パートと志ん生パートが交互に忙しく入れ替わるのですが、
田畑と志ん生は同時代だろうけど、接点を持ちそうにないし、ここもややこしい。

私も便宜上、“狂言回し”という言葉を使っていますが、
本来の「狂言回し=狂言廻し」とは視聴者・鑑賞者に物語をわかり易く説明し、共感を呼ぶ役回り。
しかしこのドラマでは逆効果、残念ながら現時点では失敗していると言わざるを得ません。


そもそも四三も田畑も歴史上の有名人物ではありません。
それに加えて、これだけ市井の狂言回し的な人物がたくさん出てきて話が転々とするのだから、
政治的なことはほとんどふれられません。そんな時間がある筈もない。
これは一概に悪いとはいえませんが、従来の大河ファンからすれば不評にもなるでしょう。

私は明治及び昭和30年代の庶民文化・風俗が描かれる点は面白いと思いますが、
やはりゴチャゴチャしていてわかり難く感じています。
金栗四三や嘉納治五郎(役所広司)、三島弥彦(生田斗真)など、
現時点での本来の主役である筈の人物たちの活躍がどうも頭に入ってこない。

それと、下ネタというかちょっと下品なネタを入れ込んでくるのも気になる。
大河には不要に思えるし、これも策に溺れるの例かも。


キャストでは、いかにも明治時代の地方のマドンナといった感じの綾瀬はるかさん、
そして富豪のメイドで、はっきりものをいう新しいタイプの女性というふうの杉咲花さん。
この女優二人はいいと思うのですが、主筋に大きく絡む感じでもないですね。

ともかく魅力はあるのだから、問題を解消すべく少し軌道修正をした方がいいかと思いますが、
撮影はかなり進んでしまっているようですし、修正がきくのかどうか・・・。
どうなりますか。

Old Fashioned Club  月野景史

2018年9月20日 (木)

【ドラマ】『義母と娘のブルース』高視聴率で終了/爽やかな感動 パワーあるドラマ

TBSのドラマ『義母と娘のブルース』が9月18日に最終回を迎えました。
最終回は19.2%の高視聴率、平均でも14.2%を記録し、今期一番のヒット作となりました。

そして、毎回ちょっと感動させてくれ、目頭が熱くなるような良いドラマでした。


ただ、4コマ漫画が原作ということもあり、設定やストーリーはメチャクチャな面もある。
特に綾瀬はるかさんと竹野内豊さんとの結婚の経緯はひどい。
竹野内さんのプロポーズ内容などは常道を逸したレベル。
このあたりは経緯を時系列で追わず、後で紹介しているので、ソフトに感じる面もありましたが。

初回の腹芸のシーンは迷走を予感させました。
腹芸自体は原作にもありますが、原作では父娘にだけ見せたのに、
ドラマでは衆人環視でやってしまいましたから(笑)


しかし、そういう無理・無茶な展開もあまり気にならない、させない、
ドラマとしてのパワーがありました。

無娘役の子ども時代の横溝菜帆ちゃん、高校生の上白石萌歌も好演。
そして、後半で綾瀬さんの相手役を竹野内さんから引き継いだ佐藤健さんも、
おバカキャラに徹した演技でしたが、さすが主演ドラマで高視聴率をとる若手No.1は違うという演技でした。

ラストは原作とは変えてきました。
というより、原作のラストまで描かなかったという方が近いかも知れません。
ここは賛否が分かれているようですが、私は良い判断だったと思います。
このドラマで、結末を原作同様にする必要はないでしょう。


Old Fashioned Club  月野景史

2018年8月14日 (火)

【ドラマ】『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』第1章完結/仕置人は田村(平田満)だった

フジテレビの月9ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』
第1章の完結編となる第6話が終了しました。


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今回は第5話からの続きで、法で裁けぬ犯罪者を処刑する
“闇の仕置人”の正体が誰かが焦点となり、
公式ツイッタ―では正体予想キャンペーンまで実施しました。

注目の仕置人の正体はミハンチームの田村薫(平田満)でした。
私の予想も当たりました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/--2cbc.html


本格推理小説では、犯人を指し示す情報はフェアに提示されなければならない
というのが原則なのですが、
テレビドラマの場合はそれは通じ難く、前後編などで予想しても外すことが多いです。

