11.【特集】『相棒』

2024年12月14日 (土)

【相棒23】三浦刑事(大谷亮介)が久々再登場/伊丹・芹沢とは約11年ぶりの共演

12月11日に放送された『相棒season23』にかつてレギュラーだった
三浦刑事(大谷亮介)が久々に再登場しました。


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三浦信輔刑事(演:大谷亮介)
大谷さんは2000年に土曜ワイド劇場で2時間ドラマとして放送された
『相棒』第1作(プレシーズン1)に三浦とは別の刑事役で出演した後、
翌年の土曜ワイド版第2作に警視庁捜査一課刑事・三浦信輔役として登場しました。

以来、2013年10月放送の『season12』第1話まで12年間、
国民的人気ドラマに育っていく『相棒』を脇で支えてきました。
『相棒』は特命係以外の部署の個性豊かな脇役達の人気に負うところも大きいドラマ。
三浦刑事は捜査一課同僚の伊丹刑事(川原和久)、芹沢刑事(山中崇史)との「トリオ・ザ・捜一」として、
『相棒』シリーズに欠かせない名物的存在でした。

2013年10月、『season12』第1話スペシャルでの降板は事前告知なしの突然なもので、
しかも刺されて足を負傷し、杖なしでは一生歩行困難になるとの診断を受け、
内勤への異動を打診されるも退職を選ぶという痛切な展開、ショックを受けたファンも多かったです。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/12-8542.html

その後、2016年元日スペシャルに2年3ヶ月ぶりの再登場しましたが、
冒頭のみの出演で、かつてチームを組んでいた伊丹や芹沢との絡みも無しと、
かなりあっさりしたものでした。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/14sp-dea1.html


今回はそれから約9年ぶりの再々登場。
もうそんなに経っていたのか!

登場の仕方は前回と似ていましたが、その時と比べれば出演シーンはだいぶ多く、
伊丹や芹沢との絡みもありました。

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ただ、約11年ぶりの再会にしては、ひどくあっさりしたものでした。
まぁこれは、描かれないだけで井丹や芹沢とは時々会っているのだとの推測も出来ますが、
それを暗示するような表現はありませんでした。

ストーリーは最近の『相棒』の中では面白かったです。
ただ、結末に明かされた事件の真相は、ちょっと無理あり過ぎでした。

平均世帯視聴率が9.8%。
season3の第8話より後、約20年続けてきた二桁視聴率が途切れるという残念な結果でした。
よりによって三浦刑事再登場の回で、とは思いますが、
全般的なテレビ視聴率低迷の状況、また年末で裏番組も強く、仕方ないところでしょう。

Old Fashioned Club 月野景史

2024年10月31日 (木)

【相棒23】第3話「楽園」は過去作「招かざる客」「待ちぼうけ」オマージュのクローズドサークル物

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2時間ドラマとしてのスタートが2000年なので、24年目となる『相棒』。
season23が無事スタートし、昨日第3話が終了しました。

1-2話は前後編で、初回・最終回に多い政治絡みのネタでした(正直やや食傷気味)。
今回は過去作へのオマージュ色の強い、少々マニアックな回でしたので、
レトロマニアックが本来のテーマである当ブログとしては、
簡単に感想など記さずにはいられません。


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『相棒season23』第3話「楽園」
2024年10月30日 放送

今回はいわゆる「クローズド・サークル」もの。
外界との連絡が閉ざされた山荘や孤島で起きる事件の犯人当て。
名探偵が活躍する古典的な推理小説に多い主題です。

『相棒』にもいくつか印象的な作品がありますが、
ネットや携帯電話・スマホが普及した現代では舞台設定が難しく、
まして主人公が警視庁の刑事である『相棒』では作り難く、数は多くはありません。
つまりクローズドサークルものというだけで『相棒』では異色作ということになります。
今回はネットが一切繋がらない、固定電話だけが連絡手段という地という舞台設定でした。

『相棒』のクローズドサークルで最も有名なのはおそらく、
“イカ”が凶器で知られるシーズン2第3話「殺人晩餐会」かと思いますが、
今回の「楽園」に最も近いのはこのブログでも佳作として取り上げたことがある
シーズン9第12話「招かれざる客」でしょう。

山奥の宿泊施設に偶然来合わせたように思える複数組の客。
杉下右京(水谷豊)も身分を隠して来訪する。
他の客もそれぞれ何かを隠している。

迎える宿側の人間もなにやらありげな男女1人ずつ。
そんな点が両方に共通の話。
宿は前回がオーベルジュで今回はペンション。
落ち着いた雰囲気でそこそこの高級感も共通ですが、別々の客がひとつの食卓を囲むのはペンション風といえるのか。

