11.【特集】『相棒』

2017年3月23日 (木)

【相棒15】最終回「悪魔の証明」終了/社美彌子メインの異色の繋ぎ回 甲斐享が過去映像で登場

『相棒season15』最終回2時間スペシャル第18話「悪魔の証明」が3月22日に放送されました。

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かなり異色の最終話であり、スペシャルでした。
特に大きな事件が起こるわけではなく、過去の事件と今後の展開の繋ぎのような話だったと思います。

今後への繋ぎといっても、これがシーズン初回とか、中盤あたりの放送とか、
あるいは劇場版公開を控えていて、それへの伏線回というなら解るのですが、
続きは制作発表されていない半年後の10月以降というのですから、気の長い話です。


今回は警視庁広報課長・社美彌子(仲間由紀恵)中心の回でした。
美彌子にはアメリカに亡命したロシアの元スパイ・ヤロポロクの愛人であり、
ヤロボロクとの間に子どもがいるのではとの重大な疑惑がありました。


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美彌子には今シーズンの第1話でかなり謎めいた動きがあり、その解明編になるのかと思ったのですが、
そうではなく、むしろ美彌子が初登場したseason13の第1話から繋がるストーリーでした。


カイトが過去映像で登場
シーズン13と言えば2014年10月の放送で、冠城亘(反町隆史)の登場前、
昨年芸能界を引退した成宮寛貴さんが演じた3代目相棒甲斐享=カイトの時代です。
本来、今回はカイトが再登場する予定だったとの噂もあります。
もちろん、それは実現しませんでしたが、回想シーンとしてカイトの過去映像がかなりの量流されました。

ストーリー上、カイトの映像それぼど必要だったとも思えなかったですが、
カイトについてはタブーにしないという宣言なのでしょうか?


一方、今シーズン第1話で、美彌子を調べていた公安調査庁の人間が殺され埋められたらしき描写については
まったくふれられず、ネット上でも不信の声が上がっています。

最後は、美彌子の証言を甲斐峯秋(石坂浩二)が裏付け、彼女を弁護しました。
勘違いしている人もいるようですが、これは偽証です。
それより前のシーンで、峯秋も今回初めて、美彌子の証言した内容を知ったと言っていましたから。

社美彌子については、どうも引っ張り過ぎな気もします。
そろそろ決着をつけた方がよいようにも思いますが。


ところで、今回は杉下右京(水谷豊)が冠城を敬語なしで怒鳴りつけるシーンがありました。
常に慇懃無礼な口調の右京にしてはかなり珍しいシーンです。
色々解釈はありますが、それほど怒るような流れでもなかったように感じますが。

Old Fashioned Club  月野景史

2017年2月 1日 (水)

【相棒15】第13・14話前後編「声なき者」/舞台は1年前、神戸尊と米沢守登場

『相棒season15』2月1日放送の第13話と8日の第14話は前後編スペシャル。
前篇の「声なき者~籠城」は終了、次回は後編「声なき者~突入」です。
2月11日公開の『相棒 -劇場版Ⅳ- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』に
繋がるストーリーとして、また『相棒』OBである神戸尊、米沢守の再登場もあり、注目されています。


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2代目相棒コンビの杉下右京(水谷豊)と神戸尊(及川光博)は前編ラスト近くに遭遇。
後編でしっかり絡みがあるようです。
神戸は2012年3月の特命係卒業以来、映画への登場はありましたが、テレビシリーズは初の復帰です。


舞台は1年前
前編の物語はまず現在から始まり、4代目相棒・冠城亘(反町隆史)の回想の形で1年前に遡ります。
そしてこの段階で、冠城と神戸に接点があったらしい事も明らかになりました。

さて、1年前というと、前期シーズン14の後半。
冠城は法務省からの出向の立場で、特命係に居候中。
そして、米沢守(六角精児)はまだ鑑識課にいました。


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つまり、今回の米沢はお馴染みの鑑識課員としての登場でした。

そして、神戸は旧知の大河内監察官(神保悟志)からの依頼で、何か動いているようです。


そんな中、被害者の身元不詳の傷害事件が起こり、
その犯人と思しき人物による人質を取っての民家での籠城事件が発生します。

やがて、犯人と思われていた男が、実は病院に運ばれた被害者らしい事が明らかになります。
籠城したのは高校生男子で、幼い妹が一緒らしい・・・??
不可解な状況で、事件の全容がよくわかりません。
そして、これが告知されている『劇場版Ⅳ』の内容にどう繋がるか不透明です。

後編が楽しみですが、願わくば前編で盛り上がらせて、
後編肩透かしのパターンは避けてほしいものです。
『劇場版Ⅳ』も手掛ける太田愛さんの脚本に期待します。


ところで、人質となった婦人役は片桐夕子さん。
1970年代の日活ロマンポルノクイーン。
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おそらく久しぶりのドラマ出演かと思います。

Old Fashioned Club  月野景史

以下、公式サイトの予告より引用
☆☆☆
2017年2月8日(水)よる9:00~9:54 
前後編スペシャル 第14話「声なき者~突入」

不可解な立てこもり事件の背景に権力者たちの陰が…!?
亘と尊、2人の相棒が右京と共に難事件に挑む!

今から一年前に右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が遭遇した謎の立てこもり事件。膠着状態に陥る中、右京は尊(及川光博)から犯人の要求している女性・吉井聡美(及川莉乃)に関する情報を入手する。尊によると、すでに亡くなっている彼女の死因は自殺の可能性が高いのだが、なぜかその前の2か月余り幼い息子と姿を消していた時期があるという。いっぽう、亘は右京が立てこもり犯と目星をつけている新堂司(田中偉登)という高校生の家族について調べていた。司の父・誠(永野典勝)は法務省矯正局のホープだが、家族に暴力をふるっていた疑いがあり、妻や子供たちと別居中であることが判明。さらに、誠が女性蔑視の思想を持つ団体の会員であることも分かる。その団体には、省庁の重役も多く、警察庁長官官房総務課長の山崎(菅原大吉)も名を連ねていた。司は、誠から逃げるためにシェルターに身を寄せていた母と妹を通じて、同じくDVから逃れようとしていた聡美と知り合ったのではないか? しかし、だとしたらなぜ司は真渕(三浦英)に重傷を負わせ、人質を取って立てこもりなどしているのか…!?