伏線めいたことが張り散らかされられ、
それにこだわって推理するとスルーされるというパターンも多いです。

今回は予想キャンペーンまでやりましたから、
さすがにあまり無茶な展開にはせずにきっちりやったという感じですね。


今後の展開
さてこれで第1章完結、第2章の展開ですが、
チームから犯罪者を出したのだからミハンの存続は困難かと思えますが、
そこはドラマなのであっさり片付け、チームは存続のようです。

第2章はシリーズ本来の主人公である桜木泉(上戸彩)が本格的に絡んでくると言われていいますが、
予告を見る限り、まだ次回はそんなに出てきそうでもないです。

ミハンの任務と桜木の存在がどう関わってくるのかが不透明で、
展開が読み難いですが、引き続きスリリングなドラマを期待しています。

Old Fashioned Club  月野景史

2018年8月11日 (土)

【ドラマ】『絶対零度-未然犯罪潜入捜査』 意外な展開/仕置人の正体は誰か

フジテレビの月9ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』は
第5話まで終了しましたが、意外な展開になっています。

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このドラマは“月9”には珍しい完全な警察物ですが、
そもそも『絶対零度』シリーズはフジの火曜21時枠で2010年と2011年に2作が放送され、
好評だった警察ドラマシリーズの続編、シーズン3にあたるのだから、月9らしくないのも当然です。

ただ、前2作で主演だった上戸彩さんは今回は特別出演ということで今まで僅かしか登場しておらず、
シーズン2の最終話のラストで新入りとして僅かに登場した横山裕さん以外は
主演の沢村一樹さんはじめ、前作とはまったく縁のないキャストにより話が進んでいます。

上戸さんには子育てを理由に主演を断られたとの説もありますが、
視聴率は第2話以外は二桁を記録し、最近の月9ドラマとしては良い数字です。
やはり警察物は強いということか。

ネットでは数字のために月9の矜持を捨て、テレビ朝日の警察ドラマにすり寄ったとの批判も見られますが、
元々フジが作った『絶対零度』シリーズの続編なのだから、これは筋違いでしょう。
それにテレ朝警察物よりファンタジックで、『シグナル』『ON』などフジ(カンテレ制作)火曜21時ドラマに近いテイストです。


さて、何が意外な展開かというと、
このドラマはAIシステムが重大犯罪を犯す可能性のある危険な人物をピックアップすると、
沢村さんたちミハンチームが潜入を含む捜査を行い、犯罪を未然に防ぐのがテーマの筈ですが、
どうもそれがあまりうまく機能してないというか、それに沿った話になっていません

結果、法で裁けぬ(と劇中では表現していますが、それ以前に逮捕できない)悪人がはびこるのですが、
2、3、5話ではラストで謎の仕置人が現れ、悪人達を成敗するという必殺シリーズのような話になりました。

こんな展開になるとは公式サイトのイントロダクション等からはまったく読めませんでしたし、
だいたいこれが主筋なら、なぜシーズンの核となるべき第1話がまったくそういう話でなかったのかも不可解です。

というわけで主題がはっきりしないもどかしさがある一方で、回を追うごとにキャストの魅力は高まっており、
私もいつしか結構楽しみに待つようになりました。
特にクールで激情的な(変な表現だけど)女性刑事役の本田翼さんが激しいアクションもこなし、熱演。
スピンオフで、主演でやってほしいくらいです。


仕置人はミハン内部の人間か
さて問題の“闇の仕置人”なのですが、仕置対象の情報に精通したミハンチームの人間の可能性が高くなりました。
そして急転直下、このドラマは7月-9月クールなので、普通に数えれば10-11話くらいまで続く筈ですが、
次の第6話で第1章完結となり、その次からは現在劇中では消息不明になっている上戸さんが
本格的に絡んでの第2章がスタートするようです。
そのため、仕置人の正体、その処遇についても6話でカタがつくらしいです。


そして、公式ツイッタ―では仕置人予想キャンペーンまで始まりました(笑)
https://twitter.com/zettai_0_mihan/status/1027006059594964992

ここまでやるからには、それほど無茶ではない、ある程度整合性のある展開にするのでしょう。
まさか、今まで登場していない人物が仕置人だった、なんてオチはないだろうと仮定して、
せっかくなので予想してみますか。