一般にクローズドサークルといえば、その閉ざされた空間内で殺人事件が起こり、
サスペンス感が高まりつつある中で話が進むのですが、
「招かざる客」も「楽園」も閉ざされた空間では殺人は起こりません。
その前に事件は起こっており、右京はその捜査の過程で、宿泊施設に行きつくという展開。
しかも右京は冒頭で宿泊施設に行着いており、それより前の事は追って描かれるという点も共通しています。

話が進むにつれ、客や宿側の人間たちの事情も明らかになってきますが、その中身までは似ていません。
そこまで同じだと、オマージュというよりリメイクになってしまいます。


そしてもうひとつ、別の回のオマージュともいえます。

これも傑作として当ブログで紹介した事のある
シーズン12第18話「待ちぼうけ」です。

今回、右京は亀山薫(寺脇康文)の休暇中に遠征して連絡が途絶えてしまったので、
亀山は右京ならどう行動するかを推理して、後を追いました。
その点が「待ちぼうけ」に似ています。

置いてきぼりをくらって後を追うのは「招かざる客」の2代目相棒 神戸尊(及川光博)も同じなのですが、
いちいち右京の足跡をたどる点は「待ちぼうけ」に近いです。

ただ、似ているとはいっても、展開は逆ともいえます。
「待ちぼうけ」で右京の後追いをするのは捜査一課の伊丹刑事ですが、
伊丹は独自推理をしたつもりが、結果的に右京の後追いだったと後で判明しガッカリというオチでした。
今回の亀山は意図的に右京の後追いをしており、その点の構図は逆。変則的なオマージュといえます。


そもそも私はミステリ好きなので、今回のような話は好みで、最近の回では比較的楽しめました。
今回はそれに加えて今風な犯罪組織のネタも入れ込んできましたが、少しゴチャゴチャしたし、
筋立てにもかなり無理があり、傑作とまではいえないかも知れませんが。

Old Fashioned Club 月野景史

2024年1月 3日 (水)

【相棒22】波乱の2024元日スペシャルは無理あり過ぎの展開

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2024年元日に放送予定と、このブログでも事前記事にした
『相棒seazon21』元日スペシャル 第10話「サイレント・タトゥ」ですが、
能登半島の震災のために、変則的な放送になってしまいました。

画面に震災情報を表示しながら時間通りスタートしたのですが。
後数分で終了というタイミングで大きな余震の情報が入り、結末がカットされてしまいました。
しかもその余震のマグニチュードは誤報で、実際はそれほどではなかったなどという、とんでもない顛末になりました。

しかし大きな災害ですので、これは仕方ないでしょう。
結末は見逃し配信で観ることが出来ます。
その環境がない方には、申し訳ないですが。


さて内容ですが、随分無理のあるストーリーでした。
9年近く放置された笛吹悦子(真飛聖)は無事。
子どもは男の子が生まれ、元気に育っている。
だったら、もっと早く報告しろよと突っ込みたくもなりますが、
ここはまぁ、めでたしめでたしでいいでしょう。

しかし犯人側の男女の動機と犯行内容は、いくらフィクションとはいえど、さすがに無理あり過ぎ。
さらに発端である被害者の男性のキャラもひど過ぎるし。

終盤の展開は2023年のヒットドラマ『VIVANT』の下手なパロディみたいなアジアの国での逃亡アクション。
配信で最後まで見ても、右京は亀山は架空の国「東国(とうこく)」の領事館に取り残されたまま。
次回予告を観る限り、無事帰国して普通に捜査にあたるようですが。

それよりも笛吹悦子です。
おそらく東国人の偽造パスポートで日本に帰国しており、
本物のパスポートは東国側に没収されたままだと思われます。
悦子は本来、国際線のCAなので、仕事ができなくなる筈です。
ただ、今回の内容からすると、国内線に配置転換されている可能性もありますが。
このあたりはあまり引っ張らず、後日談を今シーズン中に公開してほしいものです。


悦子の年齢
主筋とは関係ないですが、少し気になったのは笛吹悦子の年齢です。
劇中での私立探偵の調査によると40歳とのこと、2023年時点での年齢と思われます。
悦子の私生活のパートナーだった甲斐享(成宮寛貴)の生年は初登場に1983年と明示されています。
ということは、2023年に40歳で、甲斐享とは同じ年齢!