そんな中、右京の依頼で真渕のパソコンを調べていた米沢(六角精児)の報告である疑惑が浮上し、右京は真渕になりすまして立てこもりを続ける司の真の目的を察知。人質を含め全員を無傷で確保しようと動き出す。しかし、立てこもり犯が真渕でないことが公となり、司が危機的な状況に陥ってしまう。そんな中、なぜか事件を隠蔽しようと暗躍する山崎により、特殊部隊の強行突入が刻一刻と迫っていた。

立てこもり事件を起こした高校生の本当の目的とは!?
右京と亘は真実を解明し、巨悪の陰謀を阻止できるのか?
衝撃のラストが、「劇場版IV」に関連する因縁をもたらす!

ゲスト:及川光博 菅原大吉 六角精児
脚本:太田愛
監督:橋本一
★★★

2017年1月27日 (金)

【相棒】神戸尊(及川光博)の奇跡「ようこそ特命係へ」/劇場版Ⅳ・TVも再登場 神戸尊成功の理由

昨年は成宮寛貴さんの芸能界引退、高樹沙耶容疑者の逮捕など、『相棒』関係であまり良くないニュースがありましたが、
『相棒』17年の歴史で一番の大事件といえば、初代相棒・亀山薫役の寺脇康文さんの降板
→今回のテーマである2代目相棒・神戸尊の及川光博さんへの交代でしょう。

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亀山薫 まさかの退場
『相棒』はテレビ朝日・東映制作。2000年に土曜ワイド劇場枠の2時間ドラマとしてスタート。
主役はいうまでもなく、杉下右京(水谷豊)と亀山薫の“警視庁ふたりだけの特命係”でした。

2002年10月から連続ドラマ化され、続く2003年のseason2から10月~翌年3月の2クール放送が定着。
視聴率も概ね右肩上がりで、同じ水曜21枠で放送されていた『はぐれ刑事純情派』『はみだし刑事情熱系』と
入れ替わる形で、木曜20時の『科捜研の女』と共に、国民的長寿警察ドラマとなっていきました。
シーズン6終了直後の2008年5月には映画第1作『となる相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』が
テレビ朝日開局50周年作品として公開され大ヒット。
寺脇さんの降板発表はその直後でした。

『相棒』は水谷豊さんと寺脇さんW主演のドラマだと誰もが思っていたので、この降板は意外でした。
特にこのタイミングはあり得ないでしょう。
映画もヒットし順風満帆、まさに国民的ドラマとして最盛期を迎えようとする時期です。
それに、寺脇さん側にどうしても降板せねばならない事情も見当たりません。

この降板については色々といわれていますが、それはまた項を改めて記します。
とりあえず大変なのは、亀山の退場後でした。
『相棒』ファンの多くは亀山ファンでしょう。
時にうざく感じる事はあっても、熱心な『相棒』ファンだが亀山は嫌いという人が多くいたとは思えません。
それが突然の降板。誰が後任になっても反発は必至。厳しい視線にさらされる事は間違いありません。

この困難な状況下で引き継ぎ、更に視聴率を伸ばしたのが2代相棒・神戸尊役の及川光博さんでした。
神戸在任中のシーズン9の平均視聴率は20.4%。現在までで最高、唯一の20%超え。
ちょっと大袈裟ですが、奇跡といっていいくらいです。

今回は及川さんへの交代当時を振り返り、なぜ神戸尊が成功したかを考えてみます。


2代目登場前後にインターバル
寺脇さんの卒業は2008年10月スタートのシーズン7のスタート前に発表され、
12月放送の第9話で亀山は妻の美和子(鈴木砂羽)と共に退場しました。

シーズン7は残り半分を残していましたが、その段階で後任は公表されていません。
年が明けて2009年1月の第10話からは特命係が右京1人の“片棒時代”となります。
そして最終回間近に2代目が及川さんと公表され、3月の最終第19話で遂に登場するのですが、
この回限りで番組は半年のオフに入り、本格的な2代目相棒時代はシーズン8までお預けとなりました。

変則的な引き継ぎでしたが、これが功を奏しました。
ともかく亀山の退場に反発があるのは間違いないのですから、
すぐに神戸を登場させて「新相棒による新時代」にしなかったこと、
また1度神戸を見せて、すぐにオフに入ることによって不満を醒ますと共に、
制作側も視聴者の反応を見極めることができました。


初代と正反対の新相棒
及川さんのイメージは寺脇さんとは全然違います。
そもそも俳優よりも歌手のイメージの方が強い。
寺脇さんの後任が及川さんとは、多くの人が意外に思ったでしょう。
当然ながら劇中での亀山と神戸のキャラも全然違う、正反対・真逆と言ってよい印象でした。

これも上手かったです。
2代目が同じようなキャラだと、どうしても細かい点まで初代と比較されてしまいます。
亀山と神戸では違い過ぎて比較しようがありません。


天才と秀才
しかし、神戸にとって本当に大事なのは、亀山ではなく右京との対比です。
右京と亀山こそキャラクターが正反対のコンビ、バディ関係でした。
対して、右京と神戸は一見同じようなエリートタイプ。
これでは右京・亀山のようなコンビの妙が出せない、それぞれの個性が生きない・・・と思われました。

しかし、ここもそうなりませんでした。
同じエリート系といっても、右京は天才型で、常人には及びもつかない発想をします。
対して、神戸は秀才で優等生タイプ。常識的な思考から入る人間。
この差異がうまくはまりました。

ミステリ作品における名コンピの元祖・王道といえばシャーロック・ホームズとジョン・ワトスンでしょう。
このコンビは天才・変人のホームズと常識派のワトスンとの組み合わせです。
亀山は“常識人代表”としては時にエキセントリック過ぎる面がありました。
実は右京&神戸の方がホームズ&ワトスンに近いバディ関係だったのです。


スパイ設定
神戸が特命係に配属された理由は警察庁のスパイとして、右京の身辺を探る為でした。
なんとも荒唐無稽な話を考えたものですが、これも良い効果を生みました。

ファンとしては、右京に簡単に神戸を新相棒として認めてほしくないという心理がある一方、
今更、初期のようにシニカルで新人を拒否するような右京を見たくないという気持ちもありました。
しかし、右京が神戸の事情をどこまで把握してたかは微妙なのですが、
相手がスパイなら、距離を置くような態度になるのもやむを得ないところです。