仕置人候補となる主要キャストは以下の通り

◆ミハンチーム
東堂定春(伊藤淳史) ※総責任者 管理官的立場で捜査にはほぼ参加していない
井沢範人(沢村一樹)
山内徹(横山裕)
小田切唯(本田翼)
田村薫(平田満)
南彦太郎(柄本時生) ※ネットでの後方支援専門で捜査には参加せず

◆捜査一課刑事
早川誠二(マギー)
板倉麻衣(田中道子)

◆失踪中
桜木泉(上戸彩) ※ミハンメンバーではない。山内の元バディ

※他に初回だけ登場した東堂の上司がいますが、これは除外していいでしょう。

公式動画ではなぜかミハンチームから山内を外した5人に、桜木を加えた6人を仕置人の候補としていますが、
その他の人間の可能性も示唆しているので、全員が候補ではあると思います。


一応単独犯を前提に、あまり細かいことは書かずざっくり絞り込んでいきます。
最初に書いておくと、今までの展開、及び次回予告動画は圧倒的に仕置人=井沢を指しており、
僅かに東堂の可能性も示していますが、他の人間を指す具体的な描写はほぼありません。

まずミハンチームの活動にまったく絡んでいない桜木と一課の2人は除外していいでしょう。
チームの中では山内と小田切はないかと思います。

私は当初、2話と3話の仕置人は別の人間ではないかと考え、
特に3話の方は南の可能性があると思っていました。

ただ、5話で仕置きされた男は仕置人と顔を合わせたことがあるようなのですが、
南はこの男と会ってはいないので除外します。
(この点は、そういう描写はなかったけど、実は会っていたのだと後でいわれたらそれまでなのですが。)

残りは井沢と東堂、そして田村。
予告動画での描写等から東堂は外れるのではないかと思います。


主役が罪を犯して途中退場!?
もし多くの描写が指し示すように井沢が仕置人だとしたら、
主人公が途中で闇落ちし、逮捕か自殺で退場という事態になるかも知れません。
思い浮かぶのは『相棒』の「ダークナイト」ですが、あれはシーズンの最終回。
今回は途中なので、前代未聞です。

ただ、シリーズ通しての本来の主役である桜木が残っているのだから、それもあり得なくはない。
だけどかなりの荒業です。

もしかしたら、収監されて拘置所から残ったミハンメンバーにアドバイスするレクター教授パターン?
それだと、放送中のテレビ朝日『刑事7人』の山下巧(片岡愛之助)とまったく同じになりますが。


もう1人の伏兵
さて、もう1人残っている田村ですが、これも可能性はあると思います。
具体的な証拠は乏しいのですが、仕置人が務まるような様々なスキルを色々持っているようではある。
またミハンメンバーは過去に自身が犯罪被害側に立った経験のある人間が集められたといいますが、
(ミハンの隠れ蓑になっている資料課に元から所属している南は微妙)
田村はそこについて明らかになっておらず、謎の残る人物でもあります。

仕置方法でいうと、2話のエレベーターの仕掛けはいかにも田村っぽいのですが、
武闘派のイメージがゼロなので、3話と5話はそれらしくない。
ただ、多くの部署を回ってきた設定があり、実は戦闘能力も…という可能性もなくはない。
そう考えると、ちょっと気になるのは1話ラスト近くの格闘シーン。
小田切が1人でアウトロー系数人を叩きのめしたように見えますが、実際は田村も活躍していたとか。

主役の途中退場よりは、田村の可能性の方がやや高いかも知れません。


Old Fashioned Club  月野景史

2018年7月20日 (金)

【ドラマ】『刑事7人 4』第3話に山下巧(片岡愛之助)が再登場

テレビ朝日のドラマ『刑事7人 シーズン4』第2話の展開予想をこのブログでしましたが、
元ホスト浅倉の共犯説はきれいに外しました。
その他は当たっている部分もありましたが、猫面の理由については読み切れませんでした。
無理もありましたが、伏線を回収するという姿勢は見えて、よかったかと思います。


さて次回第3話は更に怒涛の展開。
シーズン1~3までレギュラーだった山下巧(片岡愛之助)が再登場します。



山下は“刑事7人”のうちの1人として前期まで出演。
チームの中で証拠の分析やネットでの捜査等、他のドラマなら鑑識課や科捜研、
サイバー犯罪対策室が行うような科学捜査の部分を1人で担ってきました。