演じる真飛さんは成宮さんより6歳年上で、しかも成宮さんが実年齢よりかなり若く見えるので、
悦子は年上彼女である、というのが視聴者の共通認識だったのではないかと思うのですが・・・。
これまで、悦子の年齢、あるいは甲斐享との年齢関係について言及した描写があったかどうか、ちょっとわかりませんが。

今回、同い年と思える描写を差し込んできたことに意味はあるのでしょうか?

Old Fashioned Club 月野景史

2023年12月31日 (日)

【相棒22】元日スペシャルに笛吹悦子(真飛聖)があの「ダークナイト」以来約9年ぶり再登場

恒例の『相棒』元日スペシャル。
今回も2024年1月1日に放送されます。

2024年1月1日(月・祝) よる9:00~11:15テレビ朝日開局65周年記念
『相棒seazon21』元日スペシャル 第10話「サイレント・タトゥ」

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/story/0010/

今回は大きなサプライズ出演があります。
3代目相棒甲斐享(=カイト 演:成宮寛貴 2012年10月~2015年3月)の恋人として登場していた
笛吹悦子(真飛聖)の約9年ぶりの再登場です。


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甲斐享はシーズン13の最終回、衝撃的な「ダークナイト」で犯罪者として逮捕され、退場しました。
悦子は妊娠と白血病の発症で入院中にカイトの逮捕を知るというラストでした。
その際に書いた当ブログは当時、そして現在に至るまで多くのアクセスがあります。
甲斐享最終章「ダークナイト」がこれだけ非難される理由を検証する

その後、劇中でもカイトのことは何度か語られましたが、
悦子のことは、おそらく一度もふれられてないと思います。
病気は、そして子どもはどうなったのか?

もし子どもが生まれていたとしたら、祖父ということになる甲斐峯秋(石坂浩二)は出続けているのに、
悦子のことが何も語られないというのも、かなり不自然な状況でした。


第10話のあらすじを読む限り、悦子も無事、子どもも男の子が無事生まれたようで、
峯秋や、存在についてはふれられていたけど初登場となるカイトの兄の甲斐秋徳(新納慎也)、
更に杉下右京(水谷豊)のフォローを受けて、順調に育っているようです。

何やら拍子抜けするくらいの順調な流れのようで、心配したのがバカらしいくらいですが(笑)
その悦子母子が事件に巻き込まれるということなのでしょう。
まずは本編を見てから。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年11月27日 (月)

【相棒9】第12話「招かれざる客」 まるで舞台劇 マニアック感漂う神戸尊時代の異色作

昨日のブログの続きということになります。
以前、アガサ・クリスティ作の有名ミステリ『オリエント急行の殺人』
(または『オリエント急行殺人事件』1934年)を基とした
相棒の4本のエピソードについて書いたことがあります。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/4-ab9e.html

その1本が以下の回でした。

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◆『相棒』season9 第12話 「招かれざる客」 
2011年1月19日放送  脚本:戸田山雅司 監督:近藤俊明
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_09/story/0012/index.html
※本作は2023年11月28日午後にテレビ朝日にて再放送されます。
それに合わせ、改めてこの回について少し書いてみます。


さて、『オリエント急行の殺人』は欧州を縦断する長距離列車内で起きた殺人事件に
名探偵エルキュール・ポアロ(ポワロ)が挑む作品。
前回書いた「犯人はスズキ」同様、今回のテーマの「招かれざる客」にも
列車内の殺人などまったく出てこず、どこか『オリエント』と関係するのかと思うでしょう。

改めて、『オリエント急行殺人事件』の特徴を挙げてみます。

①外界から閉ざされた寝台列車内という、大きな密室状態の場での殺人事件。
②犯行の動機は過去の少女誘拐殺人犯への復讐。
③同じ意志を持つ複数の人間による計画的犯行。
④関係者が他人を装って集まる。


「招かざる客」は④の舞台設定が『オリエント』と非常に近いです。
過去の因縁で結ばれた人々が他人を装い、ひとつの場所に客として集う設定。
しかも、そのほとんどがある家の使用人であった点も同じ。
幸いなことに誘拐殺人は起きていませんが、その家の娘に纏わる話であることも共通しています。

郊外のオーベルジュ(レストランと宿泊施設を兼ね備えた施設)に偶然居合わせたように見える客達、
実はみな関係者であった。
そこに招かざる客の杉下右京(水谷豊)が現れて・・・。
探偵役が客の一人として参加する点も同じ。