逆に、クールに見える神戸が厭われながらも右京にベタベタとついて回るのも、
スパイとしての職務であるならば当然です。

シーズン8を通して2人はこのややこしい、緊迫感のある関係を続けながら、少しずつ信頼を深めていき、
遂に最終話では右京から神戸に対し、「ようこそ、特命係へ」との感動的な言葉が飛び出しました。
じっくり時間をかけ、本格的なバディとして、第2代の相棒コンビの誕生となったのです。



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最高の数字を記録したseason9
そうして迎えた次のシーンズ9はかつてない水準の視聴率で20%超えを連発し、
シーズン平均視聴率20.4%(それまでの最高は18.1%)、単回でも第16話「監察対象 杉下右京」が23.7%を記録。
これは共に、現在まで含めた歴代最高視聴率です。
最近の推移を見る限り、今後この数字を越えるのはまず無理でしょう。

このシーズン放送中の2010年12月には映画第2弾『相棒 -劇場版Ⅱ- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜』も公開され、
『相棒』人気はピークを迎えたのです。


神戸尊の魅力

神戸はエリートで秀才、何事もクールにそつなくこなすタイプ。
また二枚目で遊び人風な雰囲気もあります。女性にもてる事も間違いありません。
一方でやや頑ななくらい真面目な面もあり、
面倒臭いタイプの人間とも、ついつい深く関わって振り回されたり、世話を焼いたりもします。
この微妙なバランスも魅力です。

亀山の退場は、初期からのヒロインといえる奥寺(→亀山)美和子の退場でもありました。
そして神戸と同時に、美和子に当たる新レギュラーの加入はありませんでした。
その代わりというわけでもないでしょうが、元々セミレギュラーだった大河内監察官(神保悟志)を神戸と旧知だった設定にしました。
この関係も当たりました。
2人が馴染みのお洒落なバーでワインを飲みつつ、少し皮肉をきかしながら語らうシーンは『相棒』の新たな名物となりました。
色々なことがうまい具合に回りました。


残念だった偽証設定
このように順風満帆だった2代目相棒神戸の時代ですが、次のシーズン10初回でとんでもない展開がありました。
神戸が特命係に来るはるか前に裁判で偽証していた事が明らかになったのです。
神戸は被告の有罪を信じてやったのですが、実は無罪で、出所後被告は自殺してしまいます。

私は主人公にこのような過去を背負わせる設定を後付けで作るのは賛成できません。
これは失敗だったと思っています。

しかも更によくないのは、この回の最後で神戸は強い衝撃を受け、深く悔いていたのに、
次の回以降、この件への拘りがほとんど感じられなくなった事です。
これでは神戸の人間性に疑問を持たれてしまいます。

これは、多くの脚本家・監督によって作られている為の弊害ともいえるし、
通常の相棒コンビが事件解決するストーリーを作る上で、
神戸が毎回過去にぐずぐすと拘る様子を描いてもいられないという面もあるでしょう。
しかし、それならば偽証設定など作らなければよかったのです。
どうもこのあたりから、『相棒』の迷走が目立つようになりました。

この件については及川さん自身も、降板時に以下のように「翻弄された」と語っています。
「尊は、シーズン10の初回スペシャルで過去に“偽証罪”を犯したという“重荷”を背負わされてしまった。僕も翻弄されています」
http://www.oricon.co.jp/news/2008745/full/

シーズン10の視聴率は前期の20.4%から16.6%へと急落しました。
偽証設定の為だけではないかも知れませんが、まさか無関係とはいえないでしょう。
(その後の3代目相棒・甲斐享(成宮寛貴)時代の3期は17.3~17.4%とやや回復、安定しました。)

結局、神戸はこのシーズン10最終話(2012年3月)限りで警察庁への再異動の形で退場となりました。
3シーズン+1話の任期でした。
視聴者の期待を後味悪く裏切るのも、ひとつの『相棒』らしさといえなくもないのですが、
やはりこの奇跡的成功の後の偽証設定は残念でした。


その後の及川光博さん
『相棒』卒業から約5年、及川さんは歌手活動も続けつつ、俳優として様々なドラマに出演しています。

そして神戸尊としても、スピンオフ映画『相棒シリーズ X DAY』(2013年3月公開)と
『相棒 -劇場版Ⅲ- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』(2014年4月公開)の2本に、僅かなシーンながら登場しました。

降板後、『相棒』と接点を持っていない初代相棒亀山薫と違って、神戸尊は相棒世界に籍を残しています。
また、昨年は及川さんがMCを務める音楽番組に水谷豊さんがゲスト出演しました。


2017年 神戸尊再登場
そして、神戸は2017年2月11日公開の『相棒 -劇場版Ⅳ- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』に登場します。
それに先立ち、2月1日と8日に放送されるseason15の第13話・14話の前後編にも登場します。
神戸は降板後も劇場版には出てきましたが、テレビシリーズへの再登場は初めて。
過去を乗り越えての活躍が期待されます。

Old Fashioned Club  月野景史

2017年1月 4日 (水)

【相棒】花の里2代目女将・月本幸子(鈴木杏樹)/犯人役からレギュラー入り スランプ右京に誘われて

昨年は『相棒』シリーズに宮部たまき役で長く出演してきた高樹沙耶容疑者の逮捕が世間を騒がせました。
その高樹容疑者が演じてきた小料理屋「花の里」の女将のポジションを引き継いでいるのが、
月本幸子役の鈴木杏樹さんです。

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高樹さんの降板はシーズン10の初回(2011年10月)、
鈴木さんの登場は同じシーズン10の第12話(2012年1月)。この1月で丸5年経ちます。


月本幸子 犯人役からレギュラーに
刑事ドラマ・警察ドラマのロングシリーズでは、
1度ゲスト出演した俳優が別の役でレギュラー入りする事は時々ありました。
犯人役で出た人が、刑事役でレギュラーになった例もあります。

しかし、杏樹さんの場合は同じ「月本幸子」役で、ゲスト出演の後にレギュラー入り。
しかも幸子は殺人未遂の犯人役。
これは珍しい例です。


「ついてない女」
月本幸子の初登場は初代相棒・亀山薫(寺脇康文)時代のシーズン4第19話「ついてない女」(2006年3月)。
拳銃を使っての殺人未遂事件の犯人役で、海外逃亡の企てますが、右京との緊迫のせめぎ合いの末、逮捕されます。
ただ、大変同情すべき境遇のキャラで、視聴者としては幸子に感情移入してしまうような展開でした。