「この山下におまかせを!」
自らを“この山下”と呼ぶのが口癖で、トレードマークになっていました。

しかし、シーズン3の最終話で警察官の立場を逸脱し、自らの正義の為に犯罪に手を染め、
最後は自殺をしたかのような描写で終わりました。
ただ、生死については明確には描かれず、実は生きていたということにもできる展開でしたが、
早くも再登場するようです。


2015年7月の番組スタート時、愛之助さんの出演は大きな目玉でした。
2013年の『半沢直樹』で演じて話題になった国税局検査官黒崎の印象がまだ強い頃で、
その愛之助さんが本格刑事ドラマレギュラーでどんな演技をと注目されたのです。

ところが、他の仕事とのかけもちで相当忙しかったようで出番は少なく、
ちょっと肩透かしを食らった感じでした。
それはシーズン2も3も同じで、
特に3は何者かに拉致されたかのような形で中盤はまったく登場せず。
実は、自ら姿を隠していたということだったのですが。


次回の登場ですが、
山下は東京拘置所に収監されており、そこに天樹悠(東山紀之)が訪ねていくよう。
何らかの事件について聞こうというのでしょう。

山下が何らかの形で関わっていると判断したのか、
参考意見を聞こうというのか?

誰でも思うでしょうが、
『羊たちの沈黙』のレクター教授のようなイメージか。
事件解決の手かがりを提示するような展開が予想されますが、どうなるでしょう。

Old Fashioned Club  月野景史

2018年7月15日 (日)

【ドラマ】『刑事7人・4』初回SP後編予想/現金強奪実行犯は松原なのか?

テレビ朝日・東映制作の警察ドラマ『刑事7人』第4シーズン。
7月11日に放送された初回拡大スペシャル「再集結!!3億円強奪事件の衝撃真相!!リベンジ開始」は、
次回7月18日放送第2話に続くの前後編となりました。

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新メンバー、新部署設定等も色々気になるところ。
ただそれよりも事件が結構入り組んでいて、後編の展開予想はなかなか難しいと思いますが、
ネットではあまり盛り上がっていません。


事件概略
7年前に現金輸送車が襲撃され3億円を強奪、犯人は逃走中に人質を取ってコンビニに立て籠もるという事件が起きた。
犯人は逮捕され人質は解放された。犯行は松原(永岡佑)による単独犯。3億円の行方は不明。
7年後、松原は仮出所後まもなく逃走、そして殺害された。


松原殺害の容疑者は田村亮か
松原殺しの容疑者としては、輸送車襲撃の際に巻き添えで足を撃たれた若者の
父親である野崎勇一郎(田村亮)が怪しいでしょう。
勇一郎によれば、アスリートである息子は海外で選手兼コーチとして活躍中とのことですが、
銃撃に負傷で選手生命を絶たれ、もしかしたら死亡しているかもしれず、息子の復讐である可能性が高い。
この息子の所在も含め、まず野崎親子が後編の要になるのでしょう。

なにより、前編では出演シーンは少なかったですが、田村亮さんが被害者の身内というだけで、
それ以上ストーリーに絡まないとは考え難いという面もあります。
ただ、ここはわかり易過ぎて、何かミスリードなのではと勘ぐってしまいたくなります。

ところで田村亮さんは1946年生まれの72歳。
3つ年上の兄である田村正和さんは引退の意向とのニュースが流れましたが、亮さんはまだまだ元気そうです。


7年前の事件の真相
しかし、むしろ謎が多いのは7年前の事件の真相の方です。
事件は松原の単独犯とされたが、天樹悠(東山紀之)や新登場の海老沢芳樹(田辺誠一)は疑問を持っているよう。

鍵になるのは現金強奪後、コンビニに立て籠もる前の逃走中に犯人が被っていた猫のお面でしょう。
劇中でも意味不明と一笑に付されていましたが、実は意味があるのか? 回収されるのか?