ただし、ポワロか偶然でしたが、右京は意図的な参加。
といっても、それは話が進んでから明らかになります。


まるで舞台劇
更にいえば、舞台のほとんどはオーベルジュ内での展開であり、
全体に芝居がかったイメージで、舞台劇を思わせる雰囲気は、
戯曲も手掛けたクリスティ作品の持ち味が色濃く反映された作品と言えるのでしょう。
ゲストキャストが知り合いでありながら他人を装っているので、芝居がかっているのは当然なのですが、
探偵側の右京と神戸尊(及川光博)の二代目相棒コンビの計画的小芝居も魅力です。

列車も誘拐殺人も復讐もないので、この回を『オリエント急行』と結び付ける人はあまりいないかも知れませんが、
元使用人達の、かつての主(あるじ)と、その家の娘(孫)への強い思いという点は共通しています。
作品の持つテイストは、『オリエント』に近いと思います。


封印されたアウトロー水谷豊
この回はそれ以外にも、なにやらマニアックな雰囲気が漂っています。
小芝居の中で右京が演じたキャラは、『熱中時代』より前の若い頃の水谷さんの
封印されたアウトロー的な演技を彷彿とさせるものがあったりとか。
右京は身分を偽ることもありますが、アウトロー的人物を装うのは稀だと思います。
私の好きな作品です。

この回が放送された神戸期のシーズン9は視聴率にも『相棒』の全盛期で、本回も20.4%を記録しています。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年11月26日 (日)

【相棒6】第3話「犯人はスズキ」 “町内会”という閉ざされた世界の事件/亀山期異色の佳作

以前、アガサ・クリスティ作の有名ミステリ『オリエント急行の殺人』
(または『オリエント急行殺人事件』1934年)を基とした
『相棒』の4本のエピソードについて書いたことがあります。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/4-ab9e.html

その1本が以下の回でした。

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◆『相棒』season5 第3話 「犯人はスズキ」 
2006年10月25日放送  脚本:岩下悠子 監督:森本浩史
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_05/contents/story/0003/
※本作は2023年11月29日午後にテレビ朝日にて再放送されます。
それに合わせ、あらためてこの回について記してみます。

さて、『オリエント急行の殺人』は題名通り、欧州を縦断する長距離列車内で起きた殺人事件に
名探偵エルキュール・ポアロ(ポワロ)が挑む推理小説。
対して「犯人はスズキ」は列車内の殺人などまったく出てこず、どこが関係するのかと思うでしょう。


では改めて、『オリエント急行殺人事件』の特徴を挙げてみます。

①外界から閉ざされた寝台列車内という、大きな密室状態の場での殺人事件。
②犯行の動機は過去の少女誘拐殺人犯への、遺族・関係者による復讐。
③同じ意志を持つ複数の人間による計画的犯行。
④関係者が他人を装って集まる。

「犯人はスズキ」は②と③の要素を色濃く持っています。
特に②の少女誘拐殺人事件の犯人への、遺族による復讐という点はまさにそのままです。

ただし③については、『オリエント』での復讐殺人は、多数の関係者による計画性の高いものですが、
この回の復讐殺人は少女の父親による突発的なもので、それ自体に計画性は乏しい。

その代わり、事実を知った町内会の人々が父親を庇おうとしての偽装工作が計画的で、
それを右京と亀山が崩していくのがメインストーリーでした。
結果的に導き出された真相は違いますが、捜査の過程は『オリエント』と似ているのです。


シーズン5なので、『相棒』は亀山時代後期。
町内会という独特にコミュニティを“密室”に見立てたともいえる、ユニークな佳作です。
亀山が右京とほぼ同等の推理力を披露しているのも特徴。

ただ、偽装の過程で誘拐殺人とは無関係の人間(犯罪者ではあるが、極悪人とまではいえない)を
計画の為に巻き込み、殺害してしまう流れがあり、この男が通称スズキなのですが、
この点は同情し難く、少々残念に感じます。


『科捜研の女』の日野所長 斉藤暁出演作
本作には『相棒』と並ぶテレビ朝日の長寿警察ドラマ『科捜研の女』に研究員→所長役で
長くレギュラー出演する斉藤暁さんの、現在までて唯一の『相棒』出演回です。
斉藤さんは元警官で、計画の首謀者の1人の役でした。