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「ついている女」
2度目の登場も亀山時代で、シーズン6第11話「ついている女」と12話「狙われた女」の前後編(2008年1月)。
幸子は真面目に服役しているのですが、巻き込まれる形で脱獄する事になってしまいます。
実はたまたま巻き込まれたのではなく、幸子を脱獄させる陰謀だったのですが。
幸子は事件解決に協力し、刑務所へと戻っていきました。


「つきすぎている女」
そして、3度目の登場が2代目相棒・神戸尊(及川光博)時代末期のシーズン10第12話。
幸子は刑期を終えて出所し、清掃会社を経て家政婦として真面目に働いているのですが、
杉下右京(水谷豊)にある相談を持ち掛け、そこから紆余曲折を経て、
その仕事は失ってしまいますが、右京の仲介で休業状態だった花の里の新女将に就任するのです。

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この「つきすきている女」は杉下右京が重症のスランプに陥る、
『相棒』シリーズ全話の中でも極めて異色にしてユニークな回で、
くすっと笑ってしまうようなシーンが散りばめられています。


月本幸子レギュラー入りの事情
高樹沙耶さんは元々女優の仕事をセーブする方向にあり、
『相棒』への登場頻度も2008年頃から減っていましたが、
2011年3月の東日本大震災を契機に強く降板を申し入れ、
同年10月スタートのシーズン10第1話で降板となったと言われています。

花の里は『相棒』において大事なサロンではありましたが、
亀山の退場により、重要度はやや落ちていました。
亀山時代は亀山の恋人→妻となるジャーナリスト奥寺美和子の(鈴木砂羽)の存在があり、
右京、亀山、美和子の3人が顔を揃えて情報交換する場の意味合いがあったのです。

しかし、神戸には美和子にあたる存在がありません。
右京と神戸で話すのなら、わざわざ花の里に場所を移す必要もないでしょう。
(ただ、神戸とたまきが微妙にいい関係で、その面白さはありましたが)

しかしそれでも、花の里は『相棒』にとって重要な場所です。

まして、神戸のシーズン10限りでの退場も決まっていましたから、
花の里まで消滅という事態は避けたかったでしょう。

今の時代だと、たまき役を別の女優が代演という選択は受け入れられ難いでしょう。
では誰かを新女将にということで、まったく新しい人では唐突なので、
過去の登場キャラの中から月本幸子が選ばれたという経緯かと思います。


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三浦元刑事との再会(シーズン14)


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米沢守との“最後の晩餐”(シーズン14)


月本幸子はゲスト回で見せた、したたかさや凄みは封印して、
なごみ系の天然ボケキャラとして馴染んています。
実は、この点については批判的な意見もあります。
しかしこれは、幸子が「花の里の女将」という立場を演じているのだから、
基本的にはこれでいいのだと思います。

それでも、1シーズンに1回くらいは、かつての幸子を彷彿とさせるような面を見せて、
事件解決に一役買うような事があってもいいと思います。
色々な経験をしてきているのだから。

Old Fashioned Club  月野景史

2017年1月 2日 (月)

『相棒15』元日スペシャル「帰還」終了/ちょっと無理があるストーリーも視聴率は好数字

『相棒seasun15』2017年元日スペシャル第10話「帰還」の放送が終了しました。
この回の展望はこちら→ http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/s152017-0a45.html
今回はちょっと期待外れというか・・・、予想した良くないパターンにはまったように感じます。


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今回は杉下右京(水谷豊)・冠城亘(反町隆史)の特命コンビと
社美彌子広報課長(仲間由紀恵)、大河内監察官(神保悟志)が協力


『相棒』は多くの脚本家が執筆するドラマですが、
今回の真野勝成さんは近年、メインに近いウェイトを占めている人です。
この人の脚本回の特徴として、序盤では謎深く、スケール感もあり、雰囲気もよく、今回は面白そうだ!
と思わせるのですが、真相が見えてくるにつけ、設定や同期、終盤の展開にかなり無理があり、
序盤で提示された謎もあまり回収されず、残念な結果に終わる事があります。
今回もまさにそのパターンであったように思えるのです。

具体的に挙げていけばキリがないのですが、
例えば、冒頭に提示される3つクエッション。

1.なぜ黒水署は警視庁の左遷場所と呼ばれているのか?
2.なぜ黒水署の警官5人の失踪が、警視総監の指示で事件化されないのか?
3.なぜそんな、いかにも曰く付きの黒水署に特命コンビを異動させたのか?

この根本的な疑問に納得いく説明もないまま、話はどんどん無茶な展開になっていきました。

ハッキリ言ってしまうと、八嶋智人さん演じる黒水町の町長が一番怪しいのは最初の方からわかりました。
ただ、問題はその動機です。
拉致されて殺された黒水署の5人の警官は麻薬の密売をやっていたようです。
これもまたとんでもない話ですが、彼らが悪徳警官なら、
それこそダークナイトではないですが、成敗されたのかとも思ったのですが、
動機がサイコパスによる抑えられない殺人衝動によるものだというなら、
殺されるのは誰でもよかったのですね。

そして話が進むと、SPに守られていた警視総監が町長との会食中に外国人らしき集団に拉致され、
惨殺されるという『相棒』史上でも類を見ない、とんでもない大事件が起こるのですが、
実にあっさり淡々と済まされました。

いくらフィクションとはいえ、『相棒』でこれはありなのかと思わせる内容でした。


また、あまり言いたくはないのですが・・・、
団地の住人が揃って犯人を偽証する展開がありました。
これ、同じ真野氏脚本で昨年8月に放送された『刑事7人』の鈴木浩介さんの殉職回にそっくりなのです。
似たような話ができるのも仕方ないとは思いますが、かなり最近で、
同じテレビ朝日水曜21時枠の刑事ドラマの中なので、ちょっと使い回しが早すぎるようには感じました。