前期までのメインライター真野勝成さんならスルーすることもありそうですが、
今回の脚本の寺田敏夫さんはこのドラマのみならず、
『相棒』『科捜研の女』『9係』等テレビ朝日の警察ドラマ執筆実績がほとんどなく、
脚本家の傾向からの予想ができません。


強奪犯の入れ替わり?
もしネコの面に意味があるとしたら、犯人の入れ替わりが考えられます。
そもそも犯人は現金強奪の際もフルフェイスのヘルメット姿で顔が見えませんでした。

この点は乗っ取った輸送車内でヘルメットを、
またコンビニ店内で防犯カメラ破壊後にお面を外し、
松原の顔が現れるシーンがありましたが、
これは共に捜査資料から天樹がイメージした映像で、本当に起きたことかは不明です。

もしかしたら共犯者は裏で糸を引くラスボスのような存在などではなく、
そもそも現金強奪犯は松原ではない別の人間との推測もできます。


共犯者がいるなら、前編に登場した人物で一番怪しいのは工場経営者で自警団リーダーの鳥塚(近藤芳正)。
ネットでもこの男が黒幕、共犯者との見方が多いようです。
まあ一番の理由は、演じているのが近藤さんだからなのですが・・・。
鳥塚の工場は現金強奪事件後に建ったようなので、金を手にした可能性はあります。

ただ、近藤さんは松原役の永岡さんより身長が10cmほど低いようで、
入れ替わりには無理がある。


元ホストが共犯か?
そうなると考えられるのが、元ホストでホームレスの浅倉(西興一朗)。
短慮な行動で、7年前の事件も松原殺害も容疑者から外れたように思えますが、
実は現金強奪の実行犯だった可能性が浮上します。
それならば松原と浅倉が共犯というよりも、浅倉が主犯か。

浅倉犯人説には一応の根拠があります。
7年前の捜査資料によると、浅倉はホストクラブで松原の上司的な立場であったようですが、オーナーは別にいます。
つまり浅倉と松原は同じ雇われている立場の従業員だったと思われる。

しかし、松原殺害後の聞き込みでホームレスになった浅倉がその後の7年間を語った中で、
「店長に金を持ち逃げされた」と口走っていました。
その言い方だと自分がオーナーのように聞こえます。
つまり、強奪事件後に多額の金を手にし、自分の店を持ったとも推測されるのです。

ここはまさに脚本家がこのような細かい伏線を張るタイプなのかという問題になりますが、
そうであるなら現金強奪の実行犯が浅倉で、松原はどこかで入れ替わり、罪を被って服役したということか。


鳥塚巻き込まれ型共犯説
浅倉・松原共犯説はちょっと面白いと思うけど、この他にも色々考えられます。

中でも気になるのは鳥塚の存在。
鳥塚についてはコンビニの人質の1人の可能性も考えらます。
松原がコンビニで押さえつけて人質に取った男性、
また警察の突入より早く脱出した3人のうち男性1人は顔が見えません。
これが鳥塚?
だとして、鳥塚は元々の共犯なのか?

そもそもコンビニ立て籠もりの意味もよくわかりません。
まさか盗んだ現金をコンビニで引き渡したということもないでしょうし。

ひとつの可能性として、鳥塚はたまたまコンビニで巻き込まれただけなのだが、
そこで松原から何かを聞き、現金を手に入れたのかも知れません。
そうなると、松原殺しも鳥塚か。
逆に浅倉関与の可能性は薄くなります。

実はこちらの方がシンプルですっきりしているようにも思えます。
ただ、それだとそもそもの犯行は松原単独で鳥塚はたまたま関わっただけ。
天樹や海老沢の見立てと違います。(鳥塚は結果的には“共犯者”になったともいえますが)
そして猫面を被って逃げた意味は不明になってしまう。

ところで、鳥塚は前編で自警団の活動に異様に固執する様子が強調して描かれました。
この事情については説明されるのか?
こんな点にも注目しています。


前編のラストではアパレル会社社長高野みさき(関めぐみ)に疑惑が向けられました。
元々の共犯者ではなく、現金横取りと松原殺害についてです。
これはちょっとミスリードっぽいかな。

考えれば更に色々あるのですが、矛盾点も出てきます。
もしかしたら鳥塚役の近藤さんは事件に関係ないミスリード用員かも知れません。
だとしたら思い切った使い方です。
あるいはコンビニで人質になったけど、それが原因で自警団に力を入れることになったとか。

かなり混沌としています。
どうまとめるのか。


Old Fashioned Club  月野景史

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