斉藤さんは水谷豊さんのひとつ年下の1953年生まれで、当時53歳。
劇中では警察官を定年(60歳)で退職したとは明示されていなかったと思いますが、
印象としては定年退職後の元警官という感じでした。
昔から老成したイメージがある人で、今や好々爺風ともいえますが、
この頃の『科捜研』ではまだ所長ではなく、一研究員としてボケ役を担っており、少し違うイメージでの出演でした。
現在のだいぶ落ち着いた日野所長のイメージに近いかも知れません。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年11月20日 (月)

【相棒22】マーロウ矢木(高橋克実)が12年ぶり再々登場/11月22日放送第6話「名探偵と眠り姫」

今年の4月に『相棒』シリーズの過去の傑作2本について書きました。
「名探偵登場」相棒 season5 第10話 2006年12月13日放送 初代相棒亀山薫期
「名探偵再登場」相棒 season10 第11話 2012年1月11日放送 2代目相棒 神戸尊期
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2023/04/post-b5bfad.html

『相棒』22年の歴史の中でも、コミカル色の強い傑作といわれる回で、
1作目が初代亀山薫(寺脇康文)時代、2作目が2代目神戸尊(及川光博)時代と、
二代に亙る姉妹編です。

メインゲストは高橋克実さん。
マーロウ矢木」を自称する“チャンドラー探偵社”の私立探偵・矢木明を演じます。
名探偵というよりは“迷探偵”

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そのマーロウ矢木が、現在放送中『相棒seazon22』の2023年11月22日放送第6話「名探偵と眠り姫」で、
12年ぶりの再々登場を果たします。

更に、放送に先駆け、テレビ朝日では11月21日と22日午後に旧作2本を再放送します。

『相棒』の複数回登場のゲストキャラの中でもユニークで人気の高い矢木の登場。
楽しみです。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年10月28日 (土)

【相棒22】第2話終了 レストランの第三の被害者は栗山千明の婚約者だった

初代相棒 亀山薫が復帰して2期目となる『相棒 seazon22』第2話が終了しました。
先日のブログにも書いた通り、第1話と2話は前後編なので、
これでファーストエピソードが終了ということになります。

前回のブログで、メインゲストの栗山千明さんに絡むある考察をしました。

第1話は冒頭でいくつもの事件が紹介されるのですが、
その中のひとつ、1年前のレストラン爆破テロ事件。

狙われたのは、教団批判をしていた社会学者(テレビコメンテーター)
テロで亡くなったは被害者は3人とのこと。
この社会学者と、店のオーナー夫人が亡くなったことは明らかですが、もう一人が不明。
別に身元不明とかではなく、たまたま描写されないという感じの流れでした。

爆破直前の店のシーンで、誰かと待ち合わせをしていたらしい男性客がいました。
この人物と待ち合わせていたのが栗山千明では、と予想してのです。

だいたい私の予想は的外れのことが多いのですが、今回はこの点についてはピタリ当たりました。
亡くなったその客が待っていたのは栗山千明で、婚約者だったのです。
つまり、栗山千明はそれを発端として、事件に関わっていったということです。

内容には賛否ありますが、やはり右京・亀山のコンビは良いです。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年10月20日 (金)

【相棒22】初回前後編 テーマは公安との暗闘?/栗山千明にもう秘密はないのか? レストランの待ち合わせ客は?

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初代相棒 亀山薫(寺脇康文)が杉下右京(水谷豊)の“相棒として”復帰して2期目となる
『相棒 seazon22』が無事スタートしました。
ファーストエピソードは前後編。
前編はまずまずおもしろく観ましたが、少々解り難い面あり。
そして全体の評価も、後編を観ないことには、というところです。


初回の何が解り難かったというと、冒頭で複数の事件・事案が一気に紹介されたからです。
別に一挙に事件が起きたわけでもないのですが、関連する過去の事件が遡って慌ただしく紹介された感じ。
並べると、こういったところです。

・右京たちがたまたま知り合った栗山千明の婚約者(市川知宏)の失踪(2週間前)
・伊丹刑事たちが捜査している、直近の転落死事件
・10年前に宗教団体が起こした同時多発薬物テロ
・1年前のレストランでの爆弾テロと、その容疑者の転落自殺

その後の展開は、
右京と亀山は栗山千明と共に婚約者の行方を独自捜査。
やがて栗山は、右京たちに捜査させるために、計画的に近づいたこともあっさり白状。
一方警視庁では捜査の主導権をめぐって刑事部と公安がせめぎ合い。