今回は、住民達が偽証する理由付けもかなり無理がありました。
むしろ逆の主張をする方が自然のように思いました。

ネット上でもだいたい同旨の評価が多いようです。
もちろん、おもしろいという声もあります。
視聴率は17.3%と今期では最高、まずまずの好数字でした。

Old Fashioned Club  月野景史

以下、日刊スポーツcomより引用
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1759931.html
☆☆☆
水谷豊「相棒」元日スペシャルも人気17・3%
[2017年1月2日12時38分]
テレビ朝日系ドラマ「相棒」の元日スペシャル(午後9時)の平均視聴率が17・3%(関東地区)だったことが2日、ビデオリサーチの調べでわかった。水曜午後9時の連続ドラマも人気だが、元日の特別版も高視聴率だった。
元日は、特命係に黒水町への異動の辞令が下る。急な欠員補充のための臨時措置だが、刑事部長の内村(片桐竜次)には右京(水谷豊)を亘(反町隆史)と共に正式異動させ、特命係を閉鎖する腹積もりがあった。2人が警視庁をたった夜、警察幹部と東京都の首長クラスの会合が開かれる。そこには警視総監の四方田(永島敏行)らに交じり、黒水町長の和合(八嶋智人)の姿もあった。一方、右京と亘は勤務地の駐在所へ。2階の室内には前任者が残したカレンダーと、香をたいたような匂いが残っていた。前任者について調べると、これまでに5人の警察官が突如姿を消し、無断欠勤扱いのまま放置されていることが分かる。最後に失踪した警部の住まいで右京たちは、ケーブルテレビの詠子(伊藤歩)に遭遇。詠子は黒水署の警察官連続失踪事件を追っているという。公になっていない情報をどこから入手したのか、という内容だった。
★★★

2016年12月30日 (金)

【新春相棒祭り】1月3日/鑑識・米沢守退場回&三浦刑事再登場回を一挙放送

テレビ朝日では1月3日(火)13時より「新春相棒祭り」として、以下の長時間スペシャル2本を再放送します。

13:00 『相棒season14』2016年元日スペシャル「英雄~罪深き者たち」
15:33『相棒 season14』最終回スペシャル「ラストケース」

つまり今年2016年3月まで放送されたシーズン14の元日と、3月の最終回のスペシャルを連続放送するのですね。
どうせなら、例年のように2017年の元日スペシャル前の年末にやった方が
前宣伝になっていいようにも思いますが、なぜこのタイミングなのでしょう?

それはともかく、この2本は内容の出来には賛否あるのですが、
『相棒』シリーズ史においては大きなウェイトを占める作品でした。


「英雄~罪深き者たち」
長くレギュラーを務め、シーズン12の第1話で退場した三浦信輔刑事(大谷亮介)が降板以来初の登場。

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更に重要ゲスト(セミレギュラー)として複数回登場してきた片山雛子議員(木村佳乃)、
本多篤人(古谷一行)・本多(早瀬)茉莉(内山理名)父娘らが再登場するイベント性の強い回でした。

三浦刑事は冒頭の僅かなシーンのみでしたが、事件への道先案内人といった役どころ。
本多親子は死亡により退場。茉莉は冒頭の時点で病気で既に亡くなっていたという展開でしたが、
揃って死んでしまうとは意外でした。

右京や歴代の相棒とも因縁深い片山雛子は議員辞職となりました。
雛子は退場なのかはわかりませんが、ひとつの区切りはつけられたといえるでしょう。

この回の感想はこちら↓
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/14sp-dea1.html


「ラストケース」

こちらはサブタイトルからして、事前にはシーズン14で登場したばかりの4代目相棒・冠城亘(反町隆史)が
早くも退場してしまうのかと話題になったのですが、さすがにそうはならず
代わりに『相棒』シリーズ脇役陣最重要キャストだった鑑識課員・米沢守(六角精児)の退場回となりました。

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とはいっても、この時は六角さんの降板について番組側が明言しなかったので、
本当に卒業してしまったのか、米沢の去就があやふやなままで時が過ぎ、
6月になって六角さんが自身のライブで降板を公表するという異例の経緯となりました。
このあたりの事情はこのブログでも記しています。↓
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-4dc4.html

特にこの回については、六角さんの卒業回と認識していなかった人も多いでしょうから、
再見の良いチャンスかと思います。

脇役ゲストでユニークだったのは、冠城と法務省同期の公安調査官・宮家純惠(菅井玲)。
冠城曰く“肉食女子”キャラが印象に残ります。

Old Fashioned Club  月野景史

2016年12月29日 (木)

【相棒】再放送可能な 宮部たまき(高樹沙耶)の不登場回一覧/亀山期は実質9割封印状態か

今年はドラマ『相棒』シリーズにとっては厄年でした。
かつて主要レギュラーとして出演していた高樹沙耶容疑者の逮捕と、
成宮寛貴さんの薬物使用疑惑からの芸能界引退が重なりましたから。

2人とも既に降板していますから、現シリーズの制作には関係ありませんが、
『相棒』は同じテレビ朝日・東映制作の『科捜研の女』と並び、
再放送の重要コンテンツですから、色々と影響があったのです。

高樹さんの出演回
現在、テレビ朝日では高樹さん登場回の再放送をストップしています。
これについて、テレ朝としては特に公式なコメントは出していないと思います。
もちろん法的に放送できないわけでもなく、あくまで局側の自主規制という事です。

成宮さんの出演回
一方、成宮さんの登場回については、12月9日の引退発表を受け、12日に予定されていた回の差替えを行いましたが、
その12日の段階で、今後は放送していく方針を明らかにしました。
http://www.daily.co.jp/gossip/2016/12/13/0009746816.shtml
実際に放送も再開されています。


高樹さんのレギュラー時代で、出演していない回は?
さて、高樹沙耶さんは主人公・杉下右京(水谷豊)の元妻で小料理屋の女将・宮部たまき役で、
連続ドラマ化される前の土曜ワイド劇場第1作(2000年)から出演し、
2011年のseason10第1話で降板しました。
つまり、シーズン1からシーズン9まではフルに出ているという事です。

といっても、1回あたりの出演シーンは少なく、
まったく出ていない回も1シーズンに何本かはあります。
そしてそれは、回が進むにつれ、増える傾向にありました。
シーズン9まででも、高樹さんが登場していない回、つまり放送できる回はある程度存在するのです。

再放送は系列各局において事情が違いますが、テレビ朝日は元々ランダムに放送しているので、
高樹さんの出演していない回のみをピックアップするようなやり方でも、特に違和感はありません。

それでは、高樹さんの出演していない回を以下に一覧にして列挙してみます。
個人レベルでの調査・集計なので、誤りがあったらご容赦ください。


初代相棒・亀山薫(寺脇康文)時代

シーズン1  12本中 3本
第7話「殺しのカクテル」
第8話「仮面の告白」
第9話「人間消失」

シーズン2 21本中 2本
第6話 「殺してくれとアイツは言った」
第17話 「同時多発誘拐~消えた16人の子供達」

シーズン3  19本中 4本
第8話 「誘拐協奏曲」
第11話 「ありふれた殺人~時効成立後に真犯人自首」
第12話 「予告殺人~狙われた美人姉妹の謎」
第15話 「殺しのピアノ」

シーズン4 21本中 1本
第20話「7人の容疑者」

シーズン5 20本中 3本
第4話 「せんみつ」
第17話 「女王の宮殿」
第18話 「殺人の資格」

シーズン6 19本中 3本
第6話 「この胸の高鳴りを」
第9話 「編集された殺人」
第15話 「20世紀からの復讐」

シーズン7 19本中 7本
第4話 「隣室の女」
第7話 「最後の砦」
第8話 「レベル4~前篇」
(亀山退場の前後編で、後篇にはたまきが登場している。前篇のみの放送は無意味であり得ないと思われる)

★以下、亀山薫不在 杉下右京の“片棒時代”
第11話「越境捜査」
第12話「逃亡者」
第15話「密愛」
第17話「天才たちの最期」


2代目相棒・神戸尊(及川光博)時代

シーズン8 19本中 12本
第2話 「さよなら、バードランド」
第3話 「ミス・グリーンの秘密」
第4話 「錯覚の殺人」
第5話 「背信の徒花」
第6話 「フェンスの町で」
第7話 「鶏と牛刀」
第9話 「仮釈放」
第11話 「願い」
第12話 「SPY」
第15話 「狙われた刑事」
第16話 「隠されていた顔」
第17話 「怪しい隣人」

シーズン9 18本中 9本
第4話 「過渡期」
第8話 「ボーダーライン」
第9話 「予兆」
第11話 「死に過ぎた男」
第12話 「招かれざる客」
第13話 「通報者」
第14話 「右京のスーツ」
第15話 「もがり笛」
第16話 「監察対象 杉下右京」

シーズン10
第1話で高樹さんは降板したので、19本中 18本

3代目相棒・甲斐享(成宮寛貴)時代
シーズン11 19本
シーズン12 19本
シーズン13 19本

4代目相棒・冠城亘(反町隆史)時代
シーズン14 20本


亀山期がほぼ9割封印状態
こうして見ると、高樹さんが出演していたシーズン9まででも、7くらいから一気に出演のない回が増えています。
これは主に高樹さん側の事情だと思いますが、番組側の事情もあるかと思います。

ですので、神戸尊の時代はかなり放送できる回が多いですが、
なんといっても初代相棒として今でも不安に人気の高い亀山薫時代が限られてきます。
上のリストから単純にカウントしても、放送できる亀山回は19本しかありません。
しかも、上にも書いたように「レベル4~前篇」 の放送は意味がなく、難しいでしょう。
そうなると実質18本。

更にいえば、テレビ朝日は昨年秋頃からアナログ期制作ドラマの再放送をストップしており、
(詳しくはこちら→ http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-3de0.html
『相棒』の場合はシーズン2までがそれにあたります。
そうなると、土曜ワイド時代の3本を含めて124本にのぼる亀山登場回のうち、
放送できるのは僅か13本という、なんとも寂しい事態になってしまっているのです。

この問題は後は、テレビ朝日の判断しだいという事になります。

Old Fashioned Club  月野景史

2016年12月27日 (火)

『相棒15』2017年元日スペシャル「帰還」展望/右京と冠城が郊外の駐在所に異動!?

『相棒seasun15』2017年元日スペシャル第10話「帰還」は来年1月1日(日)21時より放送です。

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追記:放送は終了しました。感想等は →こちら

『相棒』が本来の放送日である水曜からずれても、
元日に長時間スペシャルを放送するようになったのは2006年のシーズン4からなので、
今回で12回目になります。


前回は旧キャスト再登場のイベント回
今回は・・・。

前回、2016年のスペシャルは元レギュラーだった三浦信輔刑事(大谷亮介)や、
片山雛子議員(木村佳乃)、本多篤人(古谷一行)・本多(早瀬)茉莉(内山理名)父娘ら
過去に複数回登場してきた重要ゲストが再登場するイベント回でした。
それに伴い、年末には彼らが絡む回を中心に集中して再放送されるなどの盛り上げがありました。

それに比べると、今回はそのようなイベント性は乏しく感じられ、
年末に集中的な再放送や劇場版の放送などもありませんでした。
これは高樹沙耶容疑者の逮捕、成宮寛貴さんの薬物疑惑報道からの引退等の影響もあるかも知れませんが、
例年に比べると、少し寂しく感じます。

ただ、元日スペシャル放送後の1月3日の午後には『相棒スペシャル』として、
シーズン14で放送されたスペシャル2本が放送されるようです。
終了後になぜ? という感じはしますが。
3日の夜には『科捜研の女』のスペシャルがあるのだから、そちらを放送した方がいいような。


スペシャルの内容は?
さて、今回は年末の放送が例年より早めの12月7日に終了したためか、
その時点の予告では、元日スペシャルの内容がよくわかりませんでした。
今は公式サイト上でだいぶわかるようになっています。
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/contents/story/0010/

なんと今回は、杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)の特命係コンピが、
いきなり郊外のベッドタウン黒水(くろうず)町の駐在所へ異動になるようです。
「臨時異動辞令」ということらしいですが。


以下、公式サイトより予告文を引用します。
☆☆☆
元日スペシャル 第10話「帰還」

特命係が閉鎖! 右京と亘は郊外の駐在所に左遷!?
隠蔽された警察官連続失踪事件の闇に切り込む!

右京(水谷豊)と亘(反町隆史)に、郊外のベッドタウン黒水(くろうず)町の駐在所への臨時異動辞令が下った。黒水は問題がある警察官の左遷先と噂される署だった。その夜、都内では警視総監の四方田(永島敏行)を囲む会合が開かれていた。それは、都内の浄化作戦で成果を上げた四方田のためのパーティーで、会場には副総監の衣笠(大杉漣)や峯秋(石坂浩二)の姿もあった。また、前科のある人間を積極的に受け入れ、寂れかけた町を再生させるプロジェクトに取り組んでいる黒水町の町長・和合(八嶋智人)も列席していた。その会場に、四方田宛の差出人不明電報が届く。そこにはラテン語らしき文章と子供が描いたようなシロクマの絵が記されていたのだが、それを見た四方田はなぜか動揺して…!?