次回予告でのネタバレ
こんなややこしい状況で後編に向かうのですが、
実は公式サイトの次回予告で結構ネタバレしてしまっています。

まとめると、
行方不明の市川知宏は実は公安の潜入捜査員。
しかし潜入した宗教団体に取り込まれてしまった。
公安部はそれを隠蔽するために工作を行なっている。
公安の組織優先の身勝手な論理に、右京の怒りが爆発!
といった展開のようです。

しかしここまでバレてしまうと、考察の余地はないように思います。
実際、考察で盛り上がっているようにも感じないし。


栗山千明にもう秘密はないのか
一方で、メインゲストの栗山千明さんについては、予告であまり言及がありません。
策を労して右京たちに接近したことは前編でバレてしまっているので、それ以上の秘密はなく、
婚約者の正体も知らずに、純粋に彼の身を案じていて、彼の裏切りを知らされるだけなのか。

いや、そうとも思い難い。
実は一人謎の人物がいるのです。

1年前のレストラン爆破テロ事件。
狙われたのは、教団批判をしていた社会学者(テレビコメンテーター)。
この社会学者と、店のオーナー夫人が亡くなったことは明示されていますが、
テロの犠牲者は3人と紹介されているので、もう一人いる筈。

店で社会学者の隣の席で、誰かと待ち合わせをしていたらしい男性客の描写がありました。
オーナー夫人から先に飲み物だけでもと勧められるけど、それを断って待ち人している様子。
このシーンは解り難く、この男性客を社会学者と混同している人もいるようですが、別人です。
この男について前編ではその後、一切言及がありませんでしたが、もう一人の犠牲者ではないかとも推測できます。
社会学者の隣の席に座っていたので、巻き添えになったと考える方が自然なのです。


もしかしたら、この人物と待ち合わせていたのが栗山千明だったのでは?
婚約者の失踪はわずか2週間前。
そこから策を労して右京たちに接近したとは、ドラマとはいえちょっと性急過ぎる気も。
そもそも市川知宏が婚約者だというのも、栗山の自己申告だけで、証拠はないように思います。
1年前の事件を調べていて何かをつかみ、調べを進めるため、右京たちに接近したのでは、
・・・などと考えているのですが、どうでしょう。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年6月25日 (日)

【ドラマ】『相棒』で多くの傑作を残した古沢良太氏/大河ドラマとの相性は(?)

今年の大河ドラマ『どうする家康』は古沢良太さんの作。
(「ふるさわ」ではなく「こさわ りょうた」と読みます)

古沢さんは『リーガル・ハイ』シリーズや『コンフィデンスマンJP』など、
民放の人気連続ドラマのライターとして知られます。
(『コンフィ~』は連ドラとしては視聴率的に成功作とも言い難いですが、映画版はよかったようです)


その古沢氏ですが、かつては『相棒』の主力脚本家の一人で、
印象的な傑作を多く残してきました。

大作ではシーズン5、2007年の元日スペシャル「バベルの塔〜史上最悪のカウントダウン!」などは
『相棒』の長時間スペシャルの中でも屈指の傑作でしょう。

他にこのブログでも通常回の傑作として紹介した以下のエビソードも古沢氏の作です。
シーズン5 「スウィートホーム」
シーズン12 「待ちぼうけ

更に、花の里2代目女将・月本幸子(鈴木杏樹)がレギュラー入りする前の、
初登場回を除く3本の登場回も古沢脚本で、こちらもいずれも傑作回です。

随分「傑作」を連呼しました。
私が“古沢『相棒』”のファンなのだと言うべきかも知れません。

しかし、残念ながら上述の「待ちぼうけ」(2014年)を最後に、
古沢さんは『相棒』と疎遠になっているのですが。


さて『どうする家康』はどうなのか?
どうも評判は今ひとつに感じます。

視聴率も二桁をギリギリ保っているような状況で、
今の時代に悪いとまではいえなくても、「良い」ともいえないでしょう。

古沢さんの身上は、一話完結の中で見せるトリッキーな展開にあるように思います。
特に「待ちぼうけ」などはその典型。
冒頭から何が起こっているのがさっぱり分からないけど、
テンポの良い流れと、ユニークで印象的なシーンで視聴者を惹き付け、
やがて全体像が見えてきた時の驚き、見事でした。


しかし、大河ドラマではどうか。
やはり1年かけて継続していく物語だし、
歴史物なので、大枠でいえば先のストーリーは分かっています。

もちろん、その上で面白く作っていくのが腕の見せどころでしょう。
ですが、どちらかといえば向かない分野のようにも思えます。

Old Fashioned Club 月野景史

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