翌日、黒水署に到着した右京と亘は、前任者が交代になった理由が気になり、調べ始める。すると、駐在所に住み込んでいた2人の警察官のほか、黒水署の有本(森岡豊)という刑事も行方不明になっていることが判明。右京と亘は失踪現場となった団地の住民から話を聞くが、収穫はゼロ。しかし、有本が最後に乗っていたパトカーから血液反応が検出され、2人は何らかの事件が起きたことを確信する。そこに、若月詠子(伊藤歩)という女性ジャーナリストが現れる。黒水署の警察官連続失踪事件を追っているという彼女は、警察内部ですら統制されている機密情報をなぜか持っていた。

その後、広報課長の美彌子(仲間由紀恵)に取材の矛先を向けた詠子だったが、「ノーコメント」と突っぱねられる。しかし、それも含めて自分のニュース番組で警察官の不可解な失踪事件を報じてしまう。いっぽう、黒水町で捜査を続けていた右京は、ひょんなことから町長の和合と知り合う。和合いわく、町の再生に大切なのは志を持った“人”だというが、警察内部には「前科者を優遇するとは何事だ」と、今の政策を快く思っていない人間もいるという。その話が出た矢先、右京と亘に、なぜか四方田警視総監から捜査をやめるよう圧力がかかる。そんな中、四方田の指示を受け、黒水町で暮らす元受刑者・槙野(平岡拓真)を見張っていた刑事が遺体で発見される。現場には、四方田に届いた電報と同じフレーズ「私は獣として帰還する」というラテン語が書かれていた。この事件により、失踪中の警察官たちも既に殺害されている可能性が高まり、未曾有の事態への緊張が高まっていく…。

失踪事件の裏で暗躍する警視総監。警察官殺害事件とも関係が?
スクープを飛ばす女性ジャーナリストの危険なネタ元とは…!?
特命係の捜査に、美彌子、大河内、さらに伊丹たち捜査一課も協力し、
東京郊外で進行する不気味な事件と権力の巨大な闇を解き明す!

出演:水谷豊 反町隆史 鈴木杏樹 大杉漣 仲間由紀恵 石坂浩二
ゲスト:八嶋智人 伊藤歩 永島敏行 小宮孝泰 平岡拓真 仁村紗和
脚本:真野勝成
監督:兼﨑涼介
★★★

ゲストの顔ぶれも含めて、やや地味なようにも感じますが、
初回以来顔を見せていなかった仲間由紀恵さんと大杉漣さんはやっと登場するようで、
登場頻度からいえば、彼らもゲストのようなものなので、充分豪華かも知れません。

あらすじの前半を読むと、また『世にも奇妙な物語』的な現実離れ感があるようにも思います。
閉ざされた郊外の町、黒水(くろうず)町で起きる不可解で、なにやらおどろおどろしい事件。
古い例ですが、この町のネーミングからしても、
『Gメン'75』の「黒谷町シリーズ』を思い起こしてしまいますが。

その謎の町における警察官の連続失踪、そして殺害というミステリアスな展開。
このあたりは私としても好みです。
これに、警察上層部も絡んでくるのでしょう。

今回は永島敏行さんが警視総監として登場するようです。
総監役は以前は品川透さんでした。
永島さんは『相棒』には他の役でゲスト出演した事はありますが、警視総監としては初めてです。
永島さんは1956年生まれ。1952年生まれの水谷さんより4歳若い警視総監の登場です。


次には劇場版新作が控える
さて、『相棒』はこの後、2月に映画版第4作となる(スピンオフ作品は除く)
『相棒-劇場版Ⅳ-首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』が公開予定です。
http://www.aibou-movie.jp/
それにどう繋がるかというのも興味深いところです。

内容が直接繋がるかは別にしても、
劇場版Ⅳに登場予定の社美彌子(仲間由紀恵)や衣笠副総監(大杉漣)が通常回にまったく出ていないので、
彼らの動きが注目されます。

Old Fashioned Club  月野景史

2016年12月25日 (日)

【相棒】“片棒時代” 異色の傑作 season7第11話「越境捜査」/右京と角田の好連携が冴える

あまり一般的ではないと思いますが、『相棒』シリーズ16年の歴史の中で、
ファンの間で俗に“片棒時代”などと呼ばれている時期があります。
どういう意味か?

これは、杉下右京(水谷豊)の相棒役が不在で、特命係が右京1人だった時期のことです。
“時期”と言ってしまうと、設定上、そういう時期は放送開始前も含めて何度もあるのですが、
実際に右京1人の回が放送されていたのは、ある一時期だけです。

それは、初代相棒・亀山薫(寺脇康文)の退場(シーズン7第9話)から、
2代目相棒・神戸尊(及川光博)の登場(シーズン7第19話)の間。
つまり、シーズン7の第10話から第18話までの9本が「片棒時代」です。

この時期はなかなか面白い話も多く、視聴率も良かったのです。
その中でも、異色の話であり、傑作といわれるのが第11話「越境捜査」です。
この作品は2016年12月28日15時55分よりテレビ朝日にて再放送されます。


相棒season7 第11話「越境捜査」 (本放送:2009年1月14日)

この回、片棒時代の杉下右京は冒頭から角田課長(山西惇)率いる警視庁組対5課の応援で、
銃器不法所持犯の摘発の為に町田市にいます。


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組対5課の応援で銃器や麻薬等、組織暴力関係の摘発というと、
似たような展開はこの後には何度かありますが、この時が最初だったと思います。

珍しく組対5課とがっちり絡む話なので、伊丹刑事ら“トリオ・ザ・捜一”は登場しません。
その分、角田はもちろん、組対5課の小柄の大木長十郎(志水正義)と大きい小松真琴(久保田龍吉)、
いわゆる“大小コンビ”が活躍します。
おなじみの特命係の部屋も登場しません。

さて、5課と右京らはかなりの人員で臨んだにも関わらず犯人を逮捕しそこね、
県境を越えて神奈川に逃げられてしまいます。
そこで、タイトル通り“越境捜査”となり、神奈川県警と連携することになるのです。

そうなると、警視庁勢と県警側で軋轢が生まれるだろうと思いきや、
意外にも連携はうまくいき、銃器所持の犯人は比較的早く捕まります。

しかし、その一方で何か別の、どうやら誘拐事件が進行しているようです。
視聴者からすると、何が起こっているのか、銃器犯と誘拐事件は絡んでいるのか、
そして、そもそも何がこの回の主題なのか?
あえて解り難くく進めるトリッキーな展開、そして緊迫感のある見せ方が魅力です。

ゲストの俳優陣もなかなか個性的で、楽しめます。
メインゲストは益岡徹さん。
『相棒』と同じテレビ朝日・東映制作の『京都地検の女』で池内刑事役を務めてきた人で、
当時も出演中でしたが、 この役はまた独特でした。
また、銃器不法所持犯の土平ドンペイさん、その人質になる野口かおるさんも
前半だけの登場ですが、強烈なキャラで印象的です。
特に、ストーリーに大きくは絡まない、不運にも人質になってしまうだけの女性にあのキャラを持ってくるセンスは面白い。


そしてラスト

右京と角田の、シリーズ屈指の鮮やかな連携による事件解決が見どころ。
ここに至ってようやく視聴者にも起こっていた出来事の全貌が、
そして、右京が何を考え、何をやっていたかが明らかになるという、なかなか上手い見せ方です。

このユニークな回の脚本担当はハセベバクシンオーさん。
この回が『相棒』初執筆で、現在まで『相棒』は僅か5本しか手掛けておらず、この点もレアです。

Old Fashioned Club  月野景史

2016年12月23日 (金)

【相棒15】前半終了/米沢なき『相棒』 右京臨場せず 淡々と進むも異色回多し

『相棒season15』は年内の放送は終了しており、
次は2017年、まず恒例の元日スペシャル、そして2月には劇場版Ⅳの公開とビッグイベントが控えます。

15_top

今期は高樹沙耶容疑者の逮捕成宮寛貴さんの薬物疑惑報道からの引退と、
過去のキャストをめぐる騒ぎがクローズアップされる中、
シーズンそのものは特に第2話以降、比較的淡々と進んだ印象でした。


早過ぎた年内終了
年内の放送は12月7日の第9話で終了しました。
第9話が年内最後というのは定番なのですが、12月の一桁台での年内終了は史上初です。
休止回もなく、順調に放送が進んだということなのでしょうが、
やはりちょっと間が空きすぎて寂しいですね。

例年だと年明けの元日スペシャルに向けて、年末には劇場版の放送や、
過去の長時間スペシャルの再放送などかあるのですが、今年はその予定もなく・・・・
これは高樹さんと成宮さんの件の影響かも知れませんが。


波乱の初回スペシャルから小休止
思えば、第1話はかなりの波乱を思わせる展開でした。
広報課長の社美彌子(仲間由紀恵)、副総監の衣笠藤治(大杉漣)、警察入りした青木年男(浅利陽介)ら、
新・再登場のレギュラーに随分と不穏な動きがありましたから。

しかし、社と衣笠はその後登場せず、回を越えてシーズン全体の流れに影響を与えるような
大きな動きはなかったように思います。
強いていえば、第8話で右京が法務省の日下部彌彦(榎木孝明)の不興を買ったらしい事くらいか。
これからの元日スペシャル、劇場版と、どのような波乱が待っているのでしょう?

青木の方は怪しさを滲ませつつも特命係に協力しています。
何かを企んでいるようであり、しかし特命にいいように使われているかにも見えますが。


異色回多し
前半の9話はすべて別の脚本家が執筆しています。
しかも、古くからの常連は抜けた人が多く、比較的新しい人中心です。
そのためか、『相棒』っぽくない、異色な回が多かったように思います。
第6話や7話など、まるで『世にも奇妙な物語』を観ているような話もありました。

傾向としては、冒頭からの展開なかなかおもしろく、雰囲気も良く進むのだが、
真相が明らかになる時点でトリックや動機に無理があり過ぎ、やや興醒めする回が多かった。

ネットでは、初期の『相棒』に戻ったような回も多いとの声もあるのですが、
それもまたちょっと違うように思います。


米沢なき『相棒』
現場に行かない右京

今シーズンは初めて迎える鑑識課員・米沢守(六角精児)のいない『相棒』。
どのような変化があるか注目されていました。
あまり指摘されていないと思いますが、ひとつ特徴的な事があります。

事件発生(発覚)直後の現場に、本来捜査権のない特命コンビが出かけ、つまり“臨場”し、
捜査一課の伊丹刑事らに「お呼びでない、何しに来た」と嫌味を言われつつ、
米沢から事件の状況を聞き、独自の観点で捜査に着手する…。
『相棒』長年の定番シーンでした。

しかし今期、杉下右京(水谷豊)は一度も検証中の現場に臨場していないと思います。
冠城亘(反町隆史)は一時、伊丹に弟子入りしていたので、単独では行っていますし、
右京も捜査本部に出張って邪魔者扱いされるシーンなどはありましたが、
事件発覚直後の検証中の現場に右京が出向くシーンはありませんでした。

『相棒』の歴史から見れば、結構大きな変化かと思います。
米沢のいない現場に行っても仕方ないということか?
もっとも、上述のように9話をすべて違う脚本家が書いてますので、
申し合わせがあったのか、たまたま重なったのかわかりませんが。


鑑識との遠い距離
では、米沢なき後の鑑識課と特命係との関係はどうか?
鑑識課員としては第1話で、伊丹の同期との設定で益子桑栄演(田中隆三)が登場しました。
とはいっても、毎回のレギュラーではありません。

また第2話で、特命コンビは「上層部から協力するなと言われている」とのことで
鑑識の部屋から部屋から追い出されるシーンがありました。
これは益子ではなく、別の若い鑑識課員です。
まだ、右京と益子は顔を合わせていないと思います。
ともかく、当面鑑識課からの協力は得られそうにありません。

米沢に代わって特命に協力しているのは予想通り、
サイバーセキュリティー対策本部・特別捜査官となった青木です 。
青木の立場で無理だろうと思えるような事までしていますが、
これは米沢についても、鑑識課員には無理だと思える事も多かったので、
おあいこかもしれません。
それにしても、青木の真意はどこにあるのか、今シーズン中にわかるのでしょうか?


視聴率はどうか?
『相棒』は初回、元日、最終回を長時間スペシャルとして放送し、
それが18~20%の高視聴率を獲り、シーズン全体の視聴率を押し上げてきた面があります。
その意味では今期は初回が15.5%と物足らないスタートでしたが、
その後は概ね前期並みで安定しており、現在までの平均は14%台後半だと思います。
今どきのドラマとしては立派な数字ではありますが、
『相棒』としては10期連続で保ってきた15%以上が危険な状況ではあります。
まずは正月スペシャルで高視聴率を挙げ、勢いをつけたいところです。

と、色々気になる案件を抱えながら、まもなく後半を迎えます。

Old Fashioned Club  月野景史